ACCEPT
ACCEPTの詳しいBiographyと全作品のディスコグラフィ。アルバムごとの個別ページも掲載するMETAL BOOSTのアーティストページ。
Biography
ジャーマン・ヘヴィメタルの始祖
ACCEPT (アクセプト)の歴史的変遷、音楽的構造
1. ゾーリンゲンの鋼鉄とテウトニック・メタルの胎動
ドイツ連邦共和国(West Germany) のノルトライン=ヴェストファーレン州 (North Rhine-Westphalia) に位置する工業都市ゾーリンゲン (Solingen)は、中世より刃物の製造で知られ、「刃物の街 (City of Blades)」としての異名を持つ。この硬質で鋭利な金属加工の伝統を持つ街から、1970年代、ポピュラー音楽史における最も重要なヘヴィメタル (Heavy Metal) バンドの一つ、ACCEPT (アクセプト) が出現したことは、歴史的な必然性を感じさせる象徴的な事実である。
ACCEPTの音楽は、Scorpions (スコーピオンズ)が開拓したドイツのハードロックシーンを継承しつつも、より攻撃的で、より重厚かつ高速なサウンドを提示した。特に、クラシック音楽の旋律をエレクトリックギターに導入する手法や、社会的なタブーに切り込む鋭利な歌詞世界は、後のスラッシュメタル (Thrash Metal)、スピードメタル (Speed Metal)、パワーメタル (Power Metal) といったサブジャンルの形成に決定的な影響を与えた。
2. 第1章: 黎明期とアイデンティティの模索 (1968年-1980年)
2.1 Band Xの結成とアマチュア時代 (The Band X Era)
ACCEPTの歴史的起源は、1968年頃に遡る。当時、若きボーカリストであるUdo Dirkschneider (ウド・ダークシュナイダー) は、Band Xという名称のグループを結成し、ゾーリンゲン周辺で活動を開始した。この時期の活動は断片的であり、メンバーの出入りも激しかったが、Udoはこの頃からプロフェッショナルなミュージシャンとしてのキャリアを志向していた。
1970年代に入り、バンド名はACCEPT (アクセプト) へと変更される。この名称は、UdoがブルースロックバンドChicken Shack (チキン・シャック) のアルバム『Accept』から着想を得て命名したものである。しかし、バンド名が決まったものの、ラインナップは安定せず、音楽的な方向性も定まらないまま数年が経過した。この「第一次安定期」以前のメンバーには、Michael Wagener (マイケル・ワグナー) がギタリストとして在籍していた時期もある。彼は後にDokken (ドッケン) やSkid Row (スキッド・ロウ)、そしてACCEPT自身の作品を手掛ける世界的プロデューサーとなるが、初期段階ではバンドの一員として活動していた事実は重要である。
2.2 1976年: Rock am Rhein フェスティバルとプロデビュー
1976年、ACCEPTにとって決定的な転機が訪れる。ドイツで開催された最初期の野外ロックフェスティバルの一つ、「Rock am Rhein (ロック・アム・ライン)」への出演である。数千人の観衆を前にしたこのパフォーマンスにおいて、ACCEPTは当時まだ「ヘヴィメタル」という名称が一般的でなかったドイツの聴衆に対し、前例のない攻撃的でラウドなサウンドを提示した。
当時のラインナップは以下の通りである:
- Udo Dirkschneider (ウド・ダークシュナイダー) - Vocals
- Wolf Hoffmann (ウルフ・ホフマン) - Guitar
- Peter Baltes (ピーター・バルテス) - Bass
- Gerhard Wahl (ゲルハルト・ワール) - Guitar
- Frank Friedrich (フランク・フリードリヒ) - Drums
このフェスティバルでの成功により、バンドはメジャーレーベルからの注目を集め、契約を獲得することに成功した。これは、ゾーリンゲンという地方都市のアマチュアバンドが、プロフェッショナルな音楽産業へと足を踏み入れた瞬間であった。
2.3 『Accept』 (1979) - 殺戮のチェーンソー
