NORTHERN KINGS
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)は、2007年にフィンランド (Finland) で結成されたシンフォニック・メタル・スーパーグループである。
Biography
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)
バイオグラフィ、ディスコグラフィ、文化的影響
1. フィンランド・メタル界における「王たち」の定義
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)は、2007年にフィンランド (Finland) で結成されたシンフォニック・メタル・スーパーグループである。このプロジェクトは、当時すでに世界的な名声を確立していたフィンランドのヘヴィ・メタル・シーンを代表する4人のフロントマン、Jarkko Ahola (ヤルッコ・アホラ)、Marko Hietala (マルコ・ヒエタラ)、Tony Kakko (トニー・カッコ)、Juha-Pekka Leppäluoto (ユハ=ペッカ・レッパルオト)によって構成されている。
NORTHERN KINGSの音楽的アイデンティティは、1980年代を中心としたポピュラー音楽のクラシック・ナンバー(ポップス、ロック、映画音楽)を、重厚なシンフォニック・メタルのアレンジで再構築することにある。一般的な「カバー・バンド」が原曲の忠実な再現やパロディを目指すのに対し、NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)のアプローチは、原曲のメロディラインを保持しつつ、そこに北欧メタル特有の壮大さ、哀愁、そして演劇的な要素を注入することで、楽曲に全く新しい「メタルの叙事詩」としての生命を吹き込む点に特徴がある。
2. 結成の背景とメンバーシップ
2.1 結成の経緯: Raskasta Joulua (ラスカスタ・ヨウルア)との関連性
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)の結成には、フィンランドの音楽シーンにおける特異なプロジェクト Raskasta Joulua (ラスカスタ・ヨウルア / Heavy Christmas) が深く関与している。Raskasta Joulua (ラスカスタ・ヨウルア)は、伝統的なクリスマス・キャロルをヘヴィ・メタル調にアレンジして演奏するプロジェクトであり、フィンランド国内で絶大な人気を誇る。このプロジェクトに参加していた主要なヴォーカリストたちが、クリスマスの時期だけでなく、より広範な楽曲を共に演奏したいという意欲を持ったことが、NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス) 始動の直接的な契機となった。
グループのプロデュースおよびギターを務める Erkka Korhonen (エルッカ・コルホネン)は、このプロジェクトの音楽的監督としての役割を果たしており、個性的な4人のヴォーカリストを一つのバンド・サウンドとしてまとめ上げる上で中心的な役割を担った。
2.2 メンバー構成: 4人のヴォーカリストの役割
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)は「バンド」 というよりも「4人のヴォーカリストの連盟 (league of four vocalists)」と自称するように、楽器隊よりもヴォーカリストの個性に重きを置いている。以下に各メンバーの詳細なプロフィールと、グループ内での役割 (通称)を記載する。
Jarkko Ahola (ヤルッコ・アホラ)
- 役割: 「高音の王 (King of High Notes)」
- 関連バンド: Teräsbetoni (テラスベトニ), ex-Dreamtale (ドリームテイル)
- 分析: Jarkko Ahola (ヤルッコ・アホラ)は、正統派ヘヴィ・メタルの系譜に連なる強力なハイトーン・ヴォイスと声量を持つ。彼が率いる Teräsbetoni (テラスベトニ)は、マノウォー (Manowar) 的な「戦士のメタル」をフィンランド語で歌うスタイルで知られ、2008年のユーロビジョン・ソング・コンテスト (Eurovision Song Contest) にフィンランド代表として出場した経歴を持つ。NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)においては、楽曲のクライマックスや最もエモーショナルなパートを担当し、その突き抜けるような高音で楽曲にドラマ性をもたらしている。
Marko Hietala (マルコ・ヒエタラ)
- 役割: 「王の中の王 (King of the Kings)」
- 関連バンド: Tarot (タロット), ex-Nightwish (ナイトウィッシュ), Sinergy (シナジー)
- 分析: フィンランド・メタル界の重鎮である Marko Hietala (マルコ・ヒエタラ)は、Nightwish (ナイトウィッシュ)のベーシスト兼ヴォーカリストとして世界的な名声を得た。彼の声質は、攻撃的でざらついた質感と、フォーク・ミュージックに通じる哀愁を併せ持つ。グループ内では最年長のメンバーとして、楽曲に重みと説得力を与える役割を果たす。また、彼のベース演奏能力と作曲センスは、ヴォーカル以外の面でもサウンド構築に寄与していると考えられる。
