DANGER DANGER

1980年代後半、アメリカ合衆国の音楽シーンは、けばけばしいビジュアルとキャッチーなフックを特徴とする「グラム・メタル (Glam Metal)」あるいは「ヘア・メタル (Hair Metal)」と呼ばれるジャンルが頂点を極めていた。

Biography

デンジャー・デンジャー (DANGER DANGER) および関連プロジェクト
バイオグラフィー、ディスコグラフィー、文化的影響

1. メロディック・ハードロックの興亡と再生

1980年代後半、アメリカ合衆国の音楽シーンは、けばけばしいビジュアルとキャッチーなフックを特徴とする「グラム・メタル (Glam Metal)」あるいは「ヘア・メタル (Hair Metal)」と呼ばれるジャンルが頂点を極めていた。ニューヨーク州クイーンズ (Queens, New York)で結成されたデンジャー・デンジャー (DANGER DANGER)は、この巨大なムーブメントの最後尾に現れたバンドの一つでありながら、その極めて高いソングライティング能力と演奏技術により、ジャンルの枠を超えた評価を獲得した稀有な存在である。DANGER DANGERの歴史は、商業的な栄光、音楽産業の激変による不遇、メンバー間の法的闘争、そして劇的な復活という、ロックバンドのライフサイクルにおけるあらゆるドラマを内包している。

2. 結成前夜と初期の歴史 (1986-1988)

2.1 ニューヨーク・シーンと前身バンド 「ホットショット (Hotshot)」

デンジャー・デンジャーの核となる音楽性は、ベーシストのブルーノ・ラヴェル (Bruno Ravel) とドラマーのスティーヴ・ウェスト (Steve West) のパートナーシップによって確立された。彼らは1980年代中盤、ニューヨーク (New York) 周辺のクラブシーンで活動していたバンド「ホットショット (Hotshot)」 に在籍していた。ホットショットは、当時の東海岸シーンにおいて一定の知名度を持っており、後に著名なミュージシャンとなる人材を輩出する揺り籠のような存在であった。

この時期、ホットショットにはギタリストとしてアル・ピトレリ (Al Pitrelli) が在籍していた。ピトレリは後にアリス・クーパー (Alice Cooper) のバンドや、メガデス (Megadeth)、サヴァタージ (Savatage) といったメタル界の重鎮バンドを渡り歩くことになる名手であり、彼の存在は初期のブルーノ・ラヴェルとスティーヴ・ウェストの音楽的基盤形成に大きな影響を与えたと考えられる。

2.2 バンドの始動とメンバーの変遷

1987年、ブルーノ・ラヴェルとスティーヴ・ウェストは、より商業的な成功を目指して新バンド「デンジャー・デンジャー (DANGER DANGER)」を結成する。初期のラインナップには、ホットショット時代の同僚であるボーカリストのマイク・ポン (Mike Pont) が参加していたが、彼はデビューアルバムのレコーディング前にバンドを離脱した。

代わって白羽の矢が立ったのが、ニュージャージー (New Jersey) 出身のバンド 「プロフェット (Prophet)」でドラマー兼ボーカリストとして活動していたテッド・ポーリー (Ted Poley)であった。ポーリーはプロフェットにおいてドラマーとしての手腕を発揮していたが、その甘くハスキーな歌声と、フロントマンとしてのカリスマ性は隠しきれないものであった。デンジャー・デンジャーへの加入は、彼がドラムセットの後ろからステージの中央へと躍り出る決定的な転機となった。

同時期、ギタリストの座は流動的であった。アル・ピトレリが1988年に脱退した後、一時的にトニー"ブルーノ"レイ (Tony "Bruno" Rey) が参加し、デビューアルバムの一部で演奏を行ったが、彼も短期間で自身のバンド「サラヤ (Saraya)」に戻るため脱退した。

最終的にこのポジションを射止めたのが、テキサス州 (Texas) 出身のアンディ・ティモンズ(Andy Timmons)である。ティモンズの加入はバンドにとって決定的なピースとなった。彼は単なるハードロック・ギタリストの枠に収まらない、ジャズやフュージョンの素養に基づいた高度なテクニックと、歌心あふれるメロディセンスを持ち合わせており、これがデンジャー・デンジャーを「単なるパーティー・ロックバンド」から「ミュージシャンズ・ミュージシャン」の側面を持つバンドへと昇華させたのである。

