GAMMA RAY
1980年代後半、West Germany (西ドイツ)のHamburg (ハンブルク)は、ヘヴィ・メタルの新たな潮流を生み出す坩堝であった。
Biography
ガンマ・レイ (GAMMA RAY)
メロディック・パワー・メタルの構築と進化
1. ハンブルクからの光線とその歴史的意義
1980年代後半、West Germany (西ドイツ)のHamburg (ハンブルク)は、ヘヴィ・メタルの新たな潮流を生み出す坩堝であった。この地から出現したHelloween (ハロウィン)は、スピーディーなリズムと哀愁を帯びたメロディを融合させ、「ジャーマン・メタル」あるいは「メロディック・パワー・メタル」と呼ばれるジャンルを確立した。その中心人物であり、初期のソングライティングとサウンドの方向性を決定づけたのが、ギタリスト兼ヴォーカリストの Kai Hansen (カイ・ハンセン)である。
Gamma Ray (ガンマ・レイ)の歴史は、単なるーバンドのバイオグラフィにとどまらず、欧州メタルシーンの変遷、音楽産業の構造変化、そしてJapan (日本) 市場との特異な親和性を映し出す鏡でもある。初期の実験的なプロジェクト形態から、強固なバンド体制への移行、幾多のメンバーチェンジを経て到達した音楽的成熟、形成近年のHelloween (ハロウィン)との再融合に至るまで、その軌跡は波乱に満ちている。
2. バイオグラフィ: 創造と再生の年代記
2.1. 創世記: Helloweenからの離脱とプロジェクトの始動 (1988-1989)
巨人の脱退
1988年、Helloween (ハロウィン)は傑作アルバム 『Keeper of the Seven Keys Part II (守護神伝-第二章-)』をリリースし、世界的な成功を収めていた。しかし、その内実は疲弊しきっていた。過酷なツアースケジュール、マネージメントやレコード会社 Noise Records (ノイズ・レコード)との軋轢、そしてバンド内部の人間関係の悪化により、Kai Hansen (カイ・ハンセン)は精神的な限界を迎えていた。Kai Hansen (カイ・ハンセン)は、バンドが巨大なビジネス機構となり、純粋な音楽的喜びが失われたと感じていたのである。
1988年のクリスマス、Kai Hansen (カイ・ハンセン) は Helloween (ハロウィン)からの脱退を表明した。このニュースは世界中のメタルファンに衝撃を与えたが、彼は音楽活動を止めるつもりは毛頭なかった。彼はまず、盟友である Blind Guardian (ブラインド・ガーディアン)のスタジオ作業に参加し、GAMMA RAYのアルバム 『Follow the Blind』にゲスト参加することでリハビリを行った後、自身のアイデアを具現化するためのソロ・プロジェクトの構想を練り始めた。
Gamma Rayの誕生
Kai Hansen (カイ・ハンセン)の当初の意図は、固定メンバーによる「バンド」ではなく、自由な形式で音楽を制作する「プロジェクト」であった。彼は、かつて Tyran' Pace (タイラン・ペース)で活動していたヴォーカリスト、Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース)をパートナーに選んだ。Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース)のRob Halford (ロブ・ハルフォード) (Judas Priest / ジューダス・プリースト)を彷彿とさせるハイトーン・ヴォイスと力強い中音域は、Kai Hansen (カイ・ハンセン)が描く新たなメロディック・メタルの構想に合致していた。
レコーディングは、Hamburg (ハンブルク) のスタジオで行われ、ベーシストには Uwe Wessel (ウヴェ・ヴェッセル)、ドラマーにはMathias Burchardt (マティアス・ブルヒャルト)が起用された。プロジェクト名は、ドイツのクラウトロック・バンド Birth Control (バース・コントロール) の楽曲 「Gamma Ray」に由来して Gamma Ray (ガンマ・レイ)と名付けられた。
2.2. Scheepers期: 実験と模索(1990-1994)
デビューと初期の成功
