HIM
1991年にフィンランド・ヘルシンキで結成されたバンド、HIM(ヒム)のバイオグラフィとディスコグラフィ。1997年の『Greatest Lovesongs Vol. 666』から2013年の『Tears on Tape』まで、スタジオ作全8作を収録曲・CD情報・ライナーノーツつきで作品ごとに掲載。ヴィッレ・ヴァロ率いる「love metal」とハータグラムのバンド。METAL BOOST。
Biography
HIM
バイオグラフィー
HIM(ヒム)は、1991年にフィンランド・ヘルシンキで結成されたバンドである。歌のヴィッレ・ヴァロとベースのミッコ・"ミゲ"・パーナネンが His Infernal Majesty として始め、数年で一度止まったあと、1995年にヴァロとギターのミッコ・"リンデ"・リンドストレムが再び立ち上げた。自分たちの音楽を指して作った「love metal」という言葉と、ハータグラムと呼ばれるロゴで知られる。2017年末に解散した。
ヘルシンキでの結成(1991〜1996年)
バンドは1991年、His Infernal Majesty の名でヘルシンキに生まれた。数年で一度止まり、1995年にヴァロとリンドストレムが再び始める。そこにミゲが戻り、鍵盤のアントー・メラスニエミとドラムのユハナ・"パトカ"・ランタラが加わって、名前を短く HIM とした。日本とアメリカでは同名のバンドと区別するため H.I.M. という表記も使われている。
1996年にはフィンランド国内のみで4曲入りの『666 Ways to Love: Prologue』が出た。大きくは売れなかったが、クリス・アイザックの「Wicked Game」を取り上げたことで名前が知られるようになる。
デビューから『Razorblade Romance』へ(1997〜2000年)
デビュー作Greatest Lovesongs Vol. 666は1997年11月にフィンランドで発売された。制作はヒーリ・ヒーレスマーで、収録は9曲。そのあとに長さの違う無音が56トラック並び、66番目のトラックに隠された音が置かれるという構成で、全体は66分06秒になる。
2作目Razorblade Romanceの録音はヒーレスマーとの作業が行き詰まり、レーベルのBMGの判断で国外へ移った。ウェールズのRockfield Studiosでジョン・フライヤーと作り直した本作は、フィンランドで1999年12月19日、国際盤は2000年1月24日に出ている。フィンランド、ドイツ、オーストリアで1位。先行シングル「Join Me in Death」はフィンランドとドイツで1位となり、プラチナとゴールドに達した。ドラムのミカ・"ガス・リップスティック"・カルッピネンが加わったのもこの作品からである。
『Deep Shadows』と『Love Metal』(2001〜2004年)
3作目Deep Shadows and Brilliant Highlightsは、前作の成功を再現するよう求める圧力のもとで11か月をかけて作られた。鍵盤のヤンネ・"バートン"・プールティネンが加わった最初の作品で、この編成は2015年まで変わらない。批評は割れたが、バンドとして初めてビルボード200に入った。
ツアーで消耗し解散しかけたあと、2002年に立て直して作られたのが4作目Love Metalである。ヴァロはこれを、HIMが自分たちの音を見つけたアルバムだと語っている。2003年8月にBMGとの契約を終え、2004年3月にはベスト盤『And Love Said No: The Greatest Hits 1997–2004』が出た。同年9月、バンドはSire Recordsと新たに契約する。
『Dark Light』と『Venus Doom』(2005〜2008年)
5作目Dark LightはSireからの初の世界流通盤で、ロサンゼルスのThe Paramour Estateでティム・パーマーと作られた。アメリカでゴールドを獲得したフィンランドのバンドはこれが初めてである。15か国でチャート入りし、フィンランドで1位・プラチナ。日本盤はワーナーミュージック・ジャパンから2005年10月26日に出ている。
6作目Venus Doomは2007年9月、ヘルシンキのFinnvox Studiosで作られた。制作の時期、ヴァロは疲労と私生活の問題から飲酒が悪化して健康を損ない、その後療養に入っている。作品はバンドで最も重く暗いものとされ、ビルボード200の12位はバンド最高位である。
『Screamworks』と『Tears on Tape』(2009〜2013年)
7作目Screamworks: Love in Theory and Practiceは2010年2月発売。マット・スクワイアを迎え、3か月かけて素材を組み直したうえでロサンゼルスで録音された。ヴァロが療養後に完全に素面で通した最初の作品である。その後、カルッピネンが手の療養に入りバンドは休止した。
