RHAPSODY OF FIRE

RHAPSODY OF FIREの詳しいBiographyと全作品のディスコグラフィ。アルバムごとの個別ページも掲載するMETAL BOOSTのアーティストページ。

Biography

RHAPSODY OF FIRE (ラプソディー・オブ・ファイア)
シンフォニック・パワー・メタルの創世記、変遷、ディスコグラフィー

第1章: ハリウッド・メタル (Hollywood Metal) の概念と起源

1.1 背景

RHAPSODY OF FIREは1990年代後半、伝統的なヘヴィ・メタル (Heavy Metal) の疾走感に、バロック音楽 (Baroque Music) や映画音楽 (Film Score) の壮大なオーケストレーションを融合させた「ハリウッド・メタル (Hollywood Metal)」または「フィルム・スコア・メタル (Film Score Metal)」という独自のサブジャンルを確立した。

1.2 バンドの音楽的アイデンティティと影響

RHAPSODY OF FIREの音楽性は、創設者である Luca Turilli (ルカ・トゥリッリ)のネオクラシカル (Neo-classical) なギターワークと、Alex Staropoli (アレックス・スタロポリ)による緻密なオーケストラ・アレンジメントの融合にある。RHAPSODY OF FIREは、Vivaldi (ヴィヴァルディ)や Bach (バッハ)、Paganini (パガニーニ)といったクラシックの巨匠からの影響を、Manowar (マノウォー) や Helloween (ハロウィン) といったパワー・メタルの文脈に落とし込んだ。このスタイルは、後のTwilight Force (トワイライト・フォース) や Gloryhammer (グローリーハンマー)といったフォロワーを生み出し、メタルシーンに不可逆的な影響を与えた。

第2章: 黎明期 - Thundercross (サンダークロス)の結成とデモテープ (1993-1996)

2.1 運命的な出会いとThundercrossの結成

1993年、イタリア北東部の港湾都市トリエステ (Trieste)にて、当時10代後半から20代前半であった Luca Turilli と Alex Staropoli は出会った。共にクラシック音楽への深い造詣とヘヴィ・メタルへの情熱を持っていた二人は、即座に意気投合し、バンドを結成する。当初のバンド名は Thundercross (サンダークロス)であった。

初期ラインナップ (1993-1994):

  • Luca Turilli (ルカ・トゥリッリ): Guitar
  • Alex Staropoli (アレックス・スタロポリ): Keyboards
  • Daniele Carbonera (ダニエレ・カルボネーラ): Drums
  • Andrea Furlan (アンドレア・フルラン): Bass
  • Cristiano Adacher (クリスティアーノ・アダチェル): Vocals

この時期、Luca Turilli自身がボーカルを執ることもあったが、本格的なデモ制作にあたり、専任ボーカリストとして Cristiano Adacher が迎えられた。

2.2 デモテープ 『Land of Immortals』 (1994)

1994年、バンドは初のデモテープ 『Land of Immortals (ランド・オブ・イモータルズ)』を制作した。このデモには、後に彼らの代表曲となる楽曲の原型が既に収録されており、その完成度の高さは当時のアンダーグラウンド・シーンで注目を集めた。

『Land of Immortals』 Tracklist:

# タイトル(英) タイトル(日) 時間 特記事項
1 Invernal Fury インヴァーナル・フューリー 04:38 後の "Rage of the Winter" の原曲
2 Warrior of Ice ウォリアー・オブ・アイス 04:10 1stアルバムにも収録される疾走曲
3 Land of Immortals ランド・オブ・イモータルズ 05:45 バンドを象徴するアンセム
4 Holy Wind ホーリー・ウィンド 03:41 後の "Riding the Winds of Eternity" の原曲

このデモ音源は、カセットテープ形式で配布され、ドイツのレーベル Limb Music Products (リム・ミュージック・プロダクツ)のオーナーである Limb Schnoor (リム・シュノール)の耳に留まることとなる。

