SODOM BIOGRAPHY
プロフィール
| 結成 | 1982年、ゲルゼンキルヒェン |
|---|---|
| 出身 | ドイツ |
| メンバー | Tom Angelripper(ヴォーカル、ベース) Frank Blackfire(ギター) Yorck Segatz(ギター) Toni Merkel(ドラム) |
| ジャンル | スラッシュメタル、ブラックメタル |
Biography
SODOM
バイオグラフィー
SODOMは、ドイツのルール地方の町ゲルゼンキルヒェンで生まれたスラッシュ・メタル・バンドである。バンドは1982年を始まりの年としており、ベースとヴォーカルのトム・エンジェルリッパーが、結成から現在まで在籍し続けるただ一人のメンバーである。1985年のEP『In the Sign of Evil』で登場し、1986年の『Obsessed by Cruelty』からSteamhammer(SPV)で作品を重ねた。ギタリストのフランク・ブラックファイアを迎えた『Persecution Mania』(1987年)と『Agent Orange』(1989年)でバンドの形が定まり、『Agent Orange』はドイツのアルバム・チャートで36位に入っている。1990年代は顔ぶれがたびたび入れ替わり、GUN RecordsとDrakkarを経て、2001年にSteamhammerへ戻った。1990年代の後半から2018年までは、エンジェルリッパーとギターのベルネマンを軸にした3人編成が続いた。2018年、エンジェルリッパーはそれまでの編成を解いてブラックファイアを呼び戻し、バンドを4人編成に改めた。現在の顔ぶれはエンジェルリッパー、ブラックファイア、ギターのヨーク・セガッツ、ドラムのトニ・メルケルである。2025年の『The Arsonist』はドイツのチャートで4位に入った。KREATOR、DESTRUCTION、TANKARDとともに、ドイツのスラッシュ・メタルの「ビッグ4」と呼ばれている。
結成と2本のデモ(1982〜1983年)
SODOMは1982年を始まりの年として数えている。40周年の記念盤を告知した2022年の文章で、バンドは自分たちが1982年にゲルゼンキルヒェンのブーア地区で生まれたと記した(公式サイト、2022年)。トム・エンジェルリッパーも、VENOMをはじめとする当時のヘヴィなバンドに刺激を受けて1982年にバンドを組んだと語っている(Decibel誌、2012年)。25周年は2007年のW:O:Aのステージで(laut.de)、35周年は2017年12月26日のボーフムのZecheでの公演で(ブラバマウス、2017年)、40周年は2022年の記念盤と秋のツアーで祝われた(公式サイト、2022年)。
バンドが2003年に公式サイトに載せた歴代メンバーの表は、1983年の顔ぶれをトム・エンジェルリッパー、クリス・ウィッチハンター、アグレッサーの3人としている(旧公式サイト、2003年)。laut.deによれば、ベースとヴォーカルのエンジェルリッパーは本名をThomas Suchといい、ドラムのウィッチハンターはChristian Dudek、ギターのアグレッサーはFrank Testegenである(laut.de)。エンジェルリッパーは後年、ウィッチハンターを、自分とともにバンドを作った仲間だと語っている(ブラバマウス、2025年)。
エンジェルリッパーによれば、始めたころは誰がどの楽器を受け持つのかも決まっておらず、最後に残ったベースが自分の担当になった。練習は中等学校の講堂で始まり、のちに友人の両親の家の地下室へ移った(公式サイト、2022年)。2023年のEP『1982』を告知した文章では、1982年の春、エッセンのアルテンエッセン地区シュタウダー通りにあった練習室で「Witching Metal」を録ったことが振り返られている(公式サイト、2023年)。laut.deによれば、デモの『Witching Metal』と『Victims of Death』がSteamhammerの目に留まった(laut.de)。MusicBrainzは前者を1982年、後者を1983年の録音物として登録している。
この時期のエンジェルリッパーは炭鉱で働いていた。父も祖父も炭鉱の仕事に就いており、鍛冶工として炭鉱に入ることを決めたのは父親だったという。勤め先はルール地方のフーゴ炭鉱で、そこで10年間働いた(ブラバマウス、2011年)。
最初のEPと『Obsessed by Cruelty』(1984〜1986年)
