MANOWAR BIOGRAPHY
プロフィール
| 結成 | 1980年、ニューヨーク州オーバーン |
|---|---|
| 出身 | アメリカ |
| メンバー | Eric Adams(ヴォーカル) Joey DeMaio(ベース) Michael Angelo Batio(ギター) Dave Chedrick(ドラム) |
| ジャンル | ヘヴィメタル、パワーメタル |
Biography
MANOWAR
バイオグラフィー
MANOWARは、1980年に結成されたアメリカのヘヴィ・メタル・バンドである。BLACK SABBATHのツアー・クルーにいたベーシストのジョーイ・ディマイオと、その前座を務めたSHAKIN' STREETのギタリスト、ロス・ザ・ボスが出会い、ディマイオの地元ニューヨーク州オーバーンの歌手、エリック・アダムスを迎えて始まった。1982年の『Battle Hymns』でデビューしてからは、Megaforce RecordsとMusic for Nations、10 Records、Atlantic Records、Geffen Records、Nuclear Blastと発売元を移しながら、1988年の『Kings of Metal』、1992年の『The Triumph of Steel』、2002年の『Warriors of the World』などを発表した。2006年以降の作品は自分たちのレーベル、Magic Circle Musicから出しており、ドイツでは自らのフェスティバル、Magic Circle Festivalを開いた。2016年には「The Final Battle」を最後のツアーとして発表したが、ディマイオは2019年、バンドの終わりを告げたことは一度もないと語り、その後も記念のツアーを重ねている。結成から在籍しているのはディマイオとアダムスの2人である。
結成と『Battle Hymns』(1980〜1982年)
ロス・ザ・ボスは、パンク・ロックのTHE DICTATORSを経て、フランス出身のバンドSHAKIN' STREETでギターを弾いていた。1980年、SHAKIN' STREETはBLACK SABBATHの『Heaven and Hell』に伴うイギリス・ツアーで前座を務め、ロス・ザ・ボスはこのツアーで、BLACK SABBATHのクルーとしてベースの機材と花火の操作を受け持っていたジョーイ・ディマイオと知り合った(2020年のボックス・セットの紹介文/Ultimate Guitar、2022年)。メタル・ハマー誌は、二人が出会ったのをニューカッスルのシティ・ホールでのBLACK SABBATHの公演としている(Louder、2020年)。
ロス・ザ・ボス自身の回想では、二人を引き合わせたのはBLACK SABBATHの歌手、ロニー・ジェイムス・ディオだった。サウンドチェックを終えたロス・ザ・ボスに、クルーに一風変わったベースを弾く若者がいると教えたのである。二人はBLACK SABBATHが演奏している間に楽屋で音を合わせるようになり、ツアーが終わるころには、ロス・ザ・ボスがSHAKIN' STREETを離れ、二人で新しいバンドを作ることが決まっていた(truemetal.it、2021年)。
二人は「Shell Shock」や「Gates of Valhalla」などの曲を書き、Bob Currieが出した資金でデモを作った。ロス・ザ・ボスがディマイオの地元、オーバーンへ出向き、ドラムにはTHE RODSのカール・カネディが、歌には地元で知られた存在だったルー・マルーロが加わった。マルーロに芸名を勧めたのはロス・ザ・ボスで、息子たちの名前(エリックとアダム)をとってエリック・アダムスと名乗ることになった。このデモがEMIとの契約につながった。バンドの楽器と機材を作り、改造していたのはJohn Stillwell(通称Dawk)で、MANOWARという名前も、ほかの候補が出つくしたあとにStillwellが口にしたものだという(truemetal.it、2021年)。
最初の顔ぶれは、ディマイオ、ロス・ザ・ボス、アダムス、そしてドラマーのドニー・ヘムズィクである(Louder、2026年/ブラバマウス、2017年)。デビュー・アルバム『Battle Hymns』は1982年にLiberty Recordsから発売された(バンド公式サイト/MusicBrainz)。プロデュースはロス・ザ・ボスとディマイオが手がけ(バンド公式サイト)、「Dark Avenger」の語りには、バンドが真っ先に望んだ俳優のオーソン・ウェルズが起用された(バンド公式サイト、2024年)。
血の契約とイングランド(1983〜1984年)