数か月の不透明な時期を経て集まり直したバンドは、2011年にSireと別れ、レーベルを持たないまま自費で8作目Tears on Tapeを作った。2013年4月発売。結果として出版権を自分たちで持つことになり、楽器のみの曲を収めた最初のHIM作品にもなった。
解散(2015〜2017年)
2015年にカルッピネンが脱退し、ユッカ・"コスモ"・クレーゲルが後任となった。2017年3月5日、バンドは告別ツアーをもって解散すると発表する。最後の公演は2017年の大晦日、毎年恒例のHelldoneフェスティヴァルで行われた。
HIMはフィンランドで最も成功したバンドのひとつで、売上は1000万枚を超え、Emma賞を8度受けている。旋律的で憂いのある要素と重い要素を併せ持つその音は分類しにくく、そこからバンド自身が「love metal」という言葉を作った。ロゴのハータグラムは音楽の外でも広く使われている。
メンバーについて
解散時の編成は、ヴィッレ・ヴァロ(歌)、ミッコ・"リンデ"・リンドストレム(ギター)、ミッコ・"ミゲ"・パーナネン(ベース)、ヤンネ・"バートン"・プールティネン(鍵盤)、ユッカ・"コスモ"・クレーゲル(ドラム)である。ドラムはユハナ・"パトカ"・ランタラ、ミカ・"ガス・リップスティック"・カルッピネン(2000〜2015年)を経てクレーゲルに、鍵盤はアントー・メラスニエミ、ユッシ=ミッコ・"ユスカ"・サルミネンを経てプールティネン(2001年〜)に引き継がれた。
このサイトは、バンドが2017年に解散し公式サイトが現在応答しないため、メンバー情報を構造化データとしては登録していない。上記は英語版Wikipediaのバンド記事に拠るものである。
ディスコグラフィ
スタジオ作8作が、このサイトに登録されている。1996年のEP『666 Ways to Love: Prologue』、ベスト盤『And Love Said No: The Greatest Hits 1997–2004』『XX – Two Decades of Love Metal』、企画盤『Uneasy Listening』2作、リミックス盤『SWRMXS』、ライヴ作品は含まない。
| # | アルバム | 発売 |
|---|---|---|
| 1 | Greatest Lovesongs Vol. 666 | 1997年11月 |
| 2 | Razorblade Romance | 1999年12月19日 |
| 3 | Deep Shadows and Brilliant Highlights | 2001年8月24日 |
| 4 | Love Metal | 2003年4月 |
| 5 | Dark Light | 2005年9月26日 |
| 6 | Venus Doom | 2007年9月14日 |
| 7 | Screamworks: Love in Theory and Practice | 2010年2月8日 |
| 8 | Tears on Tape | 2013年4月26日 |
発売日はいずれも最初に世に出た日で、フィンランドと国際盤で異なる作品がある。『Razorblade Romance』の国際盤は2000年1月24日、『Deep Shadows and Brilliant Highlights』の国際盤は2001年8月27日である。『Greatest Lovesongs Vol. 666』は日にちが資料によって食い違うため月までを記した。
日本公演
来日は3回、公演数は7本で、2017年の解散をもってこれが全てである。
最初は2005年、SUMMER SONIC 05。8月13日に大阪、14日に東京(千葉マリンスタジアム&幕張メッセ)で、いずれもMOUNTAIN STAGEに「HIM(from Finland)」として出演した。フェスティヴァル自身が公開している開催記録にその記載がある。ソニーミュージックのアーティスト紹介はこれを「初来日」と記している。
2度目は2006年3月の単独公演2本で、17日(金)に東京・O-EAST、18日(土)に大阪・心斎橋CLUB QUATTRO。いずれもオールスタンディング、税込6,300円。招聘はクリエイティブマン・プロダクションで、CDジャーナルが2005年11月に東京公演を、12月に大阪公演を伝えている。
3度目は2015年11月、VAMPSの<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>への出演である。Zepp Tokyoでの16日、18日、19日の3公演を務めた。開場18:00、JOINT ACTの開演19:06、前売6,660円(税別)。同じ会場の他の日にはMY FIRST STORY、MONORAL、ASH DA HEROが立っている。
出典について