トム・エンジェルリッパーは、最初の契約を1983年の終わりに結んだと語っている(Decibel誌、2012年)。一方laut.deは契約の年を1984年とし、DESTRUCTION、TANKARD、IRON ANGELらと同じ晩に出た公演のあとで、SPVの社長だったManfred Schützが契約を持ちかけたと伝えている(laut.de)。最初の作品を録る前に、ギターはアグレッサーからグレイヴ・ヴァイオレイターに替わった(laut.de)。グレイヴ・ヴァイオレイター、本名Josef Dominikは、1984年から1985年までバンドにいた(ブラバマウス、2008年/2017年)。
最初の作品となったEP『In the Sign of Evil』はDevil's Gameから出た。Rock Hard誌は1985年1月にこのEPを取り上げており(Rock Hard)、バンドの公式サイトのディスコグラフィは1984年の作品としている(公式サイト)。演奏はエンジェルリッパー(ベースとヴォーカル)、ウィッチハンター(ドラム)、グレイヴ・ヴァイオレイター(ギター)の3人で、プロデューサーはWolfgang Eichholz、エンジニアはホルスト・ミュラーであった(公式サイト)。その後グレイヴ・ヴァイオレイターに代わって、デストラクターことミヒャエル・ヴルフがギターに就いた(laut.de)。1986年の最初のフル・アルバム『Obsessed by Cruelty』は、エンジェルリッパー、ウィッチハンター、デストラクターの3人で録音され、Rainer Hänselがプロデュースした(公式サイト/laut.de)。収録曲の「After the Deluge」は、ギタリストのUwe Christoffersが1985年にSODOMのために書いた曲である(公式サイト、2022年)。
フランク・ブラックファイアと『Persecution Mania』『Agent Orange』(1987〜1989年)
次にギターを担ったのがフランク・ブラックファイア、本名Frank Gosdzikである。バンドの年表はブラックファイアの加入を1987年としており(旧公式サイト、2003年)、ブラバマウスは在籍期間を1986年から1989年と書いている(ブラバマウス、2017年)。1987年の『Persecution Mania』はトム・エンジェルリッパー、クリス・ウィッチハンター、ブラックファイアの3人の作品で、プロデュースはバンド自身、エンジニアはハリス・ジョンズが務めた。MOTÖRHEADの「Iron Fist」のカヴァーも収められている(公式サイト)。同じ年にはEP『Expurse of Sodomy』も出た(MusicBrainz)。laut.deによれば、バンドはこのころWHIPLASHの前座として初めて本格的なツアーに出ており、デュッセルドルフでの公演の録音が1988年のライヴ・アルバム『Mortal Way of Live』になった(laut.de)。
1989年の『Agent Orange』は、ハリス・ジョンズがプロデュースとエンジニアリングを手がけ、ジャケットの絵はアンドレアス・マーシャルが描いた(公式サイト)。アルバムは1989年7月24日付のドイツのアルバム・チャートに47位で入り、最高36位を記録して16週にわたってチャートに残った(ドイツのオフィシャル・チャート)。のちにドイツのスラッシュ・メタルの「ビッグ4」と呼ばれる4組のうち、ドイツの公式アルバム・チャートに最初に入ったのはSODOMである(ドイツのオフィシャル・チャート)。同じ年にはシングル「Ausgebombt」も出た(laut.de)。エンジェルリッパーは1989年、『Agent Orange』の発売に合わせてレコード会社から収入を得られるようになり、炭鉱の仕事を辞めて音楽で生計を立て始めた(ブラバマウス、2011年)。
アルバムが出てまもなく、ブラックファイアはアメリカ・ツアーを控えたKREATORに加わるためにバンドを離れた(laut.de)。KREATORにとっては、SUICIDAL TENDENCIESとアメリカを回るヘッドライン・ツアーのために迎えた元SODOMのギタリストである(laut.de)。すでに決まっていたSEPULTURAとのヨーロッパ・ツアーでは、MEKONG DELTAのUwe Baltruschが代役を務めたが、正式なメンバーにはならなかった(laut.de)。
1990年代前半の作品と顔ぶれの移り変わり(1990〜1995年)
