DREAM EVIL
スウェーデンのヨーテボリ (Gothenburg)は、1990年代においてメロディック・デスメタル (Melodic Death Metal) の聖地として世界的な名声を確立した。
Biography
ドリーム・イーヴル (DREAM EVIL)
バイオグラフィ、ディスコグラフィ
1. 現代ヘヴィメタルにおけるドリーム・イーヴルの位置づけ
スウェーデンのヨーテボリ (Gothenburg)は、1990年代においてメロディック・デスメタル (Melodic Death Metal) の聖地として世界的な名声を確立した。この「ヨーテボリ・サウンド (Gothenburg Sound)」の形成において、プロデューサーとして中心的な役割を果たした人物こそが、フレドリック・ノルドストローム (Fredrik Nordström)である。しかし、彼が1999年に始動させたプロジェクト ドリーム・イーヴル (DREAM EVIL)は、彼がプロデューサーとして築き上げたエクストリームなサウンドとは対極にある、1980年代の伝統的な正統派ヘヴィメタル (Traditional Heavy Metal) への回帰と礼賛を目的としていた。
2. バンド・バイオグラフィ (Biography)
2.1 起源と結成: プロデューサーの野心と運命的な出会い (1999-2001)
ドリーム・イーヴルの構想は、フレドリック・ノルドストロームが長年抱いていた「自分自身のヘヴィメタル・バンドを持ちたい」という野心に端を発する。彼は At The Gates、In Flames、Arch Enemy といったバンドの名盤をスタジオ・フレッドマン (Studio Fredman) で次々と生み出していたが、彼自身の音楽的ルーツは Judas Priest や Acceptといった80年代のクラシック・メタルにあった。
1999年、ギリシャの島々での休暇中、ノルドストロームは当時まだ無名に近かった若き天才ギタリスト、コスタス・カラミトルーディス (Kostas Karamitroudis)、すなわち後のガス・G (Gus G)と出会う。10歳以上の年齢差があったものの、二人は音楽的な理想において即座に共鳴した。ガス・Gはすでに活動の拠点をヨーテボリに移す計画を持っており、到着後すぐにスタジオ・フレッドマンにて楽曲制作が開始された。
バンドのラインナップを固めるにあたり、彼らはスウェーデンの熟練ミュージシャンを勧誘した。
- ドラムス (Drums): 最初に声を掛けられたのは、King Diamond や Mercyful Fate での活動で知られるスノーウィー・ショウ (Snowy Shaw) であった。当初彼は正式加入を拒否し、セッション・ドラマーとしての参加に留まったが、デビュー・アルバムの制作過程でバンドのポテンシャルを確信し、後に中心メンバーとなる。
- ボーカル (Vocals): ノルドストロームがプロデュースしていた HammerFall のバッキング・ボーカルを務めていたニクラス・イスフェルト (Niklas Isfeldt) が抜擢された。彼のハイトーンで力強い歌声は、バンドが目指すパワー・メタルのスタイルに合致していた。
- ベース (Bass): イスフェルトの推薦により、彼の旧友であり Pure-Xでのバンドメイトであったペーテル・ストールフォシュ (Peter Stålfors) が加入した。
バンド名は、ロニー・ジェイムス・ディオ (Ronnie James Dio) 率いる Dio の1987年のアルバム 『DREAM EVIL』 に由来したものであり、彼らの音楽的方向性を明確に示唆していた。
2.2 デビューと初期の成功: 『Dragonslayer』 (2002)
2002年、デビュー・アルバム『Dragonslayer (ドラゴンスレイヤー)』がセンチュリー・メディア (Century Media) からリリースされた。このアルバムは、ノルドストロームの手腕による洗練されたプロダクションと、ガス・Gのテクニカルなギタープレイ、 Lester そして「ドラゴン」「王」「予言」といったファンタジー要素を恐れずに取り入れた歌詞世界が融合し、欧州および日本のパワー・メタル・シーンで即座に受け入れられた。
特に楽曲「The Chosen Ones」は、そのキャッチーなコーラスとアンセム的な構成により、バンドの代表曲としての地位を確立した。日本ではキングレコード (King Records) からリリースされ、輸入盤市場のみならず国内盤市場でも好セールスを記録した。
2.3 『Evilized』 と初の日本ツアー (2003)
デビュー作の成功を受け、バンドは休む間もなく次作の制作に着手した。2003年にリリースされた『Evilized (イーヴライズド)』は、わずか3週間という短期間でレコーディングされた。前作のファンタジー色を維持しつつも、よりストレートなヘヴィメタル色が強まり、「Children of the Night」のようなライブ映えする楽曲が多く収録された。
初の日本公演 (Japan Tour 2003): 2003年6月、ドリーム・イーヴルは初の日本ツアーを敢行した。これはバンドにとって、アジア市場における人気の高さを肌で感じる重要な機会となった。
