AVENGED SEVENFOLD

AVENGED SEVENFOLDの詳しいBiographyと全作品のディスコグラフィ。アルバムごとの個別ページも掲載するMETAL BOOSTのアーティストページ。

Biography

アヴェンジド・セヴンフォールド (AVENGED SEVENFOLD)
音楽的進化、文化的影響

1. Introduction

AVENGED SEVENFOLDは、21世紀初頭の 「New Wave of American Heavy Metal (NWOAHM)」運動の最重要バンドの一つとして台頭し、メタルコア (Metalcore) の攻撃性と伝統的なヘヴィメタルのメロディ、そしてプログレッシブ・ロック (Progressive Rock) やアヴァンギャルド (Avant-garde) な要素を融合させることで、現代ロックシーンにおいて独自の地位を確立した。

2. 結成と黎明期: ハンティントン・ビーチのパンクシーンと初期衝動 (1999-2002)

2.1 文化的背景と結成前夜

AVENGED SEVENFOLDが結成されたカリフォルニア州オレンジ郡 (Orange County)は、The OffspringやNo Doubt、Kornなどを輩出した音楽的土壌の豊かな地域であり、特にパンク・ロックとハードコア・パンクのシーンが活況を呈していた。バンドの中心人物となるメンバーたちは、同じ高校(Huntington Beach High School) に通う友人同士であり、それぞれが異なるローカルバンドで活動していた。

ボーカリストのマシュー・チャールズ・サンダース (Matthew Charles Sanders、後のM. Shadows) は「Successful Failure」 というバンドに在籍していた。ドラマーのジェームズ・オーウェン・サリバン (James Owen Sullivan、後のThe Rev) はスカ・パンクバンド 「Suburban Legends」 や 「Bomb Squad」で活動し、リズムギタリストのザッカリー・ジェームズ・ベイカー (Zachary James Baker、後のZacky Vengeance) は 「Society Down」や「MPA」といったパンクバンドでプレイしていた。彼らはパンク・ロックのDIY精神とスピード感を共有しつつも、PanteraやMetallica、Megadethといったヘヴィメタル・バンドへの深い憧憬を持っていたことが、後のAVENGED SEVENFOLDの特異な音楽性 (メタルとパンクのハイブリッド) の基礎となった。

2.2 バンド名の由来と初期ラインナップ

1999年、彼らはAVENGED SEVENFOLDを結成した。バンド名は旧約聖書の『創世記』4章15節におけるカインとアベルの物語、「カインを殺す者は七倍の復讐 (AVENGED SEVENFOLD) を受ける」という記述に由来する。しかし、彼らは宗教的なメッセージを持つバンドであることを否定しており、あくまで聖書の劇的な表現を借用したものであるとしている。

初期のラインナップは以下の通りであった:

  • M. Shadows (M.シャドウズ): ボーカル
  • Zacky Vengeance (ザッキー・ヴェンジェンス): ギター
  • The Rev (ザ・レヴ): ドラム
  • Matt Wendt (マット・ウェント): ベース

初代ベーシストのマット・ウェントは、バンドがデモテープの制作やクラブでの演奏を通じて収益を上げ始めた初期段階に在籍していたが、大学進学のために脱退した。この「ベーシストの流動性」は、初期AVENGED SEVENFOLDの不安定要素の一つであった。

2.3 『Sounding the Seventh Trumpet』の制作と受容

2000年後半、バンドはGood Life Recordings (グッド・ライフ・レコーディングス)と契約し、デビューアルバムの制作に着手した。この時点でベースを担当していたのは、The Revの旧知であるジャスティン・セイン (Justin Sane、本名:Justin Meacham) であった。

2001年7月24日にリリースされた1stアルバム 『Sounding the Seventh Trumpet (サウンディング・ザ・セヴンス・トランペット)』は、当時のAVENGED SEVENFOLDの若さと衝動が凝縮された作品である。制作予算はわずか2,000ドルであったが、西海岸パンクの聖地であるWestbeach Recorders (ウェストビーチ・レコーダーズ)で録音された。特筆すべきはドラマーのThe Revの才能であり、彼は全曲のドラムパートをワンテイクで録り終えたと伝えられている。