2.3 デモテープ『Eternal Glory』 とRhapsodyへの改名 (1995)

Limb Musicからのオファーを受けたバンドは、より高品質なプロダクションで2本目のデモテープ 『Eternal Glory (エターナル・グローリー)』を1995年に制作した。このタイミングで、バンド名はThundercrossから、より音楽的で劇的な響きを持つ Rhapsody (ラプソディー)へと変更された。

『Eternal Glory』 Tracklist:

# タイトル(英) タイトル(日) 時間
1 Invernal Fury インヴァーナル・フューリー 04:38
2 Warrior of Ice ウォリアー・オブ・アイス 04:10
3 Tears at Nightfall ティアーズ・アット・ナイトフォール 01:14
4 Alive and Proud アライヴ・アンド・プラウド 06:02
5 Land of Immortals ランド・オブ・イモータルズ 05:45
6 Holy Wind ホーリー・ウィンド 03:41
7 Eternal Glory エターナル・グローリー 09:35

このデモの完成直後、音楽的方向性の相違や内部事情により、ボーカルの Cristiano Adacher とベーシストの Andrea Furlan がバンドを脱退する。バンドはデビューアルバムのレコーディングを前にして、フロントマンとベーシストを失うという危機に直面した。

第3章: The Emerald Sword Saga (エメラルド・ソード・サーガ) - 黄金時代の到来 (1997-2002)

3.1 Fabio Lione (ファビオ・リオーネ)の加入

デビューアルバムの制作にあたり、Rhapsodyは新たなボーカリストを探し求めた。白羽の矢が立ったのは、当時 Labyrinth (ラビリンス) や Athena (アテナ)で活動し、「Joe Terry (ジョー・テリー)」というステージネームを使っていた Fabio Lione (ファビオ・リオーネ)であった。彼の豊かで深みのある中低音と、突き抜けるようなハイトーン、そしてオペラティックな表現力は、Luca Turilli が描く壮大なファンタジー世界を体現するのに不可欠な要素となった。また、プロデューサーとして Sascha Paeth (サシャ・パエト)とMiro (ミロ)が参加し、ベーシスト不在のためSascha Paethがベースパートを録音した。

3.2 1st Album: 『Legendary Tales (レジェンダリー・テイルズ)』 (1997)

1997年、記念すべきデビューアルバム 『Legendary Tales』がリリースされた。本作により、「シンフォニック・パワー・メタル」というジャンルが明確に定義されたと言っても過言ではない。オーケストラ、合唱団、チェンバロ、フォーク楽器を多用したサウンドは、当時のメタルシーンに衝撃を与えた。

このアルバムから、全5作に及ぶ壮大な物語 「The Emerald Sword Saga (エメラルド・ソード・サーガ)」が幕を開ける。

  • 物語の概要(Part 1): 魔法の国 Algalord (アルガロード)の平和が、暗黒王 Akron (アクロン)によって脅かされている。伝説の英雄である「氷の戦士 (Warrior of Ice)」は、アクロンの軍勢に対抗するため、伝説の聖剣 Emerald Sword (エメラルド・ソード)を探す旅に出る。彼は Ancelot (アンセロット)の廃墟や Irengard (アイレンガード)の死の谷を越えていく。

主要収録曲:

  • Ira Tenax / Warrior of Ice: 緊張感あるイントロから疾走するオープニングナンバー。
  • Land of Immortals: デモ時代からの名曲。ライブでの合唱定番曲。
  • Legendary Tales: バロック音楽の影響が色濃いバラード。

3.3 2nd Album: 『Symphony of Enchanted Lands (シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ)』 (1998)

1998年、バンドの最高傑作の一つとされる2ndアルバム 『Symphony of Enchanted Lands』が発表された。本作には、彼らの代名詞となる楽曲 "Emerald Sword" が収録されている。新ベーシストとして Alessandro Lotta (アレッサンドロ・ロッタ)が加入。ロシアの合唱団や、より大規模なストリングス・アンサンブルが導入され、サウンドの厚みが増した。

