MERCENARY
1991年の結成以来、MERCENARYはスカンジナビアのメタルシーンにおいて特異な地位を築いてきた。
Biography
MERCENARY (マーサナリー)
デンマーク・メタル界の巨星 - 歴史的変遷、音楽的進化
1. Introduction
1991年の結成以来、MERCENARYはスカンジナビアのメタルシーンにおいて特異な地位を築いてきた。MERCENARYの音楽性は、初期の攻撃的なデスメタル (Death Metal) から、メロディック・デスメタル (Melodic Death Metal)、パワーメタル (Power Metal)、そしてプログレッシブ・メタル (Progressive Metal) の要素を巧みに融合させた独自のスタイルへと劇的な進化を遂げている。
バンド名の「Mercenary」は「傭兵」を意味し、その名の通り、度重なるメンバーチェンジや音楽シーンの流行り廃りという戦場を生き抜いてきたMERCENARYの強靭な精神性を象徴している。特に、グロウル (デスヴォイス) とクリーンヴォーカルを対比させるスタイルは、後のメタルコアやモダン・ヘヴィネスのバンド群にも多大な影響を与えたとされる。また、MERCENARYは「Danish Dynamite (ダニッシュ・ダイナマイト)」と称されるデンマーク産メタルの波を牽引した存在としても評価されており、Mnemic (ネミック) や Raunchy (ラウンチー)、Hatesphere (ヘイトスフィア)と並び称されることが多い。
2. バイオグラフィと歴史的分析 (Biography and Historical Analysis)
MERCENARYの歴史は、大きく分けて三つの時代に分類することができる。第一期はデスメタル・ルーツの探求期、第二期はプログレッシブかつシンフォニックな要素を取り入れた黄金期(通称:Sandager兄弟在籍期)、 tender 第三期はメンバーの大半が入れ替わり、モダンなサウンドへと再構築された現在進行形の時代である。
2.1. 黎明期: 結成からデスメタルへの傾倒 (1991-1998)
結成と初期のデモ音源: MERCENARYは1991年、デンマークの北部に位置する工業都市 Aalborg (オールボー)にて結成された。バンドの創設者であり、長きにわたり精神的支柱であったのが、ベース兼ヴォーカルの Henrik "Kral" Andersen (ヘンリック・"クラル"・アンデルセン)である。結成当初の音楽性は、当時スカンジナビア全土を席巻していたデスメタルやスラッシュメタルの影響を色濃く受けたものであり、後の洗練されたメロディックなサウンドとは一線を画す、荒々しく攻撃的なものであった。
1993年までにバンドは地元のアンダーグラウンドシーンで活動を行い、『Domicile』 (1993年)や『Gummizild』 (1994年)といったデモテープを制作している。これらの初期音源は、バンドが自身のアイデンティティを模索していた時期の記録であり、重厚なリフとKralの野太いグロウルが特徴であった。初期のラインナップには、ギタリストの Hans Jørgen Andersen (ハンス・ヨーゲン・アンデルセン)も名を連ねていたが、メンバーの入れ替わりは激しく、安定した編成を維持することに苦心していた。
EP 『Supremacy』 とデビューアルバム: 転機が訪れたのは1996年である。4曲入りのEP『Supremacy』を発表したMERCENARYは、地元のレーベル Black Day Records (ブラック・デイ・レコード)との契約を獲得する。このEPは、依然としてデスメタルの範疇にありながらも、後にMERCENARYの代名詞となる「キャッチーなメロディへの意識」が芽生え始めた作品として評価されている。
1998年、バンドは Serious Entertainment (シリアス・エンターテインメント) から待望のデビュー・フルアルバム 『First Breath (ファースト・ブレス)』をリリースした。このアルバムは、アグレッシブなリフワークと疾走感が支配する一方で、楽曲の構成にはドラマティックな展開が見られ、単なるデスメタルバンドに留まらないポテンシャルを示唆していた。当時の評価としては、スウェーデンのイエテボリ・スタイル(メロディック・デスメタル)へのデンマークからの回答とも捉えられたが、プロダクションの面ではまだ荒削りさが残っていた。
2.2. 進化の予兆: 『Everblack』 とラインナップの拡張 (1999-2002)
デビュー作の発表後、MERCENARYは音楽的な進化を求めてラインナップの強化を図った。この時期にバンドに加わったのが、後にバンドのサウンドを決定づけることになる重要人物たちである。特に、兄弟であるMikkel Sandager (ミッケル・サンダガー) と Morten Sandager (モルテン・サンダガー)の加入は決定的であった。Mikkelはクリーンヴォーカルを担当し、Mortenはキーボードを担当することで、バンドのサウンドに「深み」と「哀愁」が加わった。