音楽的には、メタルコア (Metalcore) の黎明期に位置づけられるスタイルであり、M.シャドウズのスクリーム・ボーカルが支配的である一方、「Warmness on the Soul」のようなピアノを用いたバラードも収録されており、後の多様な音楽性の萌芽が見られる。批評家からは「メタルコアとスケート・パンクの統合失調症的なハイブリッド」 とも評されたが、その攻撃性とメロディの片鱗は一部で高く評価された。

2.4 シニスター・ゲイツの加入とラインナップの変遷

デビューアルバムのリリース直後、リードギタリストとしてシニスター・ゲイツ (Synyster Gates、本名:Brian Elwin Haner Jr.) が加入した。彼はジャズやクラシックの素養を持つ高度なテクニシャンであり、彼の加入がバンドの音楽性を「パンク・バンド」から「ギター・ヒーローを擁するメタル・バンド」へと変貌させる決定的な転機となった。

2002年、バンドはHopeless Records (ホープレス・レコーズ) へ移籍し、『Sounding the Seventh Trumpet』を再発した。この再発盤では、冒頭曲「To End the Rapture」がシニスター・ゲイツのギターソロを含むバージョンに差し替えられている。

同時期、ベーシストのジャスティン・セインが自殺未遂に関連する問題により脱退し、後任としてデイミオン・アッシュ (Dameon Ash) が加入した。しかしアッシュも長続きせず、2002年9月に脱退。最終的に、ジョニー・クライスト (Johnny Christ、本名: Jonathan Lewis Seward)が加入し、黄金期を支える5人のラインナップ (M. Shadows, Synyster Gates, Zacky Vengeance, Johnny Christ, The Rev)が完成した。ジョニー・クライストは当時高校生であったが、ツアーに参加するために学校を中退し、バンドに人生を捧げる決断をした。

3. メタルコアの金字塔からメジャーシーンへの飛躍 (2003-2006)

3.1 『Waking the Fallen』 における音楽的完成

2003年8月26日、Hopeless Recordsより2ndアルバム 『Waking the Fallen (ウェイキング・ザ・フォールン)』 がリリースされた。プロデューサーにはMudrock (マッドロック)を起用し、より洗練されたプロダクションが追求された。

本作は、メタルコアというジャンルにおける記念碑的な作品と見なされている。M.シャドウズはスクリームとクリーン・ボーカル (歌唱)を巧みに使い分け、シニスター・ゲイツとザッキー・ヴェンジェンスによるツイン・リードギターのハーモニーは、Iron MaidenやJudas PriestといったNWOBHM (New Wave of British Heavy Metal) の影響を現代的に再解釈したものであった。特に収録曲「Unholy Confessions (アンホーリー・コンフェッションズ)」は、MTV2の『Headbanger's Ball』でヘビーローテーションされ、そのリフは当時のメタルキッズの間で模倣される象徴的なフレーズとなった。

商業的にも成功を収め、ビルボードのインディペンデント・アルバム・チャートにランクインし、後にRIAA (全米レコード協会) からプラチナ認定を受けるロングセラーとなった。また、Vans Warped Tour (ヴァンズ・ワープド・ツアー) への参加を通じて、パンクやエモのファン層をも取り込むことに成功した。

3.2 『City of Evil』 とスタイルチェンジの衝撃

『Waking the Fallen』の成功によりメジャーレーベル間の争奪戦が起き、バンドはWarner Bros. Records (ワーナー・ブラザース・レコード) と契約した。2005年6月6日、3rdアルバム『City of Evil (シティ・オブ・イーヴル)』をリリース。このアルバムでバンドは、それまでのアイデンティティの一部であった「スクリーム」を完全に排除するという、極めてリスクの高い賭けに出た。

M.シャドウズは、この変化について「叫ぶことに飽きた」 「よりメロディックな表現を追求したい」と語っているが、一部では喉の手術の影響とも噂された(本人はこれを否定し、トレーニングによる意図的なスタイル変更であると主張している)。音楽性は、Guns N' RosesやMötley Crüeを彷彿とさせるLAメタル/ハードロックの快楽主義的な側面と、HelloweenやBlind Guardianのようなジャーマン・メタルのスピード感や劇的さを融合させたものであった。