  • 物語の概要 (Part 2): 氷の戦士は、エメラルド・ソードを守護する「象牙の門 (Ivory Gates)」の鍵となる3つの石を探し求める。激しい戦いの末、彼はついに聖剣を手に入れ、その力で守護竜を打ち倒し、聖剣の真の主となる。

特筆すべき楽曲:

  • Epicus Furor / Emerald Sword: メタル史上最も有名なイントロと楽曲の連結の一つ。高揚感を煽る合唱と疾走するツーバスドラムが特徴。
  • Wisdom of the Kings: キャッチーなメロディとバロック的なキーボードソロが光る楽曲。
  • The Dark Tower of Abyss: ヴィヴァルディのようなクラシカルな展開を見せる複雑な楽曲。

3.4 3rd Album: 『Dawn of Victory (ドーン・オブ・ヴィクトリー)』 (2000)

2000年リリースの『Dawn of Victory』は、前作までの「優雅さ」に加え、「攻撃性」と「力強さ」が前面に押し出された作品となった。ギターのリフがよりヘヴィになり、ドラムの手数も増加した。ドラマーのDaniele Carbonera が脱退し、ドイツ人のAlex Holzwarth (アレックス・ホルツヴァルト)が加入した(ただし、レコーディングには Thunderforce という名義のドラマーがクレジットされているが、これはドラムマシンの使用を示唆する説や、Alex Holzwarthの別名義説など諸説あるが、公式にはHolzwarthがメンバーとして定着していく)。

  • 物語の概要(Part 3): エメラルド・ソードを手に入れた氷の戦士は、アクロンの軍勢に対して反撃を開始する。しかし、アクロンは卑劣な手段で対抗し、悲劇的な展開が待ち受けている。特に、敵将Dargor (ダーガー)の存在が物語に深みを与える。

特筆すべき楽曲:

  • Dawn of Victory: 「Gloria! Gloria!」 の合唱で知られる、ライブにおける最大のキラーチューン。
  • Holy Thunderforce: スピードとメロディの洪水を浴びせるパワー・メタル・アンセム。

3.5 EP: 『Rain of a Thousand Flames (レイン・オブ・ア・サウザンド・フレイムス)』 (2001)

4作目のフルアルバムへの架け橋としてリリースされた40分強の作品。しかしその内容は非常に濃密で、アルバムに匹敵する重要性を持つ。

  • 物語の概要 (Part 4): アクロンの軍勢による残虐な侵攻が描かれる。彼らは「千の炎の雨」を降らせ、聖なる都市を焼き払う。物語は最も暗く、絶望的な局面を迎える。

特筆すべき楽曲:

  • Rain of a Thousand Flames: 激しいキーボードの連打と高速ドラムが印象的な楽曲。
  • The Wizard's Last Rhymes: ドヴォルザーク (Dvorak) の交響曲第9番『新世界より (From the New World)』第4楽章のメロディを大胆に引用した大作。

3.6 4th Album: 『Power of the Dragonflame (パワー・オブ・ザ・ドラゴンフレイム)』 (2002)

2002年、「Emerald Sword Saga」の完結編となるアルバムがリリースされた。これまでの集大成として、スピード、オーケストレーション、そして物語の感情的なクライマックスが見事に融合している。ベーシストには新たに Patrice Guers (パトリス・ゲール)が加入し、鉄壁のリズム隊が完成した。

  • 物語の概要(Part 5 - 完結): 氷の戦士とアクロンの最終決戦。アクロンは無敵の力を手に入れようとするが、かつての敵将 Dargor が自らの過ちに気づき、氷の戦士側に寝返る。壮絶な戦いの末、氷の戦士は自らの命を犠牲にして世界を救う。英雄の死と世界の再生を描いた感動的なフィナーレ。