また、2002年にはギタリストとして Martin Buus (マーティン・ブース)が加入する。彼は非常にテクニカルなリードプレイを得意とし、キーボードの素養もあったため、楽曲のアレンジメントにおいて重要な役割を果たすようになった。
2002年にリリースされた2ndアルバム 『Everblack (エヴァーブラック)』 (レーベル: Hammerheart Records (ハンマーハート・レコード))は、この過渡期を象徴する作品である。Kralのデスヴォイスは依然として健在であったが、クリーンヴォーカルのパートが増え、キーボードによるシンフォニックな装飾が大胆に導入された。このアルバムによって、MERCENARYは「パワーメタルのメロディを持ったデスメタルバンド」 という独自の立ち位置を確立し始めたのである。
2.3. 黄金期の到来: 『11 Dreams』 と世界的な成功 (2003-2005)
Century Mediaとの契約: 2003年、MERCENARYはドイツの大手メタルレーベル Century Media Records (センチュリー・メディア・レコード) との契約に成功する。これはMERCENARYがローカルなバンドから国際的なアクトへと飛躍するための重要なステップであった。
傑作『11 Dreams』の誕生: 2004年にリリースされた3rdアルバム 『11 Dreams (イレヴン・ドリームス)』は、バンドのキャリアにおける最高傑作の一つとして広く認識されている。この作品でMERCENARYは、アグレッシブなリズム隊、Kralの凶暴なグロウル、Mikkel Sandagerの伸びやかで演劇的なクリーンヴォーカル、そしてMorten Sandagerによる壮大なキーボードワークを完璧なバランスで融合させた。
音楽的には、Soilwork (ソイルワーク) や In Flames (イン・フレイムス) といったモダンなメロディック・デスメタルの要素に、Nevermore (ネヴァーモア) や Symphony X (シンフォニー・エックス)を彷彿とさせるプログレッシブ・メタルの構築美を取り入れたスタイルが完成した。アルバムのアートワークは、Dark Tranquillity (ダーク・トランキュリティ)のギタリストでありデザイナーのNiklas Sundin (ニクラス・サンディン)が手掛け、音楽の持つダークで幻想的な世界観を視覚化した。
このアルバムの成功により、バンドは Wacken Open Air (ヴァッケン・オープン・エア)や Roskilde Festival (ロスキレ・フェスティバル) といった主要な音楽フェスティバルへの出演を果たし、ヨーロッパ全土での知名度を飛躍的に高めた。
2.4. 創設者の脱退と 『The Hours That Remain』 (2006-2007)
Kralの脱退という衝撃: 順風満帆に見えたバンドに衝撃が走ったのは2006年のことである。バンドの創設者であり、リーダーとして15年間バンドを牽引してきた Henrik "Kral" Andersen が、個人的な理由により突如として脱退を表明した。ベーシスト、作詞作曲家、転機としての彼の役割はあまりに大きく、バンドの存続が危ぶまれる事態となった。
しかし、残されたメンバーは活動の継続を決断し、名プロデューサー Jacob Hansen (ヤコブ・ハンセン)の協力を得て、4thアルバム 『The Hours That Remain (ザ・アワーズ・ザット・リメイン)』 (2006年)を完成させた。Kral不在の中で制作されたこのアルバムは、驚くべきことに前作以上の完成度を誇る作品となった。楽曲はよりタイトでモダンになり、メロディのフック (聴きどころ)が強化された。
René Pedersenの加入: Kralの後任として、ベースとデスヴォイスを担当するために加入したのが René Pedersen (レネ・ペデルセン)である。彼は以前、Transparent (トランスペアレント) というバンドで活動しており、よりモダンでメタルコア的なアプローチのスクリームを得意としていた。彼の加入により、バンドのヴォーカル・パートは「Mikkelのハイトーン・クリーン」 対 「Renéの強烈なスクリーム」という、よりコントラストの強いツイン・ヴォーカル体制へと移行した。
2.5. 六人体制の頂点と崩壊: 『Architect of Lies』 から分裂へ (2008-2009)
Renéを迎えた新体制で制作された5thアルバム 『Architect of Lies (アーキテクト・オブ・ライズ)』(2008年)は、バンド史上最もダークでヘヴィな作品の一つとなった。パワーメタルの要素を残しつつも、よりアグレッシブなリフと複雑なリズム展開が多用され、Renéの加入がバンドに新たな攻撃性をもたらしたことが証明された。この時期、バンドは Megadeth (メガデス) や Arch Enemy (アーチ・エネミー) といった大物バンドのサポートアクトを務め、ライブバンドとしての実力もピークに達していた。
