WARRANT

WARRANTの詳しいBiographyと全作品のディスコグラフィ。アルバムごとの個別ページも掲載するMETAL BOOSTのアーティストページ。

Biography

ウォレント (WARRANT)
LAメタルシーンの象徴から現代への進化

1. グラム・メタルの栄光と影

ウォレント (WARRANT)は、1980年代後半から1990年代初頭にかけてのアメリカン・ハードロック (American Hard Rock) シーン、特に「グラム・メタル (Glam Metal)」や「ヘア・メタル (Hair Metal)」 と称されるムーブメントにおいて、商業的に最も成功したバンドの一つである。WARRANTの音楽は、キャッチーなフック、重厚なギターリフ、そしてシンガロング (Sing-along) 必至のアンセムによって特徴づけられ、MTV世代の象徴的存在となった。

しかし、WARRANTのキャリアは単なる商業的な成功譚にとどまらない。その歴史は、音楽業界の激動、グランジ (Grunge) ブームによる逆風、メンバー間の葛藤、そして中心人物であったジェイニー・レイン (Jani Lane) の悲劇的な死と、残されたメンバーによる再生の物語である。

2. バイオグラフィ (Biography)

2.1 結成と黎明期 (1984年-1986年)

ウォレント (WARRANT) の歴史は、1984年の夏、カリフォルニア州ハリウッド (Hollywood, California) で幕を開けた。バンドの創設者は、リズム・ギタリストのエリック・ターナー (Erik Turner) である。結成当初のラインナップは、後に「クラシック・ラインナップ」として知られるメンバーとは大きく異なっていた。

初期のメンバー構成

結成時のラインナップは以下の通りである。

  • リード・ボーカル: アダム・ショア (Adam Shore)
  • ドラムス: マックス・アッシャー (Max Asher) ※本名マックス・マズルスキー (Max Mazursky)
  • リード・ギター: ジョシュ・ルイス (Josh Lewis)
  • リズム・ギター: エリック・ターナー (Erik Turner)
  • ベース: クリス・ヴィンセント (Chris Vincent)

クリス・ヴィンセント (Chris Vincent) は加入からわずか3ヶ月で解雇され、その後任としてジェリー・ディクソン (Jerry Dixon) が加入した。これによって、エリック・ターナー (Erik Turner) とジェリー・ディクソン (Jerry Dixon) という、バンドを長年にわたり支え続ける核となるパートナーシップが形成された。

この時期のウォレント (WARRANT) は、ロサンゼルス (Los Angeles) のサンセット・ストリップ (Sunset Strip) 周辺のクラブ、例えばトルバドール (The Troubadour) やギャザリーズ (Gazzarri's) などで精力的にライブ活動を行い、徐々に知名度を上げていった。WARRANTのサウンドは既にハードロック (Hard Rock) の基盤を持っていたが、後の世界的成功をもたらすソングライティングの鍵となる人物はまだ不在であった。

2.2 ジェイニー・レインの加入と黄金期のラインナップ完成 (1986年-1988年)

1986年9月、バンドの運命を決定づけるメンバーチェンジが発生する。初期メンバーであったアダム・ショア (Adam Shore) とマックス・アッシャー (Max Asher) が脱退し、彼らは独自のバンド「ホット・ウィールズ (Hot Wheelz)」を結成するために去った。

エリック・ターナー (Erik Turner) とジェリー・ディクソン (Jerry Dixon) は、アリゾナ州フェニックス (Phoenix, Arizona) からロサンゼルスに移住して活動していたバンド「プレイン・ジェーン (Plain Jane)」 のライブを目撃し、そのフロントマンとドラマーに白羽の矢を立てた。それが、稀代のソングライターでありボーカリストのジェイニー・レイン (Jani Lane) と、ドラマーのスティーヴン・スウィート (Steven Sweet) である。

クラシック・ラインナップの確立

ジェイニー・レイン (Jani Lane) の加入は、バンドに劇的な変化をもたらした。彼は優れたボーカリストであるだけでなく、卓越したメロディセンスを持つソングライターでもあった。彼の持ち込んだ楽曲は、バンドの音楽性をよりコマーシャルで洗練されたものへと昇華させた。