Tony Kakko (トニー・カッコ)
- 役割: 「キャッチーなメロディラインの王 (King of Catchy Melody Lines)」
- 関連バンド: Sonata Arctica (ソナタ・アークティカ)
- 分析: メロディック・スピード・メタル・バンド Sonata Arctica (ソナタ・アークティカ)のフロントマンである Tony Kakko (トニー・カッコ)は、透明感のあるクリーン・ヴォイスと、物語を語るような表現力を特徴とする。彼の歌声は、原曲が持つポップな要素や繊細なメロディラインを際立たせるのに適しており、他のメンバーのパワフルな歌唱とは対照的な「軽やかさ」や「切なさ」を楽曲に加えている。
Juha-Pekka Leppäluoto (ユハ=ペッカ・レッパルオト)
- 役割: 「神秘の王 (King of Mystique)」
- 関連バンド: Charon (カロン), Harmaja (ハルマヤ), ex-Poisonblack (ポイズンブラック)
- 分析: ゴシック・メタル・バンド Charon (カロン) で知られる Juha-Pekka Leppäluoto (ユハ=ペッカ・レッパルオト)は、深みのある低音 (バリトン〜バス)と、セクシーで退廃的な歌唱スタイルを持ち味とする。彼の存在により、NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)のサウンドにはゴシック特有のダークな陰影が加わる。特にバラードやシリアスな楽曲において、彼の低音ヴォイスはアンサンブルの土台を支える重要な要素となっている。
2.3 バッキング・ミュージシャンと制作陣
- Erkka Korhonen (エルッカ・コルホネン): ギター、プロデュース、アレンジ。プロジェクトの音楽的監督。Ari Koivunen (アリ・コイヴネン)のバンドメンバーとしても知られる。
- Erkki Silvennoinen (エルッキ・シルヴェンノイネン): ベース。
- Mirka Rantanen (ミルカ・ランタネン): ドラム (アルバム 『Rethroned』)。
- Anssi Nykanen (アンッシ・ニュカネン) / Sami Osala (サミ・オサラ): ドラム (アルバム『Reborn』)。
- Vili Ollila (ヴィリ・オッリラ): キーボード、ピアノ、オーケストレーション。
- Mikko P. Mustonen (ミッコ・P・ムストネン): オーケストレーション。
3. ディスコグラフィ分析: アルバム
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)はこれまでに2枚のフルアルバムをリリースしている。両アルバムともに Warner Music Finland (ワーナー・ミュージック・フィンランド)からリリースされ、フィンランド国内で商業的成功を収めた。
3.1 1st Album: 『Reborn (リボーン)』
- リリース日: 2007年10月31日
- レーベル: Warner Music Finland
- 認定: ゴールドディスク (フィンランド国内売上15,000枚以上)
概要: デビュー・アルバム 『Reborn (リボーン)』は、80年代のラジオ・ヒット曲を中心に選曲されている。タイトルは「名曲の再生」を意味し、シンフォニック・メタルの壮大なアレンジによって、懐かしの楽曲が新たな姿で提示された。
収録曲詳細および分析
| No. | 曲名(邦題/原題) | オリジナル・アーティスト | リード・ヴォーカル/構成 | 楽曲分析・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Don't Stop Believin' | Journey (ジャーニー) | Marko Hietala | アルバムの幕開けを飾るスタジアム・ロックの金字塔。Marko Hietalaの野性味あるヴォーカルが、原曲の爽やかさに代わり、重厚な力強さを付与している。シンセサイザーのリフがギターとユニゾンし、メタルの攻撃性が強調されている。 |
| 2 | We Don't Need Another Hero | Tina Turner (ティナ・ターナー) | 全員 (All) | リード・シングル。映画『マッドマックス/サンダードーム』主題歌。4人全員が参加し、クワイアのような厚みのあるコーラスを展開。終末世界的な歌詞とシンフォニック・メタルの相性が抜群で、NORTHERN KINGSの代表曲となった。PVも制作された。 |
| 3 | Broken Wings | Mr. Mister (ミスター・ミスター) | Tony Kakko | Tony Kakkoの透明感ある声質が、80年代AOR特有の浮遊感を表現。サビでの爆発的なギターサウンドとの対比が美しい。Sonata Arcticaファンにも親しみやすいアレンジ。 |
| 4 | Rebel Yell | Billy Idol (ビリー・アイドル) | Juha-Pekka Leppäluoto | パンク・ロックの古典を、Leppäluotoが低音で妖しく歌い上げる。テンポを落とし、ゴシック・メタルのような重苦しさとセクシーさを強調している。 |