1990年2月、デビュー・アルバム 『Heading for Tomorrow (ヘディング・フォー・トゥモロウ)』がリリースされた。このアルバムは、Helloween (ハロウィン) 時代のスピード・メタルを踏襲しつつも、よりプログレッシブで壮大な展開を見せた。特に表題曲は14分を超える大作であり、Queen (クイーン)的なコーラスワークや複雑な構成が取り入れられていた。この作品は、特にGermany (ドイツ) 本国と Japan (日本)で熱狂的に迎えられ、Kai Hansen (カイ・ハンセン)の健在ぶりを証明した。
アルバム完成後、ドラマーのMathias Burchardt (マティアス・ブルヒャルト)が学業専念のために脱退。後任として、後に Helloween (ハロウィン) や Masterplan (マスタープラン)で活躍することになる実力派ドラマー、Uli Kusch (ウリ・クッシュ)が加入した。さらに、当初はサポート・メンバー的立ち位置であったギタリスト Dirk Schlächter (ディルク・シュレヒター)が正式メンバーとして迎えられ、ツイン・ギター体制が確立された。
1990年9月、ミニ・アルバム『Heaven Can Wait (ヘヴン・キャン・ウェイト)』をリリースし、初のツアーを敢行。このツアーでは初来日公演も実現し、その模様はライブ・ビデオ『Heading for the East (ヘディング・フォー・ジ・イースト)』として収録された。この時期のGamma Ray (ガンマ・レイ)は、Kai Hansen (カイ・ハンセン)のカリスマ性と Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース)の圧倒的な歌唱力を武器に、瞬く間にシーンのトップバンドへと登り詰めた。
スタイル変遷とリズム隊の交代
1991年の2ndアルバム 『Sigh No More (サイ・ノー・モア)』では、湾岸戦争などの当時の世界情勢を反映し、歌詞・楽曲共にシリアスでダークな方向性へとシフトした。Helloween (ハロウィン) 時代の明るい「ハッピー・メタル」からの脱却を図った意欲作であったが、ファンの間では賛否が分かれる結果となった。
その後、リズム隊の Uwe Wessel (ウヴェ・ヴェッセル) と Uli Kusch (ウリ・クッシュ)が脱退。代わって、Hamburg (ハンブルク) のローカル・バンド Anesthesia (アネスセシア) から、ベーシストのJan Rubach (ヤン・ルバハ) とドラマーの Thomas Nack (トーマス・ナック)が加入した。
新ラインナップで制作された1993年の3rdアルバム 『Insanity and Genius (インサニティ・アンド・ジーニアス)』は、前作の鬱屈した雰囲気を払拭し、再びアグレッシブで疾走感溢れるサウンドへと回帰した。「Tribute to the Past」や「Last Before the Storm」 といった楽曲は、バンドのライブにおける定番曲となった。同年、Rage (レイジ)、Helicon (ヘリコン)、Conception (コンセプション) と共に 「Melodic Metal Strikes Back」 ツアーを行い、その勢いを加速させた。
Ralf Scheepersの離脱とKaiのヴォーカル復帰
1994年、バンドは大きな転機を迎える。ヴォーカリストのRalf Scheepers (ラルフ・シーパース)が脱退したのである。脱退の理由は複合的であった。第一に、物理的な距離の問題である。Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース)はStuttgart (シュトゥットガルト)に居住しており、バンドの拠点は Hamburg (ハンブルク)であった。週末のたびに数百キロを移動してリハーサルを行う生活は限界に達しており、バンド側は彼に Hamburg (ハンブルク)への移住を求めたが、彼は定職を持っていたためこれを拒否した。第二に、Judas Priest (ジューダス・プリースト)のヴォーカリスト・オーディションの問題である。Rob Halford (ロブ・ハルフォード) 脱退後の後任を探していた Judas Priest (ジューダス・プリースト)に対し、Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース)はデモテープを送り、最終選考まで残っていたとされる。この動きにより、バンド活動への集中力や将来の不確実性が生じ、Kai Hansen (カイ・ハンセン)との間で協議の結果、友好的に道を分かつこととなった。
