KREATOR
1982年にドイツ・エッセンで結成されたスラッシュ・メタル・バンド、KREATOR(クリエイター)のバイオグラフィとディスコグラフィー。1985年の『Endless Pain』から2026年の『Krushers Of The World』まで、スタジオ作16枚の全アルバムに個別ページを用意し、収録曲、CD情報、ライナーノーツ、来日公演の記録をまとめている。
Biography
KREATOR
バイオグラフィー
KREATOR(クリエイター)は、1982年にドイツのエッセンで結成されたスラッシュ・メタル・バンドである。SODOM、DESTRUCTIONと並んで、ドイツのスラッシュ・メタルを築いた三組のひとつに数えられる。1985年の『Endless Pain』から2026年の『Krushers Of The World』までスタジオ作16枚を発表しており、1990年代にはインダストリアルやゴシックの要素を取り込む実験を重ねた末、2001年の『Violent Revolution』でスラッシュに立ち返った。結成以来変わらずにいるのは、歌とギターのミレ・ペトロッツァと、ドラムのユルゲン“ヴェンター”ライルの2人である。
結成と初期の3作(1982〜1987年)
母体は1982年、エッセンで組まれたTormentorである。ミレ・ペトロッツァとユルゲン・ライルはまだ十代で、1985年にバンド名をKreatorに改めた。同じ年、ノイズ・レコーズからデビュー作『Endless Pain』を出している。当時ペトロッツァは17歳だった。
翌1986年の『Pleasure to Kill』は、速度と刻みを極端まで押し上げた一枚で、ドイツのアルバム・チャートで99位に入った。デス・メタルの成立に与えた影響がしばしば語られる作品でもある。1987年の『Terrible Certainty』では構成が整理され、曲の組み立てがはっきりしてきた。
この3作と、1986年のEP『Flag of Hate』、1988年のEP『Out of the Dark... Into the Light』によって、バンドはSODOM、DESTRUCTIONと並ぶドイツ・スラッシュの代表格として扱われるようになる。
国際的な展開(1988〜1992年)
1988年、バンドはエピック・レコードと契約した。1989年の『Extreme Aggression』はドイツで90位、オランダで68位に入り、活動の範囲がヨーロッパの外へ広がっていく。
1990年の『Coma of Souls』は、ハリウッドのエルドラド・レコーディング・スタジオとイメージ・スタジオでランディ・バーンズの制作により録音された。ギターにフランク“ブラックファイア”ゴスジックが加わった最初の作品で、ドイツで83位。80年代に築いた書き方を、はっきりした録音で提示した一枚である。
1992年の『Renewal』で方向が変わる。録音はフロリダ州タンパのモリサウンド・スタジオ、制作はトム・モリスとバンド自身。バンド自身が「最初の実験作」と呼ぶとおり、スラッシュ・メタルの土台にインダストリアルの要素が持ち込まれた。創設メンバーのベース、ロブ・フィオレッティが参加した最後の作品でもある。
実験の時期(1995〜1999年)
1995年の『Cause for Conflict』からレーベルはGUNレコーズに移った。ベースはクリスチャン・ギースラーに交代し、1994年に離れたヴェンターの代役としてジョー・カンジェロージがドラムを叩いている。カンジェロージが参加したのはこの一枚だけで、ギターのゴスジックにとっても最後の作品となった。
1997年の『Outcast』ではヴェンターが正式に復帰し、スイス出身のトミー・ヴェッテルリがギターに加わった。音はゴシックとインダストリアルの方向へさらに進み、1999年の『Endorama』でその流れは最も遠くまで届く。歌は咆哮から離れ、鍵盤と沈んだ旋律が全体を覆った。同じ時期に速度を保っていた同郷のバンドとは明らかに別の場所に立った時期であり、評価の割れる数年でもあった。
スラッシュへの回帰(2001〜2012年)
2001年の『Violent Revolution』は、その流れを断ち切った作品である。制作はアンディ・スニープ。フィンランド出身のサミ・ウリ=シルニヨがリード・ギターとして加わり、ヴェンターが正式に戻った。刻みの速度と旋律を同じ場所に置くこの作り方は、2000年代初頭のスラッシュ・メタル復興の起点として語られる。ドイツで21位。
2005年の『Enemy of God』も引き続きスニープが手がけ、ドイツで19位。ARCH ENEMYのマイケル・アモットが1曲でギターを弾いている。2009年の『Hordes of Chaos』は、オーバーダビングをほとんど使わずアナログ・テープに一発で録るという方法で作られた。この録り方は1986年の『Pleasure to Kill』以来で、バンドにとって初めてビルボード200に入った作品にもなった。
2012年の『Phantom Antichrist』からレーベルはニュークリア・ブラストになり、ドイツで5位、日本でも63位に入っている。
ドイツ1位以後(2017〜2026年)
2017年の『Gods of Violence』は、結成から35年を経てドイツのアルバム・チャートで初めて1位を獲得した。オーストリアで4位、フィンランドで7位、日本でも55位である。