- 2003年6月10日: 大阪・バナナホール (Banana Hall, Osaka)
- 2003年6月11日-13日: 東京・リキッドルーム (Liquidroom, Tokyo)
セットリストには 「Chasing the Dragon」、「The Chosen Ones」 といった代表曲に加え、各メンバーのソロパートも組み込まれ、日本の観客の熱狂的な反応はバンドメンバーに深い感銘を与えた。
2.4 転換点:『The Book of Heavy Metal』 とガス・Gの脱退 (2004-2005)
2004年、バンドはサード・アルバム 『The Book of Heavy Metal (ザ・ブック・オブ・ヘヴィ・メタル)』をリリースした。タイトルトラック 「The Book of Heavy Metal (March of the Metallians)」は、スノーウィー・ショウによって作詞作曲され、「No sleek and clean, no ocean breeze... I just need my Flying V and a Marshall stack (洗練されたものも、海風もいらない・・・必要なのはフライングVとマーシャルのアンプだけだ)」 という歌詞に象徴されるように、ヘヴィメタルというジャンルそのものへの自己言及的な賛歌となった。
しかし、この時期はバンドにとって大きな転換期でもあった。バンドの若きスターであったガス・G (Gus G)が、自身のバンド ファイアーウインド (Firewind) に専念するため、後にオジー・オズボーン (Ozzy Osbourne) のギタリストとして抜擢されるキャリアのステップアップの中で、ドリーム・イーヴルを脱退することとなった。
2005年2月には、メタリウム (Metalium) をサポート・アクトに迎え、2度目の日本ツアーが行われた。
- 2005年2月10日: 大阪・クラブクアトロ (Club Quattro, Osaka)
- 2005年2月12日-13日: 東京・渋谷クラブクアトロ (Shibuya Club Quattro, Tokyo)
2.5 新体制と『United』 (2006)
ガス・Gの脱退後、バンドは新たなギタリストとしてマルクス・フリステッド (Markus Fristedt)、ステージ名 マーク・ブラック (Mark Black)を迎えた。また、中心メンバーの一人であったスノーウィー・ショウも脱退し、後任ドラマーとしてパトリック・ヤークステン (Patrik Jerksten)、ステージ名パット・パワー (Pat Power) が加入した。
新体制で制作された2006年のアルバム 『United (ユナイテッド)』は、メンバー交代の逆境を跳ね返すかのような結束力をテーマに掲げた。「Fire! Battle! In Metal!」などの楽曲は、依然としてノルドストロームのソングライティング能力が健在であることを証明した。
2.6 ステージネームの確立と 『In the Night』 (2010)
2010年のアルバム『In the Night (イン・ザ・ナイト)』のリリースに伴い、バンドはメンバー全員にコミック・ヒーローのようなステージネームを正式に採用し、エンターテインメント性を強化した。
- フレドリック・ノルドストローム → リッチー・レインボー (Ritchie Rainbow)
- ニクラス・イスフェルト → ニック・ナイト (Nick Night)
- ペーテル・ストールフォシュ → ピート・ペイン (Pete Pain)
- ダニエル・ヴァーグハムネ (Daniel Varghamne) → ダニー・デーモン (Dannee Demon) (新加入ギタリスト)
この時期、バンドは「Gothenburg Sound」の重鎮たちによる「お楽しみプロジェクト」から、確固たるキャラクターを持つエンターテインメント集団へと進化していた。
2.7 長期の沈黙と復活: 『Six』 (2017) から 『Metal Gods』 (2024)
『In the Night』以降、バンドは長い活動休止期間に入った。ノルドストロームのスタジオ業務の多忙さやメンバーの私生活の変化が理由であったが、解散することはなかった。2017年、7年ぶりの沈黙を破り、アルバム 『Six (シックス)』をリリース。マーク・ブラックがリードギタリストとして復帰した。
さらに7年の歳月を経て、2024年7月には通算7作目となる『Metal Gods (メタル・ゴッズ)』をリリース。このアルバムでは、長年ドラムを務めたパット・パワーに代わり、ソーレン・ファルドヴィク (Sören Fardvik)、ステージ名サー・N (Sir N) が加入している。タイトルトラックはジューダス・プリースト (Judas Priest) への敬意を表しており、結成から25年が経過してもなお、DREAM EVILの「ヘヴィメタルへの純粋な愛」が変わっていないことを示した。
3. メンバー詳細プロフィール (Member Profiles)
