STILL REMAINS
STILL REMAINSの詳しいBiographyと全作品のディスコグラフィ。アルバムごとの個別ページも掲載するMETAL BOOSTのアーティストページ。
Biography
STILL REMAINS (スティル・リメインズ)
バイオグラフィ、ディスコグラフィ、展望
1. メタルコアにおける「シンセサイザー革命」の先駆者
21世紀初頭、ロックミュージックの地図を塗り替えた「メタルコア (Metalcore)」というジャンルにおいて、ミシガン州グランド・ラピッズ (Grand Rapids, Michigan) 出身のバンド、Still Remains (スティル・リメインズ)は極めて特異かつ重要な位置を占めている。
2000年代中盤、アメリカのメタル・シーンは、スウェーデン発祥のメロディック・デス・メタル (Melodic Death Metal) のリフ構造と、アメリカン・ハードコア (Hardcore) のブレイクダウン、そしてエモーショナルなクリーン・ボーカルを融合させたバンド群によって席巻されていた。Killswitch Engage (キルスウィッチ・エンゲージ) や As I Lay Dying (アズ・アイ・レイ・ダイイング) といったバンドがギター主導の攻撃性を前面に押し出す中、Still Remainsはそこに「第4の要素」として大胆にシンセサイザー/キーボードを導入した。
STILL REMAINSの音楽性は、単に背景音 (アトモスフィア) として鍵盤楽器を使用するのではなく、リード・ギターと対等に渡り合う主要なメロディ楽器としてシンセサイザーを配置した点に革新性があった。このスタイルは、Depeche Mode (デペッシュ・モード) のようなニュー・ウェーブやユーロ・ポップの煌びやかさと、ヘヴィ・メタルの獣性を融合させたものであり、「ユーロ・メタル (Euro-metal)」的なアプローチをアメリカ中西部のバンドが体現した先駆的な例として評価された。
2. 黎明期とアイデンティティの形成 (2002年-2004年)
2.1 グランド・ラピッズ・シーンと前身バンド 「Shades of Amber」
Still Remainsの歴史は、ミシガン州グランド・ラピッズ (Grand Rapids) のローカル・シーンに深く根ざしている。バンドの核となったのは、T.J. Miller (T.J.・ミラー) (Vo) とJordan Whelan (ジョーダン・ウェラン) (Gt) であった。彼らは以前、Shades of Amber (シェイズ・オブ・アンバー) というハードコア・バンドで活動しており、その解散あるいは発展的解消を経て、2002年にStill Remainsを結成した。
グランド・ラピッズは、シカゴやデトロイトといった大都市の中間に位置し、キリスト教的価値観を持つコミュニティとアンダーグラウンドなハードコア・シーンが交錯する独自の土壌を持っていた。この環境は、STILL REMAINSの歌詞に見られる「精神的な葛藤」や「救済」といったテーマ (クリスチャン・メタルとしての側面) に少なからず影響を与えている。
2.2 初期EPにおける実験と確立
結成直後からSTILL REMAINSは精力的な作曲活動を開始し、2003年10月に最初のEP 『Dying with a Smile (ダイイング・ウィズ・ア・スマイル)』をリリースした。この時点で既に、攻撃的なスクリームとメロディックなコーラス、そしてキーボードによる装飾というSTILL REMAINSのシグネチャー・サウンドの原型が確認できる。
続く2004年には、インディペンデント・レーベル Benchmark Records (ベンチマーク・レコード) と契約し、2枚目のEP 『If Love Was Born to Die (イフ・ラヴ・ワズ・ボーン・トゥ・ダイ)』を発表した。このEPは、単なるデモ音源の域を超え、全米のメタル・レーベルのスカウト網にSTILL REMAINSの存在を知らしめる決定打となった。特にタイトル・トラックで見られるドラマチックな展開は、当時のメタルコア・シーンにおいて際立った叙情性を持っていた。
初期メンバーとして、ドラマーの Cameron MacIntosh (キャメロン・マッキントッシュ) やギタリストの Jordan Gilliam (ジョーダン・ギリアム) が在籍しており、頻繁なラインナップ変更を繰り返しながらも、バンドの音楽的核は強固に保たれていた。
3. Roadrunner Records時代と黄金期 (2005年-2008年)
3.1 メジャー・デビューと 『Of Love and Lunacy』の衝撃
2000年代中盤、メタルコア・ブームがピークを迎える中で、Still Remainsは世界的なメタル・レーベルである Roadrunner Records (ロードランナー・レコード) との契約を獲得した。これは、Slipknot (スリップノット) や Nickelback (ニッケルバック)を擁する巨大資本のサポートを受けることを意味し、STILL REMAINSは一気にメジャー・シーンへと躍り出た。