1979年、セルフタイトルのデビューアルバム 『Accept (邦題: アクセプト~殺戮のチェーンソー)』がBrain Recordsよりリリースされた。このアルバムは、後のACCEPTサウンドの萌芽が見られるものの、まだスタイルは確立されていない。特筆すべきは、ベーシストのPeter Baltesが 「Seawinds」 や 「Sounds of War」 といった楽曲でリードボーカルを担当している点である。Udoの特徴的すぎる金切り声 (スクリーミング・ボイス)に対し、Peterのより滑らかでメロディアスな歌声は、バンドの音楽性に幅を持たせる役割を果たしていたが、同時にバンドの「顔」が誰であるかという点においては曖昧さを残していた。
レコーディング直後、ドラマーのFrank Friedrichが脱退し、後任としてStefan Kaufmann (ステファン・カウフマン) が加入する。Stefanの加入は、後のバンドのタイトなリズム隊の形成において極めて重要な要素となった。
2.4 『I'm a Rebel』 (1980) - 商業的圧力と迷走
1980年にリリースされた2作目 『I'm a Rebel (アイム・ア・レベル)』は、バンドにとって試練の作品となった。レーベル側はバンドに対してより商業的な成功 (ラジオヒット)を求めており、その意向がアルバム制作に色濃く反映された。表題曲「I'm a Rebel」は、AC/DCのギタリスト兄弟の兄であるAlex Young (アレックス・ヤング) によって書かれた楽曲であり、AC/DC直系の縦ノリのロックンロールであった。バンドはこの曲を受け入れ録音したが、自分たちの本来目指すべきアグレッシブなスタイルとの乖離に葛藤を抱えることとなった。この時期、バンドは自分たちのアイデンティティを確立するために必死にもがいており、外部からの圧力に対する反発が、次作以降の爆発的なエネルギーへと繋がっていく。
3. 第2章: 黄金時代の到来とヘヴィメタルの革新 (1981年-1986年)
3.1 『Breaker』 (1981) - 真のACCEPTサウンドの確立
1981年リリースの3作目 『Breaker (ブレイカー〜戦慄の掟)』において、ACCEPTは「商業主義との決別」を宣言した。ACCEPTは外部のソングライターを排除し、自分たちが信じるハードで攻撃的な音楽のみを追求する姿勢を明確にした。エンジニアとしてかつての盟友Michael Wagenerが参加したこのアルバムは、過剰な装飾を削ぎ落としたソリッドな音像が特徴である。「Son of a Bitch」のような過激な歌詞を含む楽曲は、バンドの反骨精神 (Rebellion) の象徴となり、Udoのヴォーカルスタイルも完全に確立された。Andy Sneap (アンディ・スニープ) (後のプロデューサー)は、このアルバムを「最もプロダクションが優れている」と評しており、特にオープニングの「Starlight」のギターサウンドを称賛している。
3.2 『Restless and Wild』 (1982) - スピードメタルの発明
1982年、ヘヴィメタル史における最重要作品の一つ 『Restless and Wild (レストレス・アンド・ワイルド)』 がリリースされた。このアルバムは、スラッシュメタルやスピードメタルの源流と見なされている。
楽曲分析: Fast as a Shark
アルバムの冒頭を飾る 「Fast as a Shark (ファスト・アズ・ア・シャーク)」 は、音楽史的な転換点であった。
- イントロダクション: ドイツの古い民謡「Ein Heller und ein Batzen (ハイディ・ハイド)」の楽しげな録音から始まり、突如としてレコード針がスクラッチされる不快な音が響く。
- 本編: その直後、Udoの絶叫と共に、Stefan Kaufmannによるツーバス (Double Bass Drum)の連打と、Wolf Hoffmannによる高速リフが炸裂する。
- 影響: AnthraxのScott Ianはこの曲を「プロト・スラッシュ (Proto-Thrash)」と呼び、MetallicaやSlayerといったバンドに多大な影響を与えたと証言している。それまでのモーターヘッド (Motörhead) などが提示していたスピード感に、より鋭利なギターリフと構成美を加えた点が革 অভিনであった。
また、アルバムのラストを飾る 「Princess of the Dawn (プリンセス・オブ・ザ・ドーン)」 では、テンポを落とし、緊張感を維持しながら展開するドラマティックな構成を見せ、Wolf Hoffmannのギターソロにおける構築美が際立っている。
3.3 『Balls to the Wall』 (1983) - 世界的成功と歌詞の深み