ドリーム・イーヴルのメンバーは、本名とステージネームを使い分けており、特に日本盤のライナーノーツ等ではカタカナ表記が重要となる。以下に歴代および現メンバーの詳細をまとめる。
3.1 現メンバー (Current Members)
| ステージ名 (Stage Name) | カタカナ表記 | 本名 (Real Name) | カタカナ表記 | 担当 (Role) | 在籍期間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Ritchie Rainbow | リッチー・レインボー | Fredrik Nordström | フレドリック・ノルドストローム | Rhythm Guitar, Keyboards | 1999-現在 | バンドの創設者。Studio Fredmanのオーナーであり、伝説的プロデューサー。 |
| Nick Night | ニック・ナイト | Niklas Isfeldt | ニクラス・イスフェルト | Vocals | 1999-現在 | 結成時からのボーカリスト。HammerFallのバックコーラス経験あり。 |
| Pete Pain | ピート・ペイン | Peter Stålfors | ペーテル・ストールフォシュ | Bass | 1999-現在 | イスフェルトの旧友。 |
| Mark Black | マーク・ブラック | Markus Fristedt | マルクス・フリステッド | Lead Guitar | 2004-2007, 2013-現在 | ガス・Gの後任として加入し、一度脱退後に復帰。 |
| Sir N | サー・N | Sören Fardvik | ソーレン・ファルドヴィク | Drums | 2019-現在 | 『Metal Gods』より参加。 |
3.2 旧メンバー (Former Members)
| ステージ名/通称 | カタカナ表記 | 本名 (Real Name) | カタカナ表記 | 担当 (Role) | 在籍期間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Gus G | ガス・G | Kostas Karamitroudis | コスタス・カラミトルーディス | Lead Guitar | 1999-2004 | ギリシャ出身。後にOzzy Osbourne、Firewindで活躍。初期サウンドの核。 |
| Snowy Shaw | スノーウィー・ショウ | Tommie Helgesson | トミ・ヘルゲソン | Drums | 2002-2006 | King Diamond等で著名。ビジュアルや作詞作曲面で多大な貢献。 |
| Pat Power | パット・パワー | Patrik Jerksten | パトリック・ヤークステン | Drums | 2006-2019 | 長期にわたりリズム隊を支えた。 |
| Dannee Demon | ダニー・デーモン | Daniel Varghamne | ダニエル・ヴァーグハムネ | Lead Guitar | 2007-2013 | 『In the Night』に参加。 |
| Tommy Larsson | トミー・ラーション | Tommy Larsson | トミー・ラーション | Bass (Live) | 2005 | 一時的なライブサポート。 |
4. ディスコグラフィ (Discography)
ドリーム・イーヴルのディスコグラフィにおいて、日本盤 (Japanese Edition) は特別な意味を持つ。ほぼ全てのアルバムにおいて、海外盤には収録されていない貴重なボーナストラックが追加されており、コレクターズアイテムとしての価値が高い。以下に各アルバムの詳細を記述する。
4.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)
1. Dragonslayer (ドラゴンスレイヤー)
- 発売年: 2002年 (日本盤: 2002年6月20日)
- レーベル: Century Media / King Records (日本)
- 規格品番(例): KICP-873
- 概要: デビュー作にして、メロディック・パワー・メタルの金字塔的作品。
| Track No. | 曲名 (English) | 曲名 (Katakana/Japanese) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | Chasing the Dragon | チェイシング・ザ・ドラゴン | |
| 2 | Save Us | セイヴ・アス | |
| 3 | Dragonheart | ドラゴンハート | |
| 4 | Losing You | ルージング・ユー | |
| 5 | Hail to the King | ヘイル・トゥ・ザ・キング | |
| 6 | Heavy Metal in the Night | ヘヴィ・メタル・イン・ザ・ナイト | |
| 7 | The Prophecy | ザ・プロフェシー | |
| 8 | H.M.J. (Heavy Metal Jesus) | H.M.J. | |