2005年5月、デビュー・アルバム 『Of Love and Lunacy (オブ・ラヴ・アンド・ルーナシー)』がリリースされた。プロデューサーには、Rage Against the Machine (レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン) や Mudvayne (マッドヴェイン)を手掛けた Garth "GGGarth" Richardson (ガース・リチャードソン) を迎え、カナダのバンクーバーでレコーディングが行われた。
音楽的特徴と評価
本作は、キーボーディスト Zach Roth (ザック・ロス) の存在感が全面的に発揮された作品である。
- 「The Worst Is Yet to Come (ザ・ワースト・イズ・イェット・トゥ・カム)」: この楽曲はSTILL REMAINSの代表曲となり、MTV2の 『Headbangers Ball』 でヘビーローテーションされた。イントロの印象的なシンセ・リフは、ギター・リフと同等のフックとして機能しており、「踊れるメタルコア」という新たな地平を切り開いた。
- 「White Walls (ホワイト・ウォールズ)」: クリーン・ボーカルとスクリームの対比、そしてブレイクダウンの重厚さが際立つ楽曲。
アルバム・レビューでは、SputnikmusicやAllMusicなどで概ね好意的な評価を得た一方で、メタル純粋主義者からは「キーボードが過剰である」という批判も受けた。しかし、その賛否両論こそがSTILL REMAINSの独自性の証明であった。
3.2 世界規模のツアーとフェスティバル出演
Roadrunner Recordsの強力なバックアップにより、バンドは過酷なツアー・サイクルに突入した。
- Roadrage Tour 2005 (ロードレイジ・ツアー2005): レーベルメイトである Trivium (トリヴィアム)、3 Inches of Blood (スリー・インチズ・オブ・ブラッド) と共にイギリス・ヨーロッパをサーキットした。このツアーの成功により、STILL REMAINSは特にイギリス市場で強固なファンベースを築いた。
- Download Festival (ダウンロード・フェスティバル): ロックの聖地ドニントン・パークで開催される世界最大級のフェスに出演し、数万人の観衆の前で演奏を行った。
- Kerrang! XXV Tour (2006年): イギリスの有力誌 『Kerrang!』の25周年記念ツアーにおいて、Bullet for My Valentine (ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン)、Hawthorne Heights (ホーソーン・ハイツ)、Aiden (エイデン) と共演した。このラインナップは、当時の「スクリーモ/エモ/メタルコア」シーンの勢いを象徴するものであった。
3.3 『The Serpent』 における変貌と葛藤 (2007年)
2007年、2ndアルバム 『The Serpent (ザ・サーペント)』をリリース。プロデューサーには Steve Evetts (スティーヴ・エヴェッツ)を起用した。このアルバムでバンドは大きな賭けに出た。デビュー作の「カオティックなメタルコア」から、「より構築されたモダン・ロック」へと舵を切ったのである。
- 音楽性の変化: ボーカルのT.J. Millerはスクリームの比率を減らし、よりメロディックな歌唱法(いわゆる「歌モノ」)に重点を置いた。楽曲構造もヴァース・コーラス形式が明確になり、ラジオ・フレンドリーなアプローチが採用された。
- メンバーチェンジの影響: この時期、キーボードがZach Rothから Ben Schauland (ベン・シャウランド)へ、ドラムが Adrian "Bone" Green (エイドリアン・"ボーン"・グリーン) へと交代しており、リズム隊の変化もサウンドのソリッド化に寄与した。
シングル「Stay Captive (ステイ・キャプティブ)」 や 「Dancing with the Enemy (ダンシング・ウィズ・ジ・エネミー)」は高い完成度を誇ったが、初期の衝動的なサウンドを愛するファン層からは戸惑いの声も上がった。商業的なプレッシャーとクリエイティブな方向性の模索が交錯する時期であったと言える。
3.4 突然の解散 (2008年)
2008年初頭、バンドは突如として活動終了を宣言した。3月25日に出された声明では、「個人的な理由」が主な原因とされ、メンバー間の不仲説は否定された。「我々はお互いを憎んでいるわけではない。ただ、人生の異なるフェーズに進む時が来ただけだ」という言葉を残し、STILL REMAINSは故郷グランド・ラピッズのライブハウス Skelletones でのファイナル・ショーをもって解散した。この時点で、多くのメンバーは20代後半に差し掛かり、家族や安定したキャリアを考える時期にあったことが推察される。
