TREAT

1980年代初頭、スウェーデンという北欧の一国から発生したメロディック・ハードロックの波は、世界の音楽シーンに特異な足跡を残した。

Biography

北欧メロディック・ロックの至宝
TREAT (トリート)の軌跡、音楽的変遷

1. スウェーデン・ロック史におけるTREATの位相

1980年代初頭、スウェーデンという北欧の一国から発生したメロディック・ハードロックの波は、世界の音楽シーンに特異な足跡を残した。Europe (ヨーロッパ)の世界的なブレイクによって決定づけられたこのムーブメントの中で、TREAT (トリート)は常にその中核に位置し、ジャンルの形成と発展に寄与してきた最重要バンドの一つである。TREATのサウンドは、北欧特有の透明感のある哀愁を帯びたメロディ、アメリカン・ロックに影響を受けたキャッチーなフック、そして高度な演奏技術に裏打ちされたハードなエッジを融合させたものであり、"Scandi-AOR" (スカンジナビアン・AOR) の金字塔として評価されている。

2. 第1章: 黎明期と形成 (1981-1984)

2.1 前身バンド: THE BOYSの時代

TREATの歴史は、1981年のスウェーデン、Stockholm (ストックホルム)にまで遡る。当時のストックホルムの音楽シーンは、パンク・ロックの終焉とNWOBHM (New Wave of British Heavy Metal) の影響を受けた新しいハードロックの胎動が混在していた。この環境下で、シンガーのRobert Ernlund (ロバート・アーンルンド)、ギタリストのAnders "Gary" Wikström (アンダース・"ゲイリー・ウィクストロム)、そしてLeif "Lillen" Liljegren (レイフ・"リレン・リリイェグレン)らによって結成されたバンドが、THE BOYS (ザ・ボーイズ)であった。

Leif Liljegren (レイフ・リリイェグレン)は、かつてKSMBというパンク・バンドに在籍していた経歴を持ち、当初のバンドの方向性は必ずしも純粋なメロディック・ロックではなかった可能性が示唆されるが、Anders Wikström (アンダース・ウィクストロム)のソングライティング能力が開花するにつれ、バンドはより洗練されたハードロック・サウンドへと舵を切っていく。

2.2 運命の転換点: Mats "Dalton" Dahlbergの加入

バンドが本格的な活動体制を整えたのは、1983年の夏である。それまで流動的であったリズム隊に、元Highbrow (ハイブロウ) やPower (パワー)で活動していたドラマー、Mats "Dalton" Dahlberg (マッツ・"ダルトン・ダールベリ)が加入したことが決定的な転機となった。彼の加入によりバンドのアンサンブルは強固なものとなり、バンド名をTREAT (トリート)へと改名。デモテープの制作とレコード契約へのアプローチを本格化させた。

2.3 異例の抜擢: W.A.S.P. ツアーへの帯同

1984年、TREATはデビュー・シングル 「Too Wild (トゥー・ワイルド)」をリリースする。当時のTREATのキャリアにおける特筆すべき事事実、バンドとしてのライブ経験が極めて浅かったにもかかわらず、国際的な大物バンドのサポート・アクトに抜擢されたことである。

資料によれば、1984年6月8日に初のライブを行った直後、わずか2回のギグを経ただけで、アメリカのショック・ロック・バンド W.A.S.P. (ワスプ)のスウェーデン・ツアーのオープニング・アクトとして起用された。この事実は、当時のTREATのデモ音源やシングルのクオリティ、あるいはステージでの存在感が、プロモーターや業界関係者に強烈なインパクトを与えたことを示唆している。このツアーにより、TREATは瞬く間にスウェーデン国内のロック・ファンにその名を知られる存在となった。

3. 第2章: 黄金期の到来と国際的飛躍 (1985-1988)

3.1 デビュー・アルバム 『Scratch and Bite』 と初期の成功

1985年、バンドは待望のデビュー・アルバム 『Scratch and Bite (スクラッチ・アンド・バイト)』をリリースした。Mercury Records (マーキュリー・レコード)からのリリースとなった本作は、北欧ハードロックの古典として現在でも高く評価されている。

  • 音楽性: 若々しい疾走感と、北欧特有の哀愁あるメロディの融合。
  • 代表曲: 「Get You on the Run (ゲット・ユー・オン・ザ・ラン)」、「Too Wild (トゥー・ワイルド)」
  • 商業的成果: スウェーデン国内でのゴールド・ディスク獲得、チャート上位へのランクイン。

