GUS G.
ギリシャのギタリスト、ガスG.(FIREWIND/元オジー・オズボーン・バンド)のバイオグラフィとディスコグラフィ。2014年の『I Am the Fire』から2026年の『Steel Burner』までのソロ・アルバム5枚と日本独自企画EP『Steel Burning Live』を、ライナーノーツ・収録曲・公式ビデオ・日本盤情報つきで作品ごとに掲載。
Biography
GUS G.
バイオグラフィー
概要
ガスG.(Gus G.)は、ギリシャ北部の港町テッサロニキ出身のギタリストである。1980年生まれ。パワー・メタル・バンドFIREWINDの創設者で、2009年から2017年まではオジー・オズボーンのバンドでギターを弾き、オジーの2010年のアルバム『Scream』にも参加した。
速弾きと叙情的なメロディを両立させるギタリストとして知られ、2000年代前半には複数のバンドを掛け持ちしたことで、日本では「世界一多忙なギタリスト」と呼ばれた。ソロ名義では2014年から5枚のスタジオ・アルバムを発表しており、歌ものとギター・インストゥルメンタルの両方を手がけている。2026年にはKING DIAMONDの新ギタリストとして加入が発表された。
日本との縁も深い。ソロ作の日本盤はすべてキングレコードから出ており、そのうち2作は日本盤が海外盤より先に発売された。2026年10月には、日本独自企画のEP『Steel Burning Live』を携えてFULL METAL JAPAN 2026に出演する。
当サイトには、ソロ名義のスタジオ・アルバム5作と、日本独自企画のEP 1作の計6作を登録している。FIREWINDをはじめ、彼が在籍したバンドの作品はそれぞれのバンドのページにある。
テッサロニキからボストンへ——FIREWINDの始まり
ギターに惹かれたきっかけは、父親のレコード棚にあったピーター・フランプトンのライヴ盤『Frampton Comes Alive!』だったと本人は振り返っている。教師を本業としながら週末には結婚式でギリシャ音楽を歌っていた父が最初に与えたのはクラシック・ギターで、エレクトリック・ギターを手にしたのは14歳のときだった。
18歳で奨学金を得てボストンのバークリー音楽大学に進んだが、授業にはなじめず数週間で退学し、ボストンではジョー・スタンプのレッスンを受けている。1998年には知人のシンガーとドラマーの助けを借りて10曲入りのデモ『Nocturnal Symphony』を録音し、この企画にFIREWINDという名前を付けた。バンド名はウリ・ロートのアルバムの題名から採ったもので、本人は2002年のインタビューで、以前から好きで力強い名前だと思ったと話している。
「世界一多忙なギタリスト」——2000年代前半
キングレコードの紹介によれば、彼は2001年にドイツのメロディック・スピード・メタル・バンドMYSTIC PROPHECYのメンバーとして表舞台に登場し、同時期にNIGHTRAGEとスウェーデンのDREAM EVILにも籍を置いた。この掛け持ちぶりが「世界一多忙なギタリスト」という呼び名を生んだ。のちに彼は、自らが率いるFIREWINDに専念するため、ほかのバンドをすべて離れている。
初来日もこの時期のことで、本人によれば2002年と2003年にDREAM EVILとして、2004年にはFIREWINDとして日本を訪れた。2005年夏には、クリストファー・アモットが抜けたARCH ENEMYのサポート・ギタリストとしてOZZFESTなどのツアーに参加し、キングレコードの紹介によれば、同年のアルバム『Doomsday Machine』にも参加している。
オジー・オズボーンのバンドで(2009〜2017年)
2009年の夏、オジーのマネジメントからメールでオーディションの誘いが届いた。本人は後に、誰かがYouTubeの自分の演奏動画をオジーに見せたのが始まりだったと聞かされたという。バンドでの初舞台は同年8月22日、アナハイム・コンベンション・センターで開かれたBlizzCon '09の閉幕イベントで、ドラムのトミー・クルフェトスもこの日が初参加だった。
翌2010年のアルバム『Scream』は、オジーの自宅の地下スタジオで、プロデューサーのケヴィン・チャーコとともに仕上げられた。すでに録音されていた曲にギターを重ね、ソロで自分の色を出すのが彼の役目だったと本人は語っている。収録曲「Let Me Hear You Scream」は第53回グラミー賞の最優秀ハードロック・パフォーマンス部門にノミネートされ、同年10月にはオジーの来日公演で東京国際フォーラムのステージにも立った。2015年11月のOZZFEST JAPAN 2015でも、オジーのバンドの一員として幕張メッセに出演している。
2017年4月、ザック・ワイルドのオジーのバンドへの復帰が発表され、8年間の在籍は終わった。本人によれば、シャロン・オズボーンがネットで知る前にと時差をおしてギリシャの自宅に電話をくれたといい、翌2018年には、先の予定が見えない待機の年月が続いていたため正直少しほっとした面もあったと明かしている。
ソロ・アルバム(2014〜2026年)