キーボードにはケイシー・スミス (Kasey Smith)が加入。彼のきらびやかなシンセサイザー・ワークは、バンドのサウンドに1980年代特有のAOR (Album-Oriented Rock) 的な色彩と、ラジオ・フレンドリーなポップさを加味する重要な役割を果たした。

こうして、テッド・ポーリー (Vo)、アンディ・ティモンズ (Gt)、ブルーノ・ラヴェル (Ba)、スティーヴ・ウェスト (Dr)、ケイシー・スミス (Key) という、後に「黄金期」と呼ばれるラインナップが完成した。

2.3 契約獲得とデビューへの道

バンドはデモテープの制作に精力的に取り組み、そのクオリティの高さがCBSレコード (CBS Records) 傘下のイマジン・レコード (Imagine Records) の幹部、レニー・ペッツ (Lennie Petze) の耳に留まることとなる。ペッツは過去にボストン (Boston) やシンディ・ローパー(Cyndi Lauper) といったビッグネームの発掘に関わった人物であり、彼がデンジャー・デンジャーを自身の新レーベルの第一弾アーティストとして契約したことは、バンドに対する業界の期待値の高さを物語っている。

3. 黄金期:デビューから世界的成功へ (1989-1992)

3.1 デビューアルバム 『DANGER DANGER』 (1989)

1989年6月27日、セルフタイトルのデビューアルバム 『デンジャー・デンジャー (DANGER DANGER)』がリリースされた。プロデューサーには、ボン・ジョヴィ (Bon Jovi) の初期作品などで知られるランス・クイン (Lance Quinn) が起用され、フィラデルフィア(Philadelphia) のウェアハウス・スタジオ (The Warehouse Studios) でレコーディングが行われた。

このアルバムは、ハードロックのダイナミズムとポップスの親しみやすさを完璧なバランスで融合させた傑作として迎えられた。

  • 「ノーティ・ノーティ (Naughty Naughty)」: 1曲目を飾るこの楽曲は、スティーヴ・ウェストによるラップ風のイントロと、一度聴いたら忘れられないサビのフックが特徴で、MTVの『ヘッドバンガーズ・ボール (Headbangers Ball)』 でヘビーローテーションされた。この曲のビデオクリップは、バンドの「楽しく、少し危険で、セクシーな」イメージを決定づけた。
  • 「バング・バング (Bang Bang)」: バンドにとって最大のヒット曲の一つとなり、ビルボード・ホット100 (Billboard Hot 100) で49位を記録した。この曲の軽快なリズムとアンセミックなコーラスは、アリーナ・ロックの典型であり、ライブにおけるハイライトとなった。

アルバムはアメリカ国内だけでゴールドディスク (50万枚以上のセールス)を獲得し、バンドを一躍スターダムにのし上がった。DANGER DANGERはKISS、アリス・クーパー (Alice Cooper)、ウォレント (Warrant)、エクストリーム (Extreme) といった大物バンドのオープニングアクトとして全米をツアーし、その実力を証明していった。

3.2 2ndアルバム 『Screw It!』 (1991)

デビュー作の成功を受け、バンドはフロリダ州フォートローダーデール (Fort Lauderdale, Florida) のニュー・リバー・スタジオ (New River Studios) に入り、2ndアルバムの制作を開始した。1991年10月1日にリリースされた『スクリュー・イット! (Screw It!)』は、前作の路線を継承しつつ、よりゴージャスで多様な音楽性を提示した作品となった。

このアルバムでは、ホーンセクションやコーラス隊を導入するなど、サウンドプロダクションがより厚みを増している。

  • 「モンキー・ビジネス (Monkey Business)」: 1stシングルとなったこの曲は、英国シングルチャート (UK Singles Chart) で42位を記録するなど、ヨーロッパでも成功を収めた。グルーヴィーなリフと遊び心あふれる歌詞は、バンドの余裕と自信を感じさせた。
  • 「アイ・スティル・シンク・アバウト・ユー (I Still Think About You)」: パワー・バラードの傑作として知られ、アンディ・ティモンズの情感豊かなギターソロとテッド・ポーリーの伸びやかなボーカルが光る。この曲のミュージックビデオもMTVで頻繁にオンエアされ、バンドのファン層を女性層にも拡大することに貢献した。

