KAMELOT
ヘヴィ・メタルの歴史において、米国フロリダ州タンパ (Tampa, Florida) はデスメタル (Death Metal) の聖地として広く知られている。
Biography
KAMELOT (キャメロット)
シンフォニック・メタルにおける劇的叙情詩と進化
1. フロリダの異端児から世界的巨塔へ
ヘヴィ・メタルの歴史において、米国フロリダ州タンパ (Tampa, Florida) はデスメタル (Death Metal) の聖地として広く知られている。モービッド・エンジェル (Morbid Angel) やオビチュアリー (Obituary) といったバンドが極端な攻撃性を追求していた1990年代初頭、同地において全く異なるベクトルを持つバンドが産声を上げた。それがKAMELOT (キャメロット)である。
創設者であるギタリスト、トーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood) とドラマーのリチャード・ワーナー (Richard Warner) によって結成されたこのバンドは、アーサー王伝説 (Arthurian Legend) に由来するバンド名が示す通り、欧州的な旋律美、緻密な楽曲構成、そして深遠な物語性を重んじるスタイルを確立した。KAMELOTは、典型的米国産パワー・メタル (US Power Metal) のルーツを持ちながらも、ノルウェー人ヴォーカリストのロイ・カーン (Roy Khan) の加入や、ドイツのプロデューサーであるサシャ・パエト (Sascha Paeth) との提携を経て、シンフォニック・メタル (Symphonic Metal) とプログレッシヴ・メタル (Progressive Metal) を融合させた独自の音像「キャメロット・サウンド」を完成させた。
2. 黎明期: 結成と模索の時代 (1987-1997)
2.1 結成の背景とバンド名の由来
1987年、フロリダ州タンパ (Tampa, Florida) にて、トーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood) とリチャード・ワーナー (Richard Warner) を中心にバンドの前身が形成された。当初のバンド名 「Camelot」は、トーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood) の母親が提案したものであった。彼女はジョン・F・ケネディ (John F. Kennedy) 大統領の熱心な支持者であり、ケネディ政権時代がしばしば「キャメロット時代 (Camelot Era)」と称されていたことにちなんでいる。後に、より鋭角的でメタル的な視覚効果を狙い、綴りを「K」に変更した「Kamelot」が正式名称として採用された。
初期のラインナップは流動的であったが、1991年には本格的な活動を開始し、デモテープの制作に着手した。当時のシーンはグランジ (Grunge) の台頭により、伝統的なヘヴィ・メタルにとって冬の時代であったが、彼らはあくまでメロディックなスタイルを貫いた。
2.2 『Eternity (エタニティ)』 (1995)
1994年、バンドはドイツのノイズ・レコード (Noise Records) と契約を締結し、翌1995年にデビュー・アルバム 『Eternity (エタニティ)』をリリースした。
ラインナップ:
- マーク・ヴァンダービルト (Mark Vanderbilt): ヴォーカル
- トーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood): ギター
- リチャード・ワーナー (Richard Warner): ドラム
- デヴィッド・パヴリコ (David Pavlicko): キーボード
- グレン・バリー (Glenn Barry): ベース
分析: 『Eternity (エタニティ)』は、技術的な野心と荒削りなエネルギーが混在する作品であり、クリムゾン・グローリー (Crimson Glory) やクイーンズライク (Queensrÿche) といった米国プログレッシヴ・パワー・メタルの影響が色濃く、後のシンフォニックな洗練さは未だ希薄である。マーク・ヴァンダービルト (Mark Vanderbilt) のヴォーカルは、ミッドナイト (Midnight) を彷彿とさせる高音域のシャウトを多用するスタイルであり、現在のキャメロット (Kamelot) のイメージとは大きく異なる「ギターとドラム主導のメタル」であった。
2.3 『Dominion (ドミニオン)』 (1997) と初期メンバーの離脱
1997年に発表された2作目 『Dominion (ドミニオン)』は、前作の延長線上にありつつも、作曲面での進化が見られた作品である。しかし、この時期バンドは内部的な转換期を迎えていた。