最初のソロ・アルバム『I Am the Fire』は2014年3月にCentury Media Recordsから出た。全曲を本人が書き、曲ごとに異なるゲストを迎えた作品で、マッツ・レヴィン、ジェフ・スコット・ソート、STEEL PANTHERのマイケル・スターらが歌い、デイヴィッド・エレフソンとビリー・シーンがインスト曲でベースを弾いた。ゲストの多くはミックスを担当したジェイ・ラストンのつてで集まったという。翌2015年の『Brand New Revolution』も同じ形をとり、Elize Rydが歌う「What Lies Below」は、デモで歌ったヘザー・セント・マリーのヴァージョンが日本盤にだけ収められた。
2017年11月にAFM Recordsとソロの世界契約を結ぶと、デニス・ワード(ヴォーカル、ベース)とのトリオで北米を回り、2018年の『Fearless』はワードとEVANESCENCEのウィル・ハントを迎えたトリオ編成で録音された。オジーのバンドを離れて最初の作品である。
2021年の『Quantum Leap』は、ソロ作として初めて全曲をギター・インストゥルメンタルで構成したアルバムで、日本盤は海外より2日早い10月6日に発売された。2枚目には2018年のブダペスト公演のライヴ7曲が収められている。そして2026年の『Steel Burner』は、インスト曲とゲスト・シンガーの歌う曲を1枚に並べた5作目で、表題曲はもともと金属を成形する産業機械のメーカーから依頼を受けて書いた曲だった。
ロニー・ロメロとの連名、そしてKING DIAMONDへ(2024〜2026年)
2024年、ルーマニアに住むロニー・ロメロからアコースティック公演の誘いを受けたことで、2人の共演が始まった。10年来の知り合いだった2人はルーマニアとギリシャでライヴを重ね、2025年にはヨーロッパのフェスへの出演と「Convergence」と題したヨーロッパ・ツアーへと広がった。ツアーのために2人で書いた「My Premonition」は2025年6月にシングルとして出され、『Steel Burner』にも収められている。
2026年7月24日、KING DIAMONDは40年にわたってバンドを支えたアンディ・ラ・ロックとの別れと、ガスG.の加入を同時に発表した。今後の作曲、レコーディング、ツアーに加わる一方で、FIREWINDやソロの活動もこれまでどおり続けるとされている。
日本との関わり
ソロ名義での初の来日公演は2017年3月22日の渋谷クラブクアトロと翌23日の梅田クラブクアトロで、AMARANTHEのElize Rydがスペシャル・ゲストとして同行した。2024年5月にはFIREWINDとして13年ぶりに来日し、東京と大阪で公演を行っている。2026年には、日本のギタリストSAKIのメジャー・デビュー作『PLUVIA』で「Flores a Flores」のギター・ソロを弾き、逆に日本独自企画のEP『Steel Burning Live』ではSAKIがIRON MAIDENのカヴァーでギター・ソロを弾いている。
そして2026年10月24日、ぴあアリーナMMで開かれるFULL METAL JAPAN 2026の初日に「Gus G. & Ronnie Romero」として出演する。主催者の発表によれば、オジー・オズボーンやBLACK SABBATHの曲に加え、ロニー・ロメロがRAINBOWやDIOの曲を歌い、2人のソロ曲も演奏する予定である。
楽器と評価
ギターは12年間ESPと契約し、最初のシグネチャー・モデルもESPで作られたが、2016年6月にジャクソンへ移った。2021年1月には自分のピックアップ・ブランドBlackfire Pickupsを立ち上げ、それまでジャクソンのシグネチャー・モデルにしか載っていなかった「Proteus」「Immortal」を単体で発売している。2011年にはメタル・ハマー誌のゴールデン・ゴッズ・アワードでDimebag Darrell Shredder賞を、2017年にはドイツ版メタル・ハマー誌のアワードで「Riffgott(God of Riffs)」部門を受賞した。
ディスコグラフィ(当サイト登録分)
| 年 | タイトル | 種別 |
|---|---|---|
| 2026 | Steel Burning Live | EP(日本独自企画) |
| 2026 | Steel Burner | スタジオ・アルバム |
| 2021 | Quantum Leap | スタジオ・アルバム(2枚組) |
| 2018 | Fearless | スタジオ・アルバム |
| 2015 | Brand New Revolution | スタジオ・アルバム |
| 2014 | I Am the Fire | スタジオ・アルバム |