シングル「Bat Country (バット・カントリー)」は、ハンター・S・トンプソン (Hunter S. Thompson)の小説『ラスベガスをやっつけろ』にインスパイアされた楽曲で、MTVの『Total Request Live (TRL)』で1位を獲得するなど、メインストリームで爆発的なヒットを記録した。アルバムはビルボード200で30位にランクインし、バンドをアリーナクラスのアーティストへと押し上げた。

4. 自己探求と悲劇: セルフタイトルから 『Nightmare』へ (2007-2011)

4.1 『AVENGED SEVENFOLD』:実験と折衷

2007年10月30日、4thアルバム『AVENGED SEVENFOLD (アヴェンジド・セヴンフォールド)』がリリースされた。本作はバンドによるセルフ・プロデュース作品であり、前作の成功に安住せず、さらに多様なジャンルを取り入れた実験作となった。

  • カントリー音楽の導入: 「Dear God」ではペダル・スティール・ギターを導入し、本格的なカントリー・バラードを披露した。
  • アヴァンギャルドな演劇性: 「A Little Piece of Heaven」は、The Revが単独で書き上げた8分に及ぶ楽曲で、死体愛好 (ネクロフィリア) をテーマにしたブラック・ユーモア溢れる歌詞と、ダニー・エルフマン (Danny Elfman) 風のオーケストレーション、ブラスセクションが特徴である。

このアルバムはビルボード200で初登場4位を記録し、バンドの人気が不動のものであることを証明した。同時にリリースされたライブDVD 『Live in the LBC (ライヴ・イン・ザ・LBC)』とB面集『Diamonds in the Rough (ダイアモンド・イン・ザ・ラフ)』は、AVENGED SEVENFOLDのライブバンドとしての実力と創作意欲の旺盛さを記録している。

4.2 ザ・レヴの急逝

バンドがキャリアの絶頂にあった2009年12月28日、ドラマーでありソングライティングの核心を担っていたザ・レヴ (本名: James Owen Sullivan) が、カリフォルニア州の自宅で遺体となって発見された。死因はオキシコドン、オキシモルフォン、ジアゼパム、ノルジアゼパム、アルコールの偶発的な過剰摂取によるものであった。享年28歳。彼は単なるリズム隊にとどまらず、バンドのユニークな音楽性(特にエキセントリックな部分)を象徴する存在であり、メンバーにとっては幼馴染でもあったため、その喪失は計り知れないものであった。

4.3 『Nightmare』 とマイク・ポートノイの支援

解散も危ぶまれた中、バンドはThe Revが遺したデモ音源を完成させるべく、5thアルバム『Nightmare (ナイトメア)』の制作を続行した。ドラムの録音には、The Revが生涯のアイドルとして崇拝していたプログレッシブ・メタル・バンド、Dream Theater (ドリーム・シアター)の当時のドラマー、マイク・ポートノイ (Mike Portnoy) が招聘された。

ポートノイはThe Revのドラムフレーズを忠実に再現しつつ、自身の技巧を加えてアルバムを完成させた。2010年7月27日にリリースされた『Nightmare』は、喪失、悲しみ、怒り、そしてThe Revへの追悼が全編を貫くダークで重厚な作品となった。特に「Fiction」 という楽曲は、The Revが亡くなる3日前に「Death」 という仮タイトルでバンドに提出した最後の曲であり、彼のボーカルテイクがそのまま使用されている。

本作はバンド史上初となるビルボード200での全米1位を獲得し、商業的にも批評的にも大成功を収めた。ポートノイはアルバム発売後のツアーにも帯同したが、2010年末にバンドとの活動を終了した。一部報道ではポートノイが正式加入を望んでいたともされるが、バンド側は彼を恒久的なメンバーとする意思はなく、関係は終了した。

5. 王道への回帰と新たな挑戦:『Hail to the King』 から 『The Stage』 (2012-2017)

