GALNERYUS
21世紀初頭の日本の音楽シーンにおいて、GALNERYUS (ガルネリウス)の登場は、ヘヴィメタル (Heavy Metal) というジャンルにおける一つの革命的な転換点であったと言える。
Biography
GALNERYUS (ガルネリウス)
歴史的変遷、音楽的進化、ディスコグラフィー
1. 日本のメタルシーンにおける特異点としてのGALNERYUS
21世紀初頭の日本の音楽シーンにおいて、GALNERYUS (ガルネリウス)の登場は、ヘヴィメタル (Heavy Metal) というジャンルにおける一つの革命的な転換点であったと言える。 2001年にOsaka (大阪) で結成されたこのバンドは、1980年代から脈々と続くジャパニーズ・メタルの伝統を継承しつつ、欧州のメロディック・スピード・メタル (Melodic Speed Metal) やネオクラシカル・メタル (Neoclassical Metal) の様式美を極めて高い演奏技術で再構築した。
中心人物であるギタリスト Syu (シュウ)の卓越した技巧と、歴代のボーカリストたちが響かせる圧倒的な歌唱力は、国内のみならず海外のメタル・コミュニティからも熱狂的な支持を受けている。特に、「哀愁の美旋律」と形容されるGALNERYUSの楽曲群は、単なる速弾きや大音量の追求に留まらず、聴く者の感情を揺さぶる劇的な構成美 (Dramatism)を有している。 これは、GALNERYUSがアニメ 『HUNTER×HUNTER (ハンターハンター)』 や 『RAINBOW-二舎六房の七人-(レインボー)』といったポピュラーカルチャーとの接点を持ち、ジャンルの垣根を超えたファン層を獲得する要因ともなった。
2. 創成期: 結成とインディーズ時代の胎動 (2001-2002)
2.1 運命的な出会いと結成の経緯
GALNERYUS (ガルネリウス)の歴史は、2001年のOsaka (大阪) にて幕を開ける。当時、ヴィジュアル系ヘヴィメタルバンドValkyr (ヴァルキュア) のギタリストとして活動していたSyu (シュウ)は、自身の音楽的ルーツである「クサメロ (Melodic Metal)」と「速弾き (Shred Guitar)」をより純粋に追求できるプロジェクトを模索していた。Syu(シュウ)は、Animetal (アニメタル) やAushvitz (アウシュヴィッツ/後のSPINALCORD) といったバンドでの活動を通じてもその才能を発揮していたが、彼が真に求めていたのは、Stratovarius (ストラトヴァリウス) やDream Theater (ドリーム・シアター)、X JAPAN (エックス・ジャパン) といったバンドに影響を受けた、シンフォニックかつプログレッシブなパワーメタルであった。
この構想を実現するために不可欠だったのが、強力なボーカリストの存在である。Syu(シュウ)は、Gunbridge (ガンブリッジ)、Rekion (レキオン)、River End (リバー・エンド)といったバンドで活動していたボーカリスト、Masahiro "Yama-B" Yamaguchi (山口将宏/ヤマ・ビー)と出会う。Yama-B (ヤマ・ビー) がパーソナリティを務めるラジオ番組にSyu (シュウ)がゲスト出演したことを契機に二人は意気投合し、スタジオでのセッションを経て、Yama-B (ヤマ・ビー)の強靭なハイトーンボイスと完璧に近い英語の発音にSyu(シュウ)が惚れ込む形でバンド結成に至った。
バンド名 「GALNERYUS (ガルネリウス)」は、伝説的なヴァイオリン製作家Guarneri (ガルネリ)の名に由来する。Syu(シュウ) 自身が幼少期にヴァイオリンを学んでいた背景があり、「最高の音色を奏でる楽器」のようなバンドでありたいという願いが込められている。綴りはインターネット検索での独自性を高めるため、あえて造語的なスペルが採用された。
2.2 インディーズシーンへの衝撃
結成当初の正式メンバーはSyu (シュウ) とYama-B (ヤマ・ビー) の2名のみであり、リズム隊やキーボードはサポートメンバーによって構成されていた。この時期に関与したミュージシャンには、以下の人物が含まれる。
- Keyboards: A (エイ) [2001-2002] - 元Valkyr (ヴァルキュア)のメンバー。
- Bass: Shogo Himuro (氷室祥吾) [2001-2002] - 元Gunbridge (ガンブリッジ)のメンバー。
- Drums: Toshihiro "Tossan" Yui (トッサン/油井利廣) [2001-2002] - 元Cemetery (セメタリー)、Honey Quest (ハニークエスト)。
- Keyboards: Yoshinori Kataoka (片岡義典)
- Bass: Yusuke (ユースケ) [2002-2003]