1983年、2作目の『Into Glory Ride』が、アメリカではMegaforce Records、イギリスではMusic for Nationsから出た(MusicBrainz)。ドラムはこの作品からスコット・コロンバスに代わっている(2020年のボックス・セットの紹介文/MusicRadar、2011年)。メタル・ハマー誌は、バンドの最初の数年間を、レーベルとのいざこざと母国アメリカでの冷淡な扱いに悩まされた時期として振り返っている(Louder、2020年)。この1983年に、バンドは契約書に自らの血で署名した。ディマイオはのちに、MANOWARがファンを決して裏切らないバンドであることを世界に示すためだったと語っている(ブラバマウス、2019年)。
1984年の『Hail to England』は、カナダのトロントで録音された(truemetal.it、2021年)。ロス・ザ・ボスによれば、バンドが最初にステージに立ったのはイングランドで、早くから応援してくれたイギリスの評論家とファンへの思いがアルバムの題名になった。アルバムは全英アルバム・チャートで83位に入り、同じ年の「Spectacle of Might」ツアーでは、イングランドで11公演を行っている(Louder、2020年)。
同じ1984年には、10 Recordsから『Sign of the Hammer』が出た(MusicBrainz)。ロス・ザ・ボスによれば、バンドは『Battle Hymns』や『Hail to England』の録音でいつも必要以上の曲を録っており、Virginがバンドに関心を示して契約を結んだときには、すでに手元に曲がそろっていた。このアルバムのために新たに録音したのは表題曲と、彼の記憶では「Mountains」だけだったという(truemetal.it、2021年)。
Atlantic Records時代とメンバーの交代(1987〜1992年)
1987年、バンドはAtlantic Recordsと契約し、『Fighting the World』を発表した。ジャケットに初めてファンタジー画家のケン・ケリーの絵を使ったアルバムで、ケリーはKISSやRAINBOWのジャケットでも知られる(2020年のボックス・セットの紹介文)。ロス・ザ・ボスによれば、録音に先立ってエディ・クレイマーがプリプロダクションに加わり、「Carry On」と「Blow Your Speakers」のデモを手がけたが、アルバムそのもののプロデュースはしなかった(truemetal.it、2021年)。
1988年の『Kings of Metal』もAtlantic Recordsから出て、「Wheels of Fire」と「Kings of Metal」がシングルになった。このアルバムを携えたツアーは3年にわたって続き、バンドは世界各地を回った(2020年のボックス・セットの紹介文)。『Kings of Metal』はロス・ザ・ボスが演奏した最後のアルバムで、ロス・ザ・ボスは1988年にバンドを離れた(ブラバマウス、2026年/Louder、2026年)。ロス・ザ・ボス自身は2021年の取材で、ディマイオが服装や話し方にまで指図するようになったことが二人の対立のもとだったと振り返っている(truemetal.it、2021年)。後任のデイヴィッド・シャンケルは、およそ150人のギタリストの中から選ばれて1988年に加わり、『Kings of Metal』のミックスに立ち会って、そのツアーにも出た(ブラバマウス、2018年)。
1992年の『The Triumph of Steel』は、ギターのシャンケルと、スコット・コロンバスに代わったドラムのライノ(本名Kenny Earl Edwards)が加わった、この顔ぶれによる唯一のアルバムである。30分近い組曲「Achilles, Agony and Ecstasy in Eight Parts」で幕を開け、「Metal Warriors」がシングルになった(2020年のボックス・セットの紹介文)。シャンケルは、このアルバムの曲のおよそ半分を自分が書いたと述べている(ブラバマウス、2018年)。
Geffen RecordsからMagic Circle Musicへ(1994〜2009年)
1994年、シャンケルに代わってギタリストのカール・ローガンが加わった(ブラバマウス、2018年)。コロンバスは1995年にドラムへ戻っている(MusicRadar、2011年)。1996年にはGeffen Recordsから『Louder Than Hell』が出た(MusicBrainz)。ライヴ・アルバムとしては、1997年の『Hell on Wheels』と1999年の『Hell on Stage Live』がある(バンド公式サイト)。
2002年の『Warriors of the World』は、ヨーロッパではNuclear Blast、アメリカではMetal Blade Recordsから発売された(MusicBrainz)。ディマイオは2005年に、バンドとの仕事がNuclear Blastに本拠地ドイツで初めてのゴールド・ディスクをもたらしたと語っている(ブラバマウス、2005年)。