新しいギタリストには、ASSASSINにいたマイケル・ホフマンが迎えられ、メキシコ・シティーでの公演がホフマンの最初のステージになった(laut.de)。ホフマンは1990年の『Better Off Dead』と、1991年のシングル「The Saw Is the Law」で弾いている(laut.de/公式サイト)。その後、ブラジルで音響技師とギタリストを兼ねる仕事の誘いを受けて、バンドを離れた(laut.de)。
1991年には、20歳でまだ学校に通っていたアンディ・ブリングスが加わった(公式サイト、2024年)。ブリングスにとって初めてのアルバムとなった1992年の『Tapping the Vein』は、9月21日付のドイツのチャートに98位で入り、最高56位を記録した(ドイツのオフィシャル・チャート)。これは結成以来のドラマー、クリス・ウィッチハンターがメンバーとして参加した最後のアルバムでもある(公式サイト、2024年)。トム・エンジェルリッパーによれば、ウィッチハンターは1992年にバンドを離れた(Decibel誌、2012年)。同じ年のケルン公演が、ウィッチハンターにとってSODOMでの最後のステージになった(公式サイト、2024年)。
後任のドラマーは、LIVING DEATHやHOLY MOSESで叩いてきたアトミック・シュタイフことGuido Richterである(laut.de)。1993年のEP『Aber bitte mit Sahne!』には、新しいドラマーを紹介することと、その年の暮れにMOTÖRHEAD、KREATOR、ENTOMBEDと回るツアー〈Christmas Metal Meetings〉のために新しい曲をそろえることの、二つの狙いがあった。このEPで初めて組んだのが、プロデューサーのヴォルフガング・シュタッハである(ブラバマウス、2025年)。
1994年の『Get What You Deserve』について、エンジェルリッパーは、VENOMやMOTÖRHEADに近い原点へ戻ろうとしたアルバムで、ブリングスの持つパンクの素地も強く出たと振り返っている。この顔ぶれで最初に書いた曲が「Sodomized」であった(ブラバマウス、2025年)。laut.deによれば、レーベルは用意されたジャケットの使用を拒んだ(laut.de)。ジャケットには、ホテルの一室を写した元の写真のほかに、バンドの写真に差し替えた版がある(ブラバマウス、2025年)。アルバムは1994年2月14日付のドイツのチャートに80位で入り、最高45位を記録した(ドイツのオフィシャル・チャート)。同じ年には、WARPATHとのツアー中にハンブルクで録ったライヴ・アルバム『Marooned』も出ている(laut.de)。
『Get What You Deserve』を最後にブリングスは離れ、ギターはストラーリことDirk Strahlmeierに替わった(laut.de)。ストラーリが弾いたスタジオ・アルバムは1995年の『Masquerade in Blood』で(laut.de)、ドイツのチャートでの最高位は76位である(ドイツのオフィシャル・チャート)。その後ストラーリとアトミック・シュタイフが相次いでバンドを離れ、エンジェルリッパーは一人でバンドを抱えることになった。Steamhammerとの契約も満了し、レーベルは1996年にベスト盤『Ten Black Years』を出した(laut.de)。
GUN Records、Drakkar、そしてSteamhammerへの復帰(1996〜2001年)
トム・エンジェルリッパーが新たに迎えたのは、ギターのベルネマンことBernd Kostと、ドラムのBobby Schottkowskiである(laut.de/ブラバマウス、2018年)。この3人による『'Til Death Do Us Unite』は1997年にGUN Recordsから出た(laut.de/MusicBrainz)。エンジェルリッパーは後に、生と死と胎児の命を一枚の写真で表したこのアルバムのジャケットがファンに伝わらなかったため、次の作品からは兵士と戦争を主題にした絵柄に戻したと話している(Decibel誌、2012年)。1999年の『Code Red』はDrakkarから発売され(MusicBrainz)、プロデューサーとしてハリス・ジョンズが戻った(laut.de)。