| 9 | In Flames You Burn | イン・フレイムス・ユー・バーン | |
| 10 | Kingdom of the Damned | キングダム・オブ・ザ・ダムド | |
| 11 | The 7th Day | ザ・セヴンス・デイ | |
| 12 | The Chosen Ones | ザ・チョーズン・ワンズ | バンド最大のヒット曲の一つ |
| 13 | Losing You (Instrumental Version) | ルージング・ユー (インストゥルメンタル) | 日本盤ボーナス・トラック |
| 14 | Outro | アウトロ | 日本盤ボーナス・トラック |
2. Evilized (イーヴライズド)
- 発売年: 2003年 (日本盤: 2003年3月26日)
- レーベル: Century Media / King Records (日本)
- 規格品番: KICP-923
- 概要: よりダークでヘヴィな側面を強調した2作目。
| Track No. | 曲名 (English) | 曲名 (Katakana/Japanese) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | Break the Chains | ブレイク・ザ・チェインズ | |
| 2 | By My Side | バイ・マイ・サイド | |
| 3 | Fight You 'Till the End | ファイト・ユー・ティル・ジ・エンド | |
| 4 | Evilized | イーヴライズド | |
| 5 | Invisible | インヴィジブル | |
| 6 | Bad Dreams | バッド・ドリームス | |
| 7 | Forevermore | フォーエヴァーモア | |
| 8 | Children of the Night | チルドレン・オブ・ザ・ナイト | ライブの定番曲 |
| 9 | Live a Lie | リヴ・ア・ライ | |
| 10 | Fear the Night | フィア・ザ・ナイト | |
| 11 | Made of Metal | メイド・オブ・メタル | |
| 12 | The End | ジ・エンド | |
| 13 | Let's Make Rock | レッツ・メイク・ロック | 日本盤ボーナス・トラック |
| 14 | Betrayed | ビトレイヤド | 日本盤ボーナス・トラック |
3. The Book of Heavy Metal (ザ・ブック・オブ・ヘヴィ・メタル)
- 発売年: 2004年 (日本盤: 2004年6月23日)
- レーベル: Century Media / King Records (日本)
- 規格品番: KICP-996
- 概要: ガス・G在籍最後のアルバム。メタルへの忠誠を誓うコンセプト・アルバム的側面を持つ。日本盤は曲順が異なり、ボーナストラックが冒頭に含まれる場合がある。
| Track No. | 曲名 (English) | 曲名 (Katakana/Japanese) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 (JP) | The Enemy | ジ・エネミー | 日本盤ボーナス・トラック |
| 2 | The Book of Heavy Metal (March of the Metallians) | ザ・ブック・オブ・ヘヴィ・メタル | メタルの聖典的楽曲 |
| 3 | Into the Moonlight | イントゥ・ザ・ムーンライト | |
| 4 (JP) | Chapter 6 | チャプター・シックス | 日本盤ボーナス・トラック |
| 5 | The Sledge | ザ・スレッジ | |
| 6 | No Way | ノー・ウェイ | |
| 7 | Crusaders' Anthem | クルセイダーズ・アンセム | |
| 8 | Let's Make Rock | レッツ・メイク・ロック | (一部の海外盤では標準収録) |
| 9 | Tired | タイアード | |
| 10 | Chosen Twice | チョーズン・トゥワイス | |
| 11 | M.O.M. (Man or Mouse) | M.O.M. | |
| 12 | The Mirror | ザ・ミラー | |
| 13 | Only for the Night | オンリー・フォー・ザ・ナイト | |
| 14 | Unbreakable Chain | アンブレイカブル・チェイン |
4. United (ユナイテッド)
- 発売年: 2006年 (日本盤: 2006年11月22日)
- レーベル: Century Media / King Records (日本)
- 規格品番: KICP-1208
- 概要: 新メンバーを迎えての再出発作。日本盤はボーナストラックが非常に充実している。
| Track No. | 曲名 (English) | 曲名 (Katakana/Japanese) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | Introduction | イントロダクション | 日本盤ボーナス・トラック |