5.1 『Hail to the King』: ミニマリズムとスタジアム・ロック

2011年、若手ドラマーのアリン・イレジェイ (Arin Ilejay、元Confide) が加入した。彼を迎えて制作された6thアルバム 『Hail to the King (ヘイル・トゥ・ザ・キング)』は、2013年8月23日にリリースされた。

このアルバムでバンドは、「リフとメロディの強さ」に焦点を当て、過剰な装飾や複雑な展開を削ぎ落とす「ミニマリズム」のアプローチを採用した。Metallicaの『Black Album』やGuns N' Rosesの影響が色濃く、ミドルテンポで重量感のあるグルーヴが支配的である。M.シャドウズは、意図的に楽曲構造をシンプルにし、スタジアム級の会場で映えるサウンドを目指したと語っている。

結果として、アルバムは前作に続きビルボード200で1位を獲得し、タイトルトラック 「Hail to the King」はバンド最大の商業的ヒット曲の一つとなった。しかし、そのあまりに露骨なクラシック・ロックへのオマージュは、一部の批評家やファンから「独創性の欠如」「単純すぎる」といった批判も招くこととなった。なお、日本盤やデラックス・エディションには、The Revへの追悼曲であるアップテンポなナンバー 「St. James」 がボーナストラックとして収録されている。

5.2 ブルックス・ワッカーマンの加入と 『The Stage』のサプライズ

2015年、アリン・イレジェイが「クリエイティブな方向性の違い」により脱退した。後任として、Bad ReligionやTenacious Dでの活動で知られるベテラン、ブルックス・ワッカーマン (Brooks Wackerman) が加入した。

2016年10月28日、バンドは事前のプロモーションを一切行わず、突如として7thアルバム『The Stage (ザ・ステージ)』をリリースした。これは、長年所属したWarner Bros. Recordsとの法的な係争 (カリフォルニア州法の「7年ルール」を巡る契約解除問題)を経て、Capitol Records (キャピトル・レコード) へ移籍した直後のことであった。

『The Stage』は、人工知能(AI)の進化、宇宙探査、人類の自滅をテーマにした壮大なコンセプト・アルバムである。音楽性は前作のシンプルさから一転し、複雑な変拍子、転調、スラッシュ・メタルの要素を取り入れたプログレッシブ・メタルへと回帰・進化した。ラストナンバーの「Exist」は15分41秒に及び、著名な天体物理学者ニール・ドグラース・タイソン (Neil deGrasse Tyson) による「宇宙の視点から見た人類」についてのスポークン・ワードがフィーチャーされている。批評家からは「バンド史上最も野心的で知的」と絶賛されたが、サプライズ・リリースによる宣伝期間の欠如が響き、初週売上は前作を下回りビルボード4位となった。

6. アヴァンギャルドへの到達:『Life Is But a Dream...』 (2018-現在)

6.1 沈黙の期間と声帯の危機

2018年、M.シャドウズがウイルス性感染症により声帯に深刻なダメージを負い、予定されていた北米ツアーがキャンセルされた。その後、COVID-19パンデミックの影響もあり、バンドは長い活動休止期間に入った。この間、AVENGED SEVENFOLDはNFTプロジェクト 「Deathbats Club」を立ち上げるなど、ブロックチェーン技術を活用したファンコミュニティの構築に注力した。

6.2 『Life Is But a Dream...』: ジャンルの解体

2023年6月2日、約7年ぶりとなる8thアルバム『Life Is But a Dream... (ライフ・イズ・バット・ア・ドリーム・・・)』 がリリースされた。本作は、フランスの哲学者アルベール・カミュ (Albert Camus) の小説『異邦人』や実存主義、そしてメンバー (特にM.シャドウズとSynyster Gates) が体験した幻覚剤 (サイケデリクス)による死生観の変容から深い影響を受けている。

音楽的には「メタル」の枠組みを完全に逸脱しており、Daft Punkのようなボコーダーボイス、ジャズピアノ、ファンク、ヒップホップ、そして現代音楽的な不協和音が複雑にコラージュされている。「We Love You」 や 「(O)rdinary」 といった楽曲は、従来のAVENGED SEVENFOLDファンを困惑させつつも、その前衛的な姿勢は新たな芸術的評価を獲得した。チャート成績はビルボード13位となり、『City of Evil』以来の低水準となったが、バンドは「数字よりも芸術的表現を優先した」として、この結果を受け入れている。