リード・ギタリストのジョシュ・ルイス (Josh Lewis) が脱退し、後任としてジョーイ・アレン (Joey Allen) が加入した。ジョーイ・アレン (Joey Allen) は以前、エリック・ターナー (Erik Turner) と共に「ナイトメアII (Knightmare II)」 というバンドで活動していた経緯があり、技術的にも優れたギタリストであった。これにより、ウォレント (WARRANT) の黄金期を支える5人のメンバーが揃った。

【クラシック・ラインナップ (Classic Lineup)】

  • ジェイニー・レイン (Jani Lane): リード・ボーカル
  • ジョーイ・アレン (Joey Allen): リード・ギター
  • エリック・ターナー (Erik Turner): リズム・ギター
  • ジェリー・ディクソン (Jerry Dixon): ベース
  • スティーヴン・スウィート (Steven Sweet): ドラムス

この5人はロサンゼルスのクラブシーンで圧倒的な動員力を誇るようになり、1987年9月にはプリンス (Prince) が設立したレーベル、ペイズリー・パーク・レコード (Paisley Park Records) 向けのデモテープを録音した。また、A&Mレコード (A&M Records) もWARRANTに興味を示したが契約には至らなかった。最終的に、1988年1月にコロンビア・レコード (Columbia Records) との契約を獲得し、メジャーデビューへの道を切り開いた。

2.3 メジャーデビューと爆発的成功 (1989年-1991年)

『ダーティ・ロッテン・フィルシー・スティンキング・リッチ (Dirty Rotten Filthy Stinking Rich)』の衝撃

1988年4月から録音が開始され、1989年1月31日にリリースされたデビューアルバム『ダーティ・ロッテン・フィルシー・スティンキング・リッチ (Dirty Rotten Filthy Stinking Rich)』は、瞬く間にチャートを駆け上がった。プロデューサーには、ラット (Ratt) などを手掛けたボー・ヒル (Beau Hill) が起用され、ラジオ受けする洗練されたサウンドプロダクションが施された。

このアルバムからは、「ダウン・ボーイズ (Down Boys)」、「サムタイムズ・シー・クライズ (Sometimes She Cries)」、そして全米ビルボード・ホット100 (Billboard Hot 100) で2位を記録したパワーバラード 「ヘヴン (Heaven)」という3曲のヒットシングルが生まれた。アルバム自体はビルボード200 (Billboard 200) で最高10位を記録し、ダブル・プラチナム (Double Platinum) ディスクを獲得した。

『いけないチェリー・パイ (Cherry Pie)』 と商業的頂点

デビュー作の成功を受け、コロンビア・レコード (Columbia Records) はバンドに次作への強い圧力をかけた。1990年にリリースされたセカンド・アルバム『いけないチェリー・パイ (Cherry Pie)』は、前作を凌ぐ勢いで売れ、全米7位を記録した。

タイトルトラックの「チェリー・パイ (Cherry Pie)」は、バンドの代名詞的楽曲となった。この曲は、元々アルバムタイトルになる予定だった重厚な楽曲 「アンクル・トムズ・キャビン (Uncle Tom's Cabin)」ではなく、レコード会社が求めた「エアロスミス (Aerosmith) の『Love in an Elevator』のようなキャッチーなシングル」という要求に応えるため、ジェイニー・レイン (Jani Lane) がわずか45分 (一説には15分) でピザの箱の裏に書き上げた曲であると言われている。

この曲のミュージックビデオには、後にジェイニー・レイン (Jani Lane) の妻となるモデルのボビー・ブラウン (Bobbie Brown) が出演し、MTVでヘビーローテーションされた。しかし、過剰な性的暗喩とコミカルなイメージは、バンドに「典型的なヘア・メタル・バンド」というレッテルを決定的に貼ることとなり、後にジェイニー・レイン (Jani Lane) 自身がこの曲に対して愛憎入り混じった複雑な感情を抱く原因ともなった。