2001年10月、GALNERYUSは自主制作によるデモシングル 『United Flag (ユナイテッド・フラッグ)』を発表する。このデモテープは、当時のアンダーグラウンドなメタルシーンにおいて瞬く間に話題となり、そのクオリティの高さは関係者の耳にも届くこととなった。特筆すべきは、プロデューサー Yorimasa Hisatake (久武頼正) との出会いである。Animetal (アニメタル)などのプロデュースで知られるHisatake (久武)は、GALNERYUS (ガルネリウス)のポテンシャルを見抜き、GALNERYUSを強力にバックアップすることを決意する。この出会いがなければ、その後のGALNERYUSの躍進はあり得なかったと言っても過言ではない。
2002年8月23日、インディーズレーベルIron Shock (アイアン・ショック) よりシングル『Rebel Flag (レーベル・フラッグ)』をリリース。表題曲「Rebel Flag」 に見られる、疾走するツーバスドラム、クラシカルなギターフレーズ、そしてYama-B (ヤマ・ビー) の力強いボーカルは、当時のジャパニーズ・メタル・ファンの渇望を満たすものであった。同年には、Stratovarius (ストラトヴァリウス)の楽曲 「Black Diamond」のカバーでコンピレーションアルバム 『Stand Proud! III』に参加、さらにLOUDNESS (ラウドネス) のトリビュートアルバム 『Japanese Heavy Metal Tribute Tamashii II』で「Soldier of Fortune」をカバーするなど、新人としては異例の扱いでシーンの中心へと躍り出ていった。
3. 第一期: Yama-B時代とメジャーシーンでの確立 (2003-2008)
3.1 鉄壁の布陣の完成とメジャーデビュー
メジャーデビューに向け、バンドはサポート体制から正式なバンド編成へと移行する。2003年、以下のメンバーが正式加入し、初期GALNERYUS (ガルネリウス) の黄金ラインナップが完成した。
- Keyboards: Yuhki (ユーキ) - Ark Storm (アーク・ストーム)やAlhambra (アルハンブラ)での活動で知られる鍵盤の魔術師。彼の加入により、バンドのサウンドはよりシンフォニックかつプログレッシブな厚みを増した。
- Drums: Jun-ichi Satoh (佐藤潤一 / ジュンイチ) - 安定したリズムキープとパワフルなドラミングでバンドの屋台骨となる。
- Bass: Ryosuke "Tsui" Matsui (松井亮介/ツイ) - 堅実なプレイでSyu (シュウ)の自由奔放なギターワークを支えた。
この5人体制で制作されたのが、2003年10月22日にVAP (バップ) からリリースされたメジャー1stアルバム『The Flag of Punishment (ザ・フラッグ・オブ・パニッシュメント)』である。このアルバムのアートワークには、『Final Fantasy (ファイナルファンタジー)』シリーズのキャラクターデザインで世界的に著名なイラストレーター、Yoshitaka Amano (天野喜孝)が起用された。新人バンドのデビュー作にAmano (天野) が起用されることは極めて異例であり、レーベル側の期待の大きさが窺える。アルバムの内容は、「Struggle for the Freedom Flag」や「United Flag」 といったインディーズ時代の代表曲を再録音・再構成したもので、ネオクラシカル・メタルの様式美を日本的な感性で昇華させた傑作として高く評価された。
3.2 進化と深まりゆく音楽性
2005年3月には2ndアルバム『Advance to the Fall (アドバンス・トゥ・ザ・フォール)』をリリース。この作品では、Yuhki (ユーキ)のソングライティングへの関与が増し、特に「Silent Revelation」などの楽曲において、キーボードとギターの対位法的な絡み合いが顕著になった。Yama-B (ヤマ・ビー)のボーカルスタイルもより表現力を増し、単なるハイトーンだけでなく、中低音域の深みが加わった。
続く2006年7月、3rdアルバム『Beyond the End of Despair... (ビヨンド・ジ・エンド・オブ・ディスペア)』を発表。これもまたYoshitaka Amano (天野喜孝)がジャケットを手掛け、初期三部作の完結編とも言える重厚な作品となった。この時期、バンドは初のライブDVD 『Live for Rebirth (ライブ・フォー・リバース)』をリリースし、スタジオ作品の再現性の高さと、ライブバンドとしての熱量の高さを証明した。
3.3 メンバーチェンジと過渡期の試練