同年、創設メンバーであるリチャード・ワーナー (Richard Warner)と、ヴォーカリストのマーク・ヴァンダービルト (Mark Vanderbilt) が脱退した。マーク・ヴァンダービルト (Mark Vanderbilt) の脱退理由については長年ファンの間で憶測を呼び、宗教的な理由や健康問題などが噂されたが、明確な公式声明は出されなかった。後にトーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood) がインタビューで語ったところによれば、彼は音楽業界を完全に引退し、フロリダで配管工としての人生を歩んでいるという。
創設者の一人とフロントマンを同時に失うという危機的状況において、トーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood) はバンドの解散ではなく、再構築という険しい道を選択した。この決断が、後の世界的成功への道を開くこととなる。
3. 黄金時代の幕開け: ロイ・カーンの加入と様式美の確立 (1998-2002)
3.1 ロイ・カーン (Roy Khan) の加入
新たなヴォーカリストとして迎えられたのは、ノルウェーのプログレッシヴ・メタル・バンド、コンセプション (Conception)の元シンガー、ロイ・カーン (Roy Khan) (本名: Roy Sætre Khantatat)であった。同時に、ドラムにはケイシー・グリロ (Casey Grillo) が加入した。
ロイ・カーン (Roy Khan) の加入は、バンドの音楽性を根本から変革した。前任者の金切り声的なスタイルとは対照的に、カーンは中低音域の深み、オペラ的な発声法、そして演劇的な表現力を持っていた。これにより、バンドはより哀愁を帯びた、ドラマティックな楽曲制作が可能となった。
3.2 『Siége Perilous (シージ・ペリラス)』 (1998)
新体制での第一弾となった『Siége Perilous (シージ・ペリラス)』は、過渡的な作品である。楽曲の一部は前任者時代に書かれたものであったため、ロイ・カーン (Roy Khan) の特質が完全に活かされているとは言い難い側面もあったが、それでも「King's Eyes」 などの楽曲では、新たな叙情性が芽吹き始めていた。このアルバムに伴うツアーで、バンドは欧州での地盤を固め始めた。
3.3 『The Fourth Legacy (フォース・レガシー)』 (1999): アイデンティティの確立
1999年、バンドはドイツのヴォルフスブルク (Wolfsburg) にあるゲート・スタジオ (Gate Studio)にて、プロデューサーのサシャ・パエト (Sascha Paeth) およびミロ (Miro) とタッグを組んだ。この出会いが、キャメロット (Kamelot) の運命を決定づけた。
『The Fourth Legacy (フォース・レガシー)』において、バンドは以下の「キャメロット・サウンド」の三大要素を確立した:
- 異国情緒: 「Nights of Arabia」 に見られる中東音階や民族音楽的要素の導入。
- オーケストレーション: ミロ (Miro) の編曲によるシンフォニックな厚み。
- 疾走感と哀愁の融合: 欧州パワー・メタルの疾走感に、ロイ・カーン (Roy Khan) の洗練されたメロディラインが乗るスタイル。
このアルバムは批評家から絶賛され、バンドは欧州および日本市場での地位を不動のものとした。
3.4 『Karma (カーマ)』 (2001)
2001年の『Karma (カーマ)』は、前作の方向性をさらに洗練させた傑作である。表題曲「Karma」や、エドヴァルド・グリーグ (Edvard Grieg) の 『ソルヴェイグの歌 (Solveig's Song)』をモチーフにしたバラード「Forever」は、バンドの代表曲として長年演奏されている。
特筆すべきは、「Elizabeth」と題された3部作 (I: Mirror Mirror, II: Requiem for the Innocent, III: Fall from Grace) である。血の伯爵夫人として知られるエリザベート・バートリ (Elizabeth Bathory) の生涯を描いたこの組曲は、後のコンセプト・アルバム時代への布石となる、物語音楽への高い適性を示した。
4. 叙事詩の極致: ファウスト・サーガ (2003-2006)
キャメロット (Kamelot) のキャリアにおける芸術的頂点は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe) の戯曲『ファウスト (Faust)』 をベースにした2枚のコンセプト・アルバムによって形成された。
4.1 『Epica (エピカ)』 (2003)
第一部となる『Epica (エピカ)』は、真理を探究する学者アリエル (Ariel) (ファウストに相当)が、メフィスト (Mephisto) と契約を結ぶまでの過程を描く。
