METALVERSE BIOGRAPHY

プロフィール

始動2023年(初の公式発表は2023年7月7日)
出身日本
メンバーMIKO(センター(C))
SAKIA(サイド(L))
COCONA(サイド(R))
ジャンルオルタナティヴメタル、モダンメタル
所属アミューズ
レーベルVERSE BY VERSE MUSIC
公式サイトmetalverse-world.com

Biography

BABYMETALの公演に「出現」した3人
METALVERSE、名前が明かされるまで

1. 「カケラの数だけ物語がある」——プロジェクトの定義

METALVERSE(メタルヴァース)は、アミューズが運営する3人組のマルチバース・プロジェクトである。バンドでもアイドル・グループでもなく「プロジェクト」と名乗っているのは自称ではなく定義で、公式サイトに残る最も古い告知(2023年7月7日)はこう書いている——「『METALVERSE』のカケラの数だけストーリーが存在し、登場するキャストや内容は常に変化を重ねる、ひとつの形だけではない多元的なマルチバースプロジェクト」。この「カケラ」はELEMENTと呼ばれ、公式グッズの名称にもなっている。

つまりMETALVERSEは、出演者と内容が入れ替わることをあらかじめ設計に組み込んだ器である。のちに公演ごとにバンド編成が変わるMETALVERSE VΛND PROJECTが生まれるのも、5人で立った夜があるのも、この定義の内側の出来事だと考えると筋が通る。

読みは公式のあいだで揺れている。アミューズの現行アーティスト・ページはサブネームに「メタルヴァース」と記し、音楽ナタリーのアーティスト・ページは「メタルバース」と記す。さらにアミューズ自身の2023年のプレスリリースは「メタルバース#1 -アンボクシシング」と書いていた。バンドの公式サイトはどこにも読みを書いていない。当サイトは最も新しく、かつ所属事務所の現行表記である「メタルヴァース」を採る。

2. BABYMETALの公演に現れた3人(2023年)

最初の「出現」は自分たちの公演ではなかった。2023年1月、幕張メッセ国際展示場で行われたBABYMETALのワンマン『BABYMETAL RETURNS - THE OTHER ONE -』の場内に、BABYMETALによく似た3人の存在が姿を見せる。音楽ナタリーの初日レポートは、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」の最中に第2ステージへ3人が現れたと記録している。

続く同年4月、ぴあアリーナMMの『BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE -』にも同じ3人が現れ、両日「KARATE」をBABYMETALとともに演奏した。この公演でBABYMETALは、長く掲げてきた「METAL RESISTANCE」から「METALVERSE」という新しい世界へ活動を移すと発表している。

METALVERSEという名の側から見ると、この2つは自分たちの公演ではない。公式サイトのニュース・アーカイブは末尾まで遡っても2023年7月7日より古い記事を持たず、結成日も、メンバーのお披露目も、どこにも書かれていない。第一報より前で日付の追える最古の一次資料は、2023年3月に開設された公式Xアカウントだけである。当サイトが結成年を「2023年」とだけ記し、それ以上細かく書かないのはこのためである。

3. 曲もなく、名前もないままのデビュー(2023年8月)

2023年7月7日、アミューズとMETALVERSE公式サイトが同時に第一報を出す。内容は2つ——8月20日(日)『SUMMER SONIC 2023』東京会場への出演と、8月24日(木)・25日(金)の初の単独イベント『METALVERSE#1 - UNBOXING』(Spotify O-EAST)である。

サマーソニックはMOUNTAIN STAGEのオープニング・アクトだった。楽曲は1曲もリリースされておらず、メンバーの名前も公表されていない。それでも約2万人が入る会場は朝いちばんの枠で埋まり、アミューズがフェス向けに配布している公式バイオグラフィは今もこの日を「初出現」であり「デビューステージ」と書いている。翌週のO-EAST2日間は両日ソールドアウト。会場のスケジュール・ページには、先行7,000円・オフィシャル8,000円のどちらもSOLD OUTと残っている。

同年12月8日には幕張メッセの『X-CON 2023 - X-Dimension』への出演も決まっていたが、フェス自体が主催者都合で全日程中止となり、この出演は実現していない。

4. 5人だった一夜と、14か月の沈黙(2024年〜2025年)

2024年2月10日・11日、豊洲PITで2度目のワンマン『METALVERSE #2 - THE END OF THE INNOCENCE』が行われた。ここでMETALVERSEは3人ではなく5人として立っている。ステージには5つのELEMENTの結晶が降り、3DCGのメンバーが結びついて6人目が生まれるという物語が展開された。セットリストは両日とも「Welcome to the METALVERSE」から始まり、「Crazy J」「Si Si」「Get Down」「Qn」「GIZA」「Endless World」「Naked Princess」「KIRA☆」と続いて「Crazy J」で終わる。この時点でも音源は1曲もなく、メンバーの名前も明かされていない。終演時、スクリーンに次回公演『METALVERSE #3 - GARDEN OF EDEN』の名だけが表示された。

