THE HELLACOPTERS

1994年にスウェーデン・ストックホルムで結成されたバンド、THE HELLACOPTERS(ザ・ヘラコプターズ)のバイオグラフィとディスコグラフィ。1996年の『Supershitty to the Max!』から2025年の『Overdriver』まで、スタジオ・アルバム全9作を収録曲・CD情報・ライナーノーツつきで作品ごとに掲載。METAL BOOST。

Biography

THE HELLACOPTERS
バイオグラフィー

THE HELLACOPTERS(ザ・ヘラコプターズ)は、1994年にスウェーデン・ストックホルムで結成されたバンドである。ENTOMBEDでドラムを叩いていたニッケ・アンダーソンが、BACKYARD BABIESを一時離れていたドレゲン、ベースのケニー・ホーカンソン、ドラムのロベルト・エリクソンと始めた。余技のつもりで始めたものが、やがてアンダーソンの本業になった。

ストックホルムでの結成(1994年〜)

最初のリハーサルは1994年11月4日で、この時はただのセッションだった。ドレゲンとエリクソンはENTOMBEDのローディーで、ホーカンソンはアンダーソンの幼なじみである。さらに2回練習したのち、1995年1月に最初のシングル「Killing Allan」を自主レーベルPsychout Recordsから出した。

バンド名は、アンダーソンとドレゲンがENTOMBEDのツアーでサンフランシスコにいたときに読んだ雑誌記事から採られている。CIAがヘリコプターでメキシコの大麻畑を監視しており、地元の人々がそのヘリコプターを「ヘラコプターズ」と呼んでいる、という内容だった。

White Jazzでの3枚(1996〜1999年)

2枚目のシングル「1995」の後にWhite Jazz Recordsと契約し、1996年6月にデビュー作Supershitty to the Max!が出た。録音はストックホルムのサンライト・スタジオ、プロデュースはトーマス・スコッグスベリ。全編が一発録りで、要した時間は26時間だった。この作品でバンドはスウェーデンのグラミー賞(Grammis)のハードロック部門を受けている。

1997年6月のKISSのスカンディナヴィア公演に前座として出るすこし前から、THE DIAMOND DOGSのアンデシュ・リンドストレム(ボバ・フェット)が鍵盤で加わるようになった。同年2月に録音されたPayin' the Duesは10月1日に発売され、本国で19位に入っている。この後アンダーソンはENTOMBEDを完全に離れ、このバンドに専念した。

1998年、ツアーの途中でドレゲンがバンドを離れ、BACKYARD BABIESに戻った。本人はその理由を、2つのバンドを同時にやるのは面倒が多すぎたからだと語っている。代わりのギタリストが定まらないまま、1998年9月にGrande Rockが録音された。リンドストレムとマティアス・ヘルベリの2人がギターでも加わっている。この作品でバンドの音は1970年代のロックへ大きく寄り、本国のチャートで初めて10位以内に入った。録音後、ロベルト・ダールクヴィストが正式なリード・ギタリストとして迎えられている。

ゴールド2作の時期(2000〜2005年)

2000年10月16日のHigh Visibilityは、ダールクヴィストを迎えて最初のスタジオ作であり、チップス・キースビーと組んだ最初の作品でもある。キースビーはこれ以降、このバンドのすべてのスタジオ作を手掛けた。本作は本国のチャートに12週とどまり、ゴールドを獲得している。ツアーには、当時まだ無名だったTHE HIVESが前座として同行した。

2002年9月18日のBy the Grace of Godは、ストックホルムのポーラー・スタジオで録音した20曲から13曲を選んだ作品である。本国のチャートに2位で初登場し、フィンランドでは8位、2枚目のゴールドとなった。バンドはストックホルムとヘルシンキでTHE ROLLING STONESとZZ TOPの前座も務めている。

その後バンドはいったん間を置き、アンダーソンはスコット・モーガンとのTHE SOLUTION、ダールクヴィストはサンダー・エクスプレス(のちのDUNDERTÅGET)に向かった。復帰作のRock & Roll Is Deadは2005年6月6日に出て、本国で3位。翌2006年には3年ぶりの北米ツアーを行っている。

カヴァー集と解散(2007〜2008年)

2007年10月12日、バンドは次の作品を最後に解散すると発表した。理由は不仲ではなく、良い状態のうちに終えるためだと説明されている。そのHead Offは2008年4月18日に出た全曲カヴァーの作品で、カヴァー集であることは当初伏せられていた。聴き手に先入観なく聴いてほしかったためで、ホーカンソンは、解散後に聴いてもらえるバンドを知る機会になればとも語っている。本国のチャートで4位に入った。

最後の公演は2008年10月25日と26日、ストックホルムのDebaser Medisで行われた。2夜とも撮影され、バンドのMySpaceで生配信されている。

再結集とNuclear Blast(2016年〜)

