ECLIPSE
1990年代後半、グランジやオルタナティブ・ロックの隆盛により、かつて世界を席巻した80年代スタイルのハードロックやヘヴィメタルは「時代遅れ」の烙印を押され、冬の時代を迎えていた。
Biography
ECLIPSE (エクリプス)
北欧メロディック・ハードロックの革新と覇権、音楽的進化
スウェーデンが生んだ "Massive Hooks" の錬金術師たち
1990年代後半、グランジやオルタナティブ・ロックの隆盛により、かつて世界を席巻した80年代スタイルのハードロックやヘヴィメタルは「時代遅れ」の烙印を押され、冬の時代を迎えていた。しかし、北欧スウェーデン (Sweden) の地下深くでは、その伝統を継承しつつ、現代的なプロダクション技術と圧倒的なソングライティング能力でジャンルを再生させようとする胎動があった。その中心にいたのが、1999年にストックホルム (Stockholm) で結成された ECLIPSE (エクリプス)である。
当初は伝統的なAOR (Adult Oriented Rock) やメロディック・ロックのフォロワーの一つに過ぎなかったECLIPSEは、リーダーでありメインソングライターの Erik Mårtensson (エリック・モーテンソン)の驚異的な成長とともに、シーンの最重要バンドへと変貌を遂げた。ECLIPSEの音楽性は、「Massive Hooks (巨大なフック)」と形容される、一度聴したら耳から離れない強烈なメロディ、現代的な音圧とキレを持つプロダクション、 landscapeそしてライブバンドとしての野性味が融合した "Modern Heavy Rock" の完成形である。
第1章 黎明期: 模索とアイデンティティの探求 (1999-2004)
1.1 運命的な出会いと初期の衝動
ECLIPSEの物語は1999年、スウェーデンの首都ストックホルム (Stockholm)にて、当時まだ無名であったシンガー兼ギタリスト/ベーシストの Erik Mårtensson (エリック・モーテンソン)と、ドラマー兼キーボーディストのAnders Berlin (アンダース・ベルリン)が出会ったことから始まる。音楽学校で出会った彼らは、共通の音楽的嗜好――70年代、80年代クラシック・ロックへの愛着――を通じて意気投合した。その後、Erikの幼馴染であり、同じ地域で育ったギタリスト Magnus Henriksson (マグナス・ヘンリクソン)が加入し、バンドの核となるラインナップが形成された。
彼らが最初に契約を結んだのは、イギリスのレーベル Z Records (Zレコード)であった。バンド名「ECLIPSE」は、当時のレコード会社が提案したものであり、メンバー自身に強いこだわりがあったわけではなく、「提案された中で最もマシな名前だった」という理由で採用されたというエピソードが残っている。
1.2 デビューアルバム 『The Truth and a Little More』の功罪
2001年、バンドはデビューアルバム 『The Truth and a Little More (ザ・トゥルース・アンド・ア・リトル・モア)』をリリースした。この作品は、新人バンドとしては異例の豪華なゲスト陣を迎えて制作された。Europe (ヨーロッパ)のギタリストである Kee Marcello (キー・マルセロ)、Yngwie Malmsteen (イングヴェイ・マルムスティーン)のバンドで活躍したキーボーディスト Mats Olausson (マッツ・オラウソン)、そして女性シンガー Anneli Magnusson (アネリ・マグヌソン) とのデュエットなどが収録されている。
音楽的には、プログレッシブ・ロックの要素や実験的なアレンジが散見され、後の「直球ハードロック」とは異なる複雑な様相を呈していた。Erik Mårtensson自身がプロデュースを試みたものの、彼は後にこの時期の作品について「デモテープに近いクオリティだった」「スタジオでの経験不足が露呈していた」と厳しい自己評価を下している。批評家筋からは「フックの片鱗は見えるものの、焦点が定まっていない」という評価も見られたが、当時の「冬の時代」において、スウェーデンから新たなメロディック・ロックの火が灯ったことは重要な意味を持っていた。
1.3 Frontiers Recordsへの移籍と 『Second to None』
