DIMENSION ZERO

DIMENSION ZEROの詳しいBiographyと全作品のディスコグラフィ。アルバムごとの個別ページも掲載するMETAL BOOSTのアーティストページ。

Biography

ディメンション・ゼロ (DIMENSION ZERO)
スウェディッシュ・メロディック・デスラッシュの軌跡と遺産

1. Introduction

本バンドは、メロディック・デスメタルの始祖の一つであるイン・フレイムス (In Flames) の主要メンバーによって結成されたサイドプロジェクトとして知られるが、その音楽性は本家とは一線を画す「デスラッシュ (Deathrash)」 と称される攻撃的なスタイルを確立した。

2. バイオグラフィ (Biography)

2.1 胎動期: エージェント・オレンジからディメンション・ゼロへ (1995-1996)

結成の背景と動機

1995年、スウェーデンのヨーテボリ (Gothenburg) は、後に「ヨーテボリ・サウンド (Gothenburg Sound)」として世界を席巻することになるメロディック・デスメタルの震源地であった。その中心的存在であったイン・フレイムス (In Flames) のギタリスト、イエスパー・ストロムブラード (Jesper Strömblad) とグレン・ユングストローム (Glenn Ljungström) は、バンドがより構築美を重視した方向へ進化していく中で、彼らのルーツであるスラッシュメタル (Thrash Metal) や初期デスメタルの持つ「純粋な攻撃性」を表現する場を求めていた。

彼らは当初、「エージェント・オレンジ (Agent Orange)」というバンド名でプロジェクトを始動させた。この名称は、ドイツのスラッシュメタルバンド、ソドム (Sodom) の名盤『Agent Orange』へのオマージュである可能性が推測されるが、正式なリリースが行われる前の1995年中に、彼らはバンド名を「ディメンション・ゼロ (DIMENSION ZERO)」へと変更した。

初期ラインナップの形成

プロジェクトの初期段階において、イエスパーとグレンに加え、ギタリストのフレドリック・ヨハンソン (Fredrik Johansson) が参加していた。フレドリックは、1993年から1999年にかけてダーク・トランキュリティ (Dark Tranquillity) のリズムギタリストを務めた人物であり、ヨーテボリ・シーンの相互関係の深さを象徴する人選であった。

さらに、リズムセクションとボーカルを強化するため、以下のメンバーが招集された。

  • ヨッケ・ゴートベリ (Jocke Göthberg): 元マーダック (Marduk) のドラマー兼ボーカリスト。彼の参加により、バンドはブラックメタル (Black Metal) 由来の、ヒステリックで邪悪なスクリームを手に入れることとなる。
  • ハンス・ニルソン (Hans Nilsson): クリスタル・エイジ (Crystal Age)、ライアーズ・イン・ウェイ (Liers in Wait)、ディアボティーク (Diabolique) などで活動していた熟練のドラマー。

2.2 最初の衝撃: 『Penetrations from the Lost World』 と活動停止 (1997-1998)

EPのリリース

1997年、バンドは初の公式音源となるミニアルバム (EP) 『ペネトレイションズ・フロム・ザ・ロスト・ワールド (Penetrations from the Lost World)』をリリースした。この作品は、イン・フレイムスの叙情的なメロディセンスを残しつつも、BPM (テンポ) を極限まで上げ、複雑な展開よりも直線的な破壊力を重視したスタイルを提示した。

この時期のラインナップについては資料により若干の記述の揺れがあるが、レコーディング・クレジットにおいては、イエスパー (ギター/ベース)、グレン (ギター)、ヨッケ (ボーカル)、ハンス (ドラム) の4人編成が基本となっていた。

予期せぬ停滞

デビューEPはアンダーグラウンド・シーンで高い評価を得たものの、バンドは1998年に突如として活動を停止する。その主な要因は、本家であるイン・フレイムスの世界的な成功に伴う多忙化であった。イエスパーとグレンにとって、イン・フレイムスのツアーとレコーディングのスケジュールは過密を極め、サイドプロジェクトに割く時間は物理的に消滅していたのである。また、一部資料では「内部的な問題 (various internal problems)」も解散の要因であったと示唆されている。