| 5 | Ashes to Ashes | David Bowie (デヴィッド・ボウイ) | Tony Kakko | 難解なDavid Bowieの楽曲を、宇宙的なキーボード・アレンジとTony Kakkoのシアトリカルな歌唱で再現。プログレッシブな展開を見せる。 |
| 6 | Fallen on Hard Times | Jethro Tull (ジェスロ・タル) | Marko Hietala | プログレッシブ・フォーク・ロックの曲。Hietalaのフォーク音楽への適性が活かされ、原曲のフルートの旋律をヘヴィな楽器隊でなぞるユニークなアレンジ。 |
| 7 | (I Just) Died in Your Arms | Cutting Crew (カッティング・クルー) | Jarkko Ahola | Jarkko Aholaの超人的なハイトーンが炸裂するパワー・バラード。オペラティックな発声により、歌詞の切なさが劇的に増幅されている。 |
| 8 | Sledgehammer | Peter Gabriel (ピーター・ガブリエル) | Tony Kakko | ファンク色の強い原曲をメタル化。ブラス・セクションのフレーズをシンセとギターで再現し、リズムのうねりをメタル的なグルーヴに変換している。 |
| 9 | Don't Bring Me Down | Electric Light Orchestra (ELO) | Jarkko Ahola | ストレートなロックンロール・ナンバー。Aholaのパワフルなシャウトが、Teräsbetoniにも通じる男臭いエネルギーを注入している。 |
| 10 | In the Air Tonight | Phil Collins (フィル・コリンズ) | Marko Hietala | 静寂と緊張感が漂う原曲を、Hietalaのウィスパー・ヴォーカルと後半の爆発的なバンド・サウンドでドラマティックに演出。ドゥーム・メタルのような重さがある。 |
| 11 | Creep | Radiohead (レディオヘッド) | Juha-Pekka Leppäluoto | オルタナティヴ・ロックの名曲。Leppäluotoの苦悩に満ちた低音が、自己否定的な歌詞の世界観をゴシック的に再解釈している。ピアノとストリングスが美しい。 |
| 12 | Hello | Lionel Richie (ライオネル・リッチー) | Jarkko Ahola | ソウル・バラードをシンフォニック・メタル・バラードへ。Aholaの情感豊かな歌唱が光る。ギターソロも泣きのメロディを奏でる。 |
| 13 | Brothers in Arms | Dire Straits (ダイアー・ストレイツ) | Juha-Pekka Leppäluoto | 反戦歌。Leppäluoto ofの深みのある声が、戦場の悲哀を鎮魂歌のように歌い上げる。アルバムのラストに相応しい荘厳な一曲。 |
特別版(Special Edition) ボーナストラック:
We Don't Need Another Hero (Orchestra Remix)
Creep (Killdivo Remix)
3.2 2nd Album: 『Rethroned (リスローンド)』
- リリース日: 2008年11月19日 (フィンランド)、2009年2月25日(日本)
- レーベル: Warner Music Finland
- チャート最高位: フィンランド・チャート 16位
概要: 前作の成功を受け、わずか1年後にリリースされた2ndアルバム。『Rethroned (リスローンド)』は「王位への復還」を意味する。本作では、映画のサウンドトラック (ジェームズ・ボンド、バットマン、ロッキーなど)からの選曲が目立ち、より「シネマティック (映画的)」なサウンドスケープが追求されている。また、メンバー間のデュエットや全員での歌唱パートが増え、スーパーグループとしての結束が強化された。
収録曲詳細および分析
| No. | 曲名(邦題/原題) | オリジナル・アーティスト/出典 | リード・ヴォーカル | 楽曲分析・備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Training Montage | Vince DiCola (ヴィンス・ディコーラ) / 映画『Rocky IV (ロッキー4)』 | Instrumental | インストゥルメンタル曲。映画『ロッキー4』の劇中曲を、シンセサイザーとギターで完全再現。アルバムへの期待感を煽る序曲。 |
| 2 | Wanted Dead or Alive | Bon Jovi (ボン・ジョヴィ) | Marko Hietala | アコースティック・ギターの導入から始まるカウボーイ・アンセム。Hietalaの声質が荒野の雰囲気に合致している。コーラスワークが分厚い。 |
| 3 | Kiss from a Rose | Seal (シール) / 映画『Batman Forever (バットマン・フォーエヴァー)』 | 全員 (All) | 本作のリード・シングル。Sealの複雑な楽曲構造を、4人の重層的なハーモニーで見事に再現。バロック・ポップ的な原曲が、シンフォニック・メタルの壮麗さと融合した傑作。PVも制作された。 |