2004年、ECLIPSEはイタリアの Frontiers Records (フロンティアーズ・レコード)と契約を結ぶ。このレーベルは、JOURNEY (ジャーニー)やTOTO(トト) といったレジェンドバンドの作品を手掛けるメロディック・ロックの総本山であり、ECLIPSEにとって理想的なホームグラウンドとなった。
移籍第一弾となる2ndアルバム 『Second to None (セカンド・トゥ・ナン)』は、前作に比べてより焦点の絞られたソングライティングがなされたものの、依然としてバンドは「自分たちの音」を完全には確立できていなかった。この時期、Erikはボーカリストとしてだけでなく、プロデューサー、エンジニアとしてのスキルを独学で磨き続けており、その成果が結実するのは次作以降となる。
第2章 覚醒: 現代的ハードロック・スタイルの確立 (2008-2011)
2.1 実質的なデビュー作 『Are You Ready to Rock』
4年間の沈黙を破り、2008年にリリースされた3rdアルバム 『Are You Ready to Rock (アー・ユー・レディ・トゥ・ロック)』は、バンドにとって真の出発点となった。Erik自身も「ECLIPSEはこのアルバムから始まった」と公言しており、過去2作とは明確な決別を示している。
この作品から、新たなリズム隊としてドラマーのRobban Bäck (ロバン・ベック)が加入した。彼のパワフルかつタイトなドラミングは、ECLIPSEのサウンドを「ソフトなAOR」から「エッジの効いたハードロック」へとシフトさせる重要な推進力となった。また、創設メンバーAnders Berlinの弟である Johan Berlin (ヨハン・ベルリン) がキーボードで参加し、サウンドに厚みを加えた。
音楽的には、Whitesnake (ホワイトスネイク) や Thin Lizzy (シン・リジィ)を彷彿とさせるリフ主体の楽曲構成に、北欧特有の哀愁あるメロディが乗るスタイルが確立された。「Breaking My Heart Again」や「Wylde One」といった楽曲は、ライブでのアンセムとなり、ECLIPSEの名前を欧州のメロディック・ロック・ファンに知らしめる契機となった。
第3章 飛躍: 世界的ブレイクと黄金期の到来 (2012-2015)
3.1 傑作『Bleed & Scream』の衝撃
2012年、ECLIPSEはキャリア最大の転機となる4thアルバム 『Bleed & Scream (ブリード・アンド・スクリーム)』をリリースした。このアルバムは、バンドが長年追求してきた「アグレッシブなヘヴィメタル」と「ラジオフレンドリーなAOR」の完全なる融合を実現した作品である。
タイトルトラック「Bleed & Scream」は、バンド初の公式ミュージックビデオとして制作され、YouTube等を通じて世界中に拡散された。Magnus Henrikssonの鋭利なギターリフ、Erikの力強く伸びやかなボーカル、 tenderそしてサビでの爆発的なコーラスワークは、多くのロックファンに衝撃を与え、「スウェーデンにECLIPSEあり」と印象付けた。このアルバムにより、バンドはスウェーデンの公式チャート「Sverigetopplistan」で初のトップ50入り (44位)を果たし、商業的な成功への扉を開いた。
3.2 Erik Mårtenssonのソングライターとしての成熟
この成功の背景には、Erik MårtenssonがサイドプロジェクトW.E.T. (ウェット)での活動を通じて得た経験が大きく影響している(後述)。Jeff Scott Soto (ジェフ・スコット・ソート)という世界的なボーカリストと作業を共にし、ヒット曲を生み出すプロセスを体得したErikは、そのノウハウをECLIPSEに還元した。彼は日本のヘヴィメタル専門誌 『BURRN!』の人気投票で、2019年には「世界のトップソングライター」の一人に選出されるなど、作曲家としての地位も不動のものとしつつあった。
3.3 『Armageddonize』 とメンバーの変遷
2015年には5thアルバム 『Armageddonize (アルマゲドナイズ)』をリリース。前作の路線を継承しつつ、よりスタジアム・ロック的なスケール感を増した本作は、スウェーデンチャートで49位を記録した。