2.4 グランジの台頭と音楽的転換 (1992年-1993年)

1992年、音楽シーンはニルヴァーナ (Nirvana) の 『ネヴァーマインド (Nevermind)』の爆発的ヒットにより、シアトル (Seattle) 発のグランジ (Grunge) ブームへと急激にシフトしていた。華やかな衣装とパーティーロックを信条とするグラム・メタル (Glam Metal) は、「時代遅れ」として激しいバッシングの対象となった。

この逆風の中でリリースされた3rdアルバム『ドッグ・イット・ドッグ (Dog Eat Dog)』 (1992年) は、バンド史上最も野心的かつ音楽的に成熟した作品であった。歌詞はよりシリアスに、サウンドは複雑でヘヴィなものへと進化した。批評家やファンの一部からは最高傑作との呼び声も高いが、時代の変化には抗えず、売上はゴールドディスク (Gold) に留まった。

この商業的な失速とレコード会社からの圧力、そして自身のアイデンティティへの葛藤により、ジェイニー・レイン (Jani Lane) は1993年3月に一時バンドを脱退し、ソロキャリアを模索することとなる。

2.5 混迷の90年代: メンバーチェンジとオルタナティブへの傾倒 (1994年-1999年)

1994年、ジェイニー・レイン (Jani Lane) はバンドに復帰するが、入れ替わるようにジョーイ・アレン (Joey Allen) が5月に、スティーヴン・スウィート (Steven Sweet) が6月に脱退した。これによりクラシック・ラインナップは崩壊した。

後任として、キングダム・カム (Kingdom Come) のメンバーであったギタリストのリック・スタイアー (Rick Steier) とドラマーのジェイムス・コタック (James Kottak) が加入した。

『ウルトラフォビック (Ultraphobic)』 と 『ベリー・トゥ・ベリー (Belly to Belly)』

新体制で制作された1995年の『ウルトラフォビック (Ultraphobic)』は、当時のグランジ/オルタナティブ・ロック (Alternative Rock) の影響を色濃く反映した作品となった。以前の煌びやかなポップメタル色は後退し、ダークで内省的な楽曲が並んだ。続く1996年の『ベリー・トゥ・ベリー (Belly to Belly)』 ではその傾向がさらに強まり、リック・スタイアー (Rick Steier) はこのアルバムを「名声の浮き沈みを描いたコンセプトアルバム」と形容した。しかし、これらのアルバムは既存のファン層を戸惑わせ、新規のグランジファンを獲得することもできず、商業的には苦戦を強いられた。

この時期、ドラマーの入れ替わりも激しく、ジェイムス・コタック (James Kottak) が1996年に脱退した後、ボビー・ボーグ (Bobby Borg)、ヴィック・フォックス (Vik Foxx)、ダニー・ワグナー (Danny Wagner) と短期間でメンバーが変遷した。

2.6 再生への模索とジェイニー・レインの完全脱退 (2000年-2008年)

2000年代に入ると、バンドは往年のヒット曲を中心としたライブ活動に重点を置くようになった。2001年にはカバーアルバム『アンダー・ザ・インフルエンス (Under the Influence)』をリリースしたが、ジェイニー・レイン (Jani Lane) のアルコール依存の問題やバンド運営を巡る対立が表面化し始めた。

2004年1月、ジェイニー・レイン (Jani Lane) は再びバンドを脱退する。残されたエリック・ターナー (Erik Turner) とジェリー・ディクソン (Jerry Dixon) は、ブラック・アンド・ブルー (Black 'N Blue) のボーカリスト、ジェイミー・セント・ジェームズ (Jaime St. James) を新フロントマンに迎え入れた。時を同じくして、オリジナルメンバーのジョーイ・アレン (Joey Allen) とスティーヴン・スウィート (Steven Sweet) が復帰を果たし、ボーカル以外はクラシック・ラインナップという構成になった。

このラインナップで2006年にリリースされた『ボーン・アゲイン (Born Again)』は、80年代のハードロックスタイルへの回帰を示し、パット・リーガン (Pat Regan) のプロデュースにより高い評価を得た。