順風満帆に見えたバンド活動であったが、2006年の「Live for Rebirth」 ツアー終了後、ベーシストのTsui (ツイ) が脱退する。後任として加入したのは、当時まだ無名に近かった若手ベーシスト、Yu-To (ユート)であった。Yu-To (ユート)は後にLeda (レダ)と改名し、ヴィジュアル系メタルバンドDELUHI (デルヒ) やBABYMETAL (ベビーメタル)のサポートギタリストとして世界的に名を馳せることになるが、当時はベーシストとしてGALNERYUS (ガルネリウス)のリズムを支えた。
新体制となったバンドは、2007年8月に4thアルバム 『One for All - All for One (ワン・フォー・オール・オール・フォー・ワン)』をリリース。このアルバムでは、初めて本格的に日本語詞が導入され、Syu (シュウ) 自身がボーカルをとる楽曲が収録されるなど、実験的なアプローチが見られた。これはバンドがより広い層へのアプローチを模索していた証左でもあるが、同時に従来の音楽性を支持するファンやメンバー間での方向性のズレを生むきっかけともなった。
2008年、バンドに最大の衝撃が走る。結成メンバーであり、バンドの象徴的声を持っていたYama-B (ヤマ・ビー)が「音楽性の相違」を理由に脱退を表明したのである。彼はバンドが目指す「日本語詞を中心とした、よりキャッチーで歌謡曲的な展開」に対し、自身のルーツである「洋楽的な正統派ヘヴィメタル」へのこだわりを持っていたとされる。Yama-B(ヤマ・ビー) 在籍最後となる5thアルバム 『Reincarnation (リインカーネーション)』は2008年9月にリリースされた。プロデューサー Yorimasa Hisatake (久武頼正) との綿密な連携により制作されたこのアルバムは、Yama-B (ヤマ・ビー) の集大成とも言える完成度を誇ったが、リリース後のツアー 「Back to the Flag」 をもって彼はバンドを去った。さらに翌2009年にはベーシストのYu-To (ユート) も脱退し、バンドはSyu (シュウ)、Yuhki (ユーキ)、Jun-ichi (ジュンイチ)の3名を残して活動休止状態に近い危機的状況へと追い込まれた。
4. 第二期: 復活(Resurrection) と黄金時代の到来 (2009-2016)
4.1 小野正利という「衝撃」
バンドの存続をかけた新ボーカリスト探しは難航を極めた。Yama-B (ヤマ・ビー) という圧倒的な個性と実力を持つ前任者の後を継げる人物は、日本のメタル界には存在しないかのように思われた。この膠着状態を打破したのは、プロデューサーHisatake (久武)の提案であった。彼が推薦したのは、1992年に「You're the Only...」 でミリオンヒットを記録し、NHK紅白歌合戦にも出場したポップスシンガー、Masatoshi Ono (小野正利)であった。
Syu (シュウ)は当初、ポップス界のスターである小野正利 (Masatoshi Ono) がヘヴィメタルバンドに加入することに対して懐疑的であった。しかし、スタジオでのリハーサルにおいて、小野(Ono) が往年のヒット曲を原曲キーのまま、しかも圧倒的な声量とハイトーンで歌い上げる姿を目の当たりにし、即座に加入を要請したという。同時期に、数々のセッションワークで知られる超絶技巧ベーシスト、Taka (タカ) も加入が決定。ここに、「日本屈指のハイトーンボーカリスト」 と 「鉄壁の楽器隊」を擁する、新生GALNERYUS (ガルネリウス)が誕生した。
4.2 『Resurrection』 から 『Angel of Salvation』へ
2009年の「LOUD PARK 09」での鮮烈なデビューを経て、2010年6月に6thアルバム『Resurrection (レザレクション)』をリリース。「復活」を意味するタイトルが示す通り、このアルバムはバンドの完全復活を高らかに宣言する作品となった。特に収録曲「Destiny」や「A Far-Off Distance」は、メロディアスかつキャッチーでありながらメタルの激しさを失わない、新しいGALNERYUS (ガルネリウス)のスタイルを確立した。「A Far-Off Distance」はアニメ『RAINBOW-二舎六房の七人』のエンディングテーマに起用され、バンド初のアニメタイアップとなった。
2011年、東日本大震災の悲劇を受けて制作された7thアルバム 『Phoenix Rising (フェニックス・ライジング)』をリリース。希望と再生をテーマにした「Future Never Dies」などの楽曲は、ファンの心に強く響いた。2012年には、バンドの知名度を世界的なものにする決定打が放たれる。シングル『Hunting for Your Dream (ハンティング・フォー・ユア・ドリーム)』が、人気アニメ 『HUNTER×HUNTER (ハンターハンター)』のエンディングテーマおよび劇場版主題歌に起用されたのである。YouTubeなどの動画共有サイトを通じて、この楽曲は世界中のアニメファン、メタルファンに拡散され、数千万回を超える再生数を記録した。