1983年、バンドはCBS/Portrait Recordsと契約し、アメリカ市場へ本格進出する。その第一弾となった 『Balls to the Wall (ボールズ・トゥ・ザ・ウォール)』は、商業的にも批評的にも大成功を収め、アメリカでゴールドディスクを獲得した。
この時期、マネージャーのGaby Hoffmann (ギャビー・ホフマン) (当時はGaby Hauke) が、"Deaffy" (デフィ) というペンネームを用いて作詞を全面的に担当するようになった。
- 歌詞のテーマ: 従来の「セックス、ドラッグ、ロックンロール」というクリシェを脱し、政治的抑圧、マイノリティの苦悩、人権問題といったシリアスなテーマを取り上げた。
- 論争 (Controversy): タイトル曲 「Balls to the Wall」や「London Leatherboys」、「Love Child」といった楽曲は、同性愛 (Homosexuality) をテーマにしていると解釈され、保守的なアメリカ市場で物議を醸した。しかし、Gabyとバンド側はこれを「抑圧された人々 (Suppressed people) への連帯」や「アウトサイダーの生き様」として表現しており、特定の性的指向のみを歌ったものではないと説明している。この「知的な挑発」は、ACCEPTを単なる騒がしいバンド以上の存在へと押し上げた。
3.4 『Metal Heart』 (1985) - クラシックとの融合
1985年の 『Metal Heart (メタル・ハート)』では、Scorpionsのプロデューサーとして著名なDieter Dierks (ディーター・ダークス) を迎え、より洗練されたメジャー感のあるサウンドプロダクションを目指した。
- 音楽的特徴: タイトル曲 「Metal Heart」では、チャイコフスキー (Tchaikovsky) の『スラヴ行進曲 (Marche Slave)』 やベートーヴェン (Beethoven) の『エリーゼのために (Für Elise)』 のフレーズがギターソロに大胆に導入された。これはWolf Hoffmannのクラシック音楽への傾倒が結晶化したものであり、後のネオクラシカル・メタルへの架け橋となった。
- 日本での成功: 同年、日本ツアーを行い、その模様はライブミニアルバム 『Kaizoku-Ban (カイズクバン: Live in Japan)』 としてリリースされた。
3.5 『Russian Roulette』 (1986) - 原点回帰と亀裂
前作の洗練された路線に対し、1986年の 『Russian Roulette (ロシアン・ルーレット)』 では、よりダークでソリッドなサウンドへの回帰が図られた。冷戦下の緊張感を反映した反戦的なテーマや、「T.V. War」のような高速ナンバーが含まれていたが、バンド内部では音楽的方向性を巡る意見の相違が深刻化していた。アメリカ市場でのさらなる成功を目指し、よりメロディアスなアプローチを求めるWolfやPeterと、独自の無骨なスタイルを固持しようとするUdoとの間で溝が埋めがたいものとなっていた。
4. 第3章: 分裂、迷走、そして解散 (1987年-1997年)
4.1 Udoの脱退とDavid Reece期『Eat the Heat』(1989)
1987年、バンドは友好的という名目でUdo Dirkschneiderを解雇 (あるいは合意の上での脱退)する。Udoは自身のバンドU.D.O.を結成し、ACCEPTのメンバーが作曲したアルバム『Animal House』 でソロデビューを果たした。
一方、ACCEPTはアメリカ人ボーカリスト David Reece (デヴィッド・リース)を迎え、1989年にアルバム 『Eat the Heat (イート・ザ・ヒート)』 をリリースした。
- 音楽的変貌: このアルバムは、Udo時代の無骨さを完全に排除し、アメリカのラジオエアプレイを意識したAOR/グラム・メタル寄りのサウンドへと変貌した。技術的なクオリティは高かったものの、既存のファンからは「Acceptの名を冠する必要がない」と拒絶された。
- 第一次解散: ツアー中、長年のドラマーであるStefan Kaufmannが背中の深刻な負傷により離脱。さらにドラマーとしてKen Mary (ケン・メリー) がサポートに入ったが、バンド内の人間関係も悪化し、ツアー途中でDavid Reeceが解雇され、バンドは1989年に解散した。
4.2 90年代の再結成: 『Objection Overruled』から『Predator』へ