2.3 再結成と黄金期: 『Silent Night Fever』の誕生 (2000-2002)

シーンへの帰還

約2年間の沈黙を経て、2000年にバンドは再始動を宣言した。この際、初期メンバーであったフレドリック・ヨハンソンは不参加となり、代わりにダニエル・アントンソン (Daniel Antonsson) がギタリストとして加入した。ダニエルはソイルワーク (Soilwork) やパトス (Pathos) での活動経験を持つ実力派であり、彼の加入によりバンドの演奏力はさらに強固なものとなった。

1stアルバムの世界的評価

2002年、待望の1stフルアルバム『サイレント・ナイト・フィーヴァー (Silent Night Fever)』がリリースされた。スウェーデンのリゲイン・レコード (Regain Records)、および日本のトイズファクトリー (Toy's Factory) から発売された本作は、イン・フレイムスの初期作品『ルナー・ストレイン (Lunar Strain)』に見られた荒々しさを現代的にアップデートし、さらにハードコアやスラッシュメタルの要素を注入した傑作として迎えられた。

本作の音楽性は、単なるメロディック・デスメタルに留まらず、アット・ザ・ゲイツ (At The Gates) が完成させた「スウェディッシュ・デスラッシュ」の正統な後継者としての地位を確立するものだった。

日本公演 (Live in Japan 2002)

アルバムのリリースに伴い、バンドは2002年に来日公演を行った。東京の渋谷クラブクアトロ (Shibuya Club Quattro) でのライブでは、アルバム収録曲に加え、ザ・ビートルズ (The Beatles) のカバーである「ヘルター・スケルター (Helter Skelter)」も披露された。この時のライブ音源の一部は、後のリイシュー盤やボーナストラックとして公式化されている。

2.4 軋轢と進化: 『This Is Hell』 とグレンの解雇 (2003-2006)

2ndアルバムの制作

デビュー作の成功により勢いづいたバンドは、間髪入れずにスタジオ入りし、2003年に2ndアルバム『ディス・イズ・ヘル (This Is Hell)』を発表した。本作は前作の疾走感を維持しつつも、タイトルが示す通り、より暗鬱で閉塞感のある、重厚なサウンドプロダクションへと変化した。

グレン・ユングストロームの離脱騒動

しかし、この時期に創設メンバーの一人であるグレン・ユングストロームがバンドを去ることとなった。公式には「脱退」と表現されることが多いが、ボーカルのヨッケ・ゴートベリによる後のインタビュー証言は、より劇的な事実を伝えている。

ヨッケによれば、グレンは自ら辞めたのではなく、「解雇された (kicked out)」のだという。ヨッケはインタビューで次のように語っている。「グレンは常に不満を漏らしており (whining all the time)、ライブのたびに『これが最後だ』と言い続けていた。彼は最後の方、我々を鎖で繋ぐような態度をとっていたので、我慢の限界に達し、アルバムリリースの直前に彼を追い出した」。

この出来事はバンドのケミストリー (化学反応) に変化をもたらした。ヨッケは「グレンがいなくなったことで、バンド内の空気は以前よりずっと良くなった」と述べており、バンドがより結束した状態で活動を継続する契機となった。

2.5 成熟と実験: 『He Who Shall Not Bleed』 (2007-2008)

IF Studiosでの録音

2007年、バンドは3rdアルバム『ヒー・フー・シャル・ノット・ブリード (He Who Shall Not Bleed)』をリリースした。本作のレコーディングは、2006年12月から2007年1月にかけて、イン・フレイムスが所有するIFスタジオ (IF Studios) で行われた。プロデューサーにはアーノルド・リンドバーグ (Arnold Lindberg) が起用され、マスタリングはスタジオ・ボース (Studio Bohus) で行われた。

ゲストミュージシャンと音楽的広がり

本作における特筆すべき点は、カナダのスラッシュメタルバンド、アナイアレイター (Annihilator) の中心人物であるジェフ・ウォーターズ (Jeff Waters) がゲスト参加していることである。彼はアルバム本編のラストを飾る楽曲「ウェイ・トゥ・シャイン (Way to Shine)」において、ファースト・リードギター (ギターソロ) を担当した。