短命に終わったリユニオン

2008年初頭、エージェントやファンの期待に応える形で、ジェイニー・レイン (Jani Lane) がバンドに復帰し、オリジナル・ラインナップでの再結成が実現した。しかし、このリユニオンは長くは続かなかった。同年9月には、ソングライティング上の不一致やレインの健康問題を理由に、彼は三度目、そして最後となる脱退を迎えることとなった。

2.7 ロバート・メイソンの加入と現在 (2008年-現在)

ジェイニー・レイン (Jani Lane) の再脱退後、バンドは迅速に行動した。後任として迎えられたのは、元リンチ・モブ (Lynch Mob) のボーカリストであり、長年の友人でもあったロバート・メイソン (Robert Mason) である。ロバート・メイソン (Robert Mason) とジェイニー・レイン (Jani Lane) は1991年のツアーで出会って以来の旧知の仲であり、メイソンはレインの楽曲を敬意を持って歌い上げる実力と、安定したパフォーマンス能力を兼ね備えていた。

ジェイニー・レインの死

2011年8月11日、音楽界に衝撃が走った。ジェイニー・レイン (Jani Lane) がカリフォルニア州ウッドランド・ヒルズ (Woodland Hills) のコンフォート・イン (Comfort Inn) の一室で遺体となって発見されたのである。享年47歳。死因は急性アルコール中毒 (Acute alcohol poisoning) と断定された。現場には飲みかけのウォッカのボトルと、「I am Jani Lane」と書かれたメモが残されていたという。

新たな章への前進

偉大なフロントマンの死を乗り越え、バンドはロバート・メイソン (Robert Mason) と共に前進を続けた。2011年にリリースされた『ロカホリック (Rockaholic)』は、キース・オルセン (Keith Olsen) プロデュースの下、往年のメロディアスなハードロックと現代的なサウンドが見事に融合し、ビルボードのハードロック・アルバム・チャートで22位を記録するなど成功を収めた。

2017年にはジェフ・ピルソン (Jeff Pilson) プロデュースによる『ラウダー・ハーダー・ファースター (Louder Harder Faster)』をリリース。現在もロバート・メイソン (Robert Mason)、エリック・ターナー (Erik Turner)、ジェリー・ディクソン (Jerry Dixon)、ジョーイ・アレン (Joey Allen)、スティーヴン・スウィート (Steven Sweet) のラインナップで、精力的にツアーを行っている。

3. ディスコグラフィ (Discography)

ここでは、ウォレント (WARRANT) の主要作品を詳細に解説する。特に日本盤 (Japanese Edition) に関しては、コレクター向けにボーナストラック情報を可能な限り網羅した。

3.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)