4. 再結成と音楽産業構造の変化への適応 (2011年-2013年)
4.1 Haste The Dayとの絆と再結成
解散から3年後の2011年3月、インディアナポリスで行われた盟友 Haste The Day (ヘイスト・ザ・デイ)の解散ライブ (Farewell Show) において、Still Remainsは一夜限りの再結成を果たした。このイベントでの熱狂的な反応は、メンバーに「まだやり残したことがある」と感じさせるに十分であった。同年5月、バンドは恒久的な活動再開を発表した。
再結成時のラインナップは、黄金期のメンバー (T.J. Miller, Jordan Whelan, Mike Church, Zach Roth, A.J. Barrette)に、新たなベーシスト Kenny Polidan (ケニー・ポリダン)を加えた「最強の布陣」となった。
4.2 クラウドファンディングと自主独立モデル
再結成後のSTILL REMAINSが選択したのは、大手レーベルとの再契約ではなく、Kickstarter (キックスターター)を利用したファン参加型の制作資金調達であった。2010年代初頭、音楽産業はCD不況とデジタルへの移行期にあり、中堅バンドにとってレーベルの予算は縮小傾向にあった。T.J. Millerはインタビューで、「2008年には不可能だったが、今ならファンが直接支えてくれる」と語り、このモデルの有効性を強調した。
キャンペーンは見事に成功し、集まった資金で制作された3rdアルバム 『Ceasing to Breathe (シーシング・トゥ・ブリーズ)』は、2013年12月17日に自主レーベル (Still Remains LLC) からリリースされた。この作品は、『The Serpent』のロック路線から一転し、『Of Love and Lunacy』時代の荒々しさと叙情性を取り戻した「原点回帰」作となった。Zao(ザオ) や It Dies Today (イット・ダイズ・トゥデイ) のメンバーがゲスト参加するなど、メタルコア・コミュニティとの強い繋がりも再確認された。
5. 現在進行形の進化: 2025年の復活と展望
2013年のアルバムリリース以降、バンドは長い沈黙期間 (散発的なライブを除く) にあったが、2025年、STILL REMAINSは再びシーンの最前線に戻ってきた。
5.1 12年ぶりの新曲 「The Wound and the Weapon」
2025年10月31日、ハロウィンに合わせて12年ぶりとなる新曲「The Wound and the Weapon (ザ・ウーンド・アンド・ザ・ウェポン)」がリリースされた。
- 音楽的分析: この楽曲は、デスメタル/グラインドコア・バンド The Red Chord (ザ・レッド・コード) のボーカリスト Guy Kozowyk (ガイ・コゾウィック) をフィーチャリング・ゲストに迎えている。この人選は、Still Remainsがブルータルでヘヴィな側面を強化しようとしている意思表示と受け取れる。プロデュースは、現代的なメタルコア・サウンドに定評のある Lee Albrecht (リー・アルブレヒト) が担当した。
- ライブ・デビュー: 音源リリースに先立ち、2025年10月3日にアラバマ州バーミンガムで開催されたハードコア・フェス Furnace Fest (ファーネス・フェスト) にて初披露された。
6. メンバー詳解 (Detailed Biography of Members)
Still Remainsのメンバー変遷は複雑であるが、現在のラインナップはバンドの歴史上最も安定し、かつ創造的なメンバーで構成されている。
6.1 現在のメンバー (Current Lineup)
以下の表は、2025年時点での公式メンバーリストである。
| 氏名 (English) | 氏名 (Katakana) | 担当 (Role) | 在籍期間 (Years Active) | 関連プロジェクト・備考 (Notes) |
|---|---|---|---|---|
| T.J. Miller | ティー・ジェイ・ミラー | Lead Vocals | 2002-2008, 2011-現在 | バンドの創設者。作詞を担当。dead.me、From the Raven でも活動。圧倒的なスクリームとエモーショナルなクリーンボイスを使い分ける。 |
| Jordan Whelan | ジョーダン・ウェラン | Guitars | 2002-2008, 2011-現在 | 創設メンバー。バンドのソングライティングの中核。Kill the Lights (Bullet for My Valentineの元メンバーらとのバンド)でも活動。 |