ここに記した事実は、英語版Wikipediaのバンド記事(1991年の結成と1995年の再始動、バンド名の由来、メンバーの変遷、「love metal」とハータグラム、Sireとの契約、アメリカでのゴールド、ヴァロの療養、休止と2017年の解散)とその各アルバムの記事(発売日、レーベル、スタジオ、プロデューサー、参加メンバー、曲順、チャート順位)、日本語版Wikipedia(日本盤の発売日と日本公演の一覧)、ソニーミュージックのアーティスト紹介(フィンランドでの出発と初来日)、SUMMER SONIC公式サイトの開催記録(2005年の出演日とステージ)、CDジャーナル(2006年の公演日・会場・料金)、BARKSとユニバーサル ミュージックの告知(2015年のJOINT 666の日程と料金)、MusicBrainzのリリース情報(品番、形態、曲数、公式リンク)、ウィキデータのP2205、およびSpotifyの埋め込み情報(アルバムの同定と再生可否)に拠っている。いずれも2026年9月29日に閲覧した。
Trivia
初来日は2005年のSUMMER SONICで、2日とも出演している。フェスティヴァル自身が公開している開催記録によれば、8月13日の大阪と14日の東京、どちらもMOUNTAIN STAGEで、表記は「HIM(from Finland)」。同じステージにはTHE BLACK CROWES、PUBLIC ENEMY、BULLET FOR MY VALENTINEらが並んだ。ソニーミュージックの紹介はこの出演を「初来日」と記している。
単独公演での来日は2006年3月の2本で、東京と大阪を1日ずつ回った。CDジャーナルは2005年11月に東京公演を伝え、その時点では大阪は「予定」とだけ記されていた。詳細が出たのは12月で、17日(金)が東京・O-EAST、18日(土)が大阪・心斎橋CLUB QUATTRO。どちらも税込6,300円のオールスタンディングで、招聘はクリエイティブマンだった。
このバンドは自分たちの音楽に名前を付けた。ソニーミュージックのアーティスト紹介はそれを一行で説明している——HIMは自分たちの音楽をLOVE METALと呼び、メタル、ゴシック、ポップスを融合した独自の路線を打ち出した。ジャンルの棚のどこに置くかを他人に決めさせず、自分で呼び名を作ってしまったわけである。その言葉は2003年の4作目の題名にもなった。
最初に世に出たのは、フィンランド国内だけの4曲入りCDだった。1996年にBMGフィンランドから出た『666 Ways to Love: Prologue』である。ソニーミュージックの紹介によれば大ヒットには至らなかったが、クリス・アイザックの「ウィキッド・ゲーム」をカバーしたことで注目された。この曲は翌年のデビュー作にも収められている。
結成年は数え方で2つある。日本のレーベルであるソニーミュージックのアーティスト紹介は「1995年の夏にフィンランドの首都ヘルシンキでヴィレ・ヴァロを中心として結成」と書く。一方、バンドの歴史そのものは1991年、His Infernal Majesty という別の名前で始まっており、数年で一度止まったあと1995年にヴァロとギターのリンデ・リンドストレムが立ち上げ直した。当サイトが1991年を採っているのは後者の数え方で、レーベルの紹介文が指しているのは再始動のほうである。
最後の来日は2015年11月、VAMPSのツアー<VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666>への出演だった。BARKSが掲載した日程表によれば、Zepp Tokyoでの6公演のうち16日、18日、19日の3日をHIMが務めている。他の日はMY FIRST STORY、MONORAL、ASH DA HEROだった。平日は開場18:00、JOINT ACTの開演は19:06。バンドはこの2年後に解散したため、これがHIMの日本での最後の3公演になった。
解散の知らせは2017年3月5日の週末に出された。BARKSが伝えたところでは、フロントマンのヴィレ・ヴァロは声明で、四半世紀にわたってLove & Metalと結びついてきた後、HIMは不自然な経過をたどっており、まだ探索していない眺めや香りや音へ向かうために別れを告げるときが来たと痛感している、と述べている。彼は「僕らはパターンを完成し、パズルを解き、鍵をかけた」と書いた。最後のツアーは6月14日にスペインで始まり、12月中旬までに14か国で35公演。ベースのミゲはそれについて、これは涙の会ではなくLove Metalの祝典だと語っている。
2005年の『Dark Light』で、HIMはアメリカでゴールド・ディスクを獲得した最初のフィンランドのバンドになった。同作は15か国のチャートに入り、フィンランドで1位・プラチナ、ドイツとイギリスとアメリカでゴールド。アメリカでの最高位そのものは、2年後の『Venus Doom』が記録した12位である。
Albums
HIMの3作目。2001年8月発売。11か月に及ぶ難しい制作を経た作品で、鍵盤のヤンネ・プールティネンが加わった最初のアルバムである。