このアルバムの成功により、バンドは1985年の夏にスウェーデン全土をツアーし、Europe (ヨーロッパ)に次ぐ期待の星としての地位を確立した。しかし、順風満帆に見えたバンドに最初の試練が訪れる。同年8月、ドラマーのMats "Dalton" Dahlberg (マッツ・"ダルトン・ダールベリ) が突如として脱退したのである。彼は後に自身のバンドDalton (ダルトン)を結成し、TREATとは異なるアプローチでメロディック・ロックを追求することになる。

3.2 『The Pleasure Principle』 とQueenツアー

Leif Sundin (レイフ・サンディン)を新ドラマーに迎えたバンドは、1986年に2ndアルバム『The Pleasure Principle (ザ・プレジャー・プリンシプル)』を発表した。本作において、TREATのサウンドは劇的な進化を遂げる。キーボードの比重が増し、プロダクションはよりクリアで洗練されたものとなり、いわゆる「産業ロック」 や 「AOR」に近いアプローチが採られた。

この路線の変更は功を奏し、バンドのファン層を拡大させた。特筆すべきは、1986年にロック界の伝説Queen (クイーン)がスウェーデン公演を行った際、そのサポート・アクトを務めたことである。Freddie Mercury (フレディ・マーキュリー)らと同じステージに立った経験は、TREATにスタジアム・クラスのバンドとしての振る舞いを学ばせる貴重な機会となった。さらに、Gary Moore (ゲイリー・ムーア)のサポートも務めるなど、TREATはこの時期、ライブ・バンドとしての実力を飛躍的に向上させている。

3.3 最高傑作『Dreamhunter』 と 「World of Promises」

1987年、バンドは3rdアルバム 『Dreamhunter (ドリームハンター)』 (日本盤タイトル:『サバイバー』)をリリースする。Jamie Borger (ジェイミー・ボーガー)が正式ドラマーとして加入し (彼は現在に至るまでバンドの屋台骨を支えている)、ラインナップは最強の状態にあった。

本作には、バンドのキャリアにおける最大のアンセム 「World of Promises (ワールド・オブ・プロミセス)」が収録されている。この楽曲のミュージック・ビデオはMTVなどのメディアで頻繁にオンエアされ、TREATの名を国際的なものにした。

楽曲「World of Promises」の影響力と誤解
この楽曲は、その劇的な構成とキャッチーなサビから、日本においても絶大な人気を誇る。一部で「日本のアニメの主題歌であった」という説が流布することがあるが、これは誤りである。人気アニメ 『The Promised Neverland (約束のネバーランド)』の主題歌 (UVERworldの「Touch Off」 等)と曲名や作品の雰囲気が混同されたことに起因する都市伝説である可能性が高い。しかし、In Flames (イン・フレイムス)が2000年のアルバム『Clayman (クレイマン)』においてこの曲をカバーした事実は、TREATの影響力がメロディック・デスメタルという異なるジャンルの後進にまで及んでいることを証明している。

3.4 Monsters of Rock 1988: 頂点への到達

1988年、TREATはキャリアの頂点とも言える瞬間を迎える。ドイツで開催された伝説的フェスティバル「Monsters of Rock (モンスターズ・オブ・ロック)」への出演である。Iron Maiden (アイアン・メイデン)、KISS (キッス)、David Lee Roth (デイヴィッド・リー・ロス)、Great White (グレイト・ホワイト)といった当時のHR/HMシーンの巨星たちと共演し、数万人の観衆を前に演奏したことは、TREATがヨーロッパのトップ・バンドの仲間入りを果たしたことを意味していた。

4. 第3章: 迷走、変化、そして解散 (1989-1993)

4.1 『Organized Crime』 とマネージメントの混乱

国際的な成功を目前にしながら、バンド内部と周辺環境には不穏な空気が漂い始めていた。Europe (ヨーロッパ)の世界的な成功 (『The Final Countdown』) に対する焦燥感もあり、バンドは従来のマネージメントを離れ、ドイツのUwe Block (ウヴェ・ブロック)と契約を結ぶ。アメリカ市場への進出 (Polygram USAとの契約)を画策したが、これは結果的に空回りに終わった。

1989年リリースの4thアルバム 『Organized Crime (オーガナイズド・クライム)』は、よりギター・オリエンテッドでドライなサウンドへと回帰したが、創設メンバーの一人であるギタリスト Leif "Lillen" Liljegren (レイフ・"リレン・リリイェグレン) が解雇されるという事態に見舞われる。さらにベーシストのKenneth Siwertsson (ケネス・シッパートソン)も脱退し、バンドの結束は揺らいでいた。