- アリエル (Ariel): 知識への渇望と満たされない心を持つ主人公。
- ヘレナ (Helena): アリエルの幼馴染であり、純真無垢な愛の象徴 (グレートヒェンに相当)。
- メフィスト (Mephisto): 神に追放された堕天使であり、アリエルを誘惑する悪魔。
音楽的には、各楽曲の間に 「Interlude」 を挟むことで物語を進行させるシアトリカルな構成が取られた。「Center of the Universe」や「Farewell」といった楽曲では、壮大なオーケストレーションとメタルのダイナミズムが完璧に融合している。
4.2 『The Black Halo (ブラック・ヘイロー)』 (2005)
第二部『The Black Halo (ブラック・ヘイロー)』は、アリエル (Ariel) の破滅と救済、そしてメフィスト (Mephisto) の敗北を描く完結編である。このアルバムは、バンドの最高傑作として広く認知されている。
ゲスト・ミュージシャンと配役:
- シャグラット (Shagrath) (Dimmu Borgir): メフィスト (Mephisto)役。彼のブラック・メタル由来の咆哮は、悪魔的な邪悪さを具現化した。
- シモーネ・シモンズ (Simone Simons) (Epica): マルグリット (Marguerite)役。ヘレナに似た女性としてアリエルを惑わす。
- イェンス・ヨハンソン (Jens Johansson) (Stratovarius): キーボード・ソロで参加
楽曲「March of Mephisto」は、重厚なリズムとシャグラット (Shagrath) のグロウルが絡み合うダークなアンセムとなり、バンドの新たな側面を切り開いた。また、「The Haunting (Somewhere in Time)」 におけるロイ・カーン (Roy Khan) とシモーネ・シモンズ (Simone Simons) のデュエットは、男女ヴォーカルの対比の美しさを極めた名演である。
4.3 ライブDVD 『One Cold Winter's Night (ワン・コールド・ウィンターズ・ナイト)』 (2006)
この時期の集大成として、ノルウェーのオスロ (Oslo) で収録されたライブDVDが発表された。雪が降る演出や豪華なゲスト陣を迎えたこの公演は、キャメロット (Kamelot) のライブ・パフォーマンスの完成形を記録したものとして評価が高い。
5. 闇への傾倒とロイ・カーンの脱退 (2007-2011)
5.1 『Ghost Opera (ゴースト・オペラ)』 (2007)
『The Black Halo (ブラック・ヘイロー)』での成功を受け、バンドは次作 『Ghost Opera (ゴースト・オペラ)』でよりダークでゴシックな方向へと舵を切った。音楽性は以前のような疾走感よりも、ミッドテンポのグルーヴとインダストリアルな雰囲気が重視された。ミュージック・ビデオの制作にも力が入れられ、視覚的な美学が強化された時期である。
5.2 『Poetry for the Poisoned (ポエトリー・フォー・ザ・ポイズンド)』 (2010)
2010年の『Poetry for the Poisoned (ポエトリー・フォー・ザ・ポイズンド)』は、バンド史上最も内省的で難解な作品となった。プログレッシヴな要素が強まり、楽曲の構造は複雑化したが、同時にロイ・カーン (Roy Khan) の精神的な疲弊が影を落としていたとも言われる。
5.3 ロイ・カーン (Roy Khan) の脱退
アルバム発表後のツアー中、ロイ・カーン (Roy Khan) が健康上の理由 (燃え尽き症候群および過労)で離脱することが発表された。代役としてファビオ・リオーネ (Fabio Lione) (Rhapsody of Fire) がツアーを務めたが、2011年4月、ロイ・カーン (Roy Khan) は正式に脱退を表明した。
脱退の背景には、深刻な精神的疲労に加え、宗教的 (キリスト教) な信仰心の高まりがあったと後に本人が語っている。彼は脱退後、ノルウェーで教会に通い、家族との時間を優先する生活に入った。
6. 再生: トミー・カレヴィックの時代 (2012-現在)
6.1 新ヴォーカリストの選定と 『Silverthorn (シルバーソーン)』 (2012)
絶対的なフロントマンを失ったバンドは存続の危機に立たされたが、トーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood) はスウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンド、セブンス・ワンダー (Seventh Wonder) のヴォーカリスト、トミー・カレヴィック (Tommy Karevik) を後任に抜擢した。
2012年に発表された 『Silverthorn (シルバーソーン)』は、トミー・カレヴィック (Tommy Karevik) を迎えての第一作であり、原点回帰とも言えるコンセプト・アルバムとなった。