また、楽曲「アイ・キャン・ヒア・ザ・ダーク (I Can Hear the Dark)」では、ピーター・シヨーニング (Peter Schöning) によるチェロ (Cello) が導入されており、従来の暴虐性に加え、ゴシック的とも言える悲哀や静寂の表現が取り入れられた。

2.6 長き沈黙と再結成の試み (2014-2016)

2015年 ヨーテボリ・サウンド・フェスティバルへの道

3rdアルバム以降、メンバー個々の活動が多忙を極め、バンドは事実上の休止状態に入った。しかし2014年5月、ファンにとって待望のニュースが飛び込んだ。2015年1月2日・3日にヨーテボリのトレードゴーン (Trädgårn) で開催される「ヨーテボリ・サウンド・フェスティバル (Gothenburg Sound Festival)」において、ディメンション・ゼロが再結成ライブを行うことが発表されたのである。

この時の発表されたラインナップは、イエスパー (ベース)、ヨッケ (ボーカル)、ハンス (ドラム)、ダニエル (ギター) という『Silent Night Fever』期の最強メンバーであった。

直前のキャンセルと代役

しかし2014年11月、ヨッケ・ゴートベリはフェスティバルの公式Facebookページを通じてビデオメッセージを公開し、出演のキャンセルを発表した。理由は「家庭の事情 (family circumstances)」とされた。彼らの代役として、イエスパーが当時率いていた別のバンド、ザ・レジスタンス (The Resistance) が出演することとなった。

2016年の分裂と新体制

再結成ライブは翌年の「ヨーテボリ・サウンド・フェスティバル2016」へと持ち越された。しかし2016年3月、イエスパー・ストロムブラードは衝撃的な発表を行った。長年の盟友であったヨッケ・ゴートベリと、ギタリストのダニエル・アントンソンがバンドと袂を分かったのである。

これにより、オリジナル・ボーカリストであるヨッケ不在のまま、バンドは存続の道を模索することとなる。イエスパーは新たなボーカリストとして、元アマランス (Amaranthe) のグロウル担当であったアンディ・ソルヴェストローム (Andreas "Andy" Solveström) を迎えることを発表した。

2.7 現在の状況 (Current Status)

2016年の新体制発表以降、アンディを擁するラインナップでのフルアルバムのリリースは確認されていない。イエスパー・ストロムブラードはその後、元イン・フレイムスのピーター・イワース (Peter Iwers) らと共にサイラ (CyHra) を結成し、さらに2020年にはミカエル・スタンネ (Mikael Stanne) らと共に「真のヨーテボリ・サウンド」を体現するザ・ヘイロー・エフェクト (The Halo Effect) を始動させた。

これらの活動が極めて順順調であることから、2024年〜2025年現在において、ディメンション・ゼロの活動優先度は低い状態にあると推測される。しかし、解散宣言は出されておらず、イエスパーのキャリアにおける「最も攻撃的な側面」を担う器として、その存在は維持されている。

3. メンバー詳細と関連人脈 (Detailed Member Profiles)

ディメンション・ゼロは、スウェーデンのデスメタル・シーンにおける重要人物が交差する「交差点」のようなバンドである。以下に主要メンバーの詳細なプロフィールを記述する。

主要メンバー (Key Members)