この時期、バンドは自分たちのレーベル、Magic Circle Musicを持った。2003年3月には、RHAPSODYがMANOWARのMagic Circle Musicとの取り決めを通じて、SPVのレーベル、Steamhammerから作品を出すことが発表され、その発表はRHAPSODYの新しいマネージメントがMANOWARも担当していると伝えている(ブラバマウス、2003年)。2005年3月には、Magic Circle MusicがMANOWARの作品について、SPVと世界規模の配給契約を結んだ。ディマイオはこのとき、自分たちのレーベルを作ってからは、ほかの所属アーティストに対してもMANOWARと同じ責任を負っていると述べている(ブラバマウス、2005年)。2005年7月23日には、ドイツのガイゼルヴィントで開かれたEarthshaker Fest 2005に、Magic Circle Musicのほかのバンドとともに出演した(ブラバマウス、2005年/バンド公式サイト)。
2006年のEP『The Sons of Odin』に続いて、2007年には『Gods of War』がMagic Circle Musicから出た(MusicBrainz)。バンドはドイツのバート・アーロルゼンで自らのフェスティバル、Magic Circle Festivalを開き、その模様は2007年の映像作品『Magic Circle Festival Volume I』に収められた。2回目の開催となった2008年7月9日から12日には3万5,000人が集まり、バンドは『Kings of Metal』の20周年を祝って、最初の6枚のアルバムを4日間ですべて演奏した(バンド公式サイト)。バンドは、このフェスティバルに40を超える国からファンが訪れたとしている(バンド公式サイト)。
2008年7月5日、バンドはブルガリアのカヴァルナで開かれたKaliakra Rock Festivalで、5時間1分にわたって演奏した。前年に同じフェスティバルで自ら打ち立てたヘヴィ・メタルの最長公演の記録を破るための試みで、ギネス・ブックの担当者を招いていたと伝えられている(ブラバマウス、2008年)。2009年のEP『Thunder in the Sky』には、バンドによれば18の言語で歌われたパワー・バラード「Father」が収められた(バンド公式サイト)。
再録音と『The Lord of Steel』(2010〜2014年)
2010年、結成時のドラマー、ドニー・ヘムズィクがバンドに戻った(ブラバマウス、2017年)。コロンバスは同じ年、Classic Rock誌の取材に、2008年4月ごろにバンドを離れていたことを明かしている(ブラバマウス、2011年)。2010年にはまた、デビュー・アルバムの30周年を記念して全曲を録音し直した『Battle Hymns MMXI』が出た。オーソン・ウェルズが務めた「Dark Avenger」の語りは、ロンドンのAbbey Road Studiosでクリストファー・リーが新たに録音し、1982年の最初のコンサートで録られた「Death Tone」と「Fast Taker」のライヴ録音も加えられた(バンド公式サイト)。
2011年4月4日、スコット・コロンバスが54歳で死去した(ブラバマウス/MusicRadar、2011年)。4月10日のマドリード公演で、バンドは彼をしのんで「Gates of Valhalla」を演奏している(ブラバマウス、2011年)。
2012年には、バンドが12作目のスタジオ・アルバムに数える『The Lord of Steel』が出た(バンド公式サイト)。このアルバムには、イギリスのメタル・ハマー誌第233号の限定版に付けるCDのために、ミックスとアレンジとアートワークを特別に仕上げた「Hammer Edition」がある(バンド公式サイト)。2013年には、2012年から2013年にかけての『The Lord of Steel』のワールド・ツアーのハイライトを収めたライヴEP『The Lord of Steel Live』が続いた(バンド公式サイト/MusicBrainz)。
2014年には、1988年の『Kings of Metal』を全曲録音し直した『Kings of Metal MMXIV』を、2月にまずデジタル版で、3月に2枚組のCDで発表した。ドラムはヘムズィク、ギターはローガン、ヴォーカルはアダムスで、ディマイオはベース・ソロ「The Sting Of The Bumblebee MMXIV」を新たに録音している。デジタル版の発売に合わせて、バンドはアメリカからワールド・ツアーを始めた(バンド公式サイト、2014年)。
「The Final Battle」(2016〜2019年)