しかし、2009年、バンドは再び最大の危機に直面する。音楽的な方向性の違いや内部の軋轢により、ヴォーカルの Mikkel Sandager、キーボードの Morten Sandager、そしてドラムのMike Park (マイク・パーク)という、黄金期を支えた主要メンバー3人が一斉に脱退したのである。
2.6. 再生と変革: 『Metamorphosis』 以降 (2010-2013)
René Pedersen体制の確立: 主要メンバーの半数を失ったMERCENARYであったが、ギターチームである Jakob Mølbjerg (ヤコブ・モルベジェア) と Martin Buus、そして René Pedersen は解散を選ばなかった。MERCENARYは新たなドラマーとしてMorten Løwe (モルテン・ローヴェ)を迎え(後に Peter Mathiesen (ピーター・マティesen)に交代)、4人編成として再出発することを選択した。
最大の変化は、René Pedersenがベースとデスヴォイスだけでなく、クリーンヴォーカルも含めたすべてのヴォーカルパートを担当することになった点である。これにより、バンドのサウンドからは専任キーボーディストによるシンフォニックな厚みが減退した一方で、よりギターオリエンテッドでストレートな「モダン・メタル」へと変貌を遂げた。
2011年にリリースされた6thアルバム 『Metamorphosis (メタモルフォシス)』(「変身」の意)は、その名の通りバンドの生まれ変わりを宣言する作品となった。Mikkel Sandagerの声を失ったことに対するファンの戸惑いはあったものの、Renéのヴォーカリストとしての驚異的な成長と、Martin Buusによるテクニカルなギターワークは高く評価された。
続く2013年の7thアルバム 『Through Our Darkest Days (スルー・アワー・ダーケスト・デイズ)』では、前作での実験的な要素を消化し、かつてのMERCENARYが持っていた「壮大なメロディ」を取り戻すことに成功した。特にタイトル曲におけるアンセミックなコーラスは、新体制の代表曲となった。
2.7. 10年の沈黙と復活: 『Soundtrack for the End Times』 (2014-2023)
『Through Our Darkest Days』のリリース後、バンドは長い沈黙期間に入った。解散宣言はなされなかったものの、メンバーが家庭を持ったり(育児)、学業や別の仕事 (Renéはソーシャルワーカーとしてのキャリアを積んでいた)に専念したりしたため、活動ペースは極端に緩やかになった。この間、ドラマーのPeter Mathiesenが脱退し、2020年に Martin Nielsen (マーティン・ニールセン)が加入している。
そして2023年、実に10年ぶりとなる8thアルバム 『Soundtrack for the End Times (サウンドトラック・フォー・ジ・エンド・タイムズ)』をリリースし、完全復活を果たした。このアルバムは、パンデミックや世界情勢の不安を反映したダークな世界観を持ちつつも、MERCENARYらしい希望を感じさせるメロディに満ちている。特筆すべきは、以前からMERCENARYのファンを公言していた Trivium (トリヴィアム)のフロントマン、Matt Heafy (マシュー・キイチ・ヒーフィー) がゲストヴォーカルとして参加した楽曲"Heart of the Numb" の存在である。このコラボレーションは、MERCENARYの影響力が次世代のメタルバンドにも及んでいることを証明する出来事となった。
現在、バンドは2024年から2025年にかけて、Hatesphere (ヘイトスフィア)とのダブルヘッドライナーツアーや、ヨーロッパ各地でのフェスティバル出演など、精力的なライブ活動を展開している。
3. 音楽的スタイルと影響 (Musical Style and Influences)
MERCENARYの音楽性は、単一のジャンルに留まらない多様性を持っているが、一般的には以下の要素の融合として語られることが多い。
- 1. メロディック・デスメタル (Melodic Death Metal): 特に初期から中期にかけての基盤。ダウンチューニングされたギターによるヘヴィなリフと、攻撃的なグロウルが特徴。スウェーデンの「イエテボリ・サウンド (Gothenburg Sound)」 と比較されるが、MERCENARYはよりリズムが重く、グルーヴ感を重視する傾向がある。
- 2. パワーメタル (Power Metal): MERCENARYを他のデスメタルバンドと区別する最大の要素。サビ (コーラス)における開放的でキャッチーなメロディ、ハイトーンのクリーンヴォーカル、そして楽曲の高揚感は、Helloween (ハロウィン) や Blind Guardian (ブラインド・ガーディアン) といったジャーマン・パワーメタルの影響を感じさせる。