2016年4月、バンドはデビュー作『Supershitty to the Max!』の発売20周年にあたってオリジナルの編成で再結集すると発表し、同年のSweden Rock Festivalで演奏した。その後も各地のフェスティヴァルに出ている。なお、かつてのギタリスト、ロベルト・ダールクヴィストは2017年2月3日に40歳で亡くなっている。

2021年10月にNuclear Blastとの契約が発表され、同年12月17日に告知されたEyes of Oblivionが2022年4月1日に発売された。新曲によるアルバムとしては14年ぶりであり、ドレゲンが加わったフル・アルバムとしては1997年以来である。2024年2月には1999年の『Grande Rock』のリミックス盤が2種類出ている。

2025年1月31日には9作目Overdriverが出た。ストロベリー・スタジオとザ・ホンク・パレスで録音され、アンダーソンが一人でプロデュースした最初の作品である。レーベルはこの年をバンドの30年目としている。

メンバーについて

2026年9月16日、バンドは創設メンバーのギタリスト、ドレゲンとの別れを正式に発表した。理由は手の怪我である。バンドの声明は、ドレゲンがこの3年ほど一緒に演奏していないこと、指の損傷が元には戻らず、リズム・ギターの一部は弾けるもののバンドの曲の大半は弾けないことを説明している。この3年のあいだ代役を務めてきたLG・ヴァレタが、そのままギタリストとして続く。

現行ラインナップの全体を一覧にしている一次資料は無いため、ここでは表を置いていない。公式サイトhellacopters.comは現在、バンドのFacebookページへのリダイレクトが壊れた状態で404を返し、バンド自身のBandcampにもNuclear Blastのアーティストページにもメンバー表は無い。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム9作が、このサイトに登録されている。非アルバム曲集『Cream of the Crap!』3作、ベスト盤『Air Raid Serenades』、ライヴ盤、GLUECIFERとのスプリット盤『Respect the Rock』は含まない。

#アルバム発売
1Supershitty to the Max!1996年6月1日
2Payin' the Dues1997年10月1日
3Grande Rock1999年5月17日
4High Visibility2000年10月16日
5By the Grace of God2002年9月18日
6Rock & Roll Is Dead2005年6月6日
7Head Off2008年4月18日
8Eyes of Oblivion2022年4月1日
9Overdriver2025年1月31日

『Grande Rock』『Head Off』『Overdriver』の3作は、MusicBrainzのリリース・グループが記す最初の発売日が日本盤あるいは曲数の異なる盤のもので、ここではオリジナル盤の日付を採った。『Supershitty to the Max!』は14曲入りLPが1996年6月1日、13曲入りCDが6月14日で、表には最初の発売日を記している。

日本公演

2025年11月4日、東京・豊洲PITでの「THE HELLACOPTERS LIVE IN TOKYO 2025」を登録している。約25年ぶりの来日公演で、9作目『Overdriver』に伴うものである。開場18:00、開演19:00、オールスタンディング、前売12,000円・当日13,000円(いずれも税込、ドリンク代別)。一般発売は2025年8月23日、先行は7月16日から。招聘はクリエイティブマン・プロダクションで、日付・会場・時間・料金はいずれも同社の公演ページに拠っている。

これ以前の来日については、上記の告知が「約25年ぶり」とだけ記しており、ここで開いた資料のどれもその公演の日付を挙げていないため、このサイトのLIVE欄には登録していない。

出典について

ここに記した事実は、英語版Wikipediaのバンド記事(結成の経緯、バンド名の由来、26時間の録音、グラミー賞、ドレゲンの離脱と復帰、ダールクヴィストの加入と逝去、解散の発表と最後の2公演、2016年の再結集)とその各アルバムの記事および「The Hellacopters discography」(発売日、レーベル、スタジオ、プロデューサー、参加メンバー、チャート順位、ゴールド認定)、Nuclear Blastのアーティストページと『Overdriver』の告知(2022年と2025年の発売日、録音スタジオ、プロデュース、30周年)、MusicBrainzのアーティストおよびリリース情報(結成地、品番、形態、曲数、公式リンク)、Spotifyの埋め込み情報(アルバムの同定と再生可否)、そしてクリエイティブマン・プロダクションの公演ページと激ロックの告知(東京公演)に拠っている。いずれも2026年9月29日に閲覧した。

Trivia

2025年11月4日、バンドは東京・豊洲PITで「THE HELLACOPTERS LIVE IN TOKYO 2025」を行った。招聘元のクリエイティブマン・プロダクションはこれを、前回からおよそ25年ぶりとなる来日公演と書いている。開場18:00、開演19:00、オールスタンディングで、前売は12,000円だった。

出典: クリエイティブマン・プロダクション 公演ページ

2025年1月31日の『Overdriver』は、ストロベリー・スタジオとザ・ホンク・パレスの2か所で録音された。レーベルのNuclear Blastは、このバンドの作品をニッケ・アンダーソンが一人で全面的にプロデュースしたのはこれが初めてだと記している。

出典: Nuclear Blast「THE HELLACOPTERS - reveal cover and release date for brand new studio album 'Overdriver'!」