当サイトが登録しているのは、キングレコードが日本でCDとして発売したソロ作品——スタジオ・アルバム5作と日本独自企画のEP——である。配信のみで出たシングル(ヴィニー・ムーアとの共演で、のちに『Quantum Leap』に収められた2018年の「Force Majeure」など)と、2018年のブダペスト公演から4曲を収めた2019年の配信EP『Live in Budapest, Pt. 1』は登録していない。2014年秋に海外で出た『I Am the Fire (Expanded Edition)』と、2021年12月のキングレコードの廉価再発盤3作も、元の作品と同じものとして別には扱っていない。FIREWIND、MYSTIC PROPHECY、DREAM EVIL、ARCH ENEMY、オジー・オズボーンでの作品はそれぞれのアーティスト・ページを参照してほしい。
出典について
この記事は、ガスG.の公式サイト gusgofficial.com の紹介文、公式YouTubeチャンネル(@firetv)の各動画の概要欄、キングレコードのアーティスト・ページと各日本盤の商品ページ、同社のハードロック/ヘヴィメタル・サイト「王様ロック」のニュース、タワーレコード・オンラインの商品ページ、FULL METAL JAPAN 2026の公式サイト、Blabbermouth.net の各記事(2005年8月14日、2009年8月21日、2010年6月26日、2016年6月22日、2017年11月22日、2018年4月25日、2021年1月8日、2026年5月19日、2026年7月24日)、Guitar World の記事(2011年6月14日、2025年9月4日)、ドイツ版メタル・ハマー公式サイトの2017年の受賞者一覧、激ロックのインタビュー(2014年3月、2015年8月)、Jackson Guitars Japan の2022年のインタビュー、Guitar Interactive 誌の2014年のプロフィール、Leviathan Records が掲載した2002年のインタビュー、MusicBrainz がアーティスト 722a5515-d564-4215-b4e3-08abad8869f0 について持つリリース・データ、そして iTunes Store の日本と米国のカタログを読んで書いた。発売日・品番・価格・曲目は日本盤についてはキングレコードの商品ページから、国際盤については MusicBrainz と iTunes Store から採っている。動画はすべて投稿チャンネルを確認しており、ファンによる再アップロードは含めていない。
Trivia
2000年代の初め、彼はドイツのMYSTIC PROPHECYで2001年にアルバム・デビューを果たしながら、NIGHTRAGEとDREAM EVILにも同時に籍を置いていた。日本での発売元キングレコードの紹介文によれば、この掛け持ちぶりから当時は「世界一多忙なギタリスト」として話題になったという。初来日もこの時期で、本人によれば2002年にDREAM EVILとして日本を訪れ、2003年にも同じバンドで、2004年にはFIREWINDとして再訪している。
2026年、ガスG.と日本のギタリストSAKIは互いの作品でギターを弾き合った。6月24日に出たSAKIのメジャー・デビュー作『PLUVIA』では、8曲目「Flores a Flores」のギター・ソロをガスG.が弾いている。一方、秋の来日に合わせて10月7日に日本独自企画として出るガスG.のEP『Steel Burning Live』には、SAKIがギター・ソロで加わったIRON MAIDEN「Murders in the Rue Morgue」のカヴァーが入る。同作にはロニー・ロメロが歌うBLACK SABBATH「The Mob Rules」のカヴァーと、2026年のRock Hard Festivalでのライヴ音源も収められる予定だ。
ソロ名義での初来日公演は2017年3月22日の渋谷クラブクアトロと23日の梅田クラブクアトロで、AMARANTHEのエリーゼ・リードがスペシャル・ゲストとして同行した。ヴォーカルは当時FIREWINDのシンガーだったヘニング・バッセが務め、ソロ曲に加えてFIREWINDやDREAM EVILの曲も演奏された。エリーゼの出番は3曲の予定だったが、東京公演では締めくくりのオジー・オズボーンのカヴァー「Crazy Train」にも加わっている。
『Brand New Revolution』収録の「What Lies Below」は、ロサンゼルスの友人でプロデューサー兼ソングライターのMat Dauzatとの共作で、デモで歌ったのはその妻ヘザー・セント・マリーだった。ただ本人は最初からAMARANTHEのエリーゼ・リードの声を思い描いていて、アルバムにはエリーゼの歌うバージョンが入った。仕上がりのまったく違う二つがどちらも気に入ったため、ヘザーのバージョンは日本盤のボーナス・トラックに回された。面識のなかったエリーゼとは、AMARANTHEと彼の両方のビデオを撮っていた監督パトリック・ウラエウスを通じてつながったという。
18歳で奨学金を得てボストンのバークリー音楽大学に進んだが、授業にはなじめず数週間で退学している。ボストンではジョー・スタンプのレッスンを受けており、1998年、ヴォーカルのブランドン・ペンダーとドラムのマット・スカーフィールドの力を借りて10曲を録音した。この企画に付けた名前がFIREWINDで、作品は『Nocturnal Symphony』と題された。本人は2002年に、レーベルへの売り込みは実を結ばず、音楽的な方向がばらばらな作品だったと振り返っている。