- 3. プログレッシブ・メタル (Progressive Metal): 特に『11 Dreams』 や 『The Hours That Remain』 において顕著。変拍子、複雑な楽曲構成、長尺の曲、そして重層的なキーボードアレンジが特徴。Dream Theater (ドリーム・シアター) や Nevermore (ネヴァーモア) からの影響が見て取れる。
- 4. プロダクション (Production): MERCENARYのサウンドを語る上で欠かせないのが、プロデューサー Jacob Hansen (ヤコブ・ハンセン)の存在である。彼の手によるクリアで分離の良い、かつ「音の壁 (Wall of Sound)」のような厚みのあるプロダクションは、MERCENARYのアイデンティティの一部となっている。
4. メンバー編成の変遷 (Lineup History)
MERCENARYの歴史は、激しいメンバーチェンジの歴史でもある。以下に主要なメンバーの変遷を表にまとめる。
4.1. 現在のメンバー (Current Members)
| 氏名 (英語/カタカナ) | 担当パート | 在籍期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Jakob Mølbjerg ヤコブ・モルベジェア |
Rhythm Guitar | 1994-現在 | バンド最古参メンバー。メインコンポーザーの一人。 |
| Martin Buus マーティン・ブース |
Lead Guitar / Keyboards | 2002-現在 | テクニカルなソロと楽曲のアレンジを担う。 |
| René Pedersen レネ・ペデルセン |
Bass / Vocals | 2006-現在 | 2009年以降はリードヴォーカルも兼任。絶対的なフロントマン。 |
| Martin Nielsen マーティン・ニールセン |
Drums | 2020-現在 | 最新作『Soundtrack for the End Times』でドラムを担当。 |
4.2. 主要な元メンバー (Notable Former Members)
| 氏名 (英語/カタカナ) | 担当パート | 在籍期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Henrik "Kral" Andersen ヘンリック・"クラル"・アンデルセン |
Bass / Harsh Vocals | 1991-2006 | バンド創設者。初期~中期の精神的支柱。 |
| Mikkel Sandager ミッケル・サンダガー |
Clean Vocals | 2002-2009 | 黄金期の"声"。脱退後はOne Machine等で活動。 |
| Morten Sandager モルテン・サンダガー |
Keyboards | 2002-2009 | バンドのシンフォニックな側面を支えた。現在はAmaranthe等で活動歴あり。 |
| Mike Park Nielsen マイク・パーク・ニールセン |
Drums | 2002-2009 | 黄金期のリズムを支えた。 |
| Peter Mathiesen ピーター・マティesen |
Drums | 2011-2020 | 『Through Our Darkest Days』 期を支えた。 |
| Nikolaj Brinkman ニコライ・ブリンクマン |
Lead Guitar | 1994-2000 | 2002年逝去。初期の重要メンバー。 |
| Signar Petersen シグナー・ピーターセン |
Lead Guitar | 2000-2002 | 『Everblack』に参加。 |
5. ディスコグラフィ (Discography)
以下はMERCENARYの主要なスタジオアルバムの詳細である。特に日本盤 (Japanese Edition) におけるボーナストラックや仕様についても可能な限り詳述する。MERCENARYの日本盤は主に Avalon / Marquee (アヴァロン・レーベル/マーキー・インコーポレイティド)からリリースされており、コレクターズアイテムとしての価値も高い。
5.1. スタジオアルバム (Studio Albums)
1. First Breath (ファースト・ブレス)
- リリース年: 1998年
- レーベル: Serious Entertainment
- 概要: デスメタル色が最も強いデビュー作。プロダクションは荒削りだが、メロディへの志向が既に見られる。
- Symbiotic
- World Wide Weep
- Horizon
- Master Game
- Perceptive
- Graveart
- Next to Nothing