1990年にリリースされたライブアルバム 『Staying a Life (ステイング・ア・ライフ)』 (1985年の大阪公演収録)が世界的なヒットとなり、黄金期のラインナップによる再結成を望む声が高まった。これに応える形で、1992年にUdo、Wolf、Peter、Stefanの4人で再結成が実現する。
- 『Objection Overruled』 (1993): 「偉大なる鉄路」と邦題が付けられたこのアルバムは、まさにファンが求めていたクラシックなACCEPTサウンドの復活であり、欧州を中心に歓迎された。
- 『Death Row』 (1994): しかし、続く『Death Row』では、当時流行していたパンテラ (Pantera) などのグルーヴ・メタルの影響を取り入れ、楽曲が冗長化・画一化したことで評価を落とした。この時期、Stefan Kaufmannが健康問題で再度ドラムを演奏できなくなり、Stefan Schwarzmann (ステファン・シュヴァルツマン) が加入した。
- 『Predator』 (1996): 最後のアルバムとなった『Predator』では、Michael Wagenerをプロデューサーに迎えたが、Peterがボーカルをとる曲が増えるなどバンドの方向性は散漫になり、1997年のツアー終了後に二度目の解散を宣言した。
5. 第4章: 奇跡の復活とMark Tornillo時代 (2009年 - 現在)
5.1 第三の誕生: Mark Tornilloとの出会い
2005年の短期間のフェスティバル出演を経て、ACCEPTは過去の存在になったと思われていた。しかし2009年、Wolf と Peterは、元T.T. Quickのボーカリスト、Mark Tornillo (マーク・トルニロ) と出会う。ジャムセッションで彼の歌声を聴いた瞬間、二人は「これならACCEPTを再生できる」と確信した。Markの声はUdoの持つ攻撃的なハスキーさを備えつつ、より正確なピッチとメロディを歌い上げる能力を持っていた。Udoは再結成への参加を拒否したため、バンドはMarkを迎えての再始動を決意する。
5.2 『Blood of the Nations』 (2010) - 現代メタルの傑作
2010年にリリースされた14年ぶりのスタジオアルバム 『Blood of the Nations (ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ)』 は、メタル史上最も成功したカムバック・アルバムの一つと評価されている。
- Andy Sneapの貢献: プロデューサーにAndy Sneapを迎えたことで、バンドのサウンドは現代的にアップデートされた。かつての泥臭さを残しつつ、クリアで分離の良い音像と、圧倒的な音圧を実現した。
- 楽曲: 「Teutonic Terror」 や 「The Abyss」 といった楽曲は、往年の名曲に匹敵するアンセムとなり、バンドは新たな黄金期を迎えた。
5.3 安定と繁栄: 『Stalingrad』『Blind Rage』『The Rise of Chaos』
以降、バンドはコンスタントに高品質なアルバムをリリースし続ける。
- 『Stalingrad』 (2012): 前作の路線を継承し、独ソ戦の激戦地スターリングラードをモチーフにした表題曲など、叙事詩的なスケール感を増した。
- 『Blind Rage』 (2014): ドイツの公式アルバムチャートでバンド史上初の1位を獲得。商業的頂点を極めた。
- 『The Rise of Chaos』 (2017): ギタリストにUwe Lulis (ウヴェ・ルリス)、ドラマーにChristopher Williams (クリストファー・ウィリアムズ) を迎えた新体制での作品。よりストレートなメタルサウンドを展開した。
5.4 Peter Baltesの脱退と現在のACCEPT (2018年-2024年)
2018年、結成以来Wolfと共にバンドを支え続けたベーシストPeter Baltesが脱退を発表し、ファンに衝撃を与えた。しかしWolfはバンドを継続させ、後任にMartin Motnik (マーティン・モトニック) を起用。さらにライブサポートだったPhilip Shouse (フィリップ・シャウス) を正式メンバーに加え、トリプル・ギター編成 (3本のギター) という新たな武器を手に入れた。