FIREWINDというバンド名は、ウリ・ロートのアルバムの題名から採られている。2002年のインタビューで彼は、前から好きだった言葉で、力強い名前だと思ったと説明した。同じインタビューで本名ではなく「Gus G.」を名乗る理由を尋ねられると、理由は明かさず、秘密だとだけ答えている。
3作目の『Fearless』はトリオで録音された作品で、歌とベースはデニス・ワード、ドラムはEVANESCENCEのウィル・ハントが担当している。2017年11月にAFM Recordsとソロの世界契約を結んだ際、彼は同月末からのヴィニー・ムーアとの北米ツアーで、ワードとドラマーのリッチー・モニカを従えたパワー・トリオを初めて披露すると発表していた。アルバムは2018年4月20日に発売され、オジーのバンドを離れてから最初のリリースになった。
4作目の『Quantum Leap』は、彼のソロ作で初めて全曲をギター・インストゥルメンタルで固めたアルバムである。2014年には、インストだけのアルバムを自分で作れば退屈なものになると話し、2015年にも、そうした作品を作るなら10年はかかりそうだと語っていたが、2020年のロックダウンで誰とも会えなくなったことが制作の引き金になった。題名の「大きな飛躍」は、ギターそのものに歌わせるという、彼にとっての一歩を指している。日本盤は海外より2日早い2021年10月6日に2枚組で出され、2枚目には2018年にブダペストで収録したライヴが収められた。
News
FIREWIND、ギリシャ神話を題材にした新作『Gods, Myths & Titans』を2027年2月19日に発売 第1弾「The Legend Of Achilles」のリリック・ビデオを公開
Frontiers Label Groupのヘヴィ・メタル部門BLKIIBLKからの第1作。Gus G.によれば、2年がかりで制作したギリシャ神話のコンセプト・アルバムで、クラシックなメタル・サウンドにシネマティックなオーケストラの要素を加えた。アートワークはFelipe Machadoが全曲ぶん描き下ろした。
MVを再生KING DIAMOND加入のGus G.、「新しい音楽を作るのが楽しみ」とコメント
Andy La Rocqueの後任として加入したギタリストが、映像メッセージで「大変な名誉」と語った。
KING DIAMOND、Andy La Rocqueが脱退 — 後任はGus G.
1985年から40年以上在籍した盟友ギタリストが離脱。後任は元OZZY OSBOURNE/FIREWINDのGus G.。
Albums
キングレコードから2026年10月7日に発売される日本独自企画のEP(KICP-4123)。FULL METAL JAPAN 2026への出演に合わせた来日記念盤で、ドイツのRock Hard Festival 2026で録られたライヴ4曲に、ロニー・ロメロが歌うBLACK SABBATHのカヴァー「The Mob Rules」と、SAKIがギター・ソロを弾くIRON MAIDENのカヴァー「Murders in the rue morgue」を加えた全6曲。
ガスG.の5作目のソロ・アルバムで、前作『Quantum Leap』から約5年ぶり。全曲の作曲とプロデュースを本人が手がけ、ギター・インストゥルメンタルと、ドロ・ペッシュ、マット・バーロウ、ロニー・ロメロ、ディーノ・ジェラシックが歌う曲が並ぶ。日本盤(KICP-4117)は「Dancing With Death」のラジオ・エディットを加えた全11曲。
ガスG.の4作目のソロ・アルバムで、初めて全曲をギター・インストゥルメンタルで通した作品。日本盤はキングレコードから海外盤より2日早い2021年10月6日に発売された。CD2枚組で、2枚目には2018年のハンガリー・ブダペスト公演のライヴ7曲を収める。
ガスG.の3作目のソロ・アルバム。デニス・ワード(ヴォーカル、ベース、キーボード)とウィル・ハント(ドラム)とのトリオで録音され、プロデュースはデニス・ワードとガスG.の連名。マーク・ノップラー作の「Money for Nothing」のカヴァーを含む。日本盤(KICP-1908)はライヴ2曲などを加えた全15曲。
ガスG.の2作目のソロ・アルバム。全曲を本人が書き下ろし、Elize Ryd、マッツ・レヴィン、ジェフ・スコット・ソートらがヴォーカルで参加している。日本盤はキングレコードから2015年7月22日に発売され、「What Lies Below」をヘザー・セント・マリーが歌うヴァージョンをボーナス・トラックとして加えた全13曲。
ガスG.の初のソロ・アルバム。全曲を本人が書き、マッツ・レヴィン、ジェフ・スコット・ソート、マイケル・スター、トム・S・エングルンドらのシンガーと、ビリー・シーンやデイヴィッド・エレフソンらのプレイヤーが曲ごとに参加した。日本盤(KICP-1683)はインスト曲「Without You」を加えた全13曲。