4.2 Mats Levénの加入とグランジの波

1990年、バンドの顔であったボーカリスト、Robert Ernlund (ロバート・アーンルンド)が脱退するという決定的な打撃を受ける。残されたリーダーのAnders Wikström (アンダース・ウィクストロム)は、新たなシンガーとして元Swedish Erotica (スウェディッシュ・エロティカ) のMats Levén (マッツ・レヴィン)を迎える決断を下した。

Mats Levén (マッツ・レヴィン)は、ロバートとは異なる、よりパワフルでブルージーな声質を持つ実力派であった。彼を擁して制作された1992年のセルフタイトル・アルバム『Treat (トリート)』は、音楽的なクオリティは極めて高かったものの、リリースのタイミングが悪すぎた。当時はNirvana (ニルヴァーナ)の台頭によりグランジ/オルタナティブ・ロックが市場を席巻しており、80年代スタイルのメロディック・ハードロックは「過去の遺物」として冷遇される時代となっていた。

商業的な不振、そして音楽シーンの激変に直面し、バンドは1993年に解散を選択する。

5. 第4章: 沈黙と個々の活動 (1993-2005)

解散後、メンバーはそれぞれの音楽活動を継続した。

  • Anders Wikström (アンダース・ウィクストロム)は、プロデューサーやソングライターとして裏方で成功を収め、ポップスやロックの楽曲提供を行った。
  • Mats Levén (マッツ・レヴィン)は、Yngwie Malmsteen (イングヴェイ・マルムスティーン)のバンドや、シンフォニック・メタル・バンドTherion (セリオン)、ドゥーム・メタルのCandlemass (キャンドルマス)などに参加し、メタル界屈指の「便利屋」ならぬ「実力派傭兵シンガー」としての地位を確立した。
  • Jamie Borger (ジェイミー・ボーガー)は、Jeff Scott Soto (ジェフ・スコット・ソート)率いるTalisman (タリスマン)に参加し、グルーヴ感溢れるドラミングで評価を高めた。

この期間、TREATの名前は徐々に過去のものとなりつつあったが、日本のファンやヨーロッパのメロハー・マニアの間では、再結成を望む声が絶えることはなかった。

6. 第5章: 奇跡の復活と第二の黄金期 (2006-2022)

6.1 『Weapons of Choice』と再結成

2005年、ベスト・アルバム 『Weapons of Choice 1984-2006 (ウェポンズ・オブ・チョイス)』のリリース企画が持ち上がる。これに際し、未発表曲や新曲を収録するため、Robert Ernlund (ロバート・アーンルンド)を含むかつてのメンバーが再びスタジオに入った。新曲「Still in Heaven」 と 「Go!」の制作過程での手応え、そしてアルバムの好調なセールスは、TREATに再結成への自信を与えた。

2006年6月10日、スウェーデン最大のロック・フェスティバル 「Sweden Rock Festival (スウェーデン・ロック・フェスティバル)」にて再結成ライブを敢行。4,000人を超える観衆の熱狂的な反応を目の当たりにし、TREATは完全復活を宣言した。

6.2 傑作『Coup de Grace』の衝撃

2010年、18年ぶりとなるオリジナル・アルバム 『Coup de Grace (クー・デ・グラ)』(日本盤邦題:『クーデ・グラー~最後の一撃』)をリリース。このアルバムは、単なる「同窓会的な再結成アルバム」の域を遥かに超える完成度を誇っていた。「Roar (ロアー)」、「Skies of Mongolia (スカイズ・オブ・モンゴリア)」といった楽曲は、往年のメロディセンスを保ちつつ、現代的なヘヴィネスとプロダクションを取り入れており、ファンのみならず批評家からも「ジャンルの最高傑作」と絶賛された。

6.3 安定した活動とリリースの継続

『Coup de Grace』での成功後、2013年に一度「活動休止」を示唆したが、ファンの熱望に応える形で活動を継続。以下のアルバムをコンスタントに発表し、現役バンドとしての地位を不動のものにした。

  • 2016年: 『Ghost of Graceland (ゴースト・オブ・グレイスランド)』 - よりプログレッシブで壮大なアプローチを見せた作品。
  • 2018年: 『Tunguska (ツングースカ)』 - 結成35周年を記念する意欲作。
  • 2022年: 『The Endgame (ジ・エンドゲーム)』 - バンドの集大成的なタイトルだが、クオリティは衰え知らずであった。

7. 第6章: 現在と未来 - "The Wild Card" と終わりの始まり (2025-2026)