特筆すべき楽曲:

  • Power of the Dragonflame: サビの爆発力が凄まじいタイトルトラック。
  • Gargoyles, Angels of Darkness: 19分に及ぶ長尺曲。物語の結末を音楽的に表現したオペラのような構成。

第4章: The Dark Secret Saga (ダーク・シークレット・サーガ) と "Of Fire" への改名 (2004-2011)

4.1 新たなサーガとクリストファー・リーの起用

Emerald Sword Sagaの完結後、バンドは2年間の充電期間を経て、2004年に新たな物語「The Dark Secret Saga (ダーク・シークレット・サーガ)」を開始した。この新章における最大のトピックは、映画『ロード・オブ・ザ・リング (The Lord of the Rings)』のサルマン (Saruman) 役や『スター・ウォーズ (Star Wars)』 のドゥークー伯爵 (Count Dooku) 役で知られる伝説的俳優、Sir Christopher Lee (サー・クリストファー・リー)をナレーター (魔法使い王 The Wizard King) として起用したことである。また、マネージメントを Manowar (マノウォー) の Joey DeMaio (ジョーイ・ディマイオ) が率いる Magic Circle Music (マジック・サークル・ミュージック)に移籍した。

4.2 5th Album: 『Symphony of Enchanted Lands II: The Dark Secret』 (2004)

新サーガの第一弾アルバム。70名編成のオーケストラと合唱団を起用し、映画音楽的なアプローチが極限まで高められた。

  • 物語の概要(Part 1): Emerald Sword Sagaから数年後。平和を取り戻したはずの世界に、新たな脅威 「Nekron (ネクロン)」の復活の予言が影を落とす。これを阻止するため、賢者たちは「7冊の黒い書物 (Seven Black Books)」を探し出す必要がある。前作で改心した Dargor が主要キャラクターとして登場する。

特筆すべき楽曲:

  • Unholy Warcry: Christopher Leeの重厚なナレーションから始まる、映画的な展開を持つ楽曲。
  • The Magic of the Wizard's Dream: Christopher Leeとのデュエットバージョンも制作された壮大なバラード。

4.3 法的闘争と "RHAPSODY OF FIRE" への改名 (2006)

2006年7月14日、バンドは突如として改名を発表した。理由は商標権の問題である。当時、アメリカには同名のRhapsodyというバンドが存在していたほか、RealNetworks (リアルネットワークス)社が運営する音楽配信サービス 「Rhapsody」が台頭しており、これらとの商標競合が原因とされている。

新たなバンド名は "RHAPSODY OF FIRE (ラプソディー・オブ・ファイア)"となった。バンド側は「ドラゴンの炎のような情熱」を表すポジティブな改名であると説明したが、長年親しまれたロゴと名前の変更は、法的圧力による苦渋の決断であったことが推察される。

4.4 6th Album: 『Triumph or Agony (トライアンフ・オア・アゴニー)』 (2006)

改名後初のアルバム。前作以上にミッドテンポで、ナレーションやセリフのパートが多く、「聴く映画」としての側面が強調された作品。

4.5 法的膠着と活動休止 (2007-2009)

『Triumph or Agony』リリース後、バンドはMagic Circle Musicとの契約上のトラブル等により、数年間にわたり新作をリリースできない状態に陥った。この期間、Luca Turilliはソロ活動を行うなどしていた。

4.7 7th Album: 『The Frozen Tears of Angels (ザ・フローズン・ティアーズ・オブ・エンジェルズ)』 (2010)

復活作となる本作は、初期の疾走感と近年のオーケストラサウンドが理想的なバランスで融合した傑作として高く評価された。Luca Turilliのギターソロも冴え渡り、バンドの健在ぶりをアピールした。日本盤にはボーナストラックとして"Sea of Fate (Orchestral Version)" 等が収録された。

4.8 8th Album: 『From Chaos to Eternity (フロム・ケイオス・トゥ・エタニティ)』 (2011)