| 2 | Fire! Battle! In Metal! | ファイア! バトル! イン・メタル! | |
| 3 | United | ユナイテッド | |
| 4 | Blind Evil | ブラインド・イーヴル | |
| 5 | Evilution | イーヴリューション | |
| 6 | Let Me Out | レット・ミー・アウト | |
| 7 | Higher on Fire | ハイヤー・オン・ファイア | |
| 8 | Kingdom at War | キングダム・アット・ウォー | |
| 9 | Love Is Blind | ラヴ・イズ・ブラインド | |
| 10 | Falling | フォーリング | |
| 11 | Back from the Dead | バック・フロム・ザ・デッド | |
| 12 | Pain Patrol | ペイン・パトロール | 日本盤ボーナス・トラック |
| 13 | Lady of Pleasure | レディ・オブ・プレジャー | 日本盤ボーナス・トラック |
| 14 | Doomlord | ドゥームロード | |
| 15 | My Number One | マイ・ナンバー・ワン | Elena Paparizouのカバー |
5. In the Night (イン・ザ・ナイト)
- 発売年: 2010年 (日本盤: 2010年1月27日)
- レーベル: Century Media / King Records (日本)
- 規格品番: KICP-1460
- 概要: スピードとアグレッションを取り戻した快作。日本盤には4曲ものボーナストラックが追加された。
| Track No. | 曲名 (English) | 曲名 (Katakana/Japanese) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | Immortal | イモータル | |
| 2 | In the Night | イン・ザ・ナイト | |
| 3 | Bang Your Head | バング・ユア・ヘッド | |
| 4 | See the Light | シー・ザ・ライト | |
| 5 | Electric | エレクトリック | |
| 6 | Frostbite | フロストバイト | |
| 7 | On the Wind | オン・ザ・ウインド | |
| 8 | The Ballad | ザ・バラード | |
| 9 | In the Fires of the Sun | イン・ザ・ファイアーズ・オブ・ザ・サン | |
| 10 | Mean Machine | ミーン・マシーン | |
| 11 | Kill, Burn, Be Evil | キル、バーン、ビー・イーヴル | |
| 12 | The Unchosen One | ジ・アンチョーズン・ワン | |
| 13 | Good Nightmare | グッド・ナイトメア | 日本盤ボーナス・トラック |
| 14 | The Return | ザ・リターン | 日本盤ボーナス・トラック |
| 15 | Save Yourself | セイヴ・ユアセルフ | 日本盤ボーナス・トラック |
| 16 | Black Hole | ブラック・ホール | 日本盤ボーナス・トラック |
6. Six (シックス)
- 発売年: 2017年 (日本盤: 2017年5月26日)
- レーベル: Century Media / King Records (日本)
- 概要: 7年ぶりの復帰作。タイトルは6枚目のアルバムであることを端的に示している。
| Track No. | 曲名 (English) | 曲名 (Katakana/Japanese) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | DREAM EVIL | ドリーム・イーヴル | |
| 2 | Antidote | アンチドート | |
| 3 | Sin City | シン・シティ | |
| 4 | Creature of the Night | クリーチャー・オブ・ザ・ナイト | |
| 5 | Hellride | ヘルライド | |
| 6 | Six Hundred and 66 | シックス・ハンドレッド・アンド・66 | |
| 7 | How to Start a War | ハウ・トゥ・スタート・ア・ウォー | |
| 8 | The Murdered Mind | ザ・マーダード・マインド | |
| 9 | Too Loud | トゥー・ラウド | |
| 10 | 44 Riders | 44・ライダーズ | |
| 11 | Broken Wings | ブロークン・ウィングス | |
| 12 | We Are Forever | ウィ・アー・フォーエヴァー | |
| 13 | Under Attack | アンダー・アタック | 日本盤ボーナス・トラック |