3.3 日本での爆発的人気

デンジャー・デンジャーは、特に日本において熱狂的な支持を集めた。キャッチーなメロディとメンバーのルックスは日本の洋楽ロックファンの嗜好に合致しており、『ミュージック・ライフ (Music Life)』 や 『バーン! (Burrn!)』といった専門誌の表紙を飾ることも珍しくなかった。

1990年から1992年にかけての日本公演は、バンドにとってキャリアのハイライトの一つであった。1990年には通算103本にも及ぶツアー 「Naughty Naughty Tour」の一環として来日し、1991年、1992年と立て続けに日本でのライブを行っている。特に1992年の「Screw It Tour」 日本公演では、"Horny S.O.B" から始まり "Naughty Naughty" で終わるセットリストが組まれ、日本のファンを熱狂させた。

4. 激変と混乱: グランジの台頭と 『Cockroach』事件(1993-2001)

4.1 時代の変化とテッド・ポーリーの解雇

1990年代に入ると、シアトル (Seattle) を中心としたグランジ (Grunge) ムーブメントが爆発的に広がり、音楽シーンの景色は一変した。ニルヴァーナ (Nirvana) やパール・ジャム(Pearl Jam) といったバンドが台頭する中で、デンジャー・デンジャーのような華やかなハードロックバンドは「時代遅れ」のレッテルを貼られ、急速にメインストリームから排除されていった。

そのような逆風の中、バンドは3枚目のアルバム 『コックローチ (Cockroach)』のレコーディングを完了させていた。しかし1993年、アルバムのリリース直前になって、ボーカリストのテッド・ポーリーがバンドを解雇される(あるいは脱退する) という事態が発生した。この離脱劇は友好的なものではなく、ポーリーはバンドに対して訴訟を起こした。

ポーリーの後任として、カナダ (Canada) 出身のシンガー、ポール・レイン (Paul Laine) が迎えられた。レインは以前に『Stick It In Your Ear』 というソロアルバムをリリースしており、その歌唱力は高く評価されていた。バンドはポール・レインのボーカルで 『Cockroach』の全曲を録り直した。

4.2 お蔵入りとなったアルバム

バンドとマネージメントは、ポール・レインをフィーチャーした新生デンジャー・デンジャーとして『Cockroach』をリリースしようと試みた。しかし、テッド・ポーリーからの訴訟により、エピック・レコード (Epic Records) は法的なリスクを恐れ、アルバムの発売を凍結する決定を下した。

完成していた傑作アルバムがお蔵入りとなり、さらにメジャーレーベルからの契約も失うという二重の打撃を受け、バンドは存続の危機に立たされた。この混乱の中で、ギタリストのアンディ・ティモンズとキーボードのケイシー・スミスもバンドを離脱し、デンジャー・デンジャーはブルーノ・ラヴェルとスティーヴ・ウェストの二人を中心とした体制へと縮小を余儀なくされた。

4.3 インディペンデントでの再起: 『Dawn』から『Four The Hard Way』へ

メジャー契約を失ったラヴェルとウェストは、自らのレーベル「ロウ・ダイス・レコード(Low Dice Records)」を設立し、インディペンデント・アーティストとして活動を継続する道を選んだ。

  • 『ドーン (Dawn)』 (1995): ポール・レイン加入後初のアルバムとしてリリースされた本作は、当時のグランジ/オルタナティブ・ブームの影響を色濃く反映した作品となった。歌詞は内省的でシリアスになり、サウンドもダークでヘヴィなものへと変化した。これは従来のファンを戸惑わせたが、バンドが時代の空気を取り入れようともがいていた証左でもある。
  • 『フォー・ザ・ハード・ウェイ (Four The Hard Way)』 (1997): 前作のダークな路線から揺り戻しがあり、往年のメロディックなハードロック・サウンドへの回帰を見せた作品。元メンバーのアンディ・ティモンズやトニー・レイもゲスト参加しており、バンドのルーツを再確認するような内容となっている。
  • 『ザ・リターン・オブ・ザ・グレート・ギルダースリーヴス (The Return of the Great Gildersleeves)』 (2000): 極めて実験的かつ野心的なアルバム。「クイーン(Queen)」のような重厚なコーラスワークや、変則的な展開を取り入れ、単なるハードロックの枠に収まらない音楽的成熟を示した。ポール・レインのボーカルは、ジョン・ボン・ジョヴィ (Jon Bon Jovi) を彷彿とさせるハスキーな魅力に溢れ、バンドの新たなアイデンティティを確立した。