「The Dark Secret Saga」の完結編、転じてLuca Turilliが参加した最後のアルバムである。物語の終焉と共に、一つの時代が終わることを予感させる、美しくも悲壮感漂う作品となった。

第5章: The Great Split - 二つのRhapsodyへの分裂 (2011-2016)

5.1 友好的な分裂 (The Friendly Split)

2011年8月、RHAPSODY OF FIREは公式サイトにて、創設メンバーである Luca Turilli と Alex Staropoli が道を分かつことを発表した。これは法的な争いではなく、音楽的なヴィジョンの違いによる「友好的な分裂 (Friendly Split)」であると強調された。

これにより、Rhapsodyの遺産は以下の2つのバンドに継承された。

バンド名 中心メンバー 特徴
RHAPSODY OF FIRE Alex Staropoli (Key)
Fabio Lione (Vo)
Tom Hess (Gt)
Alex Holzwarth (Dr)
バンド名を継承。正統派なシンフォニック・メタル路線を維持。
Luca Turilli's Rhapsody
(ルカ・トゥリッリズ・ラプソディー)
Luca Turilli (Gt)
Patrice Guers (Ba)
Dominique Leurquin (Gt)
Alessandro Conti (Vo)
「シネマティック・メタル」を標榜。より未来的で実験的なサウンド。

5.2 RHAPSODY OF FIRE (Staropoli期)の展開

Alex Staropoli率いる RHAPSODY OF FIREは、ギタリストに Roberto De Micheli (ロベルト・デ・ミケーリ)を迎え (Tom Hessは一時加入後脱退)、『Dark Wings of Steel』 (2013) と 『Into the Legend』 (2016) をリリースした。これらの作品は、特定の長編サーガを持たない独立したコンセプト作品であった。Roberto De Micheli はThundercrossの初期メンバーでもあり、彼の加入によりギターサウンドはよりヘヴィでリフ重視のものとなった。

5.3 Fabio Lioneの脱退と "Reunion"

2016年、長年バンドの顔であった Fabio Lioneが脱退を発表。さらにドラマーの Alex Holzwarth も脱退した。これによりオリジナルメンバーはAlex Staropoli ただ一人となった。一方、脱退した Fabio Lione は Luca Turilli らと合流し、"Rhapsody 20th Anniversary Reunion Farewell Tour"を開催。往年の名曲をオリジナルメンバー (Staropoliを除く)で演奏し、世界中のファンを熱狂させた。このプロジェクトは後にTurilli / Lione Rhapsody へと発展する。

第6章: 新生RHAPSODY OF FIRE と The Nephilim's Empire Saga (2016-現在)

6.1 Giacomo Voli (ジャコモ・ヴォーリ)の加入

バンド存続の危機に際し、Alex Staropoli は新たなボーカリストとして Giacomo Voli (ジャコモ・ヴォーリ)を抜擢した。彼はイタリアのテレビ番組 『The Voice of Italy』で準優勝した経歴を持つ実力派で、Fabio Lione に勝るとも劣らない声域と表現力を持っていた。

6.2 The Nephilim's Empire Saga (ネフィリムズ・エンパイア・サーガ)

新体制となったバンドは、原点回帰として再び「サーガ」形式のアルバム制作を開始した。これが 「The Nephilim's Empire Saga (ネフィリムズ・エンパイア・サーガ)」である。

第1章:『The Eighth Mountain (ジ・エイス・マウンテン~第8の山岳~)』 (2019)

新サーガの幕開けとなる12thアルバム。

  • 物語: 堕天使たちの魂によって汚染された世界。主人公は、邪悪な魔術師 Kreel (クレール)の野望を阻止するため、「第8の山岳」にあるポータルを封印しようとする。
  • 音楽: かつての疾走感が完全復活。Giacomo Voliのモダンでアグレッシブなボーカルがバンドに若返りをもたらした。
  • 日本盤: ボーナストラックとして"Rain of Fury (Japanese Version)" が収録された。Giacomoが見事な日本語歌唱を披露し、日本のファンを驚喜させた。
第2章:『Glory for Salvation (グローリー・フォー・サルヴェイション)』 (2021)