その勢いのまま、同年10月に8thアルバム 『Angel of Salvation (エンジェル・オブ・サルベーション)』をリリース。表題曲はTchaikovsky (チャイコフスキー) のヴァイオリン協奏曲二長調を大胆に引用した14分42秒に及ぶ大作であり、Syu (シュウ) のネオクラシカル志向とSho(ショウ / 小野正利)の表現力が融合した傑作となった。このアルバムはOricon (オリコン) デイリーチャートで9位 (ウィークリー17位)を記録し、商業的にも大きな成功を収めた。
4.3 世界進出とコンセプトアルバムへの挑戦
2013年のメジャーデビュー10周年記念イヤーには、渋谷公会堂(Shibuya Public Hall) での初ホール公演を成功させ、セルフカバーアルバム 『The Ironhearted Flag』シリーズをリリース。2014年には初のヨーロッパツアー (Germany, France, Spain) を敢行し、現地のファンから熱狂的な歓迎を受けた。同年リリースの9thアルバム 『Vetelgyus (ヴェテルギウス)』を経て、バンドは更なる芸術的高みを目指し、「コンセプト・アルバム」の制作に着手する。
2015年リリースの10thアルバム 『Under the Force of Courage (アンダー・ザ・フォース・オブ・カレッジ)』は、架空の戦記物語を音楽で描く組曲形式の作品であり、プログレッシブ・メタルの要素を色濃く反映した。この作品における緻密な構成とドラマティックな展開は、バンドの創造性が頂点に達していることを示した。
5. 第三期以降: ドラマーの交代と深化するレガシー (2016-現在)
5.1 Jun-ichiの脱退とFumiyaの加入
2016年、長年バンドのリズムを支え続けてきたドラマーJun-ichi (ジュンイチ)が脱退を表明する。13年間にわたる活動の中でバンドサウンドの核となっていた彼の離脱はファンに衝撃を与えたが、バンドは歩みを止めることなく、後任として若手ドラマー Fumiya Morishita (森下フミヤ/フミヤ)を迎えた。Fumiya (フミヤ) はThousand Eyes (サウザンド・アイズ)やUnlucky Morpheus (アンラッキー・モルフェウス)での活動でも知られるテクニカルドラマーであり、彼の加入によりバンドの楽曲はさらにスピードと手数を増し、アグレッシブな側面が強化された。
5.2 ワーナーへの移籍と 『Ultimate Sacrifice』
2017年、バンドは長年所属したVAP (バップ) から Warner Music Japan (ワーナーミュージック・ジャパン)へと移籍する。移籍第一弾アルバム 『Ultimate Sacrifice (アルティメット・サクリファイス)』は、前作『Under the Force of Courage』の続編となるコンセプトアルバムであり、オリコンチャートで13位を記録。Loudwire (ラウドワイヤー) によって「Best Japanese Metal Bands」の一つに選出されるなど、海外での評価も不動のものとなった。
2019年にはデビュー15周年を記念し、アメリカ・アトランタ (Atlanta) で開催された著名なプログレッシブ・メタルフェスティバル 「ProgPower USA」に出演。同年、12thアルバム『Into the Purgatory (イントゥ・ザ・パーガトリー)』をリリースしたが、コンセプトアルバム路線からは一旦離れ、楽曲ごとの個性を重視した作風へと回帰した。
5.3 LEAの加入と20周年、そして未来へ
2020年6月、Fumiya (フミヤ) が脱退を発表。後任として加入したのは、それまでZYGOTE(ザイゴート)などで活動していたドラマー、LEA (レア)である。LEA (レア) はJun-ichi(ジュンイチ)とFumiya (フミヤ)の両名をリスペクトするスタイルを持ち、バンドに新たなグルーヴをもたらした。
コロナ禍(COVID-19 Pandemic) という困難な状況下においてもバンドは活動を継続し、2021年にスペシャルアルバム 『Union Gives Strength (ユニオン・ギブス・ストレングス)』、2023年には20周年記念アルバム 『Between Dread and Valor (ビトウィーン・ドレッド・アンド・ヴァラー)』をリリース。そして2024年9月、最新アルバム 『The Stars Will Light the Way (ザ・スターズ・ウィル・ライト・ザ・ウェイ)』を発表。この作品は「Go Towards the Utopia」 などの楽曲を含み、バンドが20年を超えてなお進化の途上にあることを証明した。2025年には映像作品『The Rising of the New Legacy (ザ・ライジング・オブ・ザ・ニュー・レガシー)』のリリースと、それに伴うツアー 「THE LEGEND RISES TO THE FUTURE」が予定されており、GALNERYUSの伝説は現在も更新され続けている。