この2日間の映像から、初のライヴ・ミュージック・ビデオが2本生まれる。「Crazy J」が2024年2月、「Naked Princess」が同年3月。公式チャンネルに置かれたこの2本が、その後2年以上にわたってMETALVERSEの唯一の「音源」であり続けた。

5月25日・26日にはBABYMETAL主催の『FOX_FEST』(さいたまスーパーアリーナ)に出演。BABYMETAL、ELECTRIC CALLBOY、POLYPHIA、Bilmuriと並ぶ5組の一角で、ゲスト・バンドに10代で結成されたインストゥルメンタル・メタル・トリオASTERISMを迎えた。2日間の動員は約3万人とされる。

そしてここから約14か月、METALVERSEの公演記録が途切れる。公式ニュースも2024年5月17日の物販告知を最後に、2025年6月27日まで新しい項目がない。5人がなぜ3人に戻ったのか、他の2人が誰だったのかを説明した資料は、一次・二次のどちらにも見あたらない。

活動が再開したのは2025年夏、それも自分たちの公演としてではなかった。『BABYMETAL WORLD TOUR 2025-2026 SUMMER TOUR IN JAPAN』のオープニング・アクトとして、8月13日・14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに名古屋・大阪を回る。同年10月にはアジア公演にも同行し、6日にゼップ・クアラルンプール、8日にマニラのアラネタ・コロシアムへ立った。これがMETALVERSEにとって初めての国外公演である。

5. VΛNDと書いて「バンド」と読ませる(2026年3月)

2026年3月6日、公式サイトが「METALVERSE VΛND PROJECT」——略してMVP——を発表する。公式の説明は明快で、「"VΛND"と書いて"バンド"と読ませる」とし、「これまでのメンバーに加えて、様々なバンドで活躍する新世代のアーティストが集結したドリームガールズバンドがステージに登場し、公演ごとにバンドメンバーも可変するスタイルになる」と書いている。キー・ヴィジュアルは鏡像になった2つの世界からなり、片方に3つの「V」、もう片方に反転した4つの「Λ」——3人のメンバーと4人のバンドという意味である。

お披露目は予告なしだった。3月30日、Zepp Hanedaの『BABYMETAL WORLD TOUR 2026 IN JAPAN』でオープニング・アクトとして「出現」し、そのままMVPとしてサプライズ・パフォーマンスを行っている。この日の編成はHAL-CA(g/ASTERISM)、Li-sa-X(g/KOIAI)、SERINA(b/TRiDENT)、NAGISA(dr/TRiDENT)の4人だった。

「公演ごとに可変」は文字どおり実行されている。5月9日はHAL-CA、Li-sa-X、ユニカインパクト(b/革命メロイック、KOIAI)、ふわわ(dr/革命メロイック)。8月2日の『Heavy Kawaii Fes 2026』ではKOIAIの楽器隊——Li-sa-X、Hazuki、ユニカインパクト、佐藤奏——がそのまま立ち、8月25日の『VERSE BY VERSE #1』は「VΛND from KOIAI」という名前で告知された。なお、ゲスト・バンドを迎える形自体はMVP以前からあり、2024年のFOX_FESTでのASTERISMがその先例にあたる。

6. 「GIZA」と、名前が明かされた夜(2026年5月)

2026年5月8日(金)0時、METALVERSEは初のオフィシャル音源となるデジタル・シングル「GIZA」を配信し、同時に初のスタジオ撮影によるミュージック・ビデオを公開した。アミューズの発表は、それまで公式からの音源リリースが一切なく、公式YouTubeチャンネルにライヴ・ミュージック・ビデオがあるだけだったことをはっきり書いている。ミュージック・ビデオのクレジットは2行だけで、Music Video Directorに大瀬良拓巳、Executive ProducerにKOBAMETAL(BABYMETAL WORLD)と記されている。「GIZA」の時点でMETALVERSEに関して公表されていた制作クレジットは、この2つだけだった。

翌5月9日(土)、渋谷Spotify O-EASTで3度目のワンマン『METALVERSE #3 - GARDEN OF EDEN』が開かれた。チケットは4月中旬の時点で完売しており、当日は限定生産CD「GIZA」(MVPR-1001、1,000円)を求める列が朝から会場の外にできている。2度目のワンマンから2年3か月ぶりの単独公演だった。