13thアルバム。

  • 物語: Kreelの陰謀は続き、主人公は「救済」を求めてさらなる冒険へ。
  • 音楽: メロディの扇情力がさらに高まった作品。
  • 日本盤: ボーナストラックとして"Sadame No Kusari (Chains of Destiny - Japanese Version)"を収録。
第3章:『Challenge the Wind (チャレンジ・ザ・ウィンド)』 (2024)

14thアルバムであり、サーガの完結編 (当初のトリロジー構想に基づく)。

  • 特徴: バラードを一切排除し、全編を通して激しいスピード・チューンで構成された「最もメタルな」アルバム。
  • 日本盤: KING RECORDS (キングレコード)より発売。ボーナストラックとして"Challenge The Wind (Japanese Version)"を収録。
  • 評価: Alex Staropoli のキーボードワークと Roberto De Micheli のギターリフが完璧に融合し、バンドの第二の全盛期とも言える完成度を誇る。

6.3 現在のラインナップ (2024-2025)

  • Alex Staropoli (アレックス・スタロポリ): Keyboards (1993-Present)
  • Giacomo Voli (ジャコモ・ヴォーリ): Vocals (2016-Present)
  • Roberto De Micheli (ロベルト・デ・ミケーリ): Guitars (2011-Present)
  • Alessandro Sala (アレッサンドロ・サーラ): Bass (2015-Present)
  • Paolo Marchesich (パオロ・マルケシッチ): Drums (2020-Present)

2025年には、名盤『Dawn of Victory』の25周年を記念した北米ツアーが予定されており、サポートアクトとして Enforcer (エンフォーサー)、Witherfall (ウィザーフォール)、Striker (ストライカー)が帯同する。

第7章: ディスコグラフィー総覧 (Comprehensive Discography)

以下に、主要なスタジオ・アルバム、EP、ライブ盤等の詳細データを記載する。

7.1 Studio Albums (スタジオ・アルバム)

発売年 タイトル(英/日) Saga (サーガ) レーベル 特記事項
1997 Legendary Tales
レジェンダリー・テイルズ
Emerald Sword Limb Music デビュー作。
1998 Symphony of Enchanted Lands
シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ
Emerald Sword Limb Music 名曲"Emerald Sword"収録。
2000 Dawn of Victory
ドーン・オブ・ヴィクトリー
Emerald Sword Limb Music よりアグレッシブな作風へ。
2001 Rain of a Thousand Flames
レイン・オブ・ア・サウザンド・フレイムス
Emerald Sword Limb Music 42分のミニアルバム扱いだが物語上重要。
2002 Power of the Dragonflame
パワー・オブ・ザ・ドラゴンフレイム
Emerald Sword Limb Music 第一部完結編。
2004 Symphony of Enchanted Lands II: The Dark Secret
シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ II
Dark Secret Magic Circle Christopher Lee参加。
2006 Triumph or Agony
トライアンフ・オア・アゴニー
Dark Secret Magic Circle RHAPSODY OF FIRE名義初作品。
2010 The Frozen Tears of Angels
ザ・フローズン・ティアーズ・オブ・エンジェルズ
Dark Secret Nuclear Blast スピードへの回帰。
2011 From Chaos to Eternity
フロム・ケイオス・トゥ・エタニティ
Dark Secret Nuclear Blast 第二部完結編。Luca Turilliラスト参加。
2013 Dark Wings of Steel
ダーク・ウィングス・オブ・スティール
- AFM Records Alex Staropoli体制初作品。
2016 Into the Legend
イントゥ・ザ・レジェンド
- AFM Records Fabio Lioneラスト参加。
2019 The Eighth Mountain
ジ・エイス・マウンテン~第8の山岳~
Nephilim's Empire AFM Records Giacomo Voli初参加オリジナルアルバム。
2021 Glory for Salvation
グローリー・フォー・サルヴェイション
Nephilim's Empire AFM Records 日本語ボートラ収録。
2024 Challenge the Wind
チャレンジ・ザ・ウィンド
Nephilim's Empire AFM Records サーガ第三部完結編。