1. ダーティ・ロッテン・フィルシー・スティンキング・リッチ (Dirty Rotten Filthy Stinking Rich)
  • リリース年: 1989年
  • レーベル: Columbia
  • 概要: ダブル・プラチナムを獲得した衝撃のデビュー作。LAメタルの享楽的な側面と、哀愁漂うバラードが見事に共存している。
  • 主要曲:
    • Heaven (ヘヴン): 全米2位を記録したパワーバラードの金字塔。
    • Down Boys (ダウン・ボーイズ): エネルギッシュなロックアンセム。
    • Sometimes She Cries (サムタイムズ・シー・クライズ): 切ないメロディが光るヒット曲。
  • チャート: US Billboard 200: #10
2. いけないチェリー・パイ (Cherry Pie)
  • リリース年: 1990年
  • レーベル: Columbia
  • 概要: バンドの商業的絶頂期を象徴するアルバム。バラエティ豊かな楽曲群と豪華なゲスト陣(ポイズン (Poison) のC.C. デヴィル (C.C. DeVille) など)が特徴。
  • 主要曲:
    • Cherry Pie (チェリー・パイ): バンドの代名詞的楽曲。
    • Uncle Tom's Cabin (アンクル・トムズ・キャビン): ストーリーテリングの才能が発揮された名曲。
    • I Saw Red (アイ・ソウ・レッド): 実体験に基づいたピアノ・バラード。
  • 日本盤・再発盤ボーナストラック情報:
    • 2019年の日本盤再発 (Japanese reissue) には以下のボーナストラックが収録されている場合がある。
    • Game of War (Demo)
    • The Power (Demo)
    • Thin Disguise (シン・ディスガイズ) ※シングルB面曲
    • I Saw Red (Acoustic/Demo)
    • Cherry Pie (Single Version)
3. ドッグ・イット・ドッグ (Dog Eat Dog)
  • リリース年: 1992年
  • レーベル: Columbia
  • 概要: よりヘヴィでシリアスな方向へ転換した意欲作。楽曲の完成度は極めて高いが、グランジブームの影に隠れた不遇の名盤。
  • 主要曲:
    • Machine Gun (マシン・ガン): 攻撃的なリフが特徴。
    • April 2031: 核戦争後の世界を描いた壮大な楽曲。
    • The Bitter Pill (ザ・ビター・ピル): オペラ的な展開を見せるバラード。
  • 日本盤ボーナストラック (Japan Bonus Track):
    • Lincolns, Mercurys and Fords (リンカーンズ、マーキュリーズ・アンド・フォーズ): ブルージーな未発表曲で、日本盤において貴重なトラックとして知られる。
4. ウルトラフォビック (Ultraphobic)
  • リリース年: 1995年
  • レーベル: CMC International
  • 概要: グランジ/オルタナティブ要素を取り入れたダークな作品。リック・スタイアー (Rick Steier) とジェイムス・コタック (James Kottak) が参加。
  • 主要曲: Family Picnic, Stronger Now.
  • トリビア: サウンドの変化に戸惑うファンも多かったが、ジェイニー・レイン (Jani Lane) のソングライティング能力の高さは健在であった。
5. ベリー・トゥ・ベリー (Belly to Belly)
  • リリース年: 1996年
  • レーベル: CMC International
  • 概要: 前作の路線をさらに推し進めたコンセプトアルバム的な作品。
  • 主要曲: A.Y.M., Feels Good.
6. アンダー・ザ・インフルエンス (Under the Influence)
  • リリース年: 2001年
  • レーベル: Perris / Down Boys
  • 概要: バンドに影響を与えたアーティストの楽曲を演奏したカバーアルバム。AC/DCやエアロスミス (Aerosmith) などを収録。また、オリジナル新曲も2曲収録されている。
7. ボーン・アゲイン (Born Again)
  • リリース年: 2006年
  • レーベル: Cleopatra
  • ボーカル: ジェイミー・セント・ジェームズ (Jaime St. James)
  • 概要: 80年代のLAメタルサウンドへの回帰を果たした作品。パット・リーガン (Pat Regan) プロデュース。
  • 主要曲: Bourbon County Line, Dirty Jack.
8. ロカホリック (Rockaholic)
  • リリース年: 2011年
  • レーベル: Frontiers Records
  • ボーカル: ロバート・メイソン (Robert Mason)
  • 概要: ロバート・メイソン加入後初のスタジオアルバム。メロディック・ハードロックの良心とも言える完成度で、ファンから高く評価された。
  • 日本盤ボーナストラック (Japan Bonus Tracks):
    • Cherry Pie (Re-recorded)
    • Down Boys (Re-recorded) ※これら往年のヒット曲の再録バージョンが収録されることが多い。
9. ラウダー・ハーダー・ファースター (Louder Harder Faster)
  • リリース年: 2017年
  • レーベル: Frontiers Records
  • ボーカル: ロバート・メイソン (Robert Mason)
  • 概要: ジェフ・ピルソン (Jeff Pilson) プロデュースによる、タイトでエネルギッシュなアルバム。
  • 日本盤ボーナストラック (Japan Bonus Track):
    • Stop the World (ストップ・ザ・ワールド)

3.2 ライブ・アルバム (Live Albums)

  • WARRANT Live 86-97 (1997): 様々な時代のライブ音源を収録。
  • They Came from Hollywood (2008): 映像作品を含むコンピレーション。