後任ヴォーカリストの選定は難航したが、最終的に Kai Hansen (カイ・ハンセン) 自身がメイン・ヴォーカルを兼任することが決定された。Helloween (ハロウィン)の初期 (『Walls of Jericho』時代) 以来となる Kai Hansen (カイ・ハンセン)のヴォーカル復帰は、当初は暫定的な措置とも見られたが、結果としてバンドの独自性を決定づけることとなった。
2.3. Land of the Free期: 黄金時代の幕開け (1995-1996)
傑作『Land of the Free』の誕生
1995年にリリースされた4thアルバム 『Land of the Free (ランド・オブ・ザ・フリー)』は、Gamma Ray (ガンマ・レイ)の、そしてメロディック・パワー・メタル史における金字塔となった。Kai Hansen (カイ・ハンセン)のヴォーカルは技術的には Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース) に及ばないものの、その感情豊かな表現力と楽曲との親和性は抜群であり、ファンに熱狂的に受け入れられた。
本作には、Helloween (ハロウィン)を脱退していた Michael Kiske (マイケル・キスク)がゲスト参加し、「Time to Break Free」でリード・ヴォーカルを執ったほか、表題曲では Hansi Kürsch (ハンスィ・キアシュ) (Blind Guardian / ブラインド・ガーディアン)と共にコーラスに参加した。これは、分断されていたジャーマン・メタル・シーンの結束を象徴する出来事であり、後の「Pumpkins United」への布石とも言える瞬間であった。
Dirk Schlächterのパートチェンジとメンバー刷新
アルバムに伴うツアーの後、再びメンバーチェンジが発生する。ベーシストの Jan Rubach (ヤン・ルバハ)とドラマーの Thomas Nack (トーマス・ナック)が脱退した。これに伴い、これまでギターを担当していた Dirk Schlächter (ディルク・シュレヒター)が、本来のパートであるベースへと転向することを表明した。これにより、バンドは新たなギタリストとドラマーを探す必要に迫られた。
2.4. クラシック・ラインナップの確立と安定 (1997-2012)
Henjo Richter と Dan Zimmermannの加入
1997年、バンドは最強の布陣を完成させる。ギタリストには、卓越したテクニックとメロディセンスを持つ Henjo Richter (ヘンヨ・リヒター)が、ドラマーには Freedom Call (フリーダム・コール)でも活動することになる Dan Zimmermann (ダン・ツィマーマン)が加入した。Kai Hansen (カイ・ハンセン) (Vo,Gt)、Henjo Richter (ヘンヨ・リヒター) (Gt, Key)、Dirk Schlächter (ディルク・シュレヒター) (Ba)、Dan Zimmermann (ダン・ツィマーマン) (Dr) というこの4人のラインナップは、その後15年間にわたって不動の状態を保ち、バンド史上最も安定した黄金期を築くこととなる。
宇宙とSFへの傾倒
新体制で制作された1997年の5thアルバム 『Somewhere Out In Space (サムホエア・アウト・イン・スペース)』は、映画『2001: A Space Odyssey (2001年宇宙の旅)』にインスパイアされたコンセプト作であり、バンドのテーマカラーとして「宇宙」「SF」を決定づけた。音楽的にも、より高速で、よりメロディアスなスタイルが確立された。続く1999年の6thアルバム 『Power Plant (パワー・プラント)』では、Iron Maiden (アイアン・メイデン)のジャケットで知られる Derek Riggs (デレク・リッグス)をアートワークに起用。「Send Me a Sign」などのアンセムを生み出し、バンドの人気を不動のものとした。
Judas Priestへの回帰と多様化