この時期、バンドを支えてきたドラマーRobban Bäckが脱退し、後任としてPhilip Crusner (フィリップ・クルスナー)が加入した。Philipの加入は、単なるメンバー補充に留まらなかった。彼の派手なドラミングスタイルと、ステージ上でのエネルギッシュなパフォーマンス(スティック回しや観客への煽りなど)は、ECLIPSEのライブを「聴かせるショー」から「魅せるエンターテインメント」へと進化させたのである。
第4章 挑戦: メロディーフェスティバーレンとライブバンドとしての確立 (2016-2018)
4.1 「Runaways」 と国民的イベントへの挑戦
2016年、ECLIPSEは新たな挑戦として、スウェーデンの国民的音楽番組であり、ユーロビジョン・ソング・コンテスト (Eurovision Song Contest) の国内予選でもある「Melodifestivalen 2016 (メロディーフェスティバーレン)」に参加した。
エントリー曲としてErikが書き下ろした「Runaways (ランナウェイズ)」は、「定住できずに旅を続ける逃亡者」をテーマにした楽曲で、1999年からツアー生活を続けてきたバンド自身の姿を投影したものであった。準決勝第4戦(Gävle開催) に出場したECLIPSEは5位となり、惜しくも決勝進出は逃したが、数百万人が視聴するゴールデンタイムのテレビ番組でのパフォーマンスは、バンドの知名度をロックファン以外のお茶の間にまで広める絶大な宣伝効果をもたらした。
4.2 『Monumentum』 と世界ツアー
この勢いを駆って2017年にリリースされた6thアルバム 『Monumentum (モニュメンタム)』は、バンドのディスコグラフィの中でも特に「ライブ映え」を意識した楽曲が並ぶ作品となった。「Vertigo」や「Never Look Back」といった楽曲は、その後のライブにおけるセットリストの常連となり、アルバム発売直後から9カ国18公演に及ぶツアーが敢行された。
また、この時期からECLIPSEは Wacken Open Air (ドイツ)、Bang Your Head (ドイツ)、Rock Fest Barcelona (スペイン)、Sweden Rock Festival (スウェーデン) といった欧州最大級のフェスティバルに常連として名を連ねるようになり、Aerosmith (エアロスミス)、Scorpions (スコーピオンズ)、Deep Purple (ディープ・パープル) といったレジェンドバンドのサポートアクトも務めるなど、名実ともにトップバンドの仲間入りを果たした。
第5章 覇権: ストリーミング時代のアンセムとパンデミック (2019-2022)
5.1 『Paradigm』 と最大のヒット曲 「Viva La Victoria」
2019年、7thアルバム 『Paradigm (パラダイム)』がリリースされる。このアルバムは、デジタル・ストリーミング時代におけるECLIPSEの強さを証明する作品となった。収録されたシングル「Viva La Victoria (ヴィヴァ・ラ・ヴィクトーリア)」は、Spotifyなどで数千万回以上の再生数を記録し、バンド史上最大のヒット曲となった。
この時期、ベーシストがMagnus Ulfstedtから、ドラマーPhilipの実弟である Victor Crusner (ヴィクター・クルスナー)に交代した。リズム隊が兄弟で構成されることになり、バンドのグルーヴと結束力は過去最高レベルに達した。Victorはベースプレイのみならず、コーラスワークや一部楽曲でのリードボーカル (ライブでの「High Road」 など)でも貢献し、バンドの新たな武器となった。
5.2 パンデミック下のライブアルバムと 『Wired』
2020年、COVID-19パンデミックにより世界中のツアーが停止する中、バンドは止まることなく活動を続けた。同年リリースされた初の公式ライブ作品 『Viva La VicTOURia (ヴィヴァ・ラ・ヴィクトーリア)』は、2019年12月21日のスウェーデン・ヨーテボリ (Gothenburg) 公演を収録したもので、ECLIPSEのライブバンドとしての絶頂期を記録している。また、ロックダウン中に行われたスタジオライブ「Live from the Quarantine」の音源もボーナスとして追加され、ファンとの繋がりを維持し続けた。