2019年、長く在籍したクリスチャン・ギースラーに代わって、元DRAGONFORCEのフレデリック・ルクレルクがベースに加わった。ルクレルクの初参加作が2022年の『Hate Über Alles』で、ベルリンのハンザ・トンストゥディオでアーサー・リズクの制作により録音された。ドイツで2位。
2026年1月16日、16作目『Krushers Of The World』がニュークリア・ブラストから出た。制作とミックスはイェンス・ボーグレン。日本盤はワードレコーズがボーナス・ライヴCD付きの2枚組と1枚組で同じ日に発売している。ドイツとオーストリアで2位、日本でも30位に入った。
メンバーについて
現在の編成は、ミレ・ペトロッツァ(ヴォーカル/ギター)、サミ・ウリ=シルニヨ(ギター)、フレデリック・ルクレルク(ベース)、ユルゲン“ヴェンター”ライル(ドラム)の4人である。当サイトのメンバー欄は、バンド自身が『Krushers Of The World』のBandcampページに掲げたクレジットに載る4人だけを載せており、それ以外の演奏者を推測で並べることはしていない。
ペトロッツァとライルは1982年の結成から在籍している。ライルは1994年から1996年まで離れていた時期がある。ウリ=シルニヨは2001年の『Violent Revolution』から、ルクレルクは2019年から参加している。
ディスコグラフィ
スタジオ作は16枚である。『Endless Pain』(1985年)、『Pleasure to Kill』(1986年)、『Terrible Certainty』(1987年)、『Extreme Aggression』(1989年)、『Coma of Souls』(1990年)、『Renewal』(1992年)、『Cause for Conflict』(1995年)、『Outcast』(1997年)、『Endorama』(1999年)、『Violent Revolution』(2001年)、『Enemy of God』(2005年)、『Hordes of Chaos』(2009年)、『Phantom Antichrist』(2012年)、『Gods of Violence』(2017年)、『Hate Über Alles』(2022年)、『Krushers Of The World』(2026年)。
このほかにEP『Flag of Hate』(1986年)、『Out of the Dark... Into the Light』(1988年)、『Phantom Antichrist』(2012年)、『Violence Unleashed』(2016年)、ライヴ作品『Live Kreation』(2003年)、『Dying Alive』(2013年)、『London Apocalypticon - Live at the Roundhouse』(2020年)、および複数の編集盤がある。当サイトのアルバム一覧はスタジオ作を対象としている。
日本公演
バンドはこれまでに何度も来日している。当サイトのLIVE欄に登録しているのは、そのうち開催日が出典から確認できる18公演である。
初来日は1993年4月である。日本語版Wikipediaがこれを記録しているが、開催日と会場を明示した資料は今回参照した範囲では見つからなかった。当サイトの公演ページはURLに日付を含み、いったん公開すると恒久的に残るため、日付の裏付けが取れない公演は登録していない。
川崎のスラッシュ・メタル・フェスティバル〈THRASH DOMINATION〉には3回出演している。2005年9月17日・18日の〈05〉(TESTAMENT、DESTRUCTION、LAAZ ROCKITと共演)、2009年9月20日・21日の〈09〉(TESTAMENT、EXODUS、HEATHENと共演)、そして2016年1月9日・10日の〈2016〉(DESTRUCTION、DARK ANGELと共演)で、2016年はヘッドライナーとして2日間それぞれ一部異なるセットリストを演奏した。2009年には9月17日の大阪BIG CAT(TESTAMENTとの対バン)と9月18日の名古屋CLUB QUATTRO(EXODUSとの対バン)、2016年には1月12日の梅田CLUB QUATTROでの単独公演も行っている。
フェスティバルはほかに2度。2014年10月19日の〈LOUD PARK 14〉はさいたまスーパーアリーナのULTIMATE STAGE、18時45分から。2023年3月には一年限りで復活した〈LOUD PARK 2023〉の2日間に出演し、25日のインテックス大阪と26日の幕張メッセ国際展示場9〜11ホールの両方に立った。
単独ツアーは2度ある。2017年9月の〈KREATOR JAPAN TOUR 2017〉はVADERを迎えた3公演で、13日の恵比寿LIQUIDROOM、14日の名古屋Electric Lady Land、15日の梅田TRAD。招聘はSMASHで、東京公演はソールド・アウトした。2024年1月から2月には、IN FLAMESとの二枚看板〈KLASH OF THE TITANS〉で、1月30日のZepp Namba、2月1日と2日のEXシアター六本木に出演している。招聘はクリエイティブマンである。
出典について