2001年の7thアルバム 『No World Order (ノー・ワールド・オーダー)』では、イルミナティや新世界秩序といった陰謀論をテーマにしつつ、音楽的にはJudas Priest (ジューダス・プリースト)への憧憬を隠さない、より正統派ヘヴィ・メタルに近いリフ重視のサウンドへと接近した。その後も、自身のスタジオを新設して制作された『Majestic (マジェスティック)』(2005年)、名作の続編を謳った 『Land of the Free II (ランド・オブ・ザ・フリーII)』 (2007年)、よりアンセム志向を強めた『To The Metal! (トゥ・ザ・メタル)』 (2010年)と、コンスタントに高品質なアルバムをリリースし続けた。
2.5. 現代: 再編、火災、そして二人のシンガー (2013-現在)
Michael Ehréの加入とスタジオ火災
2012年、長年バンドのリズムを支えた Dan Zimmermann (ダン・ツィマーマン)が、生活環境の変化と休息を理由に脱退。後任としてMichael Ehré (マイケル・エーレ) (Firewind / ファイアーウインド, Love. Might. Kill / ラヴ・マイト・キル)が加入した。新体制でのアルバム制作が進んでいた2013年11月、悲劇がバンドを襲った。Hamburg (ハンブルク)にあるGAMMA RAYの所有スタジオ 「Hammer Studios」が火災により全焼し、機材や過去のアーカイブ、そして制作中のアルバムのデータの一部が失われたのである。しかし、バンドはファンの支援を受けて再起し、2014年に11枚目のスタジオ・アルバム 『Empire of the Undead (エンパイア・オブ・ジ・アンデッド)』を完成させた。このアルバムは、逆境を跳ね返すかのようなスラッシーでアグレッシブな作品となった。
Frank Beckの正式加入とツイン・ヴォーカル体制
『Empire of the Undead』に伴うツアー中、Kai Hansen (カイ・ハンセン)は長時間のライブにおける喉の負担を感じ始めていた。そこで、以前からバッキング・ヴォーカルとして帯同していた Frank Beck (フランク・ベック)を、2015年に正式なリード・ヴォーカリストとしてメンバーに迎えるという異例の決断を下した。これにより、Gamma Ray (ガンマ・レイ)は Kai Hansen (カイ・ハンセン) と Frank Beck (フランク・ベック)のツイン・リード・ヴォーカル体制となった。Frank Beck (フランク・ベック)の加入により、Kai Hansen (カイ・ハンセン)はギタープレイにより集中できるようになり、また高音域の負担が大きい初期の楽曲もセットリストに組み込めるようになった。
Pumpkins Unitedの影響と現状(2017-2026)
2017年、Helloween (ハロウィン) に Kai Hansen (カイ・ハンセン) と Michael Kiske (マイケル・キスク)が復帰する 「Pumpkins United」 ツアーが開始された。この歴史的リユニオンの大成功に伴い、Kai Hansen (カイ・ハンセン) のスケジュールの大部分は Helloween (ハロウィン)に割かれることとなった。
その結果、Gamma Ray (ガンマ・レイ)の活動ペースは緩やかになったが、解散は否定されている。2020年にはバンド結成30周年を記念し、パンデミック下においてISSI Dome (ISS ドーム) (Düsseldorf / デュッセルドルフ)からの全世界配信ライブを行った。このライブにはゲストとして初代ヴォーカリストのRalf Scheepers (ラルフ・シーパース) も参加し、新旧のファンを歓喜させた。
2024年から2026年にかけての動向としては、Kai Hansen (カイ・ハンセン)は Helloween (ハロウィン)の新作 『Giants & Monsters (2025年リリース)の制作とツアーに注力している。一方で、Kai Hansen (カイ・ハンセン)はソロ・プロジェクト Hansen & Friends (ハンセン&フレンズ)の第2弾アルバムの制作も進めており、これはパンデミック中に書き溜められた、Helloween (ハロウィン) のスタイルとは異なる楽曲群が収録される予定である。Gamma Ray (ガンマ・レイ)としての新作スタジオ・アルバムの具体的なリリース日は未定であるが、Frank Beck (フランク・ベック)を含むラインナップでのライブ活動は散発的に行われており、バンドは「活動休止」ではなく、あくまでKai Hansen (カイ・ハンセン)の優先順位に応じた「スローペースな活動」を維持している。