2001年、バンドはSPVのもとに戻り、『M-16』を発表した(laut.de)。このアルバムはドイツのチャートで27位に入っている(ドイツのオフィシャル・チャート)。同じ年の夏、3人はタイのバンコクを訪れて報道陣に『M-16』を披露し、地元のRockpubで満員の公演を行った。その後あらためてバンコクへ渡り、より大きなクラブHollywoodでの公演をハリス・ジョンズが録音した。これが2003年のライヴ・アルバム『One Night in Bangkok』である(SPV、2004年/laut.de)。
3人編成の10年(2002〜2010年)
2000年代の初め、SODOMはTANKARDなどとのツアーを経て、KREATOR、DESTRUCTIONと組んでツアーに出た(laut.de)。2005年の暮れにはバンドの歴史をたどる映像作品『Lords of Depravity』の第1部が出ている(laut.de)。2006年1月にはFINNTROLLとアメリカを回り、4月の終わりにアルバム『Sodom』を発表した(laut.de)。『Sodom』はドイツのチャートで64位に入った(ドイツのオフィシャル・チャート)。
2007年のW:O:Aでのステージは25周年を祝うものとなり、歴代のギタリストとドラマーのほとんどが加わった(laut.de)。エンジェルリッパーによれば、1992年以来途絶えていたクリス・ウィッチハンターとの行き来は、歴代メンバーが集まる最初の「同窓会」で戻り、そこで最初のミニ・アルバムを未発表曲とともにフル・アルバムとして録り直す案が生まれた(Decibel誌、2012年)。エンジェルリッパー、ウィッチハンター、グレイヴ・ヴァイオレイターの3人で『In the Sign of Evil』の曲と、そのころ書かれながら発表されなかった7曲を録り直したのが、2007年の『The Final Sign of Evil』である(laut.de/ブラバマウス、2008年)。2枚組のアナログ盤は2008年2月にSPVから出た(ブラバマウス、2008年)。
2008年9月、ウィッチハンターが亡くなった。ブラバマウスは、バンドの公式サイトの告知をもとにこれを伝えている(ブラバマウス、2008年)。エンジェルリッパーがその知らせを受けたのは、南米ツアーの最中だった(ブラバマウス、2025年)。2009年4月11日には、バンドの呼びかけによる追悼公演がオーバーハウゼンのTurbinenhalleで開かれ、SODOM、TANKARD、ASSASSINらが出演した。この公演には、ウィッチハンターの母親のために資金を集める目的もあった(ブラバマウス、2009年)。
2010年の終わりに出た『In War and Pieces』は、ヴァルデマー・ソリシュタをプロデューサーに迎えたアルバムで、ドイツのチャートで64位に入った(laut.de/ブラバマウス、2010年/ドイツのオフィシャル・チャート)。エンジェルリッパーはこのアルバムの「Knarrenheinz」で、初めてバンドのマスコットを曲の題材にしている(laut.de)。アルバムが出てまもない2010年11月、バンドはBobby Schottkowskiと別れた。バンドの声明は、その理由をエンジェルリッパーとSchottkowskiの間の個人的な問題だと説明している(laut.de/ブラバマウス、2010年)。
マッカの時代と35周年(2010〜2017年)
2010年12月、DESPAIRなどで叩いてきたマーカス“マッカ”フライヴァルドが新しいドラマーとして発表された(ブラバマウス、2010年)。この交代のため、『In War and Pieces』のツアーは最初のいくつかの公演が中止になった(laut.de)。
30周年の2012年には、未発表のリハーサル録音やライヴ録音、プリプロダクションを収めたボックス・セット『30 Years Sodomized 1982-2012』がSteamhammerから出た。トム・エンジェルリッパーは同じ年、クリス・ウィッチハンターへの敬意を込めて自ら曲を選んだ2枚組の『The Witchhunter Decade』もまとめている(Decibel誌、2012年)。2013年の『Epitome of Torture』は、2012年の秋にドルトムントのWaldstreet Sound Studioで、再びヴァルデマー・ソリシュタのプロデュースのもとで録音され(laut.de)、ドイツのチャートで32位に入った(ドイツのオフィシャル・チャート)。2014年にはEP『Sacred Warpath』が出ている(MusicBrainz)。