6. メンバー詳細プロフィール (Members Biography)
現メンバー (Current Members)
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Syu (シュウ) - Guitar, Chorus, Leader
- 生年月日: 1980年9月23日
- 出身地: Hyogo (兵庫県芦屋市)
- 経歴: VALKYR, ANIMETAL, SPINALCORD (Aushvitz)
- 詳細: GALNERYUS (ガルネリウス)の創設者であり、ほぼ全ての楽曲を作曲するメインソングライター。幼少期よりヴァイオリンを学び、X JAPAN (エックス・ジャパン)のYOSHIKI (ヨシキ) に影響を受けてドラムを始め、その後ギターに転向したというマルチプレイヤーの背景を持つ。彼のギタースタイルは、Yngwie Malmsteen (イングヴェイ・マルムスティーン) 直系のネオクラシカルな速弾き (スウィープ・ピッキング、高速オルタネイト) を基盤としつつ、Uli Jon Roth (ウルリッヒ・ロート) やMichael Schenker (マイケル・シェンカー) から受け継いだ「泣き」のヴィブラートとエモーショナルなチョーキングを特徴とする。
- 使用機材: ESP (イー・エス・ピー) と長年のエンドースメント契約を結んでおり、自身のシグネチャーモデルである 「Crying Star (クライング・スター)」シリーズや、「Syunapper (シュナッパー)」シリーズを愛用している。アンプにはMarshall (マーシャル)、Synergy Amps (シナジー・アンプ)、Orange(オレンジ)などを使用し、楽曲に合わせて多彩なトーンを使い分ける。
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Yuhki (ユーキ) - Keyboards, Hammond Organ, Chorus
- 生年月日: 1970年3月17日
- 出身地: Kanagawa (神奈川県)
- 経歴: ARK STORM, ALHAMBRA
- 詳細: 2003年のメジャーデビュー時より正式メンバーとして参加。Syu(シュウ)と共にバンドのサウンドスケープを決定づける最重要人物の一人。Deep Purple (ディープ・パープル) のJon Lord (ジョン・ロード) やJens Johansson (イェンス・ヨハンソン)の影響を感じさせる、歪んだハモンドオルガンのプレイと、煌びやかなシンセサイザーリードの高速ソロを得意とする。プログレッシブ・ロックへの造詣が深く、バンドに複雑な変拍子や劇的な展開をもたらす役割を果たしている。
- 使用機材: ライブでは要塞のように積み上げられたキーボードセットを使用。Roland JD-XA, FA-08, Hammond C3 Organ, Leslie 147 Speakerなどを駆使する。
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Masatoshi "SHO" Ono (小野正利 / ショウ) - Vocals
- 生年月日: 1967年1月29日
- 出身地: Tokyo (東京都足立区)
- 経歴: Solo Artist (1992年 「You're the Only...」 ミリオンセラー)
- 詳細: 2009年加入。4オクターブとも称される驚異的な声域を持つ「クリアハイトーン」の持ち主。ポップス歌手としてのキャリアが長いが、GALNERYUS加入後は、海外のパワーメタル・シンガーと比較しても遜色のない、力強く伸びやかなシャウトとスクリームを披露している。彼の加入により、バンドは日本語の歌詞によるメッセージ性を強め、より幅広い層への訴求力を獲得した。ライブのMCでは、その親しみやすいキャラクターとユーモア溢れるトークで観客を沸かせることでも知られる。
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Taka (タカ) - Bass
- 生年月日: 5月2日
- 出身地: Osaka (大阪府)
- 詳細: 2009年加入。指弾き、ピック弾き、スラップ奏法を自在に使い分ける超絶技巧ベーシスト。特に6弦ベースを使用したプレイが特徴で、Syu(シュウ)のギターと完全にユニゾンする高速フレーズや、タッピングなどのテクニカルなソロパートも難なくこなす。かつてAnimetal (アニメタル) のライブサポートを務めていた経緯もあり、Syu(シュウ)とは旧知の仲であった。