2021年には8thアルバム 『Wired (ワイアード)』をリリース。パンデミックの閉塞感を打ち破るかのようなエネルギッシュな楽曲が並び、特に「Saturday Night (Hallelujah)」は、Bon Jovi (ボン・ジョヴィ) や Loverboy (ラヴァーボーイ)を彷彿とさせる80年代アリーナ・ロック直系のパーティー・アンセムとして高い評価を得た。
第6章 現在: 絶え間なき創造と『Megalomanium』(2023-現在)
6.1 『Megalomanium』 シリーズの展開
2023年、9thアルバム 『Megalomanium (メガロマニアム)』をリリース。このアルバムでバンドは、従来のハードロック路線に加え、Foo Fighters (フー・ファイターズ) や My Chemical Romance (マイ・ケミカル・ロマンス)を思わせるポップ・パンクやオルタナティブ・ロックの要素を大胆に取り入れ、音楽性の幅を広げた。
驚くべきことに、そのわずか1年後の2024年9月20日には、続編となる10thアルバム 『Megalomanium II (メガロマニアム II)』 をリリースした。短期間での連続リリースは、Erik MårtenssonとMagnus Henrikssonの創作意欲が枯渇するどころか、ますます旺盛になっていることを示している。最新作からは「The Spark」「Falling to My Knees」といった楽曲がシングルカットされ、YouTubeやストリーミングサービスで順調に再生数を伸ばしている。
6.2 日本との絆: 2024年東京公演
ECLIPSEは日本市場でも根強い人気を誇る。これまでに2016年、2018年と来日を果たしており、2024年2月には4度目となる日本ツアーを敢行した。
2024年2月19日、東京・渋谷WWWで行われた公演は月曜日の開催であったにもかかわらず、会場は熱狂的なファンで埋め尽くされた。ライブレポートによれば、バンドは「Roses on Your Grave」で幕を開け、「Bleed & Scream」「The Masquerade」などの代表曲を次々と披露。アコースティックセットや、BLACK SABBATHの「Heaven & Hell」のカバーを織り交ぜつつ、ラストは「Viva La Victoria」で締めくくる約2時間の圧巻のパフォーマンスを見せた。この公演は、ECLIPSEが単なるスタジオプロジェクトではなく、世界トップクラスのライブバンドであることを日本のファンに再確認させるものとなった。
第7章 メンバー詳細プロフィール (Detailed Member Profiles)
現行メンバー (Current Lineup)
| 氏名(日/英) | 担当 (Role) | 在籍 (Tenure) | プロフィール詳細 (Details) |
|---|---|---|---|
| エリック・モーテンソン Erik Mårtensson |
ボーカル、ギター Vocals, Guitar |
1999-現在 | バンドの創設者にして絶対的なリーダー。楽曲の作詞作曲のみならず、レコーディング、ミキシング、マスタリングまでを手掛けるマルチクリエイター。その才能はECLIPSEに留まらず、W.E.T.やNordic Unionなどのプロジェクトでも発揮されている。ハスキーでありながら伸びやかな声質と、キャッチーなメロディを生み出すセンスは業界屈指と評価される。 |
| マグナス・ヘンリクソン Magnus Henriksson |
リードギター Lead Guitar |
1999-現在 | Erikの幼馴染であり、右腕的存在。テクニカルなシュレッド(速弾き)から、歌心溢れるメロディアスなソロまで幅広くこなす。作曲面でもErikと共作することが多く、ECLIPSEサウンドの要である「リフ」の多くは彼の手によるもの。 |
| フィリップ・クルスナー Philip Crusner |
ドラム Drums |
2015-現在 | Robban Bäckの後任として加入。スティックを高く放り投げるジャグリングのようなパフォーマンスがトレードマーク。音楽業界へのコネクションも広く、バンドの運営面でも貢献しているとされる。 |
| ヴィクター・クルスナー Victor Crusner |
ベース Bass |
2019-現在 | Philipの実弟。Magnus Ulfstedtの後任として加入。兄との強固なリズムコンビネーションに加え、コーラスや一部リードボーカルを担当するなど、バンドの表現力を拡張した。リヴァプールFCの熱狂的なファンという一面も持つ。 |