7.1 通算10作目『The Wild Card』

2025年、TREATは通算10作目となるスタジオ・アルバム 『The Wild Card (ザ・ワイルド・カード)』を11月21日にリリースした。

Anders Wikström (アンダース・ウィクストロム)によれば、本作は「バンドのキャリアの音楽的なタイムライン」をコンセプトとしており、1980年代のサウンドから現代に至るまでの変遷を1枚のアルバムに凝縮した作品になるとされる。先行シングル 「Adam & Evil」や「1985」は、タイトルからも分かる通り、TREATのルーツと歴史を強く意識した楽曲となっている。日本盤にはボーナス・トラックとして1曲追加収録しており、日本のファンへの配慮も健在である。

7.2 Farewell Japan Tour 2026: 最後の旅

そして、バンドは2026年に「Farewell Japan Tour (フェアウェル・ジャパン・ツアー)」を行うことを発表した。これが日本での最後のツアーとなると予告されており、長年の日本のファンにとっては感傷的かつ必見のイベントとなる。

ツアー日程 (Japan Tour 2026 Dates)
日付 (Date) 都市 (City) 会場 (Venue) 備考 (Notes)
2026年4月6日 (月) Osaka (大阪) Yogibo META VALLEY 開場18:00 / 開演 19:00
2026年4月8日 (水) Kawasaki (川崎) Club Citta' (クラブチッタ) 開場18:00 / 開演 19:00

このツアーでは、『The Wild Card』 からの楽曲に加え、キャリア全体を網羅した「ベスト・オブ・ベスト」のセットリストが組まれる予定である。VIPチケットにはメンバーとのミート&グリートが含まれるなど、ファンへの感謝を形にするツアーとなる。

8. ディスコグラフィ (Discography)

ここでは、TREATの主要作品について、日本盤独自の仕様や背景を含めて詳細に解説する。

8.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)

1. Scratch and Bite (スクラッチ・アンド・バイト)
  • リリース年: 1985年
  • レーベル: Mercury
  • 概要: 記念すべきデビュー作。初期衝動と北欧的リリシズムが同居。「Too Wild」収録。2008年に日本でリマスター盤が発売されている。
2. The Pleasure Principle (ザ・プレジャー・プリンシプル)
  • 日本盤邦題: プレジャー・プリンシプル
  • リリース年: 1986年
  • レーベル: Mercury
  • 概要: キーボードを前面に出し、アメリカ市場を意識した煌びやかなサウンド。「Rev It Up」収録。
3. Dreamhunter (ドリームハンター)
  • 日本盤邦題: サバイバー (Survivor)
  • リリース年: 1987年
  • レーベル: Mercury
  • 概要: 日本盤タイトルが1曲目の「Sole Survivor」に由来して『サバイバー』となっている点に注意が必要。名曲「World of Promises」 収録の必聴盤。
4. Organized Crime (オーガナイズド・クライム)
  • 日本盤邦題: オーガナイズド・クライム
  • リリース年: 1989年
  • レーベル: Vertigo
  • 概要: ギタリスト交代後、よりハードなロックへ接近。「Get You on the Run」の再録音バージョンも収録されている場合がある。
5. Treat (トリート)
  • リリース年: 1992年
  • レーベル: Vertigo
  • 概要: Mats Levénボーカル期唯一のアルバム。商業的には苦戦したが、楽曲の質は高く、隠れた名盤として再評価されている。
6. Coup de Grace (クー・デ・グラ)
  • 日本盤邦題: クーデ・グラー~最後の一撃
  • リリース年: 2010年
  • レーベル: Frontiers / King Records (Japan)
  • 概要: 奇跡の復活作にして最高傑作。「Roar」収録。
7. Ghost of Graceland (ゴースト・オブ・グレイスランド)
  • リリース年: 2016年
  • レーベル: Frontiers / King Records (Japan)
  • 概要: 「Ghost of Graceland」、「I Don't Miss the Misery」収録。
8. Tunguska (ツングースカ)
  • リリース年: 2018年
  • レーベル: Frontiers / King Records (Japan)
  • 概要: 結成35周年記念作。
9. The Endgame (ジ・エンドゲーム)
  • リリース年: 2022年
  • レーベル: Frontiers / Avalon (Japan)
  • 概要: 「Home of the Brave」収録。
10. The Wild Card (ザ・ワイルド・カード)
  • リリース年: 2025年
  • レーベル: Frontiers / Avalon (Japan)
  • トラックリスト:
    1. Out With a Bang
    2. Rodeo
    3. 1985
    4. Endeavour
    5. Hand on Heart
    6. Heaven's Waiting
    7. Back to the Future
    8. Mad Honey
    9. Adam & Evil
    10. Your Majesty
    11. Night Brigade
    12. In the Blink of An Eye
    13. One Minute to Breathe
    14. Heaven's Waiting (Acoustic) 日本盤ボーナス