- 使用機材: ESPのカスタムベースやPhilip Kubicki Factor Bass、Mark Bassのアンプなどを使用。
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LEA (レア) - Drums
- 加入: 2020年
- 経歴: 罪號人-ZYGOTE-
- 詳細: 2020年6月加入。前任のJun-ichi (ジュンイチ) とFumiya (フミヤ)の両名から多大な影響を受けたと公言するドラマー。ツーバスを駆使した高速連打と、手数の多いフィルのコンビネーションを得意とし、GALNERYUS (ガルネリウス) の複雑かつ高速な楽曲群を安定して支える若き才能である。
元メンバー (Former Members)
- Yama-B (ヤマ・ビー/山口将宏) - Vocals (2001-2008)
結成メンバー。野太く男らしい中低音とパワフルなハイトーンを使い分ける実力派。初期の英語詞による楽曲の世界観を構築した功労者。脱退後はGunbridge (ガンブリッジ)などで活動。 - Ryosuke "Tsui" Matsui (ツイ / 松井亮介) - Bass (2003-2006)
初期のリズムを支えたベーシスト。指弾き主体の堅実なプレイが特徴。脱退後はAxBites (アックスバイツ) などで活動。 - Yu-To (ユート / Leda) - Bass (2006-2009)
Tsui (ツイ)の後任として加入。当時はベーシストとして活動していたが、本職はギタリスト。脱退後、Leda(レダ) と改名し、DELUHI (デルヒ)、Far East Dizain (ファー・イースト・ディザイン)を結成。BABYMETAL (ベビーメタル)の神バンドギタリストとしても世界的に著名。 - Jun-ichi Satoh (ジュンイチ / 佐藤潤一) - Drums (2003-2016)
メジャーデビューから黄金期までを支えたドラマー。「鉄壁」と称される安定感抜群のリズムでバンドの土台を築いた。 - Fumiya Morishita (フミヤ / 森下フミヤ) - Drums (2016-2020)
圧倒的なスピードと手数を誇るドラマー。Unlucky Morpheus (アンラッキー・モルフェウス)でも活動。バンドのスピード感を極限まで高めた。
7. ディスコグラフィー (Discography)
以下に、GALNERYUS (ガルネリウス) の主要作品を網羅する。※リリース日は日本国内の初回盤に基づく。
7.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)
| 発売日 | タイトル (Title) | レーベル | 概要・主要収録曲 |
|---|---|---|---|
| 2003.10.22 | The Flag of Punishment (ザ・フラッグ・オブ・パニッシュメント) |
VAP | メジャーデビュー作。天野喜孝ジャケット。「United Flag」「Rebel Flag」収録。初期の代表作。 |
| 2005.03.23 | Advance to the Fall (アドバンス・トゥ・ザ・フォール) |
VAP | 「Silent Revelation」収録。シンフォニックな要素が強化された名盤。 |
| 2006.07.12 | Beyond the End of Despair... (ビヨンド・ジ・エンド・オブ・ディスペア) |
VAP | 初期三部作完結編。ダークで重厚なサウンド。「My Last Farewell」収録。 |
| 2007.08.22 | One for All - All for One (ワン・フォー・オール・オール・フォー・ワン) |
VAP | 日本語詞を本格導入。Yu-To参加。「Everlasting」 「New Legend」収録。 |
| 2008.09.10 | Reincarnation (リインカーネーション) |
VAP | Yama-Bラスト作。構築美を極めた傑作。「The Shining Moments」収録。 |
| 2010.06.23 | Resurrection (レザレクション) |
VAP | 小野正利加入第一弾。「Destiny」 「A Far-Off Distance」収録。完全復活作。 |
| 2011.10.05 | Phoenix Rising (フェニックス・ライジング) |
VAP | 震災後の希望を描く。「Future Never Dies」「Tear Off Your Chain」収録。 |