7. メンバー詳細プロフィール (Member Profiles)

7.1 現メンバー (Current Members)

ステージネーム 本名 役割 生年 / 出身 特徴・機材・影響
M. Shadows
(M.シャドウズ)
Matthew Charles Sanders ボーカル
ピアノ
1981年7月31日
カリフォルニア州
ハスキーで力強いバリトンボイスが特徴。初期はスクリーム主体だったが、ガンズのアクセル・ローズやフィリップ・アンセルモの影響を受け、メロディックなスタイルへ移行。『LIBAD』では声帯治療を経て、より多様な発声を試みている。
Synyster Gates
(シニスター・ゲイツ)
Brian Elwin Haner Jr. リードギター
バッキングボーカル
1981年7月7日
カリフォルニア州
GIT (Musicians Institute) でジャズを学んだ経歴を持つ。Django Reinhardt等のジプシー・ジャズに影響された独特のクロマチックスケールやスウィープ奏法が特徴。Schecter製のシグネチャーモデルを使用。
Zacky Vengeance
(ザッキー・ヴェンジェンス)
Zachary James Baker リズムギター
バッキングボーカル
1981年12月11日
ワシントン州
左利き(レフティ)。パンク・ロックのバックグラウンドを持ち、バンドのアグレッシブなリフの土台を支える。ダウンピッキングの正確さに定評がある。Schecter製のSGタイプを使用。
Johnny Christ
(ジョニー・クライスト)
Jonathan Lewis Seward ベース
バッキングボーカル
1984年11月18日
カリフォルニア州
指弾きとピック弾きを楽曲によって使い分ける。メンバー内で最年少。ライブではイントロでのベースソロや、コーラスワークで重要な役割を果たす。Ernie Ball Music Man等を使用。
Brooks Wackerman
(ブルックス・ワッカーマン)
Brooks Wackerman ドラム 1977年2月15日
カリフォルニア州
音楽一家に育ち、Bad Religionに14年間在籍。パンクの疾走感とメタルのテクニックを兼ね備える。彼の加入がバンドのプログレッシブ化を可能にした。

7.2 旧メンバー (Former Members)

  • The Rev (ザ・レヴ) (James Owen Sullivan): 1999-2009。ドラム、ボーカル、ピアノ、ソングライター。バンドの創造性の源泉であり、「The Double-Ride」 と呼ばれる独特のドラムフィルを多用した。サイドプロジェクト 「Pinkly Smooth」ではボーカルを担当し、アヴァンギャルドな感性を発揮していた。2009年逝去。
  • Arin Ilejay (アリン・イレジェイ) (Richard Arin Ilejay): 2011-2015。ドラム。『Hail to the King』のシンプルなドラミングを担当したが、クリエイティブ面での貢献度を巡り脱退。
  • Justin Sane (ジャスティン・セイン) (Justin Meacham): 2000-2001。ベース。『Sounding the Seventh Trumpet』期に参加したが、自殺未遂騒動によりバンドを離れた。
  • Dameon Ash (デイミオン・アッシュ): 2001-2002。ベース。短期間ツアーに参加。
  • Matt Wendt (マット・ウェント): 1999-2000。ベース。初代メンバー。

8. ディスコグラフィ (Discography)

以下にスタジオ・アルバム及び主要な作品の詳細データを記載する。チャート順位は主に米ビルボード200 (US)、英オフィシャルチャート (UK)、オリコン (JP) 等を参照している。

8.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)