- ストーリーの概要: 19世紀を舞台に、不慮の事故で亡くなった少女ジョリー (Jolee) と、その死に関与した双子の兄弟、そして真実を隠蔽しようとする一族の悲劇を描く。
音楽的には、『Karma (カーマ)』 や 『The Black Halo (ブラック・ヘイロー)』のスタイルを踏襲しつつ、トミー・カレヴィック (Tommy Karevik) の持つモダンな感性が融合した。「Sacrimony (Angel of Afterlife)」では、エリーゼ・リード (Elize Ryd) (Amaranthe) とアリッサ・ホワイト=グラズ (Alissa White-Gluz) (The Agonist / Arch Enemy) をゲストに迎え、クリーン・ヴォーカルとデス・ヴォイスの対比を効果的に用いた。
6.2 『Haven (ヘイヴン)』 (2015) と 『The Shadow Theory (シャドウ・セオリー)』 (2018)
トミー・カレヴィック (Tommy Karevik) 体制が安定したバンドは、テーマを現代社会や未来へとシフトさせた。
- 『Haven (ヘイヴン)』 (2015): ディストピア的な未来やデジタル社会の孤独をテーマにした作品。ビルボードのハード・ロック・チャートで1位を獲得するなど、商業的にも成功を収めた。
- 『The Shadow Theory (シャドウ・セオリー)』 (2018): カール・ユング (Carl Jung) の「影 (Shadow)」の概念や人工知能、心理実験をテーマにした心理的スリラー。このアルバム前後で、長年のドラマーであったケイシー・グリロ (Casey Grillo) が脱退し、アレックス・ランデンバーグ (Alex Landenburg) (Cyhra, Rhapsody)が加入した。
6.3 『The Awakening (ジ・アウェイクニング)』 (2023)
5年ぶりのスタジオ・アルバムとなった『The Awakening (ジ・アウェイクニング)』は、「The Power of One (個の力)」をテーマに、困難を克服する意志を称えるポジティブなメッセージ性が強い作品となった。音楽的には、初期のパワー・メタル的な疾走感と、近年のモダンなプロダクションが融合し、ファンや批評家から「トミー・カレヴィック (Tommy Karevik) 時代の最高傑作」との呼び声も高い。
7. メンバーシップ詳細
バンドの歴史を支えてきたメンバーの詳細を以下に示す。
7.1 現行メンバー (Current Members)
| 名前 (Name) | 担当 (Role) | 在籍期間 (Tenure) | 備考 (Notes) |
|---|---|---|---|
| トーマス・ヤングブラッド (Thomas Youngblood) |
Guitar | 1987-現在 | 創設者であり、楽曲の主要なソングライター。バンドの方向性を決定づけるリーダー。 |
| トミー・カレヴィック (Tommy Karevik) |
Vocals | 2012-現在 | スウェーデン出身。元Seventh Wonder。ロイ・カーンの後任として加入し、作詞も手掛ける。 |
| オリバー・パロタイ (Oliver Palotai) |
Keyboards | 2005-現在 | ドイツ出身。クラシックの素養を持ち、オーケストレーションの編曲を一手に担う。 |
| ショーン・チベット (Sean Tibbetts) |
Bass | 1991-1992, 2009-現在 |
初期のベーシストであり、グレン・バリー脱退後に復帰。アグレッシブなステージングが特徴。 |
| アレックス・ランデンバーグ (Alex Landenburg) |
Drums | 2019-現在 | ドイツ出身。Cyhra, Luca Turilli's Rhapsody等での活動を経て加入。 |
7.2 主要な元メンバー (Notable Past Members)
| 名前 (Name) | 担当 (Role) | 在籍期間 (Tenure) | 脱退理由・備考 (Notes) |
|---|---|---|---|
| ロイ・カーン (Roy Khan) |
Vocals | 1998-2011 | 黄金期を支えたヴォーカリスト。燃え尽き症候群と宗教的理由により脱退。 |
| ケイシー・グリロ (Casey Grillo) |
Drums | 1997-2018 | 長期間リズムを支えた。ビジネス専念のため脱退後、Queensrÿcheに加入。 |
| グレン・バリー (Glenn Barry) |
Bass | 1992-2009 | 家庭との時間を優先するために脱退。 |
| マーク・ヴァンダービルト (Mark Vanderbilt) |
Vocals | 1991-1998 | 初代ヴォーカル。音楽業界から引退。 |