4.4 『Cockroach』の奇跡的なリリース (2001)

2001年、長年の法的係争が解決し、ついに幻の3rdアルバム 『Cockroach』が陽の目を見ることとなった。このリリースは非常にユニークな形態をとった。2枚組のCDとして発売され、ディスク1にはポール・レインが歌ったバージョン、ディスク2にはテッド・ポーリーが歌ったオリジナル・バージョンが収録されたのである。

この「2つの『Cockroach』」は、ファンにとって最大のプレゼントとなった。同じ楽曲でありながら、ポーリーの明るくポップな解釈と、レインのエッジの効いたパワフルな解釈を比較聴取できるこのアルバムは、バンドの歴史におけるミッシング・リンクを埋めると同時に、両シンガーの実力を改めて世に知らしめることとなった。

『Cockroach』収録曲とバージョンの違い: トラックリスト自体はほぼ共通しているが、曲順や一部の収録曲に違いがある。

  • Disc 1 (Paul Laine Ver.): "Still Kickin'", "Sick Little Twisted Mind", "Good Time", "Don't Break My Heart Again", "Tip of My Tongue"等を収録。ボーナストラックとしてジム・クロウチ (Jim Croce) のカバー 「Time In A Bottle」が収録されている。
  • Disc 2 (Ted Poley Ver.): ポール・レイン版と同じ楽曲のポーリー・ボーカル版が収録されているが、"Time In A Bottle" は未収録である。

5. 再結成と現代の活動 (2004-2025)

5.1 テッド・ポーリーの復帰と『Revolve』

2004年、11年間の沈黙を破り、オリジナル・ボーカリストのテッド・ポーリーがバンドに復帰することが発表された。ポール・レインは友好的にバンドを離れ、自身のソロキャリアやプロデュース業に専念することとなった。

ポーリーの復帰は、スウェーデン・ロック・フェスティバル (Sweden Rock Festival) などのヨーロッパのフェスティバル出演を通じて大々的に祝われた。往年の名曲をオリジナルの声で聴ける喜びは、長年のファンにとって代えがたいものであった。

2009年、結成20周年を記念して、ポーリー復帰後初となるスタジオアルバム『リヴォルヴ(Revolve)』がフロンティアーズ・レコード (Frontiers Records) からリリースされた。このアルバムは、1980年代の輝きを現代的なプロダクションで蘇らせた傑作として高く評価された。

  • 「ハーツ・オン・ザ・ハイウェイ (Hearts on the Highway)」: 往年の 「Don't Walk Away」を彷彿とさせる哀愁のメロディラインを持つ楽曲。
  • 「キリン・ラブ (Killin' Love)」: キャッチーなコーラスとハードなギターリフが融合した、これぞデンジャー・デンジャーと言える一曲。

『Revolve』はスウェーデンのアルバムチャートでトップ100入りを果たすなど、ヨーロッパを中心に商業的にも成功を収めた。

5.2 メンバーのサイドプロジェクトと「ザ・ディファイアンツ」

2010年代以降、バンドとしての新作リリースは途絶えているが、メンバー個々の活動は非常に活発である。特に注目すべきは、デンジャー・デンジャーのDNAを受け継ぐ新たなプロジェクトの台頭である。

ザ・ディファイアンツ (The Defiants)

ポール・レイン(Vo)、ブルーノ・ラヴェル (Ba)、ロブ・マルチェロ (Gt) という、テッド・ポーリー以外の歴代デンジャー・デンジャー・メンバーによって結成されたバンド。

  • 2016年: 1stアルバム 『The Defiants』リリース。
  • 2019年: 2ndアルバム 『ゾクショウ (Zokusho)』リリース。タイトルの「Zokusho」は日本語の「続章」に由来し、日本のファンへの深いリスペクトを示している。このアルバムにはスティーヴ・ウェストもゲスト参加しており、実質的なデンジャー・デンジャーのファミリー・プロジェクトとなっている。
  • 2023年: 3rdアルバム『ドライヴ (Drive)』リリース。80年代のアリーナ・ロック・サウンドを現代に継承するバンドとして、ジャンル内での評価を不動のものとしている。
トーキョー・モーター・フィスト (Tokyo Motor Fist)