旧メンバー (Former Members)
- ロバン・ベック (Robban Bäck): 『Are You Ready to Rock』 から黄金期を支えた。SABATONへの参加を経て脱退。現在はW.E.T.のメンバーとしても活動。
- マグナス・ウルフステット (Magnus Ulfstedt): 初期はドラマーとして、後にベーシストとして復帰した珍しい経歴の持ち主。
- アンダース・ベルリン (Anders Berlin): 創設メンバー。初期2作に関与。
- フレドリック・フォルカレ (Fredrik Folkare): デスメタルバンド UNLEASHED (アンリーシュド)のギタリストとしても著名。
- ヨハン・ベルリン (Johan Berlin): [Keyboards, 2006-2014] Andersの弟。バンドのサウンドが厚みを増した時期に貢献。
第8章 関連プロジェクト: Erik Mårtenssonの創造的帝国
Erik Mårtenssonの活動はECLIPSEだけに留まらない。彼が関わるサイドプロジェクトは、相互に影響を与え合いながら、彼の音楽的スキルを高めてきた。
8.1 W.E.T. (ウェット)
Work of Art (Robert Säll)、Eclipse (Erik Mårtensson)、Talisman (Jeff Scott Soto)の頭文字を冠したスーパーグループ。
- 概要: 当初はFrontiers Records主導の企画モノとして始まったが、ErikとRobert Säll (ロバート・サール)のソングライティングの化学反応と、Jeff Scott Soto (ジェフ・スコット・ソート)の圧倒的なボーカルが融合し、メロディック・ロック界最高峰のバンドへと成長した。Erikはここでは主にギターとバッキングボーカル、そして楽曲制作・プロデュースを担当するが、Jeffとのデュエット曲などではリードボーカルも執る。
- ディスコグラフィ:
- W.E.T. (2009)
- Rise Up (2013)
- Earthrage (2018)
- Retransmission (2021)
- Apex (2025年リリース予定)
8.3 Nordic Union (ノルディック・ユニオン)
デンマークの伝説的バンド Pretty Maids (プリティ・メイズ)のボーカリスト、Ronnie Atkins (ロニー・アトキンス)とのコラボレーション・プロジェクト。
- 概要: 「Pretty Maidsのような曲をErikが書いたらどうなるか」というアイデアからスタート。Erikがほぼ全ての楽曲を書き下ろし、Ronnieが歌うスタイル。Ronnieがステージ4の癌と闘病中も制作が続けられ、"Animalistic" (2022) などの名盤を生み出した。感情的な深みと北欧的なメランコリーが特徴である。
- ディスコグラフィ:
- Nordic Union (2016)
- Second Coming (2018)
- Animalistic (2022)
8.3 Ammunition (アムニション)
元WIG WAM (ウィグ・ワム)のボーカリスト、Åge Sten Nilsen (オーゲ・ステン・ニルセン)と結成したバンド。
- 概要: 2014年に結成。ノルウェーのチャートで成功を収め、ユーロビジョンのノルウェー予選決勝にも進出した。よりパーティー・ロック色の強いサウンドが特徴。
- ディスコグラフィ:
- Shanghaied (2014)
- Ammunition (2018)
第9章 Discography (ディスコグラフィ)
9.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)
| 発売年 | タイトル(英/日) | レーベル | チャート・特記事項 |
|---|---|---|---|
| 2001 | The Truth and a Little More ザ・トゥルース・アンド・ア・リトル・モア |
Z Records | デビュー作。ゲスト多数。プログレッシブな要素あり。 |
| 2004 | Second to None セカンド・トゥ・ナン |
Frontiers | Frontiers移籍第一弾。メロディの質が向上。 |