- 『Too Mean to Die』 (2021): 「死ぬには意地悪すぎる」というタイトルの通り、コロナ禍においても攻撃的な姿勢を崩さず、トリプルギターによる厚みのあるハーモニーを披露した。
- 『Humanoid』 (2024): Napalm Records移籍第一弾。AI(人工知能) やテクノロジーによる人間性の喪失をテーマに、円熟と攻撃性を兼ね備えた最新作を発表している。
6. ディスコグラフィー (Discography)
ACCEPTの全スタジオアルバムについて、そのデータと批評的分析を以下に示す。
6.1 スタジオアルバム一覧 (Studio Albums)
| 発売年 | タイトル (Title) | レーベル | 主なラインナップ変遷 | 特徴・批評・チャート |
|---|---|---|---|---|
| 1979 | Accept (アクセプト~殺戮のチェーンソー) |
Brain | Udo, Wolf, Peter, Gerhard Wahl, Frank Friedrich | デビュー作。荒削りだがエネルギーに満ちている。PeterがVoをとる曲があり、スタイルは未確立。 |
| 1980 | I'm a Rebel (アイム・ア・レベル) |
Brain | Gerhard Wahl → Jörg Fischer加入(1978頃), F.Friedrich → Stefan Kaufmann加入 | 商業的プレッシャーによるポップ化。「I'm a Rebel」はAC/DCのアレックス・ヤング作曲。方向性の迷いが見える。 |
| 1981 | Breaker (ブレイカー〜戦慄の掟) |
Brain | Udo, Wolf, Jörg, Peter, Stefan | 転換点。外部ライターを排除し、独自のハードサウンドを確立。「Son of a Bitch」収録。Michael Wagenerエンジニア。 |
| 1982 | Restless and Wild (レストレス・アンド・ワイルド) |
Brain | Jörg Fischer一時脱退→ Herman Frank (クレジットのみの場合あり) | 歴史的名盤。スピードメタルの始祖。「Fast as a Shark」収録。A面の攻撃性とB面の重厚さの対比。 |
| 1983 | Balls to the Wall (ボールズ・トゥ・ザ・ウォール) |
RCA/Portrait | Herman Frank (G)正式参加 | 最大ヒット作。米国ゴールドディスク。社会的・政治的歌詞(Deaffy)の導入。ミドルテンポのアンセムが主体。 |
| 1985 | Metal Heart (メタル・ハート) |
RCA | Herman Frank → Jörg Fischer復帰 | Dieter Dierksプロデュース。より洗練された音像とクラシック導入。「Metal Heart」「Midnight Mover」。 |
| 1986 | Russian Roulette (ロシアン・ルーレット) |
RCA | 同上 | 原点回帰。ソリッドでダークな質感。反戦テーマ。「T.V. War」。バンド内の緊張がピークに。 |
| 1989 | Eat the Heat (イート・ザ・ヒート) |
RCA | Udo脱退→ David Reece (Vo), Jörg脱退→ Jim Stacey (G) | 米国市場向けメロディアス路線。クオリティは高いがファンに拒絶される。商業的失敗。 |
| 1993 | Objection Overruled (オブジェクション・オーヴァールールド) |
RCA | Udo復帰 (Vo), Wolf, Peter, Stefan | 再結成成功作。往年のACCEPTサウンドの完全復活。「Bulletproof」「Slaves to Metal」。完璧なバランス。 |
| 1994 | Death Row (デス・ロウ) |
RCA | Stefan Kaufmann 最後のドラム | グルーヴ・メタルへの傾倒。楽曲が冗長で評価が分かれる。「Bad Habits Die Hard」。 |
| 1996 | Predator (プレデター) |
RCA | Stefan → Michael Cartellone (Dr) | 最終作。カントリーや民族音楽的要素も導入するが散漫。Michael Wagenerプロデュース。 |
| 2010 | Blood of the Nations (ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ) |