イエスパー・ストロムブラード (Jesper Strömblad)
  • 担当: Guitar, Bass
  • 在籍期間: 1995-1998, 2000-Present
  • 関連バンド: イン・フレイムス (In Flames), ザ・ヘイロー・エフェクト (The Halo Effect), サイラ (CyHra), ハンマーフォール (HammerFall), ザ・レジスタンス (The Resistance), セレモニアル・オース (Ceremonial Oath), シナジー (Sinergy)。
  • 概要: バンドの創設者であり、メインコンポーザー。イン・フレイムスの創始者としても知られるが、ディメンション・ゼロでは彼が本来持っている「スラッシュメタルへの愛」や「ギターヒーローとしての側面」が遺憾なく発揮されている。ライブではベースを担当することもあったが、スタジオ盤ではギターとベースの両方を手掛けるマルチプレイヤーである。
ハンス・ニルソン (Hans Nilsson)
  • 担当: Drums
  • 在籍期間: 1995-1998, 2000-Present
  • 関連バンド: クリスタル・エイジ (Crystal Age), ディアボティーク (Diabolique), ライアーズ・イン・ウェイ (Liers in Wait), ルシフェリオン (Luciferion)。
  • 概要: 非常に手数の多いドラミングと、安定したブラストビートでバンドの屋台骨を支える。イエスパーと共に、結成から現在までバンドに籍を置く唯一のオリジナルメンバー (再結成後含む) である。
アンディ・ソルヴェストローム (Andreas "Andy" Solveström)
  • 担当: Vocals
  • 在籍期間: 2016-Present
  • 関連バンド: アマランス (Amaranthe), ウィズイン・ワイ (Within Y), サイファー・システム (Cipher System), イーヴルドゥーアー (Evildoer)。
  • 概要: ポップ・メタルバンド、アマランスの初代グロウル担当として有名だが、本来はウィズイン・ワイなどで聴かれるような正統派メロディック・デスメタルのボーカルを得意とする。ヨッケの後任として加入した。

過去の主要メンバー (Past Members)

ヨッケ・ゴートベリ (Jocke Göthberg)
  • 担当: Vocals
  • 在籍期間: 1995-1998, 2000-2016
  • 関連バンド: マーダック (Marduk), カーディナル・シン (Cardinal Sin), ダーキファイド (Darkified)。
  • 概要: ディメンション・ゼロの「声」を象徴する人物。マーダック在籍時 (『Those of the Unlight』等) から定評のあった、喉を引き裂くようなハイピッチのスクリームは、バンドの攻撃性を決定づけた。2016年の分裂で脱退。
グレン・ユングストローム (Glenn Ljungström)
  • 担当: Guitar
  • 在籍期間: 1995-1998, 2000-2003, 2005
  • 関連バンド: イン・フレイムス (In Flames), ハンマーフォール (HammerFall), ザ・レジスタンス (The Resistance)。
  • 概要: イエスパーと共に初期イン・フレイムスのツインギターを担った。2003年の『This Is Hell』リリース前後に脱退したが、後にイエスパーとザ・レジスタンスで再び共演している。
ダニエル・アントンソン (Daniel Antonsson)
  • 担当: Guitar, Bass
  • 在籍期間: 2000-2016
  • 関連バンド: ダーク・トランキュリティ (Dark Tranquillity) (Bassとして在籍), ソイルワーク (Soilwork), パトス (Pathos)。
  • 概要: 再結成時に加入。テクニカルなギタープレイでバンドの全盛期を支えた。後にダーク・トランキュリティのベーシストとしても活躍した。
フレドリック・ヨハンソン (Fredrik Johansson)
  • 担当: Guitar
  • 在籍期間: 1995-1998
  • 関連バンド: ダーク・トランキュリティ (Dark Tranquillity)。
  • 訃報: ダーク・トランキュリティの黄金期 (『The Gallery』〜『The Mind's I』) を支えた彼は、2022年1月25日、癌との闘病の末に48歳の若さで逝去した。ミカエル・スタンネは彼を「我々の一員」として追悼した。ディメンション・ゼロの初期EPにおける彼の貢献は、歴史的な記録として残されている。

4. ディスコグラフィ (Discography)

ディメンション・ゼロのディスコグラフィは、EP1枚、フルアルバム3枚で構成されている。日本盤はすべてトイズファクトリー (Toy's Factory) からリリースされており、帯 (OBI) やボーナストラックが充実しているのが特徴である。

4.1 EP: Penetrations from the Lost World (1997)

バンドの最初期衝動をパッケージしたミニアルバム。
Original Release: 1997 (War Music)
Japanese Reissue: 2007年8月22日 (Toy's Factory, TFCK-87421 ※リマスター再発)
Format: CD

Track # Title (English) Title (Katakana) Length Notes
1 Through the Virgin Sky スルー・ザ・ヴァージン・スカイ 04:53 後に1stアルバムで再録音される。
2 Dead Silent Shriek デッド・サイレント・シュリーク 03:54
3 Forgotten... but Not Forgiven フォーガトゥン... バット・ノット・フォーギヴン 03:34
4 Everlasting Neverness エヴァーラスティング・ネヴァーネス 04:09 Instrumental track.