2016年の『Decision Day』はドイツのチャートで7位に入った(ドイツのオフィシャル・チャート)。エンジェルリッパーによれば、曲は週に一度の練習室でのジャムから生まれ、レーベルに発売日を決められないまま、地元に近いスタジオで6か月をかけて録音された(ブラバマウス、2017年)。2017年12月26日、バンドはボーフムのZecheで35周年の公演を行い、かつてのギタリストのグレイヴ・ヴァイオレイター、フランク・ブラックファイア、アンディ・ブリングスが加わった(ブラバマウス、2017年)。
2018年の再編と4人編成(2018〜2020年)
2018年1月5日、トム・エンジェルリッパーはベルネマン、マッカとの活動を終えると発表した。マッカは8年近く、ベルネマンは20年以上バンドにいたが、決まりきった流れが創作を妨げる前に、新鮮で意欲のある仲間とやり直したいというのがエンジェルリッパーの説明であった(ブラバマウス、2018年)。その数日後、2人は連名の声明で、互いの考えが離れていたことを認めたうえで、次のアルバムのために多くの曲の案を録っていたのに、エンジェルリッパーがそれを聴かないままWhatsAppで協力を打ち切ったと述べた(ブラバマウス、2018年)。
同じ月のうちに発表された新しい顔ぶれでは、KREATORやASSASSINでも弾いたフランク・ブラックファイアが戻り、BEYONDITIONのヨーク・セガッツが2本目のギターに、ASPHYXやDESASTERで叩いてきたステファン“ハスキー”ハスケンズがドラムに就いた。こうしてバンドは3人編成から4人編成に変わった。エンジェルリッパーは、3人とも根っからのSODOMのファンで、皆エッセンに住んでいると話している(ブラバマウス、2018年)。この顔ぶれで2018年の秋にEP『Partisan』を出し(laut.de)、2019年11月には、新曲3曲と代表曲2曲の新録音(スタジオ録音とライヴ録音)を収めたEP『Out of the Frontline Trench』を発表した(ブラバマウス、2020年)。
2020年1月、ハスキーは本業の仕事の事情などを理由に脱退を表明し(ブラバマウス、2020年)、同じ月のうちにトニ・メルケルが後任のドラマーとして迎えられた(ブラバマウス、2020年)。
『Genesis XIX』から『The Arsonist』へ(2020〜2026年)
2020年6月、バンドはハーゲンのWoodhouse Studioで、プロデューサーのSiggi Bemmとともに『Genesis XIX』の録音に入った(ブラバマウス、2020年)。マスタリングはPatrick W. Engel、ジャケットはMOTÖRHEADの仕事で知られるジョー・ペタグノが手がけ、アルバムは2020年11月、ヨーロッパではSteamhammer(SPV)から、北米ではeOneから発売された(ブラバマウス、2025年)。ドイツのチャートでは10位に入っている(ドイツのオフィシャル・チャート)。2021年8月には、『Persecution Mania』の曲名を題に掲げたEP『Bombenhagel』が出た。夏のフェスティバルの時期に合わせて出すつもりだったが、催しが翌年に延びたため、健在を伝える便りとしてそのまま発売したとエンジェルリッパーは説明している(ブラバマウス、2021年)。
40周年の2022年10月には、それまでのアルバムから1曲ずつを現在の4人で録り直した『40 Years at War - The Greatest Hell of Sodom』を発表した。調も歌詞も元のまま、編曲にも手を加えない録り直しで、ジャケットはエリラン・カンターが描いた。ボックス・セットには、結成のころを振り返る新曲「1982」を含む4曲入りのEPと、エンジェルリッパーが始まりの日々について書いた序文を載せた本が付いた(公式サイト、2022年)。発売に先立つ2022年9月、バンドは収録曲「After the Deluge」のリリック・ビデオを、亡くなったばかりのかつてのギタリスト、Uwe Christoffersに捧げている(公式サイト、2022年)。このアルバムはドイツのチャートで6位に入った(ドイツのオフィシャル・チャート)。2023年11月には、「1982」と初期の曲の新録音をまとめたEP『1982』がSPV/Steamhammerから出ている(公式サイト、2023年/ブラバマウス、2025年)。