3.3 コンピレーション (Compilations)

  • The Best of WARRANT (1996): コロンビア時代のヒット曲を網羅したベスト盤。入門編として最適。

4. メンバー詳細プロフィール (Personnel Profile)

バンドの歴史を彩った主要メンバーの詳細を記載する。

現在のメンバー (Current Members)

2025年時点でのラインナップ。

名前 (Name) 担当 (Role) 在籍期間 (Years Active) 備考
ロバート・メイソン (Robert Mason) ボーカル (Lead Vocals) 2008-現在 元リンチ・モブ (Lynch Mob)。圧倒的な声量と安定感でバンドを再建した功労者。
エリック・ターナー (Erik Turner) リズム・ギター (Rhythm Guitar) 1984-現在 バンド創設者。ビジネス面でもバンドを牽引し、ウォレントというブランドを守り抜いた。
ジェリー・ディクソン (Jerry Dixon) ベース (Bass) 1984-現在 創設時からのメンバー。ソングライティング面でも貢献度が高い。
ジョーイ・アレン (Joey Allen) リード・ギター (Lead Guitar) 1987-1994, 2004-現在 テクニカルなソロプレイで黄金期サウンドを支えた。航空パイロットのライセンスも持つ。
スティーヴン・スウィート (Steven Sweet) ドラムス (Drums) 1986-1994, 2004-現在 プレイン・ジェーン時代からのレインの盟友。コーラスワークも担当。

過去の主要メンバー (Notable Past Members)

  • ジェイニー・レイン (Jani Lane) (Vocals, 1986-2008 intermittent)
    バンドの顔であり、ほぼ全てのヒット曲の作詞作曲を手掛けた天才。本名ジョン・ケネディ・オズワルド (John Kennedy Oswald)。2011年没。彼の書く歌詞は、パーティーソングの裏に繊細なストーリーテリングや社会風刺を含んでおり、その才能は死後さらに再評価されている。
  • ジェイミー・セント・ジェームズ (Jaime St. James) (Vocals, 2004-2008)
    ブラック・アンド・ブルー (Black 'N Blue) のフロントマン。『Born Again』でのパフォーマンスは、バンドのルーツであるストレートなハードロックに回帰させたとして評価されている。
  • リック・スタイアー (Rick Steier) (Guitar, 1994-2000)
    キングダム・カム (Kingdom Come) 出身。グランジ期の重厚なギターサウンドを構築した。
  • ジェイムス・コタック (James Kottak) (Drums, 1994-1996)
    後にスコーピオンズ (Scorpions) に加入し、世界的なドラマーとなる。2024年1月、61歳で死去。
  • アダム・ショア (Adam Shore) (Vocals, 1984-1986)
    初代ボーカリスト。後のシェイク・シティ (Shake City) などで活動.

5. 分析: ウォレントの音楽的遺産と日本との関係

5.1 「チェリー・パイ」の呪縛と真価

ウォレント (WARRANT) を語る上で避けて通れないのが、「チェリー・パイ (Cherry Pie)」という楽曲の功罪である。この曲はWARRANTをスタジアム級のバンドに押し上げたが、同時に「中身のないパーティー・バンド」というレッテルを固定化させた。ジェイニー・レイン (Jani Lane) は生前、「自分の墓石には『チェリー・パイの男、ここに眠る』と刻まれるだろう」と自嘲気味に語っていた。しかし、『Dog Eat Dog』 における 「April 2031」や「Andy Warhol Was Right」といった楽曲に見られる深い洞察力と構成力こそが、彼の真の才能であったことは、熱心なファンの間では周知の事実である。

5.2 日本市場との親和性

ウォレント (WARRANT) は日本においても高い人気を誇った。『いけないチェリー・パイ』や『ドッグ・イット・ドッグ』はオリコンチャートでも上位にランクインした。日本のファンは、WARRANTのルックスだけでなく、楽曲の持つ「メロディの美しさ」や「構成の巧みさ」を評価していた傾向がある。そのため、日本盤には「Lincolns, Mercurys and Fords」や「Stop the World」といった、他国では未発表あるいはレアなトラックがボーナスとして収録されることが多く、これらは現在でもコレクターズアイテムとして価値が高い。