| リチャード・ワーナ (Richard Warner) |
Drums | 1987-1997 | 創設者。初期の作詞作曲に貢献 |
7.3 キーパーソン (Key Collaborators)
- サシャ・パエト (Sascha Paeth): プロデューサー兼ギタリスト。『The Fourth Legacy』以降の全作品に関わり、キャメロット・サウンドの構築に不可欠な「6人目のメンバー」的存在。
- ミロ (Miro) (Michael Rodenberg): キーボード、オーケストレーション担当。初期~中期作品での壮大なアレンジに貢献。
8. ディスコグラフィー (Discography)
以下に、主要スタジオ・アルバムの詳細データをまとめる。
| 発表年 | アルバム名 (Album Title) | ヴォーカル | コンセプト・主題 (Concept/Theme) | 主要曲 (Key Tracks) |
|---|---|---|---|---|
| 1995 | Eternity (エタニティ) |
M. Vanderbilt | ファンタジー | "Black Tower", "Call of the Sea" |
| 1997 | Dominion (ドミニオン) |
M. Vanderbilt | 進化への意志 | "Ascension", "Heaven" |
| 1998 | Siége Perilous (シージ・ペリラス) |
Roy Khan | 聖杯伝説への言及 | "Providence", "Millennium" |
| 1999 | The Fourth Legacy (フォース・レガシー) |
Roy Khan | 東洋的神秘、遺産 | "The Fourth Legacy", "Nights of Arabia" |
| 2001 | Karma (カーマ) |
Roy Khan | 業、エリザベート・バートリ | "Karma", "Forever", "Elizabeth I-III" |
| 2003 | Epica (エピカ) |
Roy Khan | ファウスト伝説(第一部) アリエルとヘレナの物語 |
"Center of the Universe", "Farewell" |
| 2005 | The Black Halo (ブラック・ヘイロー) |
Roy Khan | ファウスト伝説(第二部) アリエルの贖罪 |
"March of Mephisto", "The Haunting" |
| 2007 | Ghost Opera (ゴースト・オペラ) |
Roy Khan | ゴシック・ホラー、内面心理 | "Ghost Opera", "The Human Stain" |
| 2010 | Poetry for the Poisoned (ポエトリー・フォー・ザ・ポイズンド) |
Roy Khan | 闇、毒、崩壊 | "The Great Pandemonium" |
| 2012 | Silverthorn (シルバーソーン) |
T. Karevik | オリジナル・ストーリー 少女ジョリーの死と一族の秘密 |
"Sacrimony", "Song for Jolee" |
| 2015 | Haven (ヘイヴン) |
T. Karevik | ディストピア、革命 | "Insomnia", "Liar Liar" |
| 2018 | The Shadow Theory (シャドウ・セオリー) |
T. Karevik | 心理的「影」、AI支配 | "Phantom Divine", "RavenLight" |
| 2023 | The Awakening (ジ・アウェイクニング) |
T. Karevik | 個の覚醒、自己克服 | "One More Flag in the Ground", "Opus of the Night" |
9. ライブ活動と日本との関係
キャメロット (Kamelot) はライブ・バンドとしての評価も極めて高い。特に、女性ヴォーカリストを帯同してのツアーは定番となっており、過去にはシモーネ・シモンズ (Simone Simons)、エリーゼ・リード (Elize Ryd)、アリッサ・ホワイト=グラズ (Alissa White-Gluz)、メリッサ・ボニー (Melissa Bonny) などがゲスト参加し、「The Haunting」や「March of Mephisto」でのデュエットを披露している。
日本との関係も深く、何度も来日公演を行っている。特に神奈川県のクラブチッタ (Club Citta) はKAMELOTにとって馴染みの深い会場であり、2023年のツアー・ファイナルも同会場で行われた。日本盤には常にボーナス・トラック (例:「Epilogue」等)が収録され、日本のファンへの配慮が見られる。
10. メタルの美学を更新し続ける存在