| 4 | A View to a Kill | Duran Duran (デュラン・デュラン) / 映画『007 A View to a Kill (美しき獲物たち)』 | 全員 (All) | 007テーマ曲。スパイ映画のスリリングな緊張感を、疾走感あるメタル・ビートで表現。各メンバーがヴァースを回し歌うスタイル。 |
| 5 | Nothing Compares 2 U | Prince (プリンス) / Sinéad O'Connor (シネイド・オコナー) | Tony Kakko | Tony Kakkoが感情を込めて歌い上げるバラード。Sonata Arcticaのバラード曲に通じる北欧的な哀愁が漂う。 |
| 6 | My Way | Frank Sinatra (フランク・シナトラ) | Jarkko Ahola | スタンダード・ナンバーの大定番。前半は朗々と歌い上げるが、後半でテンポアップし、劇的なメタル・オペラヘと展開する大胆なアレンジ。 |
| 7 | Strangelove | Depeche Mode (デペッシュ・モード) | 全員 (All) | インダストリアルなギター・リフと、4人のユニゾンによる力強いサビが特徴。ダークなダンス・ビートがメタル化されている。 |
| 8 | Take On Me | A-ha (アーハ) | 全員 (All) | 80年代シンセ・ポップの代表曲。原曲の軽快なリフを超高速ギターとキーボードで再現したパワー・メタル・バージョン。サビの高音もAholaを中心に再現。 |
| 9 | I Should Be So Lucky | J-P Leppäluoto & Jarkko Ahola | I-P Leppäluoto & Jarkko Ahola | アイドル・ポップを、Leppäluotoの低音で歌うという最大のギャップを狙った選曲。Aholaとの掛け合いにより、奇妙だが中毒性のある楽曲に仕上がっている。 |
| 10 | Killer | Adamski (アダムスキー) feat. Seal | 全員 (All) | アシッド・ハウスのヒット曲をヘヴィ・ロックに変換。グルーヴィーなベースラインが強調されている。 |
| 11 | Róisín Dubh (Black Rose): A Rock Legend | Thin Lizzy (シン・リジィ) | Jarkko Ahola & Marko Hietala | アルバムの最後を飾る大作。アイリッシュ・トラッドを取り入れたハード・ロックを、2人のパワー・ヴォーカリストが熱唱する7分半の叙事詩。 |
ボーナストラック (日本盤およびデジタル版):
• They Don't Care About Us (Original: Michael Jackson / マイケル・ジャクソン)
日本盤(2009年2月25日発売)のボーナストラックとして収録。マイケル・ジャクソンのパーカッシブで社会的なメッセージを持つ楽曲を、ヘヴィなリフとマーチング・ドラム、そして4人の怒りに満ちたヴォーカルで再現。オーケストラ・バージョンも存在する。
4. シングルおよびその他の重要なリリース
アルバム以外にも、NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)はいくつかの重要なシングルやプロジェクト参加曲を残している。
4.1 シングル 『Lapponia (ラッポニア)』 (2010年)
- リリース年: 2010年
- オリジナル: Monica Aspelund (モニカ・アスペルンド) (1977年)
- 概要: 2ndアルバム後の活動休止前、最後にリリースされたシングル。オリジナル曲は、1977年のEurovision Song Contest (ユーロビジョン・ソング・コンテスト)におけるフィンランド代表曲である。
- 分析: フィンランド語で「ラップランド (Lappland)」を意味するタイトル通り、北極圏の神秘的な自然をテーマにした楽曲。NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)はこれを壮大なシンフォニック・メタルとして再解釈し、NORTHERN KINGSのアイデンティティである「フィンランド性」を強く打ち出した。ジャケット・アートワークには、メンバー4人のイラストが描かれている。
4.2 『Raskasta Joulua』 プロジェクトにおける楽曲
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)の母体となった Raskasta Joulua (ラスカスタ・ヨウルア) プロジェクトにおいても、4人が揃って歌唱する楽曲が存在する。
- Pieni Rumpali (Original: The Little Drummer Boy / リトル・ドラマー・ボーイ):
- 2010年や2013年の Raskasta Joulua のコンサートやアルバムにおいて、"NORTHERN KINGS" 名義または4人の共演として披露されている。
- 静かなスネアドラムのロールから始まり、徐々に壮大なメタル・シンフォニーへと発展する構成は、NORTHERN KINGSの音楽性の真骨頂と言える。
5. 活動休止と復活 (2010年-現在)
5.1 長期活動休止(2011年-2021年)