| 2012.10.10 | Angel of Salvation (エンジェル・オブ・サルベーション) |
VAP | チャイコフスキー引用の表題曲収録。「Hunting for Your Dream」収録。オリコン9位。 |
| 2014.09.24 | Vetelgyus (ヴェテルギウス) |
VAP | 安定期の充実作。「Endless Story」収録 インスト曲の完成度も高い。 |
| 2015.12.09 | Under the Force of Courage (アンダー・ザ・フォース・オブ・カレッジ) |
VAP | 初のコンセプトアルバム。「Raise My Sword」収録。 |
| 2017.09.27 | Ultimate Sacrifice (アルティメット・サクリファイス) |
Warner | ワーナー移籍第一弾。前作の続編。「Heavenly Punishment」収録。 |
| 2019.10.23 | Into the Purgatory (イントゥ・ザ・パーガトリー) |
Warner | 楽曲ごとの個性を重視。「The Followers」収録。Fumiyaラスト作。 |
| 2021.06.16 | Union Gives Strength (ユニオン・ギブス・ストレングス) |
Warner | LEA加入後初。スペシャルアルバム。「The Howling Darkness」収録。 |
| 2023.03.01 | Between Dread and Valor (ビトウィーン・ドレッド・アンド・ヴァラー) |
Warner | 20周年記念。「Run to the Edge」収録 |
| 2024.09.25 | The Stars Will Light the Way (ザ・スターズ・ウィル・ライト・ザ・ウェイ) |
Warner | 最新作。「The Reason We Fight」収録 |
7.2 主要シングル・EP (Singles & EPs)
| 発売年 | タイトル (Title) | 備考 |
|---|---|---|
| 2002 | Rebel Flag | インディーズシングル。Iron Shockよりリリース。 |
| 2007 | Everlasting | 初のメジャーマキシシングル。 |
| 2008 | Alsatia / Cause Disarray | アニメ 『Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち-』 OP/ED。 |
| 2010 | Beginning of the Resurrection | デジタルEP。 |
| 2011 | Future Never Dies | 東日本大震災復興への願いを込めた楽曲。 |
| 2012 | Kizuna (絆) | パチンコ 『CR蒼天の拳』 タイアップ。 |
| 2012 | Hunting for Your Dream | アニメ 『HUNTER×HUNTER』ED/劇場版主題歌 |
| 2014 | Attitude to Life | アニメ『曇天に笑う』EDテーマ。 |
| 2023 | Run to the Edge | パチンコ 『Pいくさの子』 タイアップ。 |
7.3 主要映像作品 (DVDs / Blu-rays)
ライブバンドとしての実力を示す映像作品群。
- Live for Rebirth (2006) - 渋谷O-WEST公演。
- Live for All - Live for One (2008) - 渋谷O-EAST公演。
- Live in the Moment of the Resurrection (2010) - SHIBUYA-AX公演。
- Phoenix Living in the Rising Sun (2012) - 新木場STUDIO COAST公演。
- Reliving the Ironhearted Flag (2014) - 渋谷公会堂での10周年記念公演。
- Attitude to Live (2015) - Zepp Tokyo公演。
- The Sense of Our Lives (2016) - Zepp Tokyo公演。
- Just Play to the Sky ~What Could We Do for You?~ (2018) - 豊洲PIT公演。
- Falling into the Flames of Purgatory (2020) - 新木場STUDIO COAST公演。
- The Rising of the New Legacy (2025予定) - 2024年の立川ステージガーデン公演等を収録。
8. 進化し続けるJ-Metalの至宝