キャメロット (Kamelot)は、単なるヘヴィ・メタル・バンドの枠を超え、演劇、文学、クラシック音楽の要素を統合した総合芸術集団としての地位を確立した。マーク・ヴァンダービルト (Mark Vanderbilt) 時代の荒々しいパワー・メタルから、ロイ・カーン (Roy Khan) 時代のシンフォニックな黄金期、そしてトミー・カレヴィック (Tommy Karevik) 時代のモダンな洗練へと、そのスタイルは常に進化を続けている。
KAMELOTの音楽には、常に「人間の光と闇」という普遍的なテーマが流れている。ファウストのように知識を求め、ジョリーのように無垢を失い、それでもなお覚醒 (Awakening)を目指して進む。その物語性と旋律美こそが、30年以上にわたり世界中の聴衆を魅了し続けるキャメロット (Kamelot)の本質である。
Trivia
14作目『Dark Asylum』は、日本での発売日が国際盤と1か月ずれている。国際盤が2026年8月28日であるのに対し、キングレコードが告知している日本盤の発売日は9月30日、品番は KICP-4124 である。
2016年のリオデジャネイロ五輪、シンクロナイズドスイミングのデュエットで、日本の乾友紀子と三井梨紗子が演技に使ったのは KAMELOT だった。「Karma」「The Spell」「Ghost Opera」をつないだメドレーである。二人は前年、カザンで行われた2015年の世界水泳選手権でも同じ演技を披露している。
このバンドの前段には、ヤングブラッドが高校時代の仲間と組んでいたカヴァー・バンドがある。JUDAS PRIEST、DOKKEN、ACCEPT、EUROPE、それにパット・ベネターの「Hell Is for Children」といった曲を演奏していた。人の曲を弾くことに飽き、自分のリフと自分の曲をやりたくなって彼が始めたのが KAMELOT である。マルチトラック・レコーダーと小さなシンセサイザーとドラムマシンを買い込み、曲を書きはじめた。
2012年6月22日、KAMELOT はスウェーデン人シンガー、トミー・カレヴィクの加入を発表した。当時30歳、SEVENTH WONDER のフロントマンである。空席に対する候補は約800人にのぼり、その中には本当に名の知られたミュージシャンもいて、断るのは決して簡単ではなかったとヤングブラッドは述べている。最終候補は5人まで絞られていた。
このバンドの日本盤には長くボーナス・トラックが付けられてきた。公式のトラックリスト上にも「Japanese Bonustrack」の表記が残っており、『The Awakening』は「Call of the Void」、『Haven』は「The Ties That Bind」、『Silverthorn』は「Leaving Too Soon」、『The Black Halo』は「Epilogue」と「Soul Society」のラジオ・エディットが、それぞれ日本盤の追加曲として記載されている。
『The Awakening』の日本盤はキングレコードの NEXUS から出ている。2023年3月22日発売で、通常盤が品番 KICP-4047・税込3,080円。初回限定プレス盤は KICP-94047・税込5,500円の2枚組デジパック仕様で、ディスク2にはアルバム全曲のインストゥルメンタル版が収められた。日本盤ボーナス・トラックは1曲である。
2015年の LOUD PARK 15 出演を経て、翌2016年5月に単独での来日公演が実現している。ゲスト・シンガーとして帯同したのは ARCH ENEMY のアリッサ・ホワイト=グラズ。5月23日の東京・恵比寿 LIQUIDROOM はソールド・アウトとなり、25日に名古屋 CLUB QUATTRO、26日に大阪・梅田 CLUB QUATTRO を回った。
『The Shadow Theory』を携えた2018年の来日は2公演。11月28日の東京・渋谷 TSUTAYA O-EAST と、11月29日の大阪・梅田 CLUB QUATTRO である。このときはアルバムに客演した ONCE HUMAN のローレン・ハートがゲスト・シンガーとして帯同した。
News
KAMELOT、Tommy Karevikが『Dark Asylum』のコンセプトを語る — 「自らの創造物の囚人」
MetalSide.plのインタビューで、アルバムは精神病棟のイメージを舞台に「私たちは自らの創造物の囚人である」という主題を貫き、医師や患者といった登場人物と複数の場面で構成されるコンセプト作だと説明。ツアーと並行した制作については「2つの世界を両立させるのは少し難しかった」と述べている。
KAMELOT、本日8月28日発売『Dark Asylum』から最終先行曲「Sanctuary」のMVを公開
Napalm Recordsから本日発売のアルバムからの最後の先行曲で、クレモンティーヌ・ドローネーとイグナシア・フェルナンデスがゲスト参加している。
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