Context: 2003年のRegain Recordsからの再発盤には、ボーナストラックとして『Silent Night Fever』セッションからの楽曲「Condemned」や、ライブ音源が追加収録されている。

4.2 1st Album: Silent Night Fever (2002)

「メロディック・デスラッシュ」の金字塔とされる1stフルアルバム。
Release Date: 2002年 (Regain Records)
Japanese Release: 2002年 (Toy's Factory, TFCK-87288) / 2007年再発 (TFCK-87422)
Producer: Anders Fridén (In Flamesのボーカリスト)

Track # Title (English) Title (Katakana) Length Notes
1 Silent Night Fever サイレント・ナイト・フィーヴァー 03:20 代表曲。
2 The Murder-Inn ザ・マーダー・イン 03:01
3 Through the Virgin Sky スルー・ザ・ヴァージン・スカイ 04:29 EP収録曲の再録音。
4 Your Darkest Hour ユア・ダーケスト・アワー 04:08
5 Not Even Dead ノット・イーヴン・デッド 03:59
6 They Are Waiting to Take Us ゼイ・アー・ウェイティング・トゥ・テイク・アス 03:50
7 Until You Die アンティル・ユー・ダイ 03:45
8 End エンド 02:58
9 Slow Silence スロー・サイレンス 02:04
10 Helter Skelter ヘルター・スケルター 03:00 **** The Beatlesのカバー。

Analysis: 日本盤ボーナストラックの「Helter Skelter」は、ビートルズの楽曲の中でも最もヘヴィでカオティックな曲として知られるが、ディメンション・ゼロはこれをさらに加速させ、原曲の持つ狂気をデスメタルの文脈で再解釈している。

4.3 2nd Album: This Is Hell (2003)

よりダークに、より重厚に進化した2作目。
Release Date: 2003年 (Regain Records)
Japanese Release: 2003年11月19日 (Toy's Factory, TFCK-87335)

Track # Title (English) Title (Katakana) Length Notes
1 The Introduction to What This Is ジ・イントロダクション・トゥ・ホワット・ディス・イズ 02:38
2 DIMENSION ZERO ディメンション・ゼロ 02:53 バンド名を冠した楽曲。
3 Immaculate イマキュレート 03:53 PV制作曲。
4 Blood on the Streets ブラッド・オン・ザ・ストリーツ 03:09
5 Into & Out of Subsistence イントゥ・アンド・アウト・オブ・サブシステンス 03:09
6 The Final Destination ザ・ファイナル・デスティネーション 04:50
7 Amygdala アミグダラ 03:27
8 Killing My Sleep キリング・マイ・スリープ 04:01
9 This Light ディス・ライト 04:28
10 Di'i Minores ディー・マイノーレス 03:52
11 Helmet ヘルメット 02:20 ****

4.4 3rd Album: He Who Shall Not Bleed (2007)

IF Studiosで制作された、現時点での最新スタジオ・アルバム。
Release Date: 2007年8月22日 (日本先行発売) / 2008年 (世界)
Japanese Release: Toy's Factory (TFCK-87421)
Label: Vic Records (Europe/US)

Track # Title (English) Title (Katakana) Length Notes
1 He Who Shall Not Bleed ヒー・フー・シャル・ノット・ブリード 02:25
2 Unto Others アントゥ・アザーズ 02:32
3 A Paler Shade of White (A Darker Side of Black) ア・パーラー・シェイド・オブ・ホワイト 02:23
4 Hell Is Within ヘル・イズ・ウィズイン 03:02
5 Red Dead Heat レッド・デッド・ヒート 01:57
6 I Can Hear the Dark アイ・キャン・ヒア・ザ・ダーク 03:11 Cello by Peter Schöning.
7 Going Deep ゴーイング・ディープ 02:33
8 Is イズ 03:12
9 Deny ディナイ 03:30
10 The Was ザ・ワズ 03:10
11 Way to Shine ウェイ・トゥ・シャイン 04:05 Lead Guitar by Jeff Waters (Annihilator).
12 Stayin' Alive ステイン・アライヴ 02:01 **** Bee Gees Cover.
13 Rövarvisan ロンニャの山賊の歌 01:29 **** From "Ronja Rövardotter".