タイトル リリース日 / レーベル チャート最高位 (US) 認定 (US) 備考・日本盤ボーナス等
Sounding the Seventh Trumpet
(サウンディング・ザ・セヴンス・トランペット)
2001年7月24日
Good Life / Hopeless
- - デビュー作。再発盤で冒頭曲が変更。世界売上37万枚。
Waking the Fallen
(ウェイキング・ザ・フォールン)
2003年8月26日
Hopeless
10 (2014) Platinum メタルコアの傑作。2014年再発盤『Resurrected』でトップ10入り。
City of Evil
(シティ・オブ・イーヴル)
2005年6月6日
Warner Bros.
30 Platinum メジャーデビュー作。スタイルを一新。日本盤等は特になし。
AVENGED SEVENFOLD
(アヴェンジド・セヴンフォールド)
2007年10月30日
Warner Bros.
4 Platinum セルフ・プロデュース。日本盤ボーナス: "Almost Easy (Live)"。
Nightmare
(ナイトメア)
2010年7月27日
Warner Bros.
1 Platinum The Rev遺作。全米1位。日本盤ボーナス: "Lost It All".
Hail to the King
(ヘイル・トゥ・ザ・キング)
2013年8月23日
Warner Bros.
1 Platinum 2作連続全米1位。日本盤/DX盤ボーナス: "St. James".
The Stage
(ザ・ステージ)
2016年10月28日
Capitol
4 - コンセプト作。サプライズ発売。日本盤等は特になし(後にDX盤配信)。
Life Is But a Dream...
(ライフ・イズ・バット・ア・ドリーム・・・)
2023年6月2日
Warner Bros.
13 - ワーナー復帰作。日本盤は解説・歌詞対訳付き。

8.2 コンピレーション・ライブアルバム・EP

  • Warmness on the Soul (2001, EP): デビュー初期のEP。表題曲のビデオクリップ等を収録。
  • Live in the LBC & Diamonds in the Rough (2008): ライブDVDとB面集のセット。
  • Diamonds in the Rough (2020年再発): ストリーミング解禁に伴い、"St. James"、"Set Me Free"、"4:00 AM"、"Lost It All"、"Paranoid" (Black Sabbathカバー)を追加収録して単独リリースされた。
  • Black Reign (2018, EP): ゲーム 『Call of Duty: Black Ops 4』とのコラボレーションに合わせてリリースされたEP。全4曲収録。

9. 特筆すべきトピックと分析

9.1 『Call of Duty』 シリーズとの蜜月関係

AVENGED SEVENFOLDは、世界的な人気を誇るFPSゲーム 『Call of Duty (CoD)』 シリーズ、特にTreyarch社が開発する『Black Ops』 シリーズと長期にわたる密接なコラボレーションを行っている。これは単なる楽曲提供にとどまらず、バンドメンバーがゲーム内にキャラクターとして登場するなど、クロスプロモーションの成功例として知られる。

"Not Ready to Die" (2011)
『Black Ops』 ゾンビモード "Call of the Dead" のために書き下ろされた楽曲。ゲームの隠しソング (イースターエッグ)として収録。
"Carry On" (2012)
『Black Ops II』 のエンディングにおいて、AVENGED SEVENFOLDのメンバーがCGキャラクターとして登場し、ウッズやメネンデスといったゲームキャラクターと共にライブを行う演出が話題となった。
"Shepherd of Fire" (2013)
『Hail to the King』収録曲だが、『Black Ops II』 ゾンビモード "Origins" のオープニングシネマティックに使用され、楽曲の荘厳な雰囲気がゲームの世界観と合致した。
"Mad Hatter" (2018)
『Black Ops 4』 のために書き下ろされた楽曲。これらの楽曲はEP 『Black Reign』 にまとめられている。

このコラボレーションにより、AVENGED SEVENFOLDは従来のメタルファン以外の層 (ゲーマー層) にも認知を広げ、ファンベースの若返りと拡大に成功したと分析できる。

9.2 デスバット (The Deathbat) の象徴性

バンドのロゴである「デスバット (Deathbat)」は、人間の頭蓋骨にコウモリの翼が生えたデザインである。これは高校時代の友人マイカ・モンタギュー (Micah Montague) によってデザインされたものであり、バンドのほぼ全てのアルバムジャケットやグッズに使用されている。このアイコンは、バンドの音楽性が変化しても変わることのないアイデンティティの象徴であり、The Revの死後には、彼のトレードマークであったヘアスタイルを模したスカルのデザインなどが追悼として用いられることもあった。