ここに記した事実は、バンド自身のBandcampページのクレジット、公式サイト、〈THRASH DOMINATION〉公式サイトのスケジュールとヒストリー(Internet Archiveの保存版)、〈LOUD PARK 14〉および〈LOUD PARK 2023〉公式サイトのタイムテーブルと出演者一覧、招聘元SMASHとクリエイティブマンの公演ページ、MusicBrainzの登録情報、および英語版・日本語版Wikipediaのバンド記事・ディスコグラフィ記事・各アルバム記事に拠っている。演奏者の氏名や公演の日付を推測で補うことはしていない。
Trivia
〈THRASH DOMINATION 2016〉でバンドはヘッドライナーを務め、2日間ともステージに立った。フェスティバル公式サイトのタイムテーブル欄には、1月9日(土)と10日(日)をそれぞれ一部異なるセットリストで演奏する、両日見逃せない、と事前に告知されている。会場は川崎のCLUB CITTA'、開場15時・開演16時、前売10,800円(税込、ドリンク代500円別途)で、共演はDESTRUCTIONとDARK ANGELの2組だった。
〈THRASH DOMINATION 2016〉には大阪の関連公演が2本組まれ、1月11日にDESTRUCTION、12日にKREATORがそれぞれ単独で出演した。公式サイトはこの2本を「DAY-1」「DAY-2」と呼び、2公演をまとめて買える通し券(前売10,800円)を限定で売っている。KREATORの会場は梅田CLUB QUATTRO、開場18時・開演19時、1日券は前売6,800円だった。
2009年の〈THRASH DOMINATION 09〉では、川崎の2日間に加えて大阪と名古屋でも1本ずつ演奏している。主催者はこの2本を対バン形式と位置づけ、9月17日の大阪BIG CATを「TESTAMENT vs KREATOR -Full Set Battle in OSAKA」、9月18日の名古屋CLUB QUATTROを「EXODUS vs KREATOR -Full Set Battle in NAGOYA」と名付けた。いずれも両者がフル・セットを演奏する形である。
〈THRASH DOMINATION 09〉の川崎公演は、発表時と実際で日付がずれている。2009年4月のBlabbermouthとBraveWordsはどちらも9月19日と20日のCLUB CITTA'と告知したが、主催者が後年まとめたヒストリー・ページは9月20日と21日と記している。大阪と名古屋の日付は3者とも一致しているため、動いたのは川崎の2日間だけである。当サイトは主催者自身の記録に従っている。
〈LOUD PARK 14〉への出演は2日目、2014年10月19日である。公式サイトのタイムテーブルによれば、出演はULTIMATE STAGEの18時45分から。同じ日にはPERIPHERY、the GazettE、BELPHEGOR、THUNDER、THE HAUNTED、RIOT、WITHIN TEMPTATION、DEATH ANGELが並び、締めくくったのはDREAM THEATERだった。なお同サイトの出演者ページは2日分の見出しを「10.19 sat」「10.20 sun」と表示しているが、これは前年〈LOUD PARK 13〉の日付が残ったもので、タイムテーブル画像は「2014.10.18 Sat.」「2014.10.19 Sun.」と正しく記している。
2023年に一年限りで復活した〈LOUD PARK〉には、大阪・東京の2日間ともに出演している。公式サイトによれば、3月25日のインテックス大阪はPANTERA、NIGHTWISH、STRATOVARIUS、BLEED FROM WITHINと合わせて5組のみの出演で、開場12時30分・開演13時30分、15,000円。翌26日の幕張メッセ国際展示場9〜11ホールはこれにCARCASS、AMARANTHE、OUTRAGE、H.E.R.O.、JASON RICHARDSON & LUKE HOLLANDが加わり、オープニング・アクトはBRIDEARとPhantom Excaliver、開場10時・開演11時、19,000円だった。
2017年9月の〈KREATOR JAPAN TOUR 2017〉は、ポーランドのVADERをスペシャル・ゲストに迎えた3公演だった。招聘元SMASHの公演ページによれば、13日の恵比寿LIQUIDROOM、14日の名古屋Electric Lady Land、15日の梅田TRADで、いずれも開場18時・開演19時、オールスタンディング、前売8,000円(ドリンク代別途)、発売は6月10日である。東京公演はソールド・アウトした。
2024年1月から2月の来日は、スウェーデンのIN FLAMESとの二枚看板で、〈KLASH OF THE TITANS〉という題が付けられた。招聘元クリエイティブマンの公演ページによれば、1月30日のZepp Namba、2月1日と2日のEXシアター六本木の3公演で、いずれも開場18時・開演19時。料金はスタンディングが前売12,000円、指定席が14,000円で、いずれもドリンク代込み、発売は2023年11月4日である。
Current Members / 現メンバー
バンド自身が名を挙げた現行ラインナップです。2026-09-30時点。