Nuclear Blast | Mark Tornillo (Vo)加入, Herman Frank復帰, Stefan Schwarzmann (Dr) | 奇跡の復活。Andy Sneapプロデュース。「Teutonic Terror」は新たな代表曲に。 |
| 2012 | Stalingrad (スターリングラード) |
Nuclear Blast | 同上 | 前作の成功を継承。よりドラマティックで叙事詩的な展開。 |
| 2014 | Blind Rage (ブラインド・レイジ) |
Nuclear Blast | 同上 | 独チャート1位。メロディとアグレッションの「Stampede」。 |
| 2017 | The Rise of Chaos (ザ・ライズ・オブ・ケイオス) |
Nuclear Blast | Herman/Schwarzmann脱退 → Uwe Lulis (G), Christopher Williams (Dr) | 新体制第一弾。ストレートなヘヴィメタル。「Koolaid」「Die by the Sword」。 |
| 2021 | Too Mean to Die (トゥー・ミーン・トゥ・ダイ) |
Nuclear Blast | Peter Baltes脱退→ Martin Motnik (B), Philip Shouse (G)加入 | トリプルギター編成。攻撃性を維持。「The Undertaker」「Zombie Apocalypse」。 |
| 2024 | Humanoid (ヒューマノイド) |
Napalm | 同上 | 最新作。テクノロジーと人間性をテーマにしたコンセプト。 |
6.2 映像作品とライブアルバム (Videography & Live Albums)
ACCEPTのライブパフォーマンスは、その正確無比な演奏とUdo (およびMark) のカリスマ性で定評がある。
- Kaizoku-Ban (Live in Japan) (1985) [EP]: 日本での熱狂的な人気を証明する作品。タイトルは日本語の「海賊盤」に由来するが、正規リリースである。
- Staying a Life (1990) [Album/Video]: 1985年の大阪フェスティバルホール公演を収録。バンド解散中にリリースされ、全盛期の凄まじいエネルギーを記録した歴史的ドキュメント。再結成の触媒となった。
- All Areas - Worldwide (1997) [Album]: 再結成期(1993-1996) のライブ音源集。2枚組で当時のセットリストを網羅しているが、編集盤的な側面が強い。
- Metal Blast from the Past (2002): ヒストリーDVD。日本公演、ブルガリア公演、ミュージックビデオ集などを含むアーカイブ集。
- Restless and Live (2017): 2015年の「Bang Your Head!!! Festival」でのフルセットを収録。Mark Tornillo時代の充実ぶりを映像で確認できる決定版。
- Symphonic Terror: Live at Wacken 2017 (2018): 世界最大級のメタルフェス「Wacken Open Air」 でのオーケストラ共演ライブ。Wolf Hoffmannのソロプロジェクト的要素とACCEPTの楽曲が融合した壮大なスペクタクル。
7. メンバー詳細プロフィールと役割 (Detailed Member Profiles)
7.1 現在のメンバー (Current Members)
- Wolf Hoffmann (ウルフ・ホフマン) [Guitar] (1976-1989, 1992-1997, 2005, 2009-現在)
- 役割: バンドのリーダー、メインソングライター。
- スタイル: クラシック音楽 (チャイコフスキー、ベートーヴェン、ビゼー等)の理論をロックギターに応用。ペンタトニックスケールに依存しない、メロディアスかつ構築的なソロワークが特徴。写真家としてもプロフェッショナルな活動を行っている。
- Mark Tornillo (マーク・トルニロ) [Vocals] (2009-現在)
- 出自: アメリカ・ニュージャージー州出身。元T.T. Quick。
- スタイル: Udoに似たハスキーな高音スクリームを持ちつつ、中低音域の豊かな響きとメロディ歌唱力を持つ。彼の加入により、ACCEPTは新たな音楽的領域へ踏み込むことが可能になった。