2024年11月15日、1992年の『Tapping the Vein』の拡大版がNoise/BMGから再発された。オリジナルのリマスターにアンディ・ブリングスによる新しいミックスを加え、最も大きな版には1992年の東京、デュッセルドルフ、ケルンでの公演の録音も収めている(公式サイト、2024年)。この再発盤はドイツのチャートで3位に入った(ドイツのオフィシャル・チャート)。
2025年6月27日にSteamhammer(SPV)から出た『The Arsonist』では、ドラムを24トラックのアナログ・テープ・レコーダーで録音し、4人全員が曲作りに加わった。エンジェルリッパーによれば、ギターも得意なメルケルは何曲かを書いている(公式サイト、2025年)。収録曲の「Witchhunter」はクリス・ウィッチハンターに捧げた曲で、ビデオはアンディ・ブリングスが手がけた(ブラバマウス、2025年)。アルバムはドイツのチャートで4位に入り、新しいスタジオ・アルバムとしてはバンドで最も高い順位となった(ドイツのオフィシャル・チャート)。
同じ2025年の春、エンジェルリッパーはライヴ活動を大きく減らすと明らかにした。家族や旧友、狩りといった自分の時間を大切にしたいというのが理由で、バンドの終わりではなく休止だと話している(ブラバマウス、2025年)。2026年2月のインタビューでは、SPVが次のアルバムについての権利を持っており、1、2年のうちに新作の話になるだろうと語った(ブラバマウス、2026年)。
2025年8月31日、1990年代の前半にドラムを叩いたアトミック・シュタイフが57歳で亡くなった(ブラバマウス、2025年)。2026年2月、アトミック・シュタイフが叩いた『Get What You Deserve』が、アンディ・ブリングスによる新しいミックスとリマスターを施した拡大版としてBMGから再発された。ボックス・セットにはEP『Aber bitte mit Sahne!』と、アトミック・シュタイフが加わって最初の公演の録音も収められた(ブラバマウス、2025年)。この再発盤はドイツのチャートで5位に入っている(ドイツのオフィシャル・チャート)。日本では2026年6月24日、マーキー・インコーポレイティドが、2026年リマスター音源の本編16曲にEP『Aber bitte mit Sahne!』の4曲を加えたSHM-CD『Get What You Deserve (SHM-CD)』(MICP-30232)を出している(マーキー・インコーポレイティド)。
ドイツのスラッシュ・メタルの「ビッグ4」
SODOMは、KREATOR、DESTRUCTION、TANKARDとともに、ドイツのスラッシュ・メタルの「ビッグ4」に数えられる(ブラバマウス、2023年)。4組の関わりは1980年代にさかのぼる。laut.deによれば、SODOMの最初のレコード契約につながった公演にはDESTRUCTIONとTANKARDも出演していた(laut.de)。トム・エンジェルリッパーは、若いころの4組には、ギタリストの腕や契約の早さを比べ合う競争心があったと振り返っている(ブラバマウス、2024年)。2000年代の初めには、KREATOR、DESTRUCTIONとそろってツアーに出た(laut.de)。4組の名を冠したNuclear Blastの10インチ盤『The Big Teutonic 4』(2013年)と『The Big Teutonic 4 – Part II』(2015年)には、SODOMがMOTÖRHEADの「Iron Fist」とTANKの「Don't Walk Away」を提供している(MusicBrainz)。
エンジェルリッパーによれば、2022年にはメキシコのMexico Metal Festに4組がそろって出演した(ブラバマウス、2024年)。2023年7月31日、KREATORはゲルゼンキルヒェンのAmphitheaterで2024年7月20日に開くフェスティバル〈Klash of the Ruhrpott〉を発表した。ブラバマウスはこれを、待ち望まれていた「Teutonic Big Four」の顔合わせとして伝えている。エンジェルリッパーは、古い仲間とようやく舞台を共にできることを喜ぶコメントを寄せた(ブラバマウス、2023年)。当日はKREATORがヘッドライナーを務めたが、激しい悪天候の警報が出たため、KREATORは10曲を演奏したところでステージを打ち切った(ブラバマウス、2024年)。
エンジェルリッパーは2022年の取材で、DESTRUCTIONはSODOMよりもスラッシュ・メタルの色が濃く、SODOMにはブラック・メタルやヘヴィ・メタルの影響が強いと語っている(ブラバマウス、2023年)。