2016年5月、バンドは「Gods and Kings」ツアーに続く次のツアーを最後のツアーとして発表した。ファンに感謝と別れを告げる場と位置づけられたThe Final Battle World Tourは、2017年11月15日、スウェーデンのノルショーピングで始まった(バンド公式サイト、2016年/2017年)。この初日から、ブラジル生まれのドラマーMarcus Castellaniがドニー・ヘムズィクの代わりを務めた。Castellaniは、ブラジルのMANOWARのトリビュート・バンド、KINGS OF STEELで叩いていた(バンド公式サイト/ブラバマウス、2017年)。
2018年10月26日、バンドは、ギタリストのカール・ローガンが逮捕・訴追されたことを受け、ローガンは今後バンドでは演奏しないと発表し、新作とツアーには影響がないとした(バンド公式サイト、2018年)。ローガンはのちに司法取引に応じ、2022年7月に禁錮刑の判決を受けた(ブラバマウス、2022年)。
2019年1月1日、バンドは、ギタリストのE.V.マーテルがツアーに加わると発表した。バンドはマーテルを、長年にわたって世界で唯一の公式トリビュート・バンドで弾いてきたギタリストと紹介している(バンド公式サイト、2019年)。2019年のツアーは2月25日にイスラエルのテルアビブで始まり、ノヴォシビルスクやウラジオストクなどロシアの各地、ウクライナのキーウ、北極圏にあるノルウェーのロングイェールビーンを初めて訪れた(バンド公式サイト/ブラバマウス、2019年)。3月25日のチェコのブルノ公演からは、HAMMERFALLにいたスウェーデンのドラマー、アンダース・ヨハンソンが叩いている(ブラバマウス、2019年)。
3月29日のフランクフルト公演からは、新しいEP『The Final Battle I』が会場の物販とiTunesで先行発売された。三部作のEPの第1作とされた4曲入りの作品で、「You Shall Die Before I Die」ではディマイオがリード・ヴォーカルをとっている(バンド公式サイト/ブラバマウス、2019年)。同じツアーでは、『Hail to England』と『Into Glory Ride』を元のマスター・テープからミックスし直した「Imperial Edition MMXIX」も売り出された(ブラバマウス、2019年)。
ツアーの名前とは裏腹に、ディマイオは2019年5月、バンドの終わりを告げたことは一度もなく、休みをとる時期だと言ったにすぎないと述べた(ブラバマウス、2019年)。2019年6月21日のフランスのHellfestへの出演は、ステージに上がる数時間前に取りやめとなった。主催者はメンバーが会場を去ったと発表し、バンドは、取りやめたのは主催者の側で、契約上の義務が守られなかったと反論した(ブラバマウス、2019年)。7月20日のイスタンブール公演では、ディマイオがステージから、主催者を相手に訴訟を起こしたと語っている(ブラバマウス、2019年)。2019年には、ディマイオが一人でバンドの歴史を写真と映像とともに語る「Joey DeMaio Spoken Word Tour 2019」も組まれた(バンド公式サイト)。
記念のツアーと新しい顔ぶれ(2020〜2026年)
2020年5月、バンドは結成40周年を祝うツアーを2021年4月にドイツとオランダで行うと発表した(バンド公式サイト、2020年)。日程はパンデミックのため2022年4月に移され、『Battle Hymns』の40周年をはじめ、6枚のアルバムの節目を祝うツアーとして組み直された(バンド公式サイト、2021年)。2022年からのツアーは「Crushing The Enemies Of Metal Anniversary Tour」と名づけられた(バンド公式サイト、2022年)。
2022年6月4日、家族との暮らしを優先するアンダース・ヨハンソンに代わり、ロサンゼルスを拠点とするドラマー、デイヴ・チェドリックの参加が発表された。チェドリックは、最も影響を受けたドラマーにスコット・コロンバスを挙げている(バンド公式サイト、2022年)。9月2日には、E.V.マーテルが個人的な理由でツアーを離れることを明かし、同じ日にバンドは、シカゴ出身のギタリスト、マイケル・アンジェロ・バティオが2023年2月からの公演に加わると発表した(バンド公式サイト、2022年)。
2022年には、新曲「Immortal」とパワー・バラード、ギリシャの俳優、コスタス・カザコスとコンスタンティノス・カザコス、ROTTING CHRISTのサキス・トリスによる古代ギリシャ語の語りを収めたEP『Highlights From The Revenge of Odysseus』が出た(バンド公式サイト)。2023年2月10日には、ドイツのファンに捧げた新曲「Laut und hart, stark und schnell」がまず配信で発売された。ニューヨークに完成したバンドのスタジオ、Asgard Studiosで録音され、アダムス、ディマイオ、バティオ、チェドリックの4人が演奏している(バンド公式サイト、2023年)。