- Uwe Lulis (ウヴェ・ルリス) [Guitar] (2015-現在)
- 出自: 元Grave Digger (グレイヴ・ディガー)。
- 役割: リズムギターの要。ドイツのメタルシーンにおけるベテランであり、バンドのボトムを支える。
- Christopher Williams (クリストファー・ウィリアムズ) (2015-現在)
- 出自: アメリカ出身。
- スタイル: 高い技術とエネルギッシュなパフォーマンスで、バンドに若々しい推進力を与えている。
- Martin Motnik (マーティン・モトニック) (2019-現在)
- 出自: ドイツ出身、ナッシュビル拠点のセッションミュージシャン (Uli Jon Rothなど)。
- 役割: Peter Baltesの後任という重責を担う。テクニカルかつグルーヴィーなプレイが特徴。
- Philip Shouse (フィリップ・シャウス) [Guitar] (2019-現在)
- 出自: アメリカ出身。Gene Simmons BandやAce Frehleyのバックバンド経験あり。
- 役割: 当初はツアー要員だったが、正式加入しトリプルギター体制の一翼を担う。
7.2 重要な過去のメンバー (Key Past Members)
- Udo Dirkschneider (ウド・ダークシュナイダー) [Vocals] (1976-1987, 1992-1997, 2005)
- 象徴: 迷彩服、短髪、そして特異な金切り声で「ジャーマン・メタル」のパブリックイメージを決定づけた。現在はU.D.O.を率い、ACCEPT時代の楽曲を演奏するツアーも行うが、本家ACCEPTとは距離を置いている。
- Peter Baltes (ピーター・バルテス) (1976-2018)
- 貢献: Wolfと共にバンドの核であり、多くの楽曲を作曲。ベースプレイのみならず、コーラスワークや一部楽曲でのリードボーカル (「The King」 「Pomp and Circumstance」 等)でも貢献した。2018年の脱退後はU.D.O.に参加し、Udoと再合流している。
- Stefan Kaufmann (ステファン・カウフマン) (1980-1989, 1992-1994)
- 貢献: 黄金期のリズムを支えた。背中の疾患によりドラマーを引退したが、その後はギタリストに転向したり、エンジニアとしてACCEPTやU.D.O.の作品に関与し続けている。
- Gaby Hoffmann (née Hauke) / "Deaffy" [Manager, Lyricist]
- 役割: 正式メンバーではないが、バンドの「影のメンバー」。マネージャーとしてバンドを世界進出させ、"Deaffy"名義で作詞を担当。社会的・知的なテーマをバンドにもたらし、アルバムジャケットのアートコンセプト (『Balls to the Wall』等) も手掛けた。
8. 不滅のテウトニック・テラー
ACCEPTの歴史は、決して平坦なものではなかった。メンバーの離散、音楽的流行の変化による迷走、そして長い沈黙。しかし、それら全ての困難を乗り越え、ACCEPTは今なおヘヴィメタルシーンの最前線に君臨している。
ACCEPTの功績は、以下の3点に集約される:
- ジャンルの開拓: 『Restless and Wild』により、スピードメタルおよびスラッシュメタルの雛形を作り上げ、Metallicaら後続のバンドに決定的なインスピレーションを与えた。
- スタイルの確立: クラシック音楽の美学とヘヴィメタルの攻撃性を融合させ、ドイツ特有の「テウトニック・メタル」というサブジャンルを確立した。
- 再生のモデル: 伝説的ボーカリスト (Udo) 不在という致命的状況から、Mark Tornillo という新たな才能と共に完全復活を遂げ、「現在進行形のレジェンド」としてのあり方を提示した。
ゾーリンゲンの工場から響いたその轟音は、半世紀を経てもなお色褪せることなく、世界中のメタルヘッズ (Metalheads) の魂を震わせ続けている。
Trivia
その初来日は、そのまま作品になった。バンドは1985年9月19日の名古屋公演を録音することに決め、同じ年の後半に、そのショーからのライヴ・アルバムを『Kaizoku-Ban(海賊盤)』としてリリースしている。正規盤なのに「海賊盤」を名乗るという、日本語を知っていなければ成立しないタイトルである。