5.3 Conclusion

ウォレント (WARRANT) は、80年代の過剰な消費文化が生んだ徒花ではなく、確固たるソングライティング能力と演奏技術に裏打ちされた実力派バンドであった。ジェイニー・レイン (Jani Lane) という不世出の才能を失った悲劇を乗り越え、ロバート・メイソン (Robert Mason) という新たな声を武器に活動を続けるWARRANTの姿勢は、ロックンロールの持つ「生存本能」と「回復力」を體現していると言えるだろう。

表1: スタジオ・アルバム一覧とチャート詳細
リリース年 アルバムタイトル(英語/カナ) リード・ボーカル US Chart Peak 備考
1989 Dirty Rotten Filthy Stinking Rich
ダーティ・ロッテン・フィルシー・スティンキング・リッチ
Jani Lane #10 デビュー作。シングル"Heaven"が全米2位。
1990 Cherry Pie
いけないチェリー・パイ
Jani Lane #7 最大のヒット作。日本盤再発時に多数のデモ音源追加あり。
1992 Dog Eat Dog
ドッグ・イット・ドッグ
Jani Lane #25 ゴールドディスク。日本盤に"Lincolns..."収録。
1995 Ultraphobic
ウルトラフォビック
Jani Lane - グランジ路線。Rick Steier/James Kottak参加。
1996 Belly to Belly
ベリー・トゥ・ベリー
Jani Lane - オルタナティブ・ロック色強まる。
2001 Under the Influence
アンダー・ザ・インフルエンス
Jani Lane - カバー・アルバム。
2006 Born Again
ボーン・アゲイン
Jaime St. James - 原点回帰作。
2011 Rockaholic
ロカホリック
Robert Mason #22 (Hard Rock) Robert Mason初参加作。高評価を獲得。
2017 Louder Harder Faster
ラウダー・ハーダー・ファースター
Robert Mason - 日本盤に"Stop the World"収録。

News

DOKKENSLAUGHTER/WARRANT、ライヴ盤3作を180g重量盤カラー・アナログで再発

Deko Entertainmentから、DOKKEN『Live From The Sun』(1999年11月4日 アナハイムSun Theatre収録、青盤2枚組)、SLAUGHTER『Eternal Live』(1997年後半 メキシコシティ/ラスベガス収録、橙盤1枚、アナログ化は初)、WARRANT『Live 86-97』(1996年11月22日 デトロイトHarpos Concert Theatre収録、2枚組)を発売。各作100枚限定のサイン入りセットも用意される。

出典: BraveWords(2026年8月31日)

ニュース一覧 →

Albums

Louder Harder Faster CD
/

キャッチーなメロディとざらついたギターを両立させ、WARRANTのロック魂を更新した一枚。

Rockaholic CD
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キャッチーなコーラスと陽気なロックンロールで、WARRANTが新たな歌声と進む一作。

Born Again CD
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荒いギターと大きなサビを取り戻し、WARRANTが再始動期のエネルギーを刻んだ第七作。

Under the Influence CD

原曲をWARRANTらしい音へ翻訳する、企画性の強いカバー・アルバム。

Belly to Belly CD
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90年代後半の空気を取り込み、従来のグラム色を抑えたヘヴィでオルタナ寄りのWARRANTの5作目。

Ultraphobic CD
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ビュウ・ヒルのプロデュースで、WARRANTが従来のフックを残しつつ陰りある90年代ロックへ向かった第4作。

Dog Eat Dog CD
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太いリフと硬質な音像で、WARRANTが従来より重いハード・ロックへ踏み込んだ第三作。

Cherry Pie CD
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直球のフックとバラードの哀感を併せ持ち、WARRANTが大衆性を強く示した第二作。

Dirty Rotten Filthy Stinking Rich CD
/

明快なギター・フックと親しみやすいコーラスで、WARRANTを一気にメインストリームへ押し上げたデビュー作。