7.2 EPs (ミニアルバム)

  • The Dark Secret (2004): アルバムへの先行EP。"Unholy Warcry"のショートVer等を収録。
  • The Cold Embrace of Fear - A Dark Romantic Symphony (2010): 1曲35分という長大な組曲を含むEP。物語上は『The Frozen Tears of Angels』の直後に位置する。
  • I'll Be Your Hero (2021): 『Glory for Salvation』への先行EP。未発表曲やライブ音源を収録。

7.3 Live Albums (ライブ・アルバム)

  • Live in Canada 2005: The Dark Secret (2006): Magic Circle Music時代のライブ。
  • Live - From Chaos to Eternity (2013): "The Great Split" 前の最後のツアーを収録した2枚組。

7.4 Compilations & Re-recordings (ベスト盤・再録音盤)

  • Tales from the Emerald Sword Saga (2004): 初期ベスト。
  • Legendary Years (2017): Giacomo Voliによる初期楽曲("Emerald Sword", "Dawn of Victory"等)の再録音アルバム。新体制の演奏力とボーカルの実力を証明した重要作。

第8章: メンバー詳細バイオグラフィー (Detailed Biographies)

8.1 Alex Staropoli (アレックス・スタロポリ)

  • 担当: Keyboards, Orchestration, Composer
  • 在籍: 1993年 - 現在
  • 概要: バンドの心臓部。Rhapsodyのサウンドを決定づける壮大なオーケストレーションは全て彼の手によるもの。Luca Turilliが「映画的なメロディ」を作る天才なら、Staropoliはそれを「ヘヴィ・メタルとして構築する」建築家である。性格はストイックで、バンドの運営やマネージメントもコントロールする。弟のManuel Staropoli (マヌエル・スタロポリ)はバロック・リコーダー奏者であり、多くのアルバムにゲスト参加している。

8.2 Giacomo Voli (ジャコモ・ヴォーリ)

  • 担当: Vocals
  • 在籍: 2016年 - 現在
  • 概要: 偉大な前任者 Fabio Lione の後を継ぐという困難な役割を完璧にこなした。合唱団の指導経験もあり、多重録音によるクワイア・ワークの構築にも貢献している。ライブでの安定感、観客を煽るフロントマンとしての資質も高い。また、日本語の発音が非常に流暢で、日本盤ボーナストラックでの歌唱はネイティブに近いと評される。

8.3 Roberto De Micheli (ロベルト・デ・ミケーリ)

  • 担当: Guitars
  • 在籍: 2011年 - 現在 (Thundercross時代にも在籍)
  • 概要: Alex Staropoliとは学生時代からの友人で、Thundercrossのオリジナル・セカンドギタリストだった。Luca Turilliの脱退後、呼び戻される形で加入。Lucaのような流麗なスウィープ奏法もこなしつつ、よりアグレッシブでリズミカルなリフワークを得意とし、近年の「ヘヴィなRhapsody」 サウンドの立役者となっている。

8.4 Alessandro Sala (アレッサンドロ・サーラ)

  • 担当: Bass
  • 在籍: 2015年 - 現在
  • 概要: Ancient Bards (エンシェント・バーズ)などのバンドでも活動するテクニカルなベーシスト。フィンガー・ピッキングによる高速プレイが特徴。