トム・エンジェルリッパーのほかの活動
トム・エンジェルリッパーは1990年代の半ばから、SODOMとは別にソロの作品を出してきた。最初はトム・エンジェルリッパーの名義で、のちにONKEL TOMの名を使うようになる。1996年の『Ein schöner Tag』は、主にドイツの流行歌をパンクとメタルの味付けで演奏した作品で、ドラムはヨルグ・マイケルが叩いた。2年後の『Ein Tröpfchen voller Glück』には、DEZPERADOZのギタリスト、Alex KraftとBobby Schottkowskiが加わっている。その後もクリスマスの歌を集めたアルバムなどを重ね、2011年の『Nunc Est Bibendum』からは自作の曲が中心になった(laut.de)。エンジェルリッパーは自身の作品として、SODOM、ONKEL TOM、DEZPERADOZをはじめとする多くのサイド・プロジェクトの作品を挙げている(ブラバマウス、2025年)。laut.deによれば、2008年ごろのエンジェルリッパーはDIE KNAPPENというバンドでも活動していた(laut.de)。
メンバー
現在の顔ぶれは次の4人である(公式サイト)。
| メンバー | 担当 | 在籍 |
|---|---|---|
| トム・エンジェルリッパー(本名Thomas Such) | ヴォーカル、ベース | 1982年〜 |
| フランク・ブラックファイア(本名Frank Gosdzik) | ギター | 1987〜1989年、2018年〜 |
| ヨーク・セガッツ | ギター | 2018年〜 |
| トニ・メルケル | ドラム | 2020年〜 |
かつてのメンバーは次の通りである(旧公式サイト、2003年/laut.de/ブラバマウス)。
| メンバー | 担当 | 在籍 |
|---|---|---|
| クリス・ウィッチハンター(本名Christian Dudek) | ドラム | 1982〜1992年 |
| アグレッサー(本名Frank Testegen) | ギター | 結成期〜1984年 |
| グレイヴ・ヴァイオレイター(本名Josef Dominik) | ギター | 1984〜1985年 |
| デストラクター(本名ミヒャエル・ヴルフ) | ギター | 『Obsessed by Cruelty』(1986年) |
| マイケル・ホフマン | ギター | 1990〜1991年 |
| アンディ・ブリングス | ギター | 1991〜1995年 |
| アトミック・シュタイフ(本名Guido Richter) | ドラム | 1992〜1995年 |
| ストラーリ(本名Dirk Strahlmeier) | ギター | 『Masquerade in Blood』(1995年) |
| ベルネマン(本名Bernd Kost) | ギター | 1996〜2018年 |
| Bobby Schottkowski | ドラム | 1996〜2010年 |
| マッカ(本名マーカス・フライヴァルド) | ドラム | 2010〜2018年 |
| ハスキー(本名ステファン・ハスケンズ) | ドラム | 2018〜2020年 |
日本公演
SODOMが初めて日本で公演を行ったのは1991年である。2016年に『Decision Day』の日本盤を出したワードレコーズの紹介文によれば、1990年の『Better Off Dead』が日本でのデビュー作となり、その翌年に初来日公演が実現した(ワードレコーズ)。トム・エンジェルリッパーは2015年のインタビューで、最初の来日ではサポート・バンドがつかず、2時間を超えるステージを務めたと記憶していると振り返っている(HMV)。
1992年には『Tapping the Vein』のツアーで再び来日した。このときの東京公演の録音は、2024年11月15日にNoise/BMGから出た同作の拡大再発盤に、デュッセルドルフとケルンの公演とともに未発表音源として収められた(バンド公式サイト、HMV)。2012年にSPV/Steamhammerが出したボックス『30 Years Sodomized 1982-2012』にも、1992年の日本公演から「Body Parts」が収録されている(Blabbermouth)。
2002年5月には、SMASHのシリーズ公演〈EXTREME THE DOJO Vol.3〉にDYING FETUS、DIMENSION ZEROとともに参加し、27日に渋谷CLUB QUATTRO、29日に名古屋CLUB QUATTRO、30日に心斎橋CLUB QUATTROを回った。開場18時・開演19時、前売料金は1ドリンク付きで4,000円である(SMASH公式サイト)。