2010年のシングル 『Lapponia』リリース以降、NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)は約12年間に及ぶ長い活動休止期間に入った。公式な解散宣言は出されなかったものの、各メンバーが自身のメイン・バンドでの活動により多忙を極めたことが主な要因である。
- Marko Hietala: Nightwish (ナイトウィッシュ)でのワールドツアー、アルバム制作、およびソロ活動。
- Tony Kakko: Sonata Arctica (ソナタ・アークティカ) でのコンスタントなリリースとツアー。
- Jarkko Ahola: ソロ・アーティストとしての国民的成功 (クリスマス・アルバムやコンサート活動)、Teräsbetoni (テラスベトニ)の活動。
- Juha-Pekka Leppäluoto: Charon (カロン)の解散、Harmaja (ハルマヤ)での活動、俳優業など。
この期間中も、"Raskasta Joulua" のツアー等でメンバー同士が共演することはあったが、"NORTHERN KINGS" としてのまとまった活動は行われなかった。
5.2 復活(2022年)
- カムバック・ライブ: 2022年6月18日、フィンランドのノキア (Nokia) で開催されたフェスティバル 'Tuhdimmat Tahdit'にて、12年ぶりにバンドとしての復活ライブを行った。
- Tuska Open Air 2022: 同年7月、ヘルシンキ (Helsinki) で開催される北欧最大級のメタル・フェスティバル Tuska Open Air (トゥスカ・オープン・エア)に出演。
- インタビュー: 復活時のインタビューにおいて、メンバー (LeppäluotoとKorhonen)は、コロナ禍を経て再びライブができる喜びや、4人のフロントマンが集まることの特別な化学反応について語っている。
5.3 今後の展望(2023年以降)
2026年1月現在、公式な3rdアルバムのリリース情報は確認されていないが、NORTHERN KINGSは散発的にライブ活動を行っており、フェスティバルへの出演等が期待されている。2025年、2026年のスケジュールに関しては、各種チケットサイト等でNORTHERN KINGSの名前が検索対象となっているが、具体的なツアー日程の確定情報は流動的である。NORTHERN KINGSの活動は、メンバー個々のスケジュールの合間を縫って行われる「特別な祝祭」としての性質を帯び続けている。
6. NORTHERN KINGSの音楽的遺産
NORTHERN KINGS (ノーザン・キングス)は、2000年代後半の「フィンランド・メタル・ブーム」が生んだ最も豪華で、かつ音楽的に興味深いプロジェクトの一つである。NORTHERN KINGSは「カバー曲」という親しみやすい入り口を用いつつ、フィンランドのメタル・ミュージシャンの演奏技術の高さ、そして何より4人のヴォーカリストの圧倒的な歌唱力と個性を世界に示した。
NORTHERN KINGSの成功は、後に続く Exit Eden (イグジット・エデン) (女性メタル・ヴォーカリストによるカバー・プロジェクト) や At The Movies (アット・ザ・ムービーズ)といった企画の先駆けとも評価できる。単なる企画モノの枠を超え、一つの「シンフォニック・メタル・エンターテインメント」の形を確立した点において、NORTHERN KINGSの功績は大きい。
「We Don't Need Another Hero (もう英雄はいらない)」とNORTHERN KINGSは歌ったが、メタル・ファンにとってNORTHERN KINGSの4人は、間違いなくフィンランドが生んだ「北の王たち (NORTHERN KINGS)」という名のヒーローであり続けている。
付録
| 英語表記(English) | カタカナ表記 (Japanese Katakana) | 備考 |
|---|---|---|
| NORTHERN KINGS | ノーザン・キングス | バンド名 |
| Jarkko Ahola | ヤルッコ・アホラ | ヴォーカル (Teräsbetoni) |
| Marko Hietala | マルコ・ヒエタラ | ヴォーカル (Tarot, ex-Nightwish) |
| Tony Kakko | トニー・カッコ | ヴォーカル (Sonata Arctica) |
| Juha-Pekka Leppäluoto | ユハ=ペッカ・レッパルオト | ヴォーカル (Charon) |
| Erkka Korhonen | エルッカ・コルホネン | ギター、プロデューサー |
| Reborn | リボーン | 1stアルバム |
| Rethroned | リスローンド | 2ndアルバム |
| Raskasta Joulua | ラスカスタ・ヨウルア | 関連プロジェクト (Heavy Christmas) |
| Teräsbetoni | テラスベトニ | アホラのバンド |
| Nightwish | ナイトウィッシュ | ヒエタラの元バンド |
| Sonata Arctica | ソナタ・アークティカ | カッコのバンド |
| Charon | カロン | レッパルオトのバンド |
| Lapponia | ラッポニア | シングル曲 |