5. 日本市場における受容とボーナストラック文化 (Japanese Market & Bonus Tracks)

5.1 トイズファクトリーとのパートナーシップ

ディメンション・ゼロは、日本のレコード会社トイズファクトリー (Toy's Factory) と強固な関係を築いていた。トイズファクトリーは、イン・フレイムスやアーチ・エネミー (Arch Enemy) などの北欧メタルバンドを日本に紹介し、ブームを牽引したレーベルであり、ディメンション・ゼロもその強力なプロモーションの恩恵を受けた。日本盤の帯 (OBI Strip) には「イン・フレイムスのイエスパー・ストロムブラードによるサイド・プロジェクト」という宣伝文句が躍り、日本のファンへの訴求力を高めた。

5.2 異色のカバーソング選曲

Stayin' Alive (Bee Gees Cover)

3rdアルバム日本盤に収録。1970年代のディスコ・ブームを象徴するビージーズ (Bee Gees) の名曲を、ブラストビートとデスボイスでカバーするという暴挙に出た。原曲のファルセット・ボーカルのメロディラインをギターリフでなぞりつつ、ヨッケが絶叫するというスタイルは、バンドのユーモア感覚と、ジャンルの枠にとらわれない姿勢を示している。

Rövarvisan (Ronja Rövardotter Cover)

同じく3rdアルバム日本盤に収録。これはスウェーデンの国民的児童文学作家アストリッド・リンドグレーン (Astrid Lindgren) の作品『山賊のむすめローニャ (Ronja Rövardotter)』 (1981年) の映画版 (1984年) で使用された楽曲「Rövarsången (The Robber's Song)」のカバーである。日本ではスタジオジブリがNHKでアニメ化 (『山賊のむすめローニャ』) したことでも知られる作品だが、スウェーデン人にとっては幼少期から親しむ「童謡」に近い存在である。この勇壮かつ牧歌的な行進曲を、凶悪なデスラッシュへと変換したこのトラックは、DIMENSION ZEROのスウェーデン人としてのアイデンティティを強烈に反映したものであり、日本のファンにとっても衝撃的なプレゼントとなった。

6. Conclusion

ディメンション・ゼロは、イン・フレイムスという巨大な存在の影で生まれたプロジェクトであったが、単なる「サイド・プロジェクト」の枠を超えた強烈な個性を放った。DIMENSION ZERO의 音楽は、メロディック・デスメタルがより大衆的・モダンな方向へ進化していく2000年代初頭において、「速さ」「攻撃性」「邪悪さ」というメタルの原始的な魅力を固守し続けた。

DIMENSION ZEROのサウンド、通称「デスラッシュ (Deathrash)」は、その後のメタルコアやモダン・デスメタル・バンドにも少なからぬ影響を与えたと考えられる。また、ヨッケ・ゴートベリという稀代のスクリーマーと、イエスパー・ストロムブラードという天才メロディメーカーの化学反応は、わずか3枚のアルバムの中に凝縮され、今なお色褪せない輝きを放っている。

2024年現在、バンドは沈黙を守っているが、イエスパー・ストロムブラードの創作意欲が枯渇していない限り、この「ゼロ次元」の扉が再び開かれる可能性は否定できない。

Albums

He Who Shall Not Bleed CD
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鋭利なリフと高速ビートを圧縮し、DIMENSION ZEROがメロディック・デスの攻撃性を突き詰めた第3作。

This Is Hell CD
/

鋭利なリフと高速の刻みで、DIMENSION ZEROがメロディック・デスの攻撃性を研ぎ澄ました第二作。

Silent Night Fever CD
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鋭利なリフと高速ドラムで突き進む、DIMENSION ZEROの攻撃的メロディック・デス作品。