復活後のバンドは、大きな会場で先達と並んでいる。所属レーベルのアーティストページは、2022年7月にヨーテボリでIRON MAIDENと、2023年6月にドイツでGHOSTと共演したことを、復活の道のりとして挙げている。

出典: Nuclear Blast THE HELLACOPTERS アーティストページ

2024年2月、バンドは1999年の3作目『Grande Rock』を2種類の形で出し直した。同年5月にはシングル「Stay With You」を発表している。次のアルバムまでの2年間は、この2つで埋められた。

出典: Nuclear Blast THE HELLACOPTERS アーティストページ

バンドは自分たちの音楽を、自身のBandcampで一行に切り詰めて名乗っている。「Fuel Injected Action Rock, from Stockholm, Sweden」——燃料噴射式のアクション・ロック、スウェーデン・ストックホルム発。ジャンル名を並べる代わりに置かれているのがこの一行である。

出典: THE HELLACOPTERS 公式Bandcamp

2026年9月16日、バンドは創設メンバーのギタリスト、ドレゲンとの別れを正式に発表した。理由は手の怪我である。バンドの声明はその状態を、ドレゲンはこの3年ほど一緒に演奏していない、と説明している。指の損傷は元には戻らず、リズム・ギターの一部は弾けるものの、バンドの曲の大半は弾けないという。この3年のあいだ代わりに弾いてきたLG・ヴァレタが、そのままギタリストとして続く。

出典: Blabbermouth.net「THE HELLACOPTERS Announce Permanent Split With Founding Guitarist DREGEN Due To His Hand Injury」

2021年10月22日、バンドはNuclear Blastとの契約と新作の完成を発表した。そのときのニッケ・アンダーソンの言葉には「こんなことは絶対に起きないと言ったのは知っているが、私が間違っていた」という一節がある。解散から13年が経っていた。

出典: Blabbermouth.net「THE HELLACOPTERS To Release New Album In The Spring」

本国スウェーデンでの成績は、デビュー作の39位から始まって作を追うごとに上がっていった。『Grande Rock』で初めて10位以内に入り、『High Visibility』が5位、『By the Grace of God』が2位、『Rock & Roll Is Dead』が3位、『Head Off』が4位。そして再結成後の『Eyes of Oblivion』と『Overdriver』は、いずれも1位である。

出典: 英語版Wikipedia「The Hellacopters discography」

News

THE HELLACOPTERS/ENTOMBEDのNicke Andersson、「Nicke Andersson and Nobody Else」名義のソロ・アルバム『Sound Pollution』を発表

全楽器の演奏とプロデュース、アートワークまで本人が手がけた初の本格的なソロ作。発売日は未発表。

出典: Blabbermouth(2026年10月16日)

DREGEN、THE HELLACOPTERS脱退は「自分の決断ではなかった」と認める 「3本ギターにしてもよかった」

アルゼンチンのラジオUnDinamoのインタビューで、誰かが決めたのかと問われ「Yes」と回答。手の負傷後も約85%は弾けるとし、3人目のギタリストを加える形もあり得たと話した。

出典: Blabbermouth(2026年10月11日)

THE HELLACOPTERS、創設ギタリストDregenの脱退が正式決定 手の負傷のため

スウェーデンのバンドが9月16日に声明を出し、Dregen(本名Andreas Tyrone Svensson)との決別を発表した。

出典: Blabbermouth(2026年9月16日)

ニュース一覧 →

Albums

Overdriver CD
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THE HELLACOPTERSの9作目。2025年1月31日にNuclear Blastから発売された。ニッケ・アンダーソン一人がプロデュースした最初の作品である。

Eyes of Oblivion CD
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THE HELLACOPTERSの8作目。2022年4月1日発売。2008年の解散から14年ぶりの新作で、ドレゲンが加わった作品としては1997年以来にあたる。

Head Off CD
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THE HELLACOPTERSの7作目。2008年4月18日発売。全曲がカヴァーで、バンドが最後に出したスタジオ作である。

Rock & Roll Is Dead CD
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THE HELLACOPTERSの6作目。2005年6月6日発売。スウェーデンのアルバム・チャートで3位に入った。

By the Grace of God CD

THE HELLACOPTERSの5作目。2002年発売。赤・白・黒の雲と稲妻の意匠は、以降このバンドの看板になった。

High Visibility CD

THE HELLACOPTERSの4作目。2000年発売。新しいギタリストのロベルト・ダールクヴィストが加わった最初のスタジオ作である。

Grande Rock CD
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THE HELLACOPTERSの3作目。1999年5月17日発売。スウェーデンのアルバム・チャートで初めて10位以内に入った作品である。

Payin' the Dues CD
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THE HELLACOPTERSの2作目。1997年10月1日発売。ドレゲンが在籍した最後のスタジオ作である。

Supershitty to the Max! CD
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THE HELLACOPTERSのデビュー作。1996年6月発売。26時間で一発録りされ、スウェーデンのグラミー賞(Grammis)のハードロック部門を受けた。