GALNERYUS (ガルネリウス)の20年以上にわたる軌跡は、単なるバンドの歴史を超え、日本のヘヴィメタルがどのようにして独自の進化を遂げ、世界的な競争力を持つに至ったかを示す縮図でもある。Yama-B (ヤマ・ビー) 時代の硬派なメタルサウンドから、Masatoshi Ono(小野正利) 加入後のエンターテインメント性と芸術性を両立させたスタイルへの昇華は、GALNERYUSが常に「再生 (Resurrection)」と「進化」を繰り返してきたことの証である。
アニメタイアップを通じたファン層の拡大、コンセプトアルバムにおける物語性の追求、そして度重なるメンバーチェンジを乗り越えて強化され続ける演奏力。これらすべての要素が、GALNERYUS (ガルネリウス)を唯一無二の存在たらしめている。2025年以降も続くGALNERYUSの「伝説 (Legend)」は、間違いなく日本の音楽史に深く刻まれることだろう。
Trivia
GALNERYUSはギターのSYUを中心に結成され、関西を拠点に活動の場を広げていった。転機は2001年で、この年にプロデューサーの久武頼正と出会っている。翌年にはIRON SHOCKレーベルからデビュー・シングル「REBEL FLAG」を発表し、キーボードのYUHKIが加わってバンドとしての体制が整った2003年、1stアルバム『The Flag of Punishment』でVAPからメジャー・デビューした。
海外での活動は2010年代半ばから広がっている。2014年7月には初のヨーロッパ・ツアーを敢行し、ドイツ、フランス、スペインの3か国で合計2,000人を動員した。2016年11月にはメキシコ公演を含む「UNBREAKABLE」ツアーを開催。2019年には米国のフェスティバルProgPower USA 2019にも出演している。
2015年の10thアルバム『Under the Force of Courage』は、「バンド史上初の組曲アルバム」というコンセプトのもとで制作が始まった作品である。2017年の『Ultimate Sacrifice』はその続きにあたり、前作の「その後の世界」を描いた組曲アルバムの第二弾という位置付けだった。
初代ヴォーカリストのYAMA-Bは2008年に脱退した。バンドの動向が注目される中、2009年5月のイベントにゲスト・ヴォーカルとして小野正利が参加し、その後、正式加入が決まる。新体制で臨んだ大きな舞台が、同年10月17日と18日に幕張メッセで開かれたメタル・フェス「LOUD PARK 09」だった。
ジャケットのドラゴンは、バンドにとって節目の記号になっている。SYUによれば、ジャケットにドラゴンを使い始めてからGALNERYUSの音楽的スタイルが確立された感覚があるという。初代ヴォーカリストのYAMA-Bがいた時代は音楽的に冒険を繰り返していたが、ドラゴンを掲げた『Resurrection』以降は音楽性を一切ぶらすことなく続けられている、というのが彼の整理である。だからメジャー・デビュー20周年を記念する『The Stars Will Light the Way』でもドラゴンは外せなかった。
メジャー・デビュー10周年にあたる2013年の動き方は、前年の暮れから練られた作戦だった。SYUによれば、10周年だからアルバム2枚とツアー2本という、例年やっていることの2倍を稼働させようという計画である。前半に現在の布陣より前の楽曲をセルフカバーした『THE IRONHEARTED FLAG Vol. 1 : REGENERATION SIDE』を出してツアーを回り、後半に過去の曲をリメイクした『Vol. 2 : REFORMATION SIDE』を出してまたツアーを回る。そして10月に初の渋谷公会堂公演を行い、これをソールドアウトさせた。
2枚目のリメイク・アルバムは、新曲を作るより難しかったという。SYUの当初の見立ては、過去にやったことを今の布陣でやればもっといいものになるだろうという単純なものだった。ところが始めてみると原曲の持つ力が強く、そこに引きずられてしまう。バックのオケはあまり変えずに歌メロと歌詞を変える、という条件がさらに難しさに拍車をかけ、歌う小野正利にも大きな負担がかかった。最終的には胸を張って出せる内容になったとしながらも、SYUは、できればもうやりたくない、と述べている。
コンセプト・アルバムの2作は、普段とは逆の手順で作られた。SYUの通常の制作は、iPhoneの音声メモに残した曲のアイデアの断片をつなぎ合わせて曲として完成させ、それをアルバムとしてまとめ上げるというものである。ところがコンセプト・アルバムでは、まずタイトルを決め、抽象的でもいいから「どういった雰囲気の曲」「どういった場面の曲」が欲しいかを最初に並べていく。この進め方は非常に効率的だったという。もっとも制作そのものは相当な負荷で、YUHKIは本当にしんどいと語り、SYUは今同じことをやれと言われてもできないと思うと述べている。それでも2枚は自分たちで誇れる作品になり、YUHKIにとっては大きな自信につながった。