テッド・ポーリー (Vo)と、トリクスター (Trixter) のスティーヴ・ブラウン (Steve Brown) が結成したスーパーグループ。

  • 2017年: 1stアルバム 『Tokyo Motor Fist』リリース。
  • 2020年: 2ndアルバム 『Lions』リリース。ポーリーのキャッチーな歌声を最大限に活かした、爽快なメロディック・ロックを展開している。

5.3 2024-2025年の現況

2025年4月現在、デンジャー・デンジャーは解散しておらず、活動中 (Active)のステータスを維持している。大規模なワールドツアーこそ行われていないが、テッド・ポーリーはソロ名義やバンド形式で頻繁にライブを行っており、デンジャー・デンジャーの名曲を歌い続けている。

例えば、2025年6月21日にはニュージャージー州ティーネック (Teaneck, NJ) のデボネア・ミュージック・ホール (Debonair Music Hall) にてテッド・ポーリーのライブが開催され、「Naughty Naughty」 や 「Bang Bang」 といったクラシック・ナンバーが披露される予定(あるいは披露された) との情報がある。

また、2019年にはデビュー30周年を記念した日本ツアー (東京・大阪)が行われており、日本との絆は依然として強固である。

6. ディスコグラフィー (Discography)

デンジャー・デンジャーおよび主要関連プロジェクトの作品リストを以下に示す。曲名は英語表記を基本とし、国内盤等で確認できるカタカナ表記を可能な限り併記する。

6.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)

発売年 タイトル (Title) レーベル (Label) 主なボーカル 備考
1989 DANGER DANGER (デンジャー・デンジャー) Imagine/Epic Ted Poley 全米88位。ゴールドディスク。
1991 Screw It! (スクリュー・イット!) Epic Ted Poley 全米123位。日本での人気爆発。
1995 Dawn (ドーン) Low Dice Paul Laine インディーズ移籍第一弾。
1997 Four The Hard Way (フォー・ザ・ハード・ウェイ) Low Dice Paul Laine メロディック路線への回帰。
2000 The Return of the Great Gildersleeves Low Dice Paul Laine 実験的意欲作。
2001 Cockroach (コックローチ) Low Dice/Sony Poley / Laine 2枚組。幻の3rdアルバム。
2009 Revolve (リヴォルヴ) Frontiers Ted Poley 再結成アルバム。

6.2 アルバム別トラックリスト

DANGER DANGER (1989)
  1. Naughty Naughty (ノーティ・ノーティ) - 4:50
  2. Under The Gun (アンダー・ザ・ガン) - 4:39
  3. Saturday Nite (サタデイ・ナイト) - 4:18
  4. Don't Walk Away (ドント・ウォーク・アウェイ) - 4:56
  5. Bang Bang (バング・バング) - 3:56
  6. Rock America (ロック・アメリカ) - 4:54
  7. Boys Will Be Boys (ボーイズ・ウィル・ビー・ボーイズ) - 4:58
  8. One Step From Paradise (ワン・ステップ・フロム・パラダイス) - 4:47
  9. Feels Like Love (フィールス・ライク・ラブ) - 4:52
  10. Turn It On (ターン・イット・オン) - 3:40 (※一部資料で"Turn It Up" と表記されることがあるが、オリジナルは "Turn It On")
  11. Live It Up (リブ・イット・アップ) - 3:54
Screw It! (1991)
  1. Monkey Business (モンキー・ビジネス)
  2. Slipped Her The Big One (スリップド・ハー・ザ・ビッグ・ワン)
  3. C'est Loupé (Prelude) / Beat The Bullet (セ・ルペ/ビート・ザ・ブレット)
  4. I Still Think About You (アイ・スティル・シンク・アバウト・ユー)
  5. Get Your Shit Together (ゲット・ユア・シット・トゥギャザー)
  6. Crazy Nites (クレイジー・ナイツ)
  7. Puppet Show (パペット・ショー)
  8. Everybody Wants Some (エヴリバディ・ウォンツ・サム)
  9. Don't Blame It On Love (ドント・ブレイム・イット・オン・ラブ)
  10. Comin' Home (カミン・ホーム)
  11. Horny S.O.B. (ホーニー・エス・オー・ビー)
  12. Find Your Way Back Home (ファインド・ユア・ウェイ・バック・ホーム)
  13. Yeah, You Want It! (イェー・ユー・ウォント・イット!)
  14. D.F.N.S. (ディー・エフ・エヌ・エス)
Cockroach (2001 - Recorded 1993)