2023年10月、バンドは新しいスタジオ・アルバムを2025年の初めに出すと告げ、あわせて『Sign of the Hammer』を全曲録音し直すと発表した(バンド公式サイト、2023年)。2025年10月、ディマイオは、再録音はいったん録り終えたものの音に満足できず、スタジオの機材を組み替えて録り直したと説明し、再録音盤も新曲も必ず出すと述べた(バンド公式サイト、2025年)。2026年10月の時点で、どちらの発売日も示されていない。
2025年の「The Blood of Our Enemies Tour 2025」では、1984年の『Hail to England』と『Sign of the Hammer』を夜ごとに交互に全曲演奏した(バンド公式サイト、2023年)。冬のツアーに続いて夏にも公演を重ね、7月19日のロンドンのO2 Academy Brixton公演は『Hail to England』を全曲演奏する夜とされた(MetalTalk、2025年)。2025年11月19日には、新しい舞台装置と、『Kings of Metal』と『Fighting the World』の夜ごとの全曲演奏を掲げた「Kings of Metal Fighting the World Tour 2027」を発表した(バンド公式サイト、2025年)。
結成者の一人であるロス・ザ・ボスは、2026年2月にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたことを公表し(ブラバマウス、2026年)、翌月、72歳で亡くなった。その死は3月27日、メタル・ホール・オブ・フェイムの声明で伝えられた(ブラバマウス/Loudwire、2026年)。
2026年9月18日、バンドは、11月にアイスランド、ノルウェー、スウェーデンで行うことになっていた8公演を、12月4日から17日にかけての日程に振り替えると発表した。ディマイオは声明で、ごく近い家族を突然亡くしたことを理由に挙げ、家族のプライバシーへの配慮を求めた。各都市の2夜はそれぞれ『Kings of Metal』の夜と『Fighting the World』の夜で、2027年1月15日以降の日程は変わらないとされた(バンド公式サイト、2026年)。
「世界一うるさいバンド」という主張
バンドは自らを「世界一うるさいバンド」と称し、その記録を3度にわたって破ったとしている。このほかにも、歌詞とジャケットに剣と魔法の世界を持ち込んだ最初のメタル・バンドであること、オーソン・ウェルズと録音した唯一のバンドであること、自分たちでスピーカー・キャビネットを設計して作った最初のバンドであることなどを、自らの功績に数えている(バンド公式サイト)。アルティメット・クラシック・ロックは2016年に、MANOWARが1984年にTHE WHOの記録を上回り、その後1994年に129.5デシベル、2008年にはサウンドチェックで139デシベルを記録したと書いた。同じ記事は、ギネス・ブックが1994年の公演より前に、観客の聴覚を損なうおそれから音量を記録として扱うのをやめていたことも伝えている(アルティメット・クラシック・ロック、2016年)。
メンバー
バンドが最後にメンバー全員の名を挙げたのは2023年2月の発表で、顔ぶれは次の4人である(バンド公式サイト、2023年)。2025年7月にもディマイオは、自身とアダムスが結成から45年在籍してきたことと、バティオがステージに立つことに触れ、4人の顔ぶれについて語っている(MetalTalk、2025年)。
| メンバー | 担当 | 在籍 |
|---|---|---|
| エリック・アダムス(本名ルー・マルーロ) | ヴォーカル | 1980年〜 |
| ジョーイ・ディマイオ | ベース | 1980年〜 |
| マイケル・アンジェロ・バティオ | ギター | 2022年〜(公演は2023年2月から) |
| デイヴ・チェドリック | ドラム | 2022年〜 |
かつてのメンバーは次の通りである(バンド公式サイト/ブラバマウス/MusicRadar/Louder/2020年のボックス・セットの紹介文)。
| メンバー | 担当 | 在籍 |
|---|---|---|
| ロス・ザ・ボス | ギター | 1980〜1988年(2026年3月死去) |
| ドニー・ヘムズィク | ドラム | 結成時〜『Battle Hymns』、2010〜2017年 |
| スコット・コロンバス | ドラム | 1983〜1991年、1995〜2008年(2011年4月死去) |
| デイヴィッド・シャンケル | ギター | 1988〜1994年 |
| ライノ(本名Kenny Earl Edwards) | ドラム | 『The Triumph of Steel』(1992年)の時期 |
| カール・ローガン | ギター | 1994〜2018年 |
| Marcus Castellani | ドラム | 2017年11月〜2019年 |
