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ARTIST
Hemispheres
LINER NOTES
LANGUAGE
『Hemispheres』は、RUSHがプログレッシヴ・ロックへ深く踏み込みながら、長大な構成の中にも印象的なリフと明快な推進力を失わなかった1978年作だ。冒頭の“Cygnus X-1 Book II: Hemispheres”は、神話的な題材を複数の場面へ分け、ギター、ベース、ドラムが互いに主導権を渡し合いながら大きな物語を組み立てる。複雑な拍子や転調は技巧を誇示するためでなく、理性と感情の対立という主題に緊張と動きを与えるために働いている。
“Circumstances”では短い曲の中へ切迫感を凝縮し、“The Trees”は寓話的な歌詞と覚えやすいメロディを結び付ける。そして“La Villa Strangiato”は、各パートの高度な演奏を連ねながらも、断片の寄せ集めにはならず、次々と景色が切り替わるインストゥルメンタルとして強い流れを作る。ゲディー・リーのベースと高音の歌、アレックス・ライフソンの音色、ニール・パートの緻密なドラムは、それぞれが目立ちながら全体の構造を支えている。集中して通して聴くほど、複雑さの奥にあるメロディとユーモアが見えてくる、RUSHの挑戦心を刻んだ一枚である。聴くたびに焦点が変わり、ある時は壮大な構成が、ある時は三人の演奏の遊び心が前面に現れる。
TRACK LIST
- 1.Cygnus X-1 Book II: Hemispheres
- 2.Circumstances
- 3.The Trees
- 4.La Villa Strangiato