共通収録曲:

  • Still Kickin' (スティル・キッキン)
  • Sick Little Twisted Mind (シック・リトル・ツイステッド・マインド)
  • Good Time (グッド・タイム)
  • Don't Break My Heart Again (ドント・ブレイク・マイ・ハート・アゲイン)
  • Tip of My Tongue (チップ・オブ・マイ・タン)
  • Walk It Like Ya Talk It (ウォーク・イット・ライク・ヤ・トーク・イット)
  • Goin' Goin' Gone (ゴーイン・ゴーイン・ゴーン)
  • Afraid of Love (アフレイド・オブ・ラブ)
  • When She's Good She's Good (When She's Bad She's Better) (ホエン・シーズ・グッド・シーズ・グッド)
  • Shot O' Love (ショット・オブ・ラブ)
  • Don't Pull The Plug (ドント・プル・ザ・プラグ)

Paul Laine版のみ: Time In A Bottle (タイム・イン・ア・ボトル) - ジム・クロウチのカバー。

6.3 関連バンド・ディスコグラフィー

The Defiants (ザ・ディファイアンツ)
  • The Defiants (2016)
  • Zokusho (2019) - 収録曲: "Love Is The Killer", "Standing on the Edge", "Hollywood in Headlights" 他
  • Drive (2023) - 収録曲: "Hey Life", "Go Big Or Go Home", "19 Summertime", "What Are We Waiting For", "Miracle", "Against The Grain", "So Good", "Love Doesn't Live Here Anymore" 他。
Tokyo Motor Fist (トーキョー・モーター・フィスト)
  • Tokyo Motor Fist (2017) - 収録曲: "Pickin' Up The Pieces", "Love Me Insane", "Shameless", "Love", "Black and Blue" 他。
  • Lions (2020)

7. メンバー詳細プロフィール (Detailed Member Profiles)

ブルーノ・ラヴェル (Bruno Ravel) - Bass, Guitar, Vocals

  • 経歴: ニューヨーク州出身。ホットショット (Hotshot) を経てデンジャー・デンジャーを結成。バンドのメインソングライターであり、プロデューサー的な役割も果たす。
  • スタイル: メロディ重視のベースラインと、楽曲全体の構成力に優れる。ザ・ディファイアンツでも中心的な役割を担う。
  • その他: マイケル・ボルトン (Michael Bolton) のバックバンドなどでも活動歴あり。

スティーヴ・ウェスト (Steve West) - Drums

  • 経歴: ブルーノと共にバンドを創設。「Naughty Naughty」のイントロでのラップや、多くの楽曲の作詞に関与。
  • スタイル: シンプルながら力強いドラミングで、バンドのグルーヴを支える。ザ・ディファイアンツのアルバム 『Zokusho』にゲスト参加し、旧友たちとの変わらぬ絆を見せた。

テッド・ポーリー (Ted Poley) - Vocals

  • 経歴: プロフェット (Prophet) のドラマーとしてキャリアをスタート。デンジャー・デンジャーでフロントマンとしての才能を開花させる。
  • ソニック・ザ・ヘッジホッグとの関係: セガのゲーム『ソニックアドベンチャー』シリーズの楽曲("Escape from the City" 等) でボーカルを務めており、ロックファン以外の層、特にゲーマー層からの知名度も世界的に高い。
  • 現在: トーキョー・モーター・フィスト等のプロジェクトに加え、ソロアーティストとしても活動中。

アンディ・ティモンズ (Andy Timmons) - Guitar

  • 経歴: テキサス州出身。デンジャー・デンジャー脱退後は、インストゥルメンタル・ギタリストとして世界的名声を獲得。ジョー・サトリアーニ (Joe Satriani) 主催のG3ツアーに参加するなど、ギター界の巨匠の一人と見なされている。
  • 機材: アイバニーズ (Ibanez) からシグネチャー・モデル 「AT」 シリーズが発売されており、自身のシグネチャー・エフェクター (Keeley Electronics NocturneやMXR EVH 5150 Katakana Editionなど)も存在する。

ポール・レイン (Paul Laine) - Vocals

  • 経歴: カナダ出身。ソロアルバム 『Stick It In Your Ear』 リリース後、デンジャー・デンジャーに加入。ハスキーでパワフルな歌声が特徴。
  • 現在: ザ・ディファイアンツでブルーノ、ロブと共に活動。プロデューサーとしても多くの作品を手掛けている。

