W.A.S.P.(ワスプ)は、1982年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたアメリカのヘヴィメタル・バンドである。カリスマ的なフロントマンであるブラッキー・ローレスを中心に結成され、1980年代のLAメタル・ムーブメントの中で最も過激でスキャンダラスな「ショック・ロック」の先駆者として一世を風靡した。彼らの過激なステージ・パフォーマンスと挑発的な歌詞は、当時のPMRC(Parents Music Resource Center)のような検閲団体から激しい非難を浴びたが、同時に世界中の熱狂的なファンを獲得した。しかし、彼らの真の価値は単なる衝撃性だけではない。バンドは時代とともに音楽的・精神的な進化を遂げ、1980年代後半からは政治的・社会的なテーマを取り入れ、1992年にはコンセプト・アルバムの最高傑作『The Crimson Idol』を発表。2000年代以降はブラッキー・ローレスのキリスト教への再改宗を背景に、聖書的・哲学的な深みを持つ楽曲を発表し続けている。40年以上のキャリアを通じて、度重なるメンバー交代を経ながらも、W.A.S.P.はヘヴィメタル界における唯一無二の伝説として君臨し続けている。
バンドの歴史
結成とショック・ロックの時代
1982年、ブラッキー・ローレス(ボーカル/ベース)とクリス・ホームズ(ギター)らを中心に結成。生肉を客席に投げつける、ステージ上で拷問を模したパフォーマンスを行うなど、その過激な演出で瞬く間に注目を集める。1984年のデビュー・シングル「Animal (F**k Like a Beast)」は、そのあまりにも過激な内容からメジャーレーベルからの発売を拒否される事態となったが、自主レーベルからリリースされ大ヒットを記録。同年のセルフタイトル・デビューアルバム『W.A.S.P.』および1985年の2ndアルバム『The Last Command』により、バンドはマルチ・プラチナム・ディスクを獲得し、LAメタルを代表するバンドとしての地位を確立した。
音楽的進化と成熟
1986年の3rdアルバム『Inside the Electric Circus』を経て、バンドは単なるショック・ロックからの脱却を図る。1989年に発表された4thアルバム『The Headless Children』では、それまでの性や暴力をテーマにした路線から一転し、戦争、政治、ドラッグ問題といった深刻な社会派のテーマを取り入れた。音楽的にも非常に緻密でヘヴィな正統派メタルへとシフトし、批評家からも高い評価を受け、バンドにとって商業的・芸術的な大きな転換点となった。
W.A.S.P.、KK'S PRIESTとの〈1984 To Headless〉ツアー初日でSISTER時代のデモ曲「Mr. Cool」を初披露
9月10日、カリフォルニア州エルカホンのThe Magnoliaで開幕。17曲のセットリストは最初の4作『W.A.S.P.』『The Last Command』『Inside The Electric Circus』『The Headless Children』が中心で、オープニングは『Inside The Electric Circus』でカバーしながら一度もライブで演奏していなかったURIAH HEEP「Easy Livin'」だった。「Mr. Cool」はBlackie LawlessがW.A.S.P.結成前に在籍したSISTERのデモ曲で、のちに「Cries In The Night」へ発展した曲。