| 2008 | Are You Ready to Rock アー・ユー・レディ・トゥ・ロック |
Frontiers | バンドのアイデンティティ確立。実質的なリスタート作. |
| 2012 | Bleed & Scream ブリード・アンド・スクリーム |
Frontiers | Sverigetopplistan 44位。世界的ブレイク作。表題曲が大ヒット。 |
| 2015 | Armageddonize アルマゲドナイズ |
Frontiers | Sverigetopplistan 49位。前作の路線を継承・洗練。 |
| 2017 | Monumentum モニュメンタム |
Frontiers | 「Vertigo」「Never Look Back」収録。ライブ定番曲多数。 |
| 2019 | Paradigm パラダイム |
Frontiers | 最大のヒット曲「Viva La Victoria」収録。ストリーミングで大成功。 |
| 2021 | Wired ワイアード |
Frontiers | パンデミック禍で制作。「Saturday Night (Hallelujah)」収録。 |
| 2023 | Megalomanium メガロマニアム |
Frontiers | ポップ・パンク要素を導入。「The Hardest Part Is Losing You」収録。 |
| 2024 | Megalomanium II メガロマニアム II |
Frontiers | 前作の続編。「The Spark」収録。2024年9月リリース。 |
(補足: 2014年には3rdアルバムのリメイク版 『Are You Ready to Rock MMXIV』もリリースされている。ボーナストラック多数収録)
9.2 ライブ・アルバム & 映像作品 (Live Albums & Video)
| 発売年 | タイトル(英/日) | フォーマット | 内容・備考 |
|---|---|---|---|
| 2020 | Viva La VicTOURia ヴィヴァ・ラ・ヴィクトーリア |
2CD/DVD, Blu-ray, LP | 2019年12月21日ヨーテボリ公演収録。パンデミック中のスタジオライブ「Live from the Quarantine」も収録。 |
9.3 主なシングル (Selected Singles)
ECLIPSEのディスコグラフィにおいて、以下のシングル群はバンドの進化を語る上で不可欠なマイルストーンである。
- Bleed & Scream (2012): バンドの攻撃性を象徴する楽曲。初の公式MV。
- Runaways (2016): メロディーフェスティバーレン出場曲。一般層への知名度向上に寄与。
- Vertigo (2017): アルバム『Monumentum』のリードトラック。
- Viva La Victoria (2019): ストリーミング再生数1億回突破(バンド全体)を牽引したアンセム。
- Saturday Night (Hallelujah) (2021): 80年代アリーナ・ロックへのオマージュ。
- The Hardest Part Is Losing You (2023): フー・ファイターズ的アプローチを取り入れた新機軸。
- Apocalypse Blues (2024): 最新作からのリードシングル。ブルージーかつヘヴィなリフが特徴。
現代ロックシーンにおけるECLIPSEの意義
ECLIPSEは、Erik Mårtensson という稀代の才能を中心に、25年以上にわたり進化を続けてきた。ECLIPSEの音楽は、80年代の栄光を懐かしむだけのものではなく、その遺伝子を現代のテクノロジーと感性でアップデートし、新たな世代に継承する役割を果たしている。
W.E.T.やNordic Union といったプロジェクトでの成功が示すように、Erikのソングライティング能力はジャンルを超えて評価されており、彼が率いるECLIPSEは、スウェーデンのみならず世界のメロディック・ハードロック・シーンの「現在進行形の伝説」として君臨している。2024年の『Megalomanium II』、そして2025年に予定されるW.E.T.の新作 『Apex』と、ECLIPSEの創造の泉は枯れることを知らず、今後もロックファンに熱狂的なアンセムを提供し続けることは間違いない。