9.3 現代におけるAVENGED SEVENFOLDの立ち位置

アヴェンジド・セヴンフォールドのキャリアは、「メタルコア・ムーブメントの牽引役」から「最後のスタジアム・ロック・バンド」、そして「ジャンルレスな音響芸術家」へと変遷してきた。『Hail to the King』で商業的な頂点を極めたAVENGED SEVENFOLDが、続く『The Stage』や『Life Is But a Dream...』 で商業主義に迎合せず、難解とも言える実験的な音楽性を追求している点は特筆に値する。これは、AVENGED SEVENFOLDがメタリカやアイアン・メイデンのような「レジェンド」としての地位を確立しつつあると同時に、レディオヘッド (Radiohead) やピンク・フロイド (Pink Floyd)のようなアーティスティックな誠実さを持ち続けていることを示唆している。

10. Conclusion

アヴェンジド・セヴンフォールドは、20年以上のキャリアを通じて、逆境 (メンバーの死、喉の不調、レーベルとの闘争)を常に音楽的な進化の燃料へと変換してきた稀有なバンドである。ハンティントン・ビーチのパンクキッズたちが作り上げた 『Sounding the Seventh Trumpet』の初期衝動は、現在の『Life Is But a Dream...』 における哲学的・前衛的な音像とは隔世の感があるが、その根底にある「既存のルールに縛られない」というアティテュードは一貫している。

AVENGED SEVENFOLDは、ヘヴィメタルというジャンルが21世紀においてどのように生存し、進化し得るかを示す重要なモデルケースである。The Revという天才を失いながらも、マイク・ポートノイやブルックス・ワッカーマンといった卓越したミュージシャンとの化学反応を経て再生したAVENGED SEVENFOLDの物語は、ロック史における最もドラマチックな一章として今後も語り継がれるであろう。

Trivia

日本でのデビュー作は3枚目の『City of Evil』だった。ワーナーミュージック・ジャパンが2006年6月7日に品番WPCR-12319で発売し、初回盤にはアルバム・ジャケットのステッカーが封入されている。同じ商品ページの見出しは「サマーソニック06で初来日決定!!」で、日本盤の発売と初来日の告知がひとつになっていた。結成から数えて7年、アルバム3枚目にして、ようやくこの国に正規の窓口ができたことになる。

出典: ワーナーミュージック・ジャパン『シティ・オブ・イーヴル』商品ページ

2012年の日本ツアーは、セットリストを事前のファン投票で決めるという方式で行われた。M.シャドウズは、いつも同じ曲順だと違う曲が聴きたいという声が届くので投票にしてみたと語り、その結果については、結局いつも演奏している曲が選ばれたと笑っている。狙いどおりにはならなかったが、文句を言われるよりずっといい、というのが本人の総括だった。

出典: 激ロック M.シャドウズ インタビュー

シニスター・ゲイツは2013年の取材で、日本でのライヴは全部覚えていると答えている。他国との決定的な違いとして挙げたのが、曲と曲の間の完全な静寂だった。その間のMCを客席はじっと聞いていて、10秒後に次の曲が始まった途端に爆発する。こんな国は他にない、そこには絶対的なリスペクトを感じる、というのが彼の言葉である。

出典: 激ロック シニスター・ゲイツ インタビュー(2ページ目)

2026年9月30日、SGC HALL ARIAKEでの公演が発表された。2014年のサマーソニック以来、12年ぶりの来日である。日本の舞台に初めて立ったのは2006年のサマーソニックだったから、この国との付き合いは20年になる。デビューから25年という節目の年に、間隔の空いた再訪が決まった。

出典: 激ロック ニュース

デビュー作の制作費は2,000ドルだった。当時はまだ4人編成で、M.シャドウズ、ザッキー・ヴェンジェンス、ベースのジャスティン・セイン、ドラムのジェイムズ・"ザ・レヴ"・サリヴァンという顔ぶれ。そしてザ・レヴは全曲のドラムを1テイクで録り切っている。残りの楽器と歌は、その慌ただしい演奏の上に重ねられていった。