日本公演から生まれた公式ライヴ作品は、それだけではない。1990年に出たダブル・アルバム『Staying A Life』も、1985年に大阪で録音されたものである。バンドは今日に至るまで、収録された曲をひとつとして再録音も差し替えもしていないこの作品を、自分たちの最大の功績のひとつだと考えている。つまり1985年の日本ツアーからは、2種類の公式ライヴ盤が残った。
日本盤には邦題の副題が付いた作品がある。1979年のデビュー作『Accept』は『アクセプト~殺戮のチェーンソー』、1981年の3作目『Breaker』は『ブレイカー~戦慄の掟』として国内盤が出ている。
同じ日本盤でも、扱いは作品ごとに違う。2024年の『Humanoid』日本盤(品番GQCS-91457)は日本語解説書と歌詞対訳付きだが、収録は11曲で、輸入盤にボーナス・トラックとして入っているカーティス・メイフィールドのカヴァー「Hard Times」は含まれていない。日本盤が1曲多い作品もあれば、1曲少ない作品もある、ということになる。
『Metal Heart』を携えたワールド・ツアーは1985年2月から9月まで続き、その中にACCEPTにとって初めての日本公演が含まれていた。つまり初来日は、8か月に及ぶツアーの最終盤にあたる。日本から戻ってわずか数週間後、バンドは次作『Russian Roulette』の録音に入っている。
1990年に出たライヴ盤『Staying A Life』の録音は、1985年9月の大阪公演である。プロデュースを担当したのはシュテファン・カウフマンで、同名のVHSビデオ版の演出も彼が手がけた。バンドがすでに解散していた時期に、5年前の日本公演の記録が世に出たことになる。
『Staying A Life』の録音がいつ、どこで行われたのかは、日本の資料では「1985年に大阪で」までしか分からない。会場名と日付を同時に示しているのは、リイシュー元のチェリー・レッド/HNEレコーディングスの商品ページである。そこには「1985年9月18日、日本・大阪のフェスティバルホールで録音されたライヴ・アルバム」と書かれている。
『Breaker』の日本語曲目は、発売元であるユニバーサル ミュージック ジャパン自身の商品ページ2つで食い違っている。廉価盤(UICY-20241)は3曲目を「悪魔の誘惑」、5曲目を「悪魔の呻き」と表記するのに対し、紙ジャケット盤(UICY-94522)は3曲目が「悪霊の誘惑」、5曲目が「悪魔の囁き」である。中黒の有無まで揃っていない。
News
ACCEPT、Wolf Hoffmannが次のスタジオ・アルバムについて「遠くない時期に実現する」と語る
Loud & Clear With Belgian Jasperのインタビューで、「来年か、可能になったときに」スタジオ入りする暫定的な計画があると述べ、時期は約束できないとしたうえで「遠くない時期に実現する。そうでなければならない」と語った。前作は2024年4月にNapalm Recordsから発売された『Humanoid』。
HATEBREED、6年ぶりの新作『Fatal Paradox』を11月6日に発売 タイトル曲のヴィジュアライザー公開
Frontiers Label Groupのメタル部門BLKIIBLKからのリリース。プロデュースは長年の共同制作者クリス“Zeuss”ハリス(ROB ZOMBIE、ACCEPTほか)。先行曲は「Kill Count Increase」で、ジェイミー・ジャスタは同曲をアルバムの1曲目だと説明している。
MVを再生DIRKSCHNEIDER、ノルウェーの<Runway Rock Fest 2027>出演決定 — ACCEPT楽曲のベスト・セットを披露
ウド・ダークシュナイダー(U.D.O.)率いるDIRKSCHNEIDERが、2027年5月21〜22日にノルウェー・エルヴェルムのStarmoen Airfieldで開催される2日間のフェスに出演する。公式告知には「SPECIAL BEST OF ACCEPT SET」と記されている。
ACCEPT、結成50周年記念作『Teutonic Titans 1976-2026』から新録「Save Us」を公開 — GHOST/ANTHRAX/KORNのメンバーが参加
1980年作『I’m A Rebel』収録曲の新バージョン。Tobias Forge(vo)、Frank Bello(b)、Ray Luzier(dr)が参加し、アルバムは9月4日にNapalm Recordsから発売。
MVを再生元ACCEPTベーシストPeter Baltes、ステージから転落し肋骨3本を骨折
DIRKSCHNEIDERのコンサート中の事故でドイツにて入院した。