この夜、1曲目「Welcome to the METALVERSE」の最中に、スクリーンのELEMENTがメンバーの名前へと変わる。SAKIA、COCONA、MIKO——3年近く伏せられてきた名前が、はじめて公になった瞬間である。ライヴ・レポートはそろって、センターに立つMIKOがリード・ヴォーカルを務め、SAKIAとCOCONAが両サイドでシンメトリーのダンスを見せる形を伝えている(公式サイトが公表しているのは名前と立ち位置C/L/Rだけで、パートの記載はない)。アンコールでは未発表の新曲がサプライズで披露され、次回公演『METALVERSE #4 - RE:VERSE』の開催も発表された。

7. 2026年——フェス、対バン、映画、そして初の映像作品

「GIZA」以降のMETALVERSEは、それまでの寡黙さが嘘のように動いている。5月9日には無料の「METALVERSE OFFICIAL NEWSLETTER」が開設され、7月5日にはオリジナル・アニメーション映画『GROTESQQQUE-グロテスク-』のオープニング・テーマを新曲「Shoot Shoot Shoot」で担当することが発表された(錦織敦史監督、CloverWorks制作、11月6日公開)。この告知のスタッフ・クレジットが「オープニングテーマ「Shoot Shoot Shoot」METALVERSE(VERSE BY VERSE MUSIC)」と書かれており、レーベル名が一次資料で確認できる数少ない箇所になっている。

夏は3週続けてフェスに立った。8月2日、明治座で行われた『Heavy Kawaii Fes 2026』の最終日はKOIAIとの共同名義「-METALVERSE x KOIAI-」。8月9日は国営ひたち海浜公園の『LuckyFes'26』GARDEN STAGE。8月14日(大阪)と16日(東京)の『SUMMER SONIC 2026』では、BABYMETALがキュレートしたSONIC "METAL" STAGEに名を連ね、3年ぶりのサマーソニックとなった。8月17日には月額550円の有料会員サイト「METALVERSE MEMBERSHIP」が開設されている。

8月25日にはZepp Hanedaで初の対バン・イベント『VERSE BY VERSE #1』を開催。相手はKAWAII LAB.発のMORE STARで、両者が同じステージに立つのはこれが初めてだった。そして9月19日にはSpotify O-EASTで4度目のワンマン『METALVERSE #4 - RE:VERSE』を行い、11月6日の横浜アリーナ『バズリズム LIVE 2026』DAY1への出演も発表されている。同じ9月19日には、5度目のワンマン『METALVERSE #5 – HUMAN SHIFT』を2027年2月23日に渋谷O-EASTで開くことも発表された。

11月4日(水)発売の初のライヴ映像作品『GARDEN OF EDEN』も発表されている。収録は5月9日のO-EAST公演で、全11曲。発表の時点では11曲のうち10曲が音源としてリリースされておらず、アミューズはそこをこの作品の価値に挙げていた。

その後、9月18日にはデジタル・シングル「OMIKUJI」が配信され、翌19日の『METALVERSE #4 - RE:VERSE』の会場では限定CDが先行販売された。続くシングル「Shoot Shoot Shoot」は10月23日に配信が始まり、同じ日に、映画の一編『夜露死駆★少女』の映像を使ったコラボMVがアニプレックスの公式チャンネルで公開されている。CDは11月4日発売で、通常盤、7インチ紙ジャケットの初回限定盤、Tシャツ付きの完全生産限定盤の3形態。作詞はLEE LABとMIC、作曲はLEE LAB、編曲はtatsuoである。

8. メンバー

公式BIOGRAPHYページが公表しているのは、3人の名前と立ち位置を示す1文字だけである。パートも、読みも、生年も、他のグループとの関係も、一次資料には一切書かれていない。当サイトはその範囲を超えて書かない。

名前立ち位置公表時期
MIKOC(センター)2026年5月9日
SAKIAL(サイド)2026年5月9日
COCONAR(サイド)2026年5月9日

MIKOがリード・ヴォーカルを務めるという記述は、2026年5月9日公演のライヴ・レポート(Real Sound、YOUNG GUITAR)に拠るもので、公式のクレジットではない。日本語版ウィキペディアと一部の海外公演レビューは3人の本名を挙げているが、いずれも出典が示されておらず、当サイトは採らない。

9. 総括

METALVERSEは、2023年にBABYMETALの公演へ予告なく現れ、曲も名前もないまま約2万人の前でデビューし、3年近く匿名のまま活動してきたプロジェクトである。5人になった夜があり、14か月の沈黙があり、公演ごとにバンドが入れ替わるMVPという形があり、そのすべてが「カケラの数だけ物語がある」という最初の定義の内側にある。2026年5月、初のシングル「GIZA」と3度目のワンマンで名前が明かされ、この器はようやく音源とディスコグラフィを持ちはじめた。11月の『GARDEN OF EDEN』は、その最初の3年を記録した唯一の作品になる。