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ARTIST
Grace Under Pressure
LINER NOTES
LANGUAGE
『Grace Under Pressure』は、RUSHがシンセサイザーの比重をさらに高めながらも、三人だけが生み出す鋭いアンサンブルを、いっそう研ぎ澄ませた第10作だ。ゲディー・リーのベースと鍵盤、アレックス・ライフソンの空間を鋭く切り裂くギター、そしてニール・パートの精密なドラムが、極めて緊迫した、冷たい景色を描き出していく。タイトルが示す通り、重圧の下での気高さがテーマの一枚である。
冒頭“Distant Early Warning”の切迫感から、冷戦の恐怖やホロコーストを想起させる、重く沈んだ影を持つ“Red Sector A”まで、収録曲は80年代初頭の、社会に漂う不安を、そのまま音へと変えている。“The Body Electric”のドラマ性、“Afterimage”の叙情も、作品に深い陰影を与えている。
技術的な見せ場だけに頼るのではなく、緻密な音色の選択と、練り込まれた曲構成によって、聴き手の心に深い余韻を残す点が本作の魅力だ。ニュー・ウェイヴやエレクトロニックな要素を大胆に取り込みつつも、RUSHらしい知的な緊張感は健在である。バンドの、より暗く内省的な側面を色濃く映し出した、意欲的で重厚な一枚と言える。
TRACK LIST
- 1.You Bet
- 2.Grace Under Pressure
- 3.Honest I Do
- 4.Scenes from a Marriage
- 5.Twang
- 6.Pat Me
- 7.Pretty Out
- 8.Bill Me
- 9.Same Axe
- 10.Unique New York