- Demon8
- Watching Me
- At the End of the Times
2. Everblack (エヴァーブラック)
- リリース年: 2002年
- レーベル: Hammerheart Records
- 概要: プログレッシブかつダークな方向へシフトし始めた作品。Mikkel Sandagerがゲスト参加しており、次作への布石となっている。
- Intro
- Everblack
- Seize the Possibility
- Screaming from the Heavens
- Dead.com
- Darkspeed
- Bloodrush
- A Darker Shade of Black
- Bulletblues
- Rescue Me
- Alliance
3. 11 Dreams (イレヴン・ドリームス)
- リリース年: 2004年8月23日
- レーベル: Century Media Records
- 日本盤: Avalon / Marquee (規格番号: MICP-10480)
- 概要: バンドの最高傑作との呼び声高い作品。プログレッシブ・メタルとメロディック・デスメタルの完璧な融合。Niklas Sundinによるアートワークも秀逸。
- Into the Sea of Dark Desires
- World Hate Center
- 11 Dreams
- reDestructDead
- Firesoul
- Sharpen the Edges
- Supremacy v2.0
- Music Non Stop (Kent cover)
- Falling
- Times Without Changes
- Loneliness
日本盤ボーナストラック: 12. 11 Dreams (3D Mix)
タイトル曲のリミックスバージョン。ステレオ効果を強調したミックスとなっている。
4. The Hours That Remain (ザ・アワーズ・ザット・リメイン)
- リリース年: 2006年8月21日
- レーベル: Century Media Records
- 日本盤: Avalon / Marquee (規格番号: MICP-10614)
- 概要: 創設者Kral不在の中で制作されたが、楽曲の完成度は極めて高い。よりキャッチーでモダンなアプローチが際立つ。
- Redefine Me
- Year of the Plague
- My World Is Ending
- This Eternal Instant
- Lost Reality
- Soul Decision
- Simplicity Demand
- Obscure Indiscretion
- My Secret Window
- The Hours That Remain
日本盤ボーナストラック: 11. Into The Sea / World Hate Center (Live), 12. 11 Dreams (Live)
これらは「Dynamo 2005」等のライブ音源であり、当時のバンドの演奏力の高さを示す貴重な記録である。
5. Architect of Lies (アーキテクト・オブ・ライズ)
- リリース年: 2008年3月25日
- レーベル: Century Media Records
- 日本盤: Avalon / Marquee
- 概要: サンダガー兄弟在籍最後のアルバム。全体的にアグレッシブでダークなトーンが支配する。
- New Desire
- Bloodsong
- Embrace the Nothing
- This Black and Endless Never
- Isolation (The Loneliness in December)
- The Endless Fall
- Black and Hollow
- Execution Style
- I Am Lies
- Public Failure Number One
日本盤・限定盤ボーナストラック: Death Connection, Force of Habit
これらの楽曲は、地域やエディション (限定デジパック等)によって収録状況が異なるが、日本盤には複数収録されるケースが多かった。
6. Metamorphosis (メタモルフォシス)
- リリース年: 2011年2月25日
- レーベル: NoiseArt Records
- 日本盤: ボーナストラック付き仕様が存在する。
- 概要: 4人編成となった新生MERCENARYの第一弾。キーボード装飾を減らし、ギターリフ主体のストレートなメタルへと回帰した。
- Through the Eyes of the Devil
- The Follower
- In a River of Madness
- Memoria
- Velvet Towers
- In Bloodred Shades
- Shades of Grey