| Mike Church | マイク・チャーチ | Guitars, Vocals | 2004-2008, 2011-現在 | ギターハーモニーとバッキングボーカルを担当。Haste the Day のライブサポートや Juleusでの活動歴あり。 |
| Zach Roth | ザック・ロス | Keyboards | 2002-2006, 2011-現在 | Still Remainsのサウンド・アイデンティティであるシンセサイザーを確立した人物。Gylodon、Casanova にも関与。 |
| A.J. Barrette | エー・ジェイ・バレット | Drums | 2004-2005, 2011-現在 | 『Of Love and Lunacy』期のドラマー。The Showdown のメンバーとしても知られるテクニカルなプレイヤー。 |
| Kenny Polidan | ケニー・ポリダン | Bass | 2012-現在 | 再結成後に加入。バンドのリズムを支える。 |
6.2 過去の主要メンバー (Notable Past Members)
| 氏名 (English) | 氏名 (Katakana) | 担当 (Role) | 在籍期間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Adrian "Bone" Green | エイドリアン・"ボーン"・グリーン | Drums | 2005-2008 | 『The Serpent』期のドラマー。パワフルなプレイスタイル。元Anah Aevia。 |
| Ben Schauland | ベン・シャウランド | Keyboards | 2006-2008 | 『The Serpent』期に参加。元Blessed by a Broken Heart。 |
| Steve Hetland | スティーヴ・ヘトランド | Bass | 2006-2008 | 後期のベース担当。元Vindicated。 |
| Evan Willey | エヴァン・ウィリー | Bass | 2002-2006, 2011 | 初期メンバー。再結成初期にも一時復帰。 |
| Cameron MacIntosh | キャメロン・マッキントッシュ | Drums | 2002-2004 | EP時代のドラマー。 |
7. ディスコグラフィ (Discography)
Still Remainsの作品群は、メタルコアの変遷を映し出す鏡のような存在である。
7.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)
1. Of Love and Lunacy (オブ・ラヴ・アンド・ルーナシー)
- リリース日: 2005年5月3日
- レーベル: Roadrunner Records
- 規格番号 (日本盤): RRCY-21251
- 概要: バンドの名声を決定づけたデビュー作。攻撃性と美旋律の黄金比。
トラックリスト:
- To Live and Die by Fire (トゥ・リヴ・アンド・ダイ・バイ・ファイア)
- The Worst Is Yet to Come (ザ・ワースト・イズ・イェット・トゥ・カム) - リード・シングル。
- In Place of Hope (イン・プレイス・オブ・ホープ)
- White Walls (ホワイト・ウォールズ)
- Bliss (ブリス)
- Cherished (チェリッシュド)
- With What You Have (ウィズ・ホワット・ユー・ハヴ)
- Kelsey (ケルシー)
- Recovery (リカバリー)
- I Can Revive Him with My Own Hands (アイ・キャン・リヴァイヴ・ヒム・ウィズ・マイ・オウン・ハンズ)
- Stare and Wonder (ステア・アンド・ワンダー)
- Blossom, the Witch (ブロッサム、ザ・ウィッチ)
日本盤ボーナス: "Head Like a Hole" (Nine Inch Nails cover) が収録される場合がある。
2. The Serpent (ザ・サーペント)
- リリース日: 2007年7月31日
- レーベル: Roadrunner Records
- 規格番号 (日本盤): RRCY-21292 (Roadrunner Japan)
- 日本盤仕様: 帯 (Obi)、解説、歌詞対訳付き。
- 概要: よりロック的アプローチを強めた意欲作。
主要トラック:
- The Wax Walls of an Empty Room
- Stay Captive (ステイ・キャプティブ) - シングルカット。
- Anemia in Your Sheets
- Dancing with the Enemy (ダンシング・ウィズ・ジ・エネミー) - シングルカット。
3. Ceasing to Breathe (シーシング・トゥ・ブリーズ)