| E.V.マーテル | ギター | 2019〜2022年 |
| アンダース・ヨハンソン | ドラム | 2019年3月〜2022年 |
日本公演
日本では、1982年にキングレコードの製造で『Battle Hymns』のLPが『地獄の鎮魂歌』の邦題で出ている(ディスクユニオン/CDJournal)。1992年の『The Triumph of Steel』はイーストウエスト・ジャパンから『勝利の鋼鉄』の邦題で出て、2014年にはワーナーミュージック・ジャパンが「BURRN!」誌の創刊30周年の記念盤として、『Fighting the World』『Kings of Metal』『勝利の鋼鉄』を限定盤で再発した。初期の4作と『Louder Than Hell』の日本盤CDは1993年から1996年にかけてMCAビクターと東芝EMIから、『Warriors of the World』は2002年にBIG M.F.から、『Gods of War』と『The Sons of Odin』は2007年にマーキー/アヴァロンから出ている(オリコン/タワーレコード)。
MANOWARは1993年に日本で公演を行っている。CDJournalは2007年、『Gods of War』とライヴ・アルバム『Gods of War Live』の国内盤発売を伝える記事のなかで、来日公演が93年を最後に途絶えていることに二度触れていた(CDJournal、2007年)。
2014年3月19日、バンドは「LOUD PARK 14」のヘッドライナーとして日本に戻ると発表した。10月18日と19日にさいたまスーパーアリーナで開かれたこのフェスティバルで、『Kings of Metal MMXIV』を携えたワールド・ツアーの記念公演を行うという内容で、ジョーイ・ディマイオは日本のファンにより大きく、より強くなって戻ると約束していたと語っている。出演日は18日に決まった(バンド公式サイト、2014年)。
しかし10月10日、出演の取りやめが発表された。バンドの声明によれば、ロサンゼルス港で起きた大規模な火災のためにバンドのコンテナを積んだ貨物船が遅れ、予備の船も公演に間に合わなかった。主催者の告知は、代わりの機材を使う案もアーティスト側と話し合ったものの、MANOWARらしいライヴには自前の機材が欠かせないという点で双方が一致し、出演をキャンセルする結論に至ったと説明している。チケットの払い戻しは行われなかった(バンド公式サイト/クリエイティブマンプロダクションの公演ページ/rockinon.com、2014年)。ディマイオは、100%のMANOWARに届かない解決策では日本のファンに対して不公平になると述べている(バンド公式サイト、2014年)。
代わりに組まれたのが、10月29日と30日の東京・お台場のZepp DiverCityでの単独公演2回である。招聘はクリエイティブマンプロダクションで、両日とも開場18時、開演19時、チケットはオールスタンディングで8,000円(税込、ドリンク代別)、一般発売は10月23日だった。「LOUD PARK 14」の18日の1日券か2日通し券を持つ客には、いずれか1公演のチケットが3,000円で販売された。公演後、この対象券を持ちながら単独公演に来られなかった客には、バンドの公式グッズを半額で買える案内が出されている(クリエイティブマンプロダクションの公演ページ/rockinon.com、2014年)。バンドは11月1日に東京での2夜について日本のファンに感謝を伝え、11月17日の告知では、この公演を長く待たれていた日本への帰還と呼んでいる(バンド公式サイト、2014年)。
| 日付 | 会場 | 公演 |
|---|---|---|
| 2014年10月29日 | Zepp DiverCity(東京) | 「LOUD PARK 14」出演に代わる単独公演(クリエイティブマンプロダクション) |
| 2014年10月30日 | Zepp DiverCity(東京) | 同上、2日目 |
出典について
出典は、MANOWARの公式サイト(manowar.com)のバイオグラフィー、2014年から2026年までのニュース、作品と映像作品のページ、FAQ、Atlantic Records時代の3作をまとめた2020年のボックス・セットのレーベルによる紹介文(HNE)、ブラバマウス、Louder(メタル・ハマー誌の記事を含む)、Loudwire、アルティメット・クラシック・ロック、Ultimate Guitar、MusicRadar、MetalTalk、ロス・ザ・ボスへの2021年のインタビューを載せたイタリアのtruemetal.itである。各作品の発売元と、シングルやコンピレーションの発売年はMusicBrainzで確かめた。日本盤と日本公演については、オリコン、タワーレコード、ディスクユニオン、CDJournal、クリエイティブマンプロダクションの公演ページ、rockinon.comも参照した。