出典: グラミー賞公式サイト GRAMMY.com「Songbook」

デビュー作の後にラインナップが動く。ギターのシニスター・ゲイツが2001年4月、ベースのジョニー・クライストが2002年9月に加わり、以後長く続く5人編成がここで揃った。ギターが2本になったことで曲は重くなり、ツイン・リードのハーモニーという武器も手に入っている。

出典: グラミー賞公式サイト GRAMMY.com「Songbook」

セルフ・プロデュースで作られた4作目で、ザ・レヴの存在感が最も大きくなる。作品のおよそ6割を彼が書き、収録曲の半数で共同リード・ヴォーカルも務めたと伝えられている。ロック・バンドのドラマーがこれほど曲作りに関与するのは珍しい。

出典: グラミー賞公式サイト GRAMMY.com「Songbook」

20年近い活動と7枚のアルバムを経て、バンドが初めてグラミー賞の候補になったのは「The Stage」だった。部門は最優秀ロック・ソング。シニスター・ゲイツはその皮肉を自ら指摘している。前作『Hail to the King』は3、4分の曲を並べたラジオ向きの作品だったのに何も起きず、キャリアで最も込み入ったアルバムを作ったらノミネートされた——長大で主題的なプログレッシヴな冒頭曲を書いているとき、グラミーやラジオのことなど考えもしなかった、と。

出典: グラミー賞公式サイト GRAMMY.com

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News

【国内】AVENGED SEVENFOLD、12年ぶりの来日公演を10月3日にWOWOWで独占放送&配信

9月30日に東京・SGCホール有明で行われるアジア・ツアーの一夜限りの公演を、WOWOWプライムで放送、WOWOWオンデマンドで配信。放送・配信の終了後は14日間のアーカイヴ配信もある。

出典: 激ロック(2026年8月31日)

AVENGED SEVENFOLDの別名義STATICA、EP『Statica』全4曲のリリック・ビデオを公開

7月にサプライズ発売された全4曲・18分7秒のEPで、「Lights」「Statica」「Rejoice」「Ashes」の4本がバンド公式チャンネルに揃った。

出典: Blabbermouth(2026年8月28日)

MVを再生

【国内】AVENGED SEVENFOLD、12年ぶりの9月来日公演に向けた公式マーチ予約がゲキクロで開始

バンドTシャツからキャップまでを公演時期までに届ける予約受付。受付は8月12日(水)23:59まで。

出典: 激ロック(2026年7月30日)

AVENGED SEVENFOLD、北米ツアー開幕公演で新EPの楽曲を非公表でこっそり演奏

2026年北米ツアーキックオフでのサプライズ的な演奏だった。

出典: Loudwire(2026年7月26日)

AVENGED SEVENFOLD、4曲入りEP『Statica』をサプライズリリース

予告なしの新作。別名義“STATICA”としてステージに姿を見せないバックステージ公演も行った。

出典: Blabbermouth(2026年7月25日)

ニュース一覧 →

Albums

Life Is But a Dream... CD
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メタルの枠を大きく越え、実験性と実存的な問いを突き詰めた8作目。

The Stage CD
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宇宙的な題材と複雑な演奏を結び、AVENGED SEVENFOLDの挑戦心を大きく広げた作品。

Hail to the King CD
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重厚なミドルテンポと大きなコーラスで、クラシック・メタルの威厳を現代的に鳴らす一枚。

Nightmare CD
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ヘヴィネスと叙情性を深く結び、AVENGED SEVENFOLDの表現を押し広げた一作。

Avenged Sevenfold CD
/

大仰なアレンジと多彩な曲調で、AVENGED SEVENFOLDがメタルの枠を広げたセルフタイトル第4作。

City of Evil CD
/

複雑なギターと大きなコーラスを結び、AVENGED SEVENFOLDがメタルコアから独自のヘヴィ・ロックへ踏み出した第三作。

Waking the Fallen CD
/

激しいメタルコアにドラマティックな旋律を重ね、AVENGED SEVENFOLDが個性を鮮明にした第二作。

Sounding the Seventh Trumpet CD
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ハードコア、メロディック・デス、クラシック・メタルを交差させ、AVENGED SEVENFOLDが荒削りな野心を示したデビュー作。