- リリース日: 2013年12月17日 (US), 2014年 (Japan)
- レーベル: Still Remains LLC (US) / Warner Music Japan (Japan)
- 規格番号 (日本盤): WPCR-15240
- 概要: 原点回帰のヘヴィネス。クラウドファンディングによる制作。
トラックリスト:
- Bare Your Teeth (feat. Dan Weyandt of Zao)
- Crone
- Beacon
- Cain
- Close to the Grave
- A Way Out
- Keeping Secrets
- Ceasing to Breathe
- F.F.I. (feat. Mike Hatalak of It Dies Today)
- Hopeless
- Reprise
- Bitter Shroud Repentance
7.2 EPおよびデモ (EPs & Demos)
| タイトル (Title) | リリース年 (Year) | レーベル (Label) | 詳細・備考 (Details) |
|---|---|---|---|
| Dying with a Smile | 2003 | 自主制作 (Self-released) | 最初期のEP。入手困難なレア盤 |
| If Love Was Born to Die | 2004 | Benchmark Records | 規格番号: BM7000。ロードランナー契約の契機となった重要作。 |
| Reading Lips | 2012 | 自主制作 | 再結成後に配布されたデモ音源集。 |
| Spirit Breaker | 2026 | 未定 | 制作中の最新EP。新曲「The Wound and the Weapon」を収録予定。 |
7.3 シングル (Singles)
| タイトル (Title) | 年 (Year) | 収録アルバム | 備考 |
|---|---|---|---|
| The Worst Is Yet to Come | 2005 | Of Love and Lunacy | バンド最大のヒット曲。MVが制作された。 |
| Recovery | 2006 | Of Love and Lunacy | プロモーション用シングル |
| Stay Captive | 2007 | The Serpent | メロディ重視の楽曲。 |
| Dancing with the Enemy | 2007 | The Serpent | |
| The Wound and the Weapon | 2026 | Spirit Breaker (EP) | 12年ぶりの新曲。feat. Guy Kozowyk |
8. 日本市場における受容と特記事項
Still Remainsと日本の関係は、洋楽メタル市場の動向と密接に関わっている。
- 「帯 (Obi)」文化と日本盤: Roadrunner Japanからリリースされた1stおよび2ndアルバムには、日本独自の「帯」が付属しており、コレクターズアイテムとして認知されている。中古市場では「帯付・美品」が高値で取引される傾向にある。
- ワーナーミュージックによる配給: 自主制作であった3rdアルバム 『Ceasing to Breathe』が、日本ではメジャー・レーベルであるワーナーミュージック・ジャパンを通じて流通した事実は、日本におけるSTILL REMAINSの根強い人気と市場価値を証明している。
- 歌詞の受容: 日本盤ライナーノーツや対訳を通じて、STILL REMAINSの歌詞が持つ「弱さの肯定」や「精神前闘争」といったテーマが日本のリスナーに深く理解されたことが、長期的なファンベースの維持に繋がっている。
9. Conclusion
Still Remainsは、メタルコアというジャンルの過渡期において、シンセサイザーという異分子を融合させることで独自のサウンドスケープを構築した。STILL REMAINSの功績は、後の Asking Alexandria (アスキング・アレクサンドリア) や Enter Shikari (エンター・シカリ)といったエレクトロ・コア (Electronicore) バンドへの架け橋となった点でも評価されるべきである。
2025年の再始動と新曲 「The Wound and the Weapon」は、STILL REMAINSは現代のプロダクションとヘヴィネスを取り入れた現役のアーティストとして進化し続けていることを示している。
News
SUICIDE SILENCEのEddie Hermida、独立系音楽会社Arson Theoryを共同設立
Cameron Almasiとの共同設立で、ディストリビューション/レーベル・サービス/出版/シンクを手がける。STILL REMAINS、SHADOW OF INTENT、3TEETH、ALL SHALL PERISHら30組以上が参加している。