3. ディスコグラフィ: 鋼鉄の音源全集
以下に、Gamma Ray (ガンマ・レイ)の全公式リリース作品を詳述する。特記すべきは日本盤の扱いで、ほぼ全ての作品において独自のボーナス・トラックが収録されており、コレクターズ・アイテムとしての価値が高い。
3.1. スタジオ・アルバム (Studio Albums)
| 発売年 | タイトル(英/カナ) | 主なヴォーカル | 日本盤ボーナス/備考 |
|---|---|---|---|
| 1990 | Heading for Tomorrow (ヘディング・フォー・トゥモロウ) |
Ralf Scheepers | "Mr. Outlaw", "Lonesome Stranger"(再発盤等) 記念すべきデビュー作。Helloweenよりもプログレッシブな展開を見せる。"Sail On" (Promo/Bonus) |
| 1991 | Sigh No More (サイ・ノー・モア) |
Ralf Scheepers | シリアスな歌詞とダークな音像へ変化。プロモ盤にはレア曲収録。 |
| 1993 | Insanity and Genius (インサニティ・アンド・ジーニアス) |
Ralf Scheepers | "Gamma Ray (Edited Version)" Scheepers在籍最後のアルバム。アグレッシブさが戻る。 |
| 1995 | Land of the Free (ランド・オブ・ザ・フリー) |
Kai Hansen | "Heavy Metal Mania" (Holocaust cover) Kaiがヴォーカルに復帰した歴史的名盤。Michael Kiske、Hansi Kürschがゲスト参加。 |
| 1997 | Somewhere Out In Space (サムホエア・アウト・イン・スペース) |
Kai Hansen | "Return to Fantasy" (Uriah Heep cover) 黄金のラインナップ (Zimmermann/Richter)による初作品。SFテーマの確立。 |
| 1999 | Power Plant (パワー・プラント) |
Kai Hansen | "A While in Dreamland" 日本盤はさらに"Rich & Famous" (再録)、"Long Live Rock 'n' Roll" (Rainbow cover) を追加収録した版も存在。 |
| 2001 | No World Order (ノー・ワールド・オーダー) |
Kai Hansen | "Two Of A Kind" Judas Priestへの回帰。リフ主体の硬派なサウンド。 |
| 2005 | Majestic (マジェスティック) |
Kai Hansen | "Hellfire" 自前のスタジオでの制作。ダークでヘヴィな音作り。 |
| 2007 | Land of the Free II (ランド・オブ・ザ・フリーII) |
Kai Hansen | 名盤の続編として制作。スピーディーな楽曲が多い。 |
| 2010 | To The Metal! (トゥ・ザ・メタル) |
Kai Hansen | "One Life", "Wannabees" ミドルテンポのアンセムを中心とした構成。 |
| 2014 | Empire of the Undead (エンパイア・オブ・ジ・アンデッド) |
Kai Hansen | "Someday" スタジオ火災を乗り越えて制作。Michael Ehré加入後初。 |
3.2. ライヴ・アルバム (Live Albums)
Gamma Ray (ガンマ・レイ)の真骨頂はライブにある。各時代のドキュメントとして重要な意味を持つ。
- 1996: Alive '95 (アライヴ '95)
Kai Hansen (カイ・ハンセン) ヴォーカル復帰直後のツアーを収録。 - 2003: Skeletons in the Closet (スケルトンズ・イン・ザ・クローゼット)
ファン投票によって選曲された、「普段演奏しない曲 (スケルトン)」を中心としたセットリスト。レア曲満載。 - 2008: Hell Yeah!!! The Awesome Foursome (ヘル・イヤー!!!)