2006年9月16日・17日には、川崎のCLUB CITTA'で開かれたスラッシュ・メタルのフェスティバル〈THRASH DOMINATION 06〉に、DEATH ANGEL、ONSLAUGHT、スペシャル・ゲストのDRAGONLORDとともに両日出演した(THRASH DOMINATION公式サイト、バンド公式サイト)。同じく出演が発表されていたVENOMは、クロノスの体調不良により開催の週に出演を取りやめている(Blabbermouth)。
〈THRASH DOMINATION〉への2度目の出演は、2015年3月21日・22日の〈THRASH DOMINATION 2015〉である。2004年に始まったこのフェスティバルの10回目にあたり、「最強決定戦」と銘打たれた回で、SODOMはOVERKILL、EXODUSとともに両日のステージに立った。開場15時・開演16時、前売料金は9,800円であった(THRASH DOMINATION公式サイト、タワーレコード、HMV)。タイムテーブルでは両日ともSODOMが最初に登場し、16時から17時20分までの80分を演奏している(THRASH DOMINATION公式サイト)。ワードレコーズは、同フェスティバルへの出演が2006年以来9年ぶりだったと紹介している(ワードレコーズ)。2日目の演奏から5曲が、2016年8月19日に日本先行で発売された『Decision Day』の初回限定盤のボーナスDVDに収められた(ワードレコーズ、BARKS)。
2020年9月20日・21日の〈THRASH DOMINATION 2020〉にも、OVERKILL、VOIVODとともに名を連ね、“AGENT ORANGE”の特別なステージを行うと告知されていた。しかし主催者は2020年7月4日、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてこの回の中止を発表した(THRASH DOMINATION公式サイト)。
| 日付 | 会場 | 公演 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2002年5月27日 | 渋谷CLUB QUATTRO(東京) | 〈EXTREME THE DOJO Vol.3〉 | SMASH公式サイト |
| 2002年5月29日 | 名古屋CLUB QUATTRO(名古屋) | 〈EXTREME THE DOJO Vol.3〉 | SMASH公式サイト |
| 2002年5月30日 | 心斎橋CLUB QUATTRO(大阪) | 〈EXTREME THE DOJO Vol.3〉 | SMASH公式サイト |
| 2006年9月16日 | CLUB CITTA'(川崎) | 〈THRASH DOMINATION 06〉 | THRASH DOMINATION公式サイト、バンド公式サイト |
| 2006年9月17日 | CLUB CITTA'(川崎) | 〈THRASH DOMINATION 06〉 | THRASH DOMINATION公式サイト、バンド公式サイト |
| 2015年3月21日 | CLUB CITTA'(川崎) | 〈THRASH DOMINATION 2015〉 | THRASH DOMINATION公式サイト、タワーレコード |
| 2015年3月22日 | CLUB CITTA'(川崎) | 〈THRASH DOMINATION 2015〉 | THRASH DOMINATION公式サイト、タワーレコード、BARKS |
出典について
出典は、SODOMの公式サイト(sodomized.info)の作品ページとニュース、インターネット・アーカイブに残る2003年の旧公式サイトの歴代メンバー表、SPVの2004年の作品紹介(インターネット・アーカイブに保存されたもの)、ドイツのオフィシャル・チャート、ブラバマウス、laut.de、ドイツのRock Hard誌、Decibel誌、マーキー・インコーポレイティドの商品ページである。各作品の発売元と、EP、シングル、ライヴ・アルバム、映像作品の発売年はMusicBrainzで確かめた。日本公演の章は、ワードレコーズ、SMASH、〈THRASH DOMINATION〉の公式サイト、タワーレコード、HMV、BARKSの告知と記事による。