| 14 | Nowhere to Run | ノーホエア・トゥ・ラン | 日本盤ボーナス・トラック |
| 15 | Conquer the Power | コンカー・ザ・パワー | 日本盤ボーナス・トラック |
| 16 | Crush It | クラッシュ・イット | 日本盤ボーナス・トラック |
7. Metal Gods (メタル・ゴッズ)
- 発売年: 2024年 (日本盤: 2024年7月26日)
- レーベル: Century Media
- 概要: さらに7年の沈黙を破った最新作。
| Track No. | 曲名 (English) | 曲名 (Katakana/Japanese) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | Metal Gods | メタル・ゴッズ | |
| 2 | Chosen Force | チョーズン・フォース | |
| 3 | The Tyrant Dies at Dawn | ザ・タイラント・ダイズ・アット・ドーン | |
| 4 | Lightning Strikes | ライトニング・ストライクス | |
| 5 | Fight in the Night | ファイト・イン・ザ・ナイト | |
| 6 | Masters of Arms | マスターズ・オブ・アームズ | |
| 7 | Born in Hell | ボーン・イン・ヘル | |
| 8 | Insane | インセイン | |
| 9 | Night Stalker | ナイト・ストーカー | |
| 10 | Y.A.N.A. (You Are Not Alone) | Y.A.N.A. | |
| 11 | Fight for Glory | ファイト・フォー・グローリー | 日本盤ボーナス・トラック |
4.2 その他の主要リリース (EP / Live / Compilation)
- Children of the Night (EP) (2003年): タイトル曲に加え、アコースティック・バージョンなどを収録。
- The First Chapter (Single) (2004年): アルバム 『The Book of Heavy Metal』 への布石となったシングル。
- Gold Medal in Metal (Alive & Archive) (2008年): DVDとCDのセット。ライブ映像や未発表曲を多数収録し、バンドのエンターテインメント性を視覚的に確認できる重要作品
5. ドリーム・イーヴルの遺産と影響
5.1 「ヨーテボリ・サウンド」の裏返しとしての正統派
ドリーム・イーヴルは、フレドリック・ノルドストロームが築き上げた「攻撃的でモダンなデスメタル・サウンド」へのカウンターとして機能した。彼がプロデュースした In Flames や Dimmu Borgir がメタルの進化と複雑化を象徴する一方で、ドリーム・イーヴルは「シンプルさ」 「キャッチーさ」「様式美」という、かつてメタルが持っていた根源的な魅力を保存・継承する役割を果たした。この二面性こそが、ノルドストロームの音楽家としての特異性であり、ドリーム・イーヴルが懐古趣味のバンドに終わらなかった理由である。
5.2 「ネタ」と「本気」の境界線
「Heavy Metal Jesus」 や 「The Book of Heavy Metal」 といった楽曲タイトルが示すように、DREAM EVILのアプローチには常にユーモアと自己パロディの精神が含まれている。しかし、その演奏技術とプロダクションの質は極めて高く、「メタルを笑いものにする」のではなく「メタルの過剰さを愛し、それを楽しむ」というスタンスが一貫している。この姿勢は、特に日本のファン層において「愛すべき馬鹿馬鹿しさ (褒め言葉)」として高く評価され、長年にわたる支持の基盤となっている。
5.3 日本市場との特異な関係性
ドリーム・イーヴルは日本市場に対し、常に特別な配慮(多数のボーナストラック、先行発売、日本公演)を行ってきた。これは、2000年代初頭における日本の「メロディック・パワー・メタル・ブーム」において、DREAM EVILが重要な位置を占めていたことを示唆している。海外のメタルバンドにとって、日本盤のボーナストラックは輸入盤対策としての商業的な側面が強いが、ドリーム・イーヴルの場合、時には本編と同等のクオリティを持つ楽曲を4曲も提供するなど、そのサービス精神は群を抜いている。
Conclusion
ドリーム・イーヴルは、名プロデューサーの「道楽」として始まったプロジェクトであったかもしれないが、ガス・Gという才能を世に送り出し、北欧パワー・メタルの歴史に確かな足跡を残した。DREAM EVILのディスコグラフィは、ヘヴィメタルというジャンルが持つ普遍的な魅力ー力強さ、叙情性、 Richmond そしてファンタジー を体現し続けている。度重なる活動休止やメンバーチェンジを経てもなお、『Metal Gods』のような新作を発表し続けるDREAM EVILの姿勢は、バンド名が示す通り「夢見るような邪悪さ」と「鋼鉄の魂」を持ち続けていることの証明である。