Montreal (モントリオール)でのライブを収録。不動のラインナップによる円熟のパフォーマンス。 - 2012: Skeletons & Majesties Live (スケルトンズ&マジェスティーズ・ライヴ)
アコースティック・アレンジなども含んだ企画盤のライブ再現。 - 2015: Heading for the East (ヘディング・フォー・ジ・イースト)
1990年の初来日公演(Tokyo/東京)の音源化。Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース)の全盛期の歌声が聴ける。 - 2016: Lust for Live (ラスト・フォー・ライヴ)
1993年の Hamburg (ハンブルク) 公演。Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース) 在籍最末期の記録。 - 2021: 30 Years Live Anniversary (30イヤーズ・ライヴ・アニバーサリー)
2020年8月27日、Düsseldorf (デュッセルドルフ)のISS Dome (ISS ドーム)にて無観客で行われた配信ライブを収録。Frank Beck (フランク・ベック)とのツイン・ヴォーカル、そしてゲストのRalf Scheepers (ラルフ・シーパース)との共演がハイライト。
3.3. EP・ミニアルバム (EPs)
- 1990: Heaven Can Wait (ヘヴン・キャン・ウェイト)
新メンバー (Uli Kusch, Dirk Schlächter) での再録音源や新曲「Who Do You Think You Are?」を収録。 - 1995: Rebellion in Dreamland (リベリオン・イン・ドリームランド)
- 1996: Silent Miracles (サイレント・ミラクルズ)
バラード「A While in Dreamland」 やアコースティック版を収録した静謐な作品。 - 1997: Valley of the Kings (ヴァレー・オブ・ザ・キングス)
- 2011: Skeletons & Majesties (スケルトンズ&マジェスティーズ)
過去の楽曲を異なるアレンジ (ディスコ・バージョンやアコースティック)で再録した企画盤。 - 2013: Master of Confusion (マスター・オブ・コンフュージョン)
新曲2曲とカバー、ライブ音源を収録した、アルバム『Empire of the Undead』の先行EP。
3.4. コンピレーション・その他 (Compilations)
- 2000: Blast from the Past (ブラスト・フロム・ザ・パスト)
単なるベスト盤ではなく、ファン投票で選ばれた楽曲を Kai Hansen (カイ・ハンセン) ヴォーカルで全曲リレコーディングした意欲作。初期の楽曲が現代的なヘヴィ・サウンドで蘇っている。 - 2015: The Best (Of) (ザ・ベスト・オブ)
3.5. 関連ソロ作品 (Related Solo Works)
バンドの活動休止期間を埋める重要な作品群である。
- 2016: XXX - Three Decades in Metal (XXX - スリー・ディケイズ・イン・メタル)
名義: Hansen & Friends (ハンセン&フレンズ)
Kai Hansen (カイ・ハンセン)のキャリア30周年記念アルバム。Gamma Ray (ガンマ・レイ)のメンバーも参加しているが、より個人的な趣向が反映されている。 - 2017: Thank You Wacken Live (サンキュー・ヴァッケン・ライヴ)
Wacken Open Air (ヴァッケン・オープン・エア)でのソロ・ライブを収録。 - 2026 (予定): タイトル未定 (Second Solo Album)
Kai Hansen (カイ・ハンセン)は、パンデミック期間中に制作された楽曲をまとめた2枚目のソロ・アルバムのリリースを計画している。これには Helloween (ハロウィン)の方向性とは異なる楽曲が含まれるとされる。
4. メンバー詳細プロフィール (Members)
4.1. 現在のメンバー (Current Members)
- Kai Hansen (カイ・ハンセン) - Vocals, Guitar (1989-現在)
「ジャーマン・メタルの父」。Helloween (ハロウィン)の創設者であり、Gamma Ray (ガンマ・レイ)の絶対的リーダー。独特の鼻にかかったヴォーカルと、キャッチーかつ攻撃的なリフワークが特徴。現在はHelloween (ハロウィン) と Unisonic (ユニソニック)のメンバーも兼任。 - Frank Beck (フランク・ベック) - Vocals (2015-現在)