9. メンバー詳細 (Members Profile)

9.1 現行メンバー (Current Line-up)

  • Robert Ernlund (ロバート・アーンルンド) (Vocals): 1981-1991, 2006-Present. バンドの「声」。甘いマスクとハスキーな歌声は80年代から変わらぬ魅力を放つ。
  • Anders "Gary" Wikström (アンダース・"ゲイリー・ウィクストロム) (Guitars): 1981-1993, 2006-Present. メイン・ソングライター。TREATのメロディメーカーであり、プロデューサーとしてもバンドを統率する。
  • Jamie Borger (ジェイミー・ボーガー) (Drums): 1987-1993, 2006-Present. パワフルなドラミングでバンドのボトムを支える。Talisman等での活動も有名。
  • Patrick Appelgren (パトリック・アッペルグレン) (Keyboards): 1989-1993, 2006-Present. 再結成後のサウンドの要。コーラスワークでも重要な役割を果たす。
  • Nalle Påhlsson (ナッレ・ポールソン) (Bass): 2006-2012, 2019-Present. 一時期Pontus Egbergに席を譲ったが復帰。安定したプレイに定評がある。

9.2 主要な元メンバー (Notable Past Members)

  • Mats Levén (マッツ・レヴィン) (Vocals): 1990-1993. ロバート脱退後の苦境を支えた実力者。
  • Pontus Egberg (ポンタス・エグベリ) (Bass): 2012-2019. King Diamondとの掛け持ちで活動。2018年のツアー等参加。

10. 日本との関係史: 来日公演全記録 (Tour History in Japan)

  1. 1990年: Organized Crime Tour (初来日)
    アルバム 『Organized Crime』に伴うツアー。バンドとして脂が乗り切っていた時期だが、ロバート脱退直前の緊張感もあったとされる。東京厚生年金会館等で公演。
  2. 2015年: KAWASAKI ROCK CITY (25年ぶりの帰還)
    Europeのヘッドライナー公演のスペシャル・ゲストとして、クラブチッタ川崎に登場。長年のブランクを感じさせないパフォーマンスで、日本のファンを再熱狂させた。
  3. 2017年 & 2018年: 単独公演の定着
    『Ghost of Graceland』 および『Tunguska』のリリースに伴い、短いスパンで来日。特に2018年は、過去の名曲だけでなく新曲も積極的に演奏し、「現在進行形のバンド」であることを強調した。
  4. 2026年: Farewell Japan Tour
    2026年4月、大阪と川崎での公演をもって、TREATは日本のステージに別れを告げる。このツアーは、TREATと日本のファンとの40年以上にわたる絆を祝福する、感動的なフィナーレとなることが予想される。

11. Conclusion

TREATは、スウェーデンという国が持つメロディック・センスを極限まで高め、ハードロックというフォーマットで表現し続けた稀有なバンドである。TREATは80年代の成功に安住することなく、2006年の再結成以降、驚異的なクリエイティビティで「第二の黄金期」を築き上げた。

2025年の『The Wild Card』、そして2026年のラストツアーは、TREATの長い旅路の終着点であると同時に、TREATの音楽が永遠にファンの心に刻まれる瞬間となるだろう。TREATが遺した"World of Promises" (約束の世界)は、これからも色褪せることなく輝き続ける。

Albums

The Wild Card CD
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バンドの歩みを辿る物語性を備えた、10作目のメロディック・ハード。

The Endgame CD
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TREATの洗練されたメロディとロックの推進力を凝縮した、成熟期の快作。

Tunguska CD
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壮大な題材を、鋭いギターと極上のコーラスで描くTREATの第8作。

Ghost of Graceland CD
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大きなフックと成熟した演奏で、TREATのメロディック・ハード・ロックを堂々と鳴らす一枚。

Coup de Grace CD
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北欧メロディック・ロックの洗練と熱量を、TREATが力強く取り戻した復帰作。

Treat CD
/

Mats Levénを迎えた編成で、TREATが硬いリフとメロディを交差させた90年代初頭の最終章。

Organized Crime CD

ハードなリフと洗練されたキーボードを組み合わせ、TREATがアメリカ志向のメロディック・ロックへ踏み込んだ4作目。

Dreamhunter CD

印象的なコーラスと端正なギター・ワークで、TREATが北欧メロディック・ハードの魅力を濃く示した一枚。

The Pleasure Principle CD

明るいキーボードと大きなコーラスを基盤に、TREATが北欧メロディック・ハードの洗練を高めた第2作。

Scratch and Bite CD
/

キャッチーなメロディと北欧らしい透明感を備え、TREATがメロディック・ハードの出発点を示したデビュー作。