- On the Edge of Sanity
- The Black Brigade
ボーナストラック: Incorporate Your Demons, Vanity's Truth
これらは限定デジパック版や特定の市場向けのボーナスとして収録された。
7. Through Our Darkest Days (スルー・アワー・ダーケスト・デイズ)
- リリース年: 2013年7月26日
- レーベル: NoiseArt Records
- 日本盤: 輸入盤国内仕様などが流通。
- 概要: 『Metamorphosis』のモダンさと、かつてのメロディアスさを融合させた作品。
- A New Dawn
- Welcome the Sickness
- Through Our Darkest Days
- Dreamstate Machine
- A Moment of Clarity
- Beyond This Night
- Starving Eyes
- Generation Hate
- Forever the Unknown
ボーナストラック: 10. Holding On To Serenity
8. Soundtrack for the End Times (サウンドトラック・フォー・ジ・エンド・タイムズ)
- リリース年: 2023年9月22日
- レーベル: NoiseArt Records
- 概要: 10年ぶりの最新作。冷徹さと情熱が同居する、バンドの集大成的なサウンド。
- Burning in Reverse
- Heart of the Numb (feat. Matt Heafy)
- Where Darkened Souls Belong
- Through This Blackened Hatred
- Anthem for the Anxious
- A Darker Path
- Become the Flame
- From the Ashes of the Fallen
- Black Heart, Dead Tissue
- Black Blood Soil
- Beyond the Waves
ボーナストラック:
日本流通盤やデジパック版には、アコースティック・バージョンなどのボーナストラック (全2曲追加など)が含まれる場合がある。
5.2. その他のリリース (Other Releases)
- Recollections: The Century Media Years (2012年): Century Media時代のアルバム3枚をまとめたボックスセット。
- Retrospective (2006年): 初期デモ音源などを集めたコンピレーション・アルバム
6. 日本との関わり (Connection with Japan)
MERCENARYは日本において、特に「メロディック・デスメタル」や「北欧メタル」を好む層から根強い支持を受けている。
- 日本盤リリース: 前述の通り、Avalon / Marquee などのレーベルから日本盤がリリースされており、帯 (Obi) や解説書、ボーナストラックが付属する仕様は、海外のコレクターからも高く評価されている。
- 来日公演: 2015年には Dark Lunacy (ダーク・ルナシー)とのダブルヘッドライナーとして来日ツアーを行っている。東京(渋谷CYCLONE)、名古屋、大阪の3都市を巡り、日本のファンにその演奏力の高さを見せつけた。
- Matt Heafyとの絆: アメリカのバンド Triviumのフロントマンであり、日本生まれ(山口県岩国市)のMatt Heafy (マシュー・キイチ・ヒーフィー)は、MERCENARYのファンであることを公言していた。彼は自身のSNSやインタビューでMERCENARYのTシャツを着用したり、彼らの楽曲を称賛したりしており、これが縁となって最新作でのコラボレーションが実現した。このエピソードは、日本のメタルファンにとっても馴染み深い話題となっている。
7. Conclusion
MERCENARYは、単なる「デスメタルバンド」でも「パワーメタルバンド」ではない。MERCENARYは、メタルというジャンルの中で相反する要素————「残虐性」と「美旋律」、「絶望」と「希望」――――を融合させる実験を30年以上続けてきた探求者である。
初期の荒々しいデスメタルから、Sandager兄弟在籍時のシンフォニックでプログレッシブな黄金期、 Redmond および René Pedersenを中心としたソリッドなモダン・メタルへの変遷は、MERCENARYが常に時代の音を取り入れつつも、自身の核となる 「MERCENARYらしさ (哀愁漂うメロディとヘヴィネス)」を失わなかったことを証明している。最新作『Soundtrack for the End Times』での復活は、MERCENARYが依然として創造性のピークにあることを示しており、今後もデンマーク、そして世界のメタルシーンにおいて重要な存在であり続けるだろう。