ドイツ・ザールラント州出身。当初はライブのバッキング・ヴォーカルとして参加していたが、その実力が認められ正式メンバーへ昇格。Kai Hansen (カイ・ハンセン)よりもクリアで伸びのあるハイトーンを持ち、過去の楽曲の再現性を高めている。Kai Hansen (カイ・ハンセン) との掛け合いはバンドの新たな武器となっている。 - Henjo Richter (ヘンヨ・リヒター) - Guitar, Keyboards (1997-現在)
Rampage (ランペイジ)出身。クラシック音楽の素養に裏打ちされた流麗なギターソロと、楽曲を彩るキーボード・アレンジを担当。Kai Hansen (カイ・ハンセン)とのツイン・ギターのコンビネーションは阿吽の呼吸を見せる。The Unity (ザ・ユニティー)でも活動中。 - Dirk Schlächter (ディルク・シュレヒター) - Bass (1997-現在), Guitar (1990-1997)
バンド最古参のメンバー。初期はゲスト・ベーシスト、次に正式ギタリスト、そして現在はベーシストという変遷を辿る。曲作りでも重要な役割を果たし、「Armageddon」などの名曲を作曲している。Avalanch (アヴァランチ)にも参加。 - Michael Ehré (マイケル・エーレ) - Drums (2012-現在)
Metalium (メタリウム)、Firewind (ファイアーウインド)などを経て加入。パワフルかつタイトなドラミングでバンドの屋台骨を支える。Primal Fear (プライマル・フィア)、The Unity (ザ・ユニティー)のメンバーでもある。
4.2. 主要な元メンバー (Notable Former Members)
- Ralf Scheepers (ラルフ・シーパース) - Vocals (1989-1994)
初代ヴォーカリスト。脱退後は Primal Fear (プライマル・フィア)を結成し、正統派メタルの守護神として成功を収めた。近年はGamma Ray (ガンマ・レイ)の記念ライブにゲスト参加するなど、関係は極めて良好である。 - Dan Zimmermann (ダン・ツィマーマン) - Drums (1997-2012)
黄金期のリズムを支えた功労者。高速ツーバスと複雑なフィルインを笑顔で叩きこなす姿が人気を博した。Freedom Call (フリーダム・コール)の創設メンバーでもあった。 - Uli Kusch (ウリ・クッシュ) - Drums (1990-1992)
脱退後、Helloween (ハロウィン) に加入し 『The Time of the Oath』 などの名盤に貢献。その後 Masterplan (マスタープラン)を結成。テクニカルなドラミングと作曲能力で知られる。 - Jan Rubach (ヤン・ルバハ) - Bass (1993-1997)
『Land of the Free』 期のベーシスト。脱退後は目立った音楽活動からは遠ざかっている。 - Thomas Nack (トーマス・ナック) - Drums (1993-1997)
脱退後は Iron Savior (アイアン・セイヴィアー)に加入し、長年活動している。
5. ジャーマン・メタルの守護者として
Gamma Ray (ガンマ・レイ) の35年以上にわたる歴史は、Kai Hansen (カイ・ハンセン)という一人の天才の、妥協なき音楽的探求の記録である。Helloween (ハロウィン)がメインストリームでの成功と引き換えに失いかけた「純粋なメタルの魂」を、Gamma Ray (ガンマ・レイ)は守り続け、発展させた。
GAMMA RAYの音楽性は、初期の Queen (クイーン) 的な実験性から、宇宙的なスケール感を持つスピード・メタル、そしてJudas Priest (ジューダス・プリースト) 直系の正統派ヘヴィ・メタルへと進化を遂げてきた。その過程で、「Man on a Mission」や「Rebellion in Dreamland」、「Send Me a Sign」 といったジャンルを定義する名曲が生み出された。
2026年現在、バンド活動は Helloween (ハロウィン) のリユニオンという巨大なプロジェクトの影でペースダウンしていることは否めない。しかし、Frank Beck (フランク・ベック)という新たな才能の注入、そして Kai Hansen (カイ・ハンセン)の尽きることのない創作意欲は、Gamma Ray (ガンマ・レイ) という光線が消えることなく、今後もメタル・シーンを照らし続けることを示唆している。GAMMA RAYは単なる「カイ・ハンセンのバンド」ではなく、メロディック・パワー・メタルというジャンルそのものを体現する存在なのである。
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KAI HANSEN、ソロ作『Born With A Hammer』から3枚目の先行曲「Wait And See」を公開
HELLOWEEN/GAMMA RAYのKai Hansenによる全10曲のソロ・アルバムは9月18日earMUSICから発売。プロデュースはEike Freese。
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