ロブ・マルチェロ (Rob Marcello) - Guitar

  • 経歴: スウェーデン出身。2003年からアンディ・ティモンズの後任として加入。ネオクラシカルな速弾きからブルージーなプレイまでこなすテクニシャン。
  • 現在: デンジャー・デンジャーおよびザ・ディファイアンツのギタリストとして活動中。

8. 日本市場との特別な関係と文化的影響

デンジャー・デンジャーは、日本の洋楽ロック・ファンにとって特別なバンドの一つである。

8.1 「ビッグ・イン・ジャパン」の側面

1990年代初頭、アメリカ本国でグランジの嵐が吹き荒れる中、日本のファンはDANGER DANGERのようなメロディックなハードロックバンドを支持し続けた。専門誌『Burrn!』はDANGER DANGERを頻繁に特集し、メンバー(特にテッド・ポーリーやアンディ・ティモンズ)はアイドル的な人気を誇った。この日本のファンの忠誠心が、バンドが最も困難な時期を乗り越える精神的な支えとなったことは想像に難くない。

8.2 来日公演の記録

  • 1990年-1992年: バンドの全盛期におけるツアー。NHKホールや渋谷公会堂など、主要なホールクラスの会場でライブを行った。
  • 2006年:「Japan Tour 2006」として、東京・池袋のLive Inn Rosaで3日間の公演を実施。
  • 2019年: デビュー30周年を記念した 「30th Anniversary Japan Tour 2019」。12月10日に東京・渋谷クラブクアトロ、12月12日に大阪・梅田クラブクアトロで公演を行い、往年のファンを歓喜させた。

8.3 製品への日本文化の反映

前述のザ・ディファイアンツのアルバム 『Zokusho (続章)』のタイトルや、アンディ・ティモンズ関連機材に見られる「カタカナ」の使用 (MXR EVH 5150 Katakana Editionなど)は、彼らが日本文化に対して敬意と親愛の情を持っていることの証左である。

9. Conclusion

デンジャー・デンジャーの歴史は、1980年代後半のきらびやかなロックシーンの象徴であると同時に、音楽産業の激動を生き抜いたサバイバルの物語でもある。DANGER DANGERの音楽は、単なる「ヘア・メタル」の枠組みを超え、卓越したメロディセンスと演奏技術に裏打ちされた普遍的なアメリカン・ロックとして、2025年の現在も世界中のファンに愛され続けている。

未発表アルバムを巡る法廷闘争やメンバーチェンジといった困難を乗り越え、現在は「ザ・ディファイアンツ」や「トーキョー・モーター・フィスト」といった形でその遺伝子を拡散させながら、本家デンジャー・デンジャーとしての活動も維持しているDANGER DANGERの姿勢は、音楽への純粋な情熱とプロフェッショナリズムの結晶と言えるだろう。

News

Paul Laine(ex-DANGER DANGER)、「Don't Let Me Go Tonite」のMVを公開

9月25日にFrontiers Musicから発売されるソロ作『The Long Road Back』の収録曲。Bruno Ravel(b)、Scotty "Hooch" Taylor(ds)、Andrew Oye(g)が参加し、LaineとRavelが共同プロデュースしている。

出典: Frontiers Music srl公式チャンネル(2026年8月31日)

MVを再生

ニュース一覧 →

Albums

Revolve CD
/

キャッチーなコーラスと磨き抜かれたメロディで、DANGER DANGERの王道感を示した会心作。

Cockroach CD
/

長く棚上げされていた楽曲を二つのヴォーカル・バージョンで届けた、DANGER DANGERの異色作。

The Return of the Great Gildersleeves CD
/

テッド・ポーリー復帰後の編成で、キャッチーなメロディック・ロックを取り戻した作品。

Four the Hard Way CD
/

覚えやすいサビと軽快なリフで、DANGER DANGERがメロディック・ハードの快感を鳴らした一枚。

Dawn CD
/

ポール・レイン加入後の新編成で、DANGER DANGERがダークな音像とメロディを結び直した第3作。

Screw It! CD
/

大きなコーラスと遊び心あるアレンジを詰め込み、DANGER DANGERが華やかなハード・ロックを鳴らした第二作。

Danger Danger CD
/

きらびやかなキーボードと強烈なサビで、DANGER DANGERが王道メロディック・ハードを鳴らしたデビュー作。