8.5 Paolo Marchesich (パオロ・マルケシッチ)

  • 担当: Drums
  • 在籍: 2020年 - 現在
  • 概要: Manu Lotter (マヌ・ロッター)の後任として加入。トリエステ出身。

8.6 主要な元メンバー

  • Luca Turilli (ルカ・トゥリッリ): Guitars (1993-2011). 「Rhapsodyの魂」であった人物。全てのサーガの原案を作成。現在は Luca Turilli's Rhapsody, Turilli / Lione Rhapsody を経て、ピアノ作品などを手掛けている。
  • Fabio Lione (ファビオ・リオーネ): Vocals (1995-2016). 「イタリアの至宝」。現在は Angra (アングラ)、Athena XIXなどで活動。
  • Alex Holzwarth (アレックス・ホルツヴァルト): Drums (2000-2016). ドイツ人ドラマー。兄の Oliver Holzwarth (オリヴァー・ホルツヴァルト) も一時ベーシストとして在籍していた。

Conclusion

RHAPSODY OF FIREは、30年以上にわたりシンフォニック・パワー・メタルの王道を歩み続けてきた。初期の「Emerald Sword Saga」 における伝説的な成功、その後の法的トラブルと改名、そして中心メンバーの分裂というバンド存続の危機を乗り越え、Alex Staropoliの強固なリーダーシップの下、RHAPSODY OF FIREは再び黄金期を迎えている。最新作『Challenge the Wind』で見せた、過去の遺産に甘んじない攻撃的な姿勢と、Giacomo Voliという傑出した才能の融合は、RHAPSODY OF FIREが依然としてこのジャンルのトップランナーであることを証明している。RHAPSODY OF FIREの音楽は、単なるエンターテインメントを超え、聴く者を異世界へと誘う 「音の旅」であり続けるだろう。

Albums

Challenge the Wind CD
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疾走と壮麗さを貫く、シンフォニック・パワー・メタルの大作。

Glory for Salvation CD
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壮麗なオーケストレーションと物語性で、RHAPSODY OF FIREのファンタジー世界を広げた第13作。

The Eighth Mountain CD
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オーケストラ、合唱、疾走するリフで壮大なファンタジー世界を描く一枚。

Into the Legend CD
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ファンタジー世界を壮麗なメロディと疾走感で描く、RHAPSODY OF FIREのシンフォニック・パワー作。

Dark Wings of Steel CD
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重厚なリフと壮麗なオーケストレーションで、RHAPSODY OF FIREのドラマティック・パワー・メタルを深化させた一作。

From Chaos to Eternity CD
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壮大なオーケストレーションと物語性で、RHAPSODY OF FIREのサーガを締めくくる一作。

The Frozen Tears of Angels CD
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壮大な物語とオーケストレーションで、RHAPSODY OF FIREのシンフォニック世界を拡張した一作。

Triumph or Agony CD
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壮麗なオーケストラと高速メタルを結び、RHAPSODY OF FIREがファンタジー叙事詩を大きく広げた第八作。

Symphony of Enchanted Lands II CD
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壮大なオーケストラとファンタジー世界を融合し、RHAPSODY OF FIREが物語的メタルを極限まで広げた第四作。

Power of the Dragonflame CD
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壮大なオーケストレーションと物語性で、RHAPSODY OF FIREがファンタジー・メタルを極めた作品。

Rain of a Thousand Flames CD
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壮大なファンタジー世界を濃密に補強し、RHAPSODY OF FIREが映画的オーケストレーションを強めたミニ・アルバム。

Dawn of Victory CD
/

ラプソディーが映画的なオーケストレーションと高速メタルを極限まで壮大にした3作目。

Symphony of Enchanted Lands CD
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オーケストラ的な鍵盤と物語的な展開で、RHAPSODY OF FIREが幻想世界を広げたシンフォニック・メタル作。

Legendary Tales CD
/

壮麗な鍵盤、疾走するギター、英雄譚を結び、RHAPSODY OF FIREがシンフォニック・パワーの世界を開いたデビュー作。