REVOLUTION SAINTS
2010年代半ば、世界のハードロック (Hard Rock) およびAOR (Adult Oriented Rock) シーンは、ノスタルジアへの回帰と現代的なプロダクション技術の融合という過渡期にあった。
Biography
レボリューション・セインツ (REVOLUTION SAINTS)
メロディック・ロックシーンにおける歴史的系譜と音楽的進化
1. 現代メロディック・ロックにおける「スーパーグループ」の再定義
1.1 プロジェクトの起源と概念的枠組み
2010年代半ば、世界のハードロック (Hard Rock) およびAOR (Adult Oriented Rock) シーンは、ノスタルジアへの回帰と現代的なプロダクション技術の融合という過渡期にあった。この文脈において、レボリューション・セインツ (REVOLUTION SAINTS) の結成は、単なる著名ミュージシャンの集合体以上の意味を持っていた。本プロジェクトは、イタリアのナポリに拠点を置くレコードレーベル、フロンティアーズ・ミュージック・Srl (Frontiers Music Srl) の創設者であり社長のセラフィノ・ペルジーノ (Serafino Perugino) の個人的かつ野心的なビジョンによって概念化された。
ペルジーノの構想の核心は、ジャーニー (Journey) のドラマーとして長年活躍していたディーン・カストロノヴォ (Deen Castronovo)の「声」に焦点を当てることにあった。カストロノヴォは、ジャーニーのライブパフォーマンスにおいて「Mother, Father」や「Keep on Runnin'」などの楽曲でリードボーカルを担当し、その歌声がかつてのフロントマン、スティーヴ・ペリー (Steve Perry) を彷彿とさせるソウルフルなハイトーンであることは、熱心なファンの間では周知の事実であった。しかし、彼がアルバム全編を通じてメインボーカルを務める機会は限定的であった。
レボリューション・セインツは、カストロノヴォを「歌うドラマー」としてのフロントマンに据え、彼を支えるメンバーとして、80年代から90年代のアリーナ・ロック (Arena Rock) シーンを牽引してきた「真のレジェンド」たちを配置することで、最強のメロディック・ロック・バンドを構築するという命題のもとに始動した。
1.2 メンバー構成の変遷と 「MK」 という区分
バンドの歴史は、そのラインナップの劇的な変化に基づき、ファンの間やメディアにおいて明確に二つの時代に区分されている。
- 1. MK I (第一期: 2014年-2022年): ジャック・ブレイズ (Jack Blades / Night Ranger) とダグ・アルドリッチ (Doug Aldrich / Whitesnake) を擁し、メロディックなポップセンスとヘヴィなギターサウンドが拮抗していた時代。
- 2. MK II (第二期: 2022年-現在): ジェフ・ピルソン (Jeff Pilson / Foreigner, Dokken) とジョエル・ホークストラ (Joel Hoekstra / Whitesnake) を迎え、より緻密でテクニカル、かつ統一感のあるサウンドへと進化した時代。
2. メンバー・バイオグラフィ: 巨星たちの系譜 (Contextual Biography)
レボリューション・セインツの音楽性を深く理解するためには、各メンバーがこのプロジェクトに参加する以前に築き上げてきたキャリアと、彼らが持ち込んだ「音楽的DNA」を詳らかにする必要がある。
2.1 ディーン・カストロノヴォ (Deen Castronovo) - 声を持つ雷神
- 担当: リードボーカル、ドラムス
- 在籍: 2014年-現在
キャリアの背景と特質: ディーン・カストロノヴォは、ハードロック界で最も尊敬されるドラマーの一人であると同時に、過小評価されてきたボーカリストでもある。彼のキャリアは、ヘヴィ・メタル・バンド、ワイルド・ドッグス (Wild Dogs) での活動に始まり、トニー・マカパイン (Tony MacAlpine) などのシュラプネル・レコーズ (Shrapnel Records) 系のテクニカルなプロジェクトでドラミング技術を研磨した。
彼の名声を決定づけたのは、バッド・イングリッシュ (Bad English) への参加である。ここで彼は、ニール・ショーン (Neal Schon) やジョナサン・ケイン (Jonathan Cain) と出会い、後のジャーニー加入への道筋を作った。バッド・イングリッシュ時代から、そのコーラスワークの質の高さは認められていた。その後、オジー・オズボーン (Ozzy Osbourne) のバンドに参加しアルバム 『Ozzmosis』 でプレイするなど、重量級のメタル・ドラミングもこなす多様性を見せた。
レボリューション・セインツにおける意義: 本プロジェクトにおいて、カストロノヴォは「再生」の象徴である。初期の楽曲 「Back on My Trail」の歌詞が示唆するように、彼は個人的な法的トラブルや依存症の問題を乗り越え、音楽シーンの第一線に復帰するための「乗り物 (Vehicle)」としてこのバンドを必要としていた側面がある。彼のボーカルスタイルは、スティーヴ・ペリー直系のクリアで伸びやかな高音域と、R&Bの影響を感じさせるエモーショナルなフレージングが特徴であり、これがバンドの「ジャーニー的」な側面を決定づけている。
2.2 ジャック・ブレイズ (Jack Blades) - メロディの錬金術師 (MK I)
- 担当: ベース、ボーカル
- 在籍: 2014年-2022年
キャリアの背景と特質: ジャック・ブレイズは、ナイト・レンジャー (Night Ranger) のベーシスト兼リードボーカリストとして、「Don't Tell Me You Love Me」や「Sister Christian」といった80年代を象徴するヒット曲を世に送り出した。彼の才能はそれだけに留まらず、テッド・ニュージェント (Ted Nugent) やトミー・ショウ (Tommy Shaw / Styx) と結成したスーパーグループ、ダム・ヤンキース (Damn Yankees) においても 「High Enough」などの大ヒットを生み出し、ソングライターとしての非凡さを証明した。
レボリューション・セインツにおける意義: ブレイズは、MK Iにおいて「ポップセンス」の守護者であった。彼のベースプレイは楽曲をドライブさせると同時に、カストロノヴォとのツインボーカル的な掛け合いにおいて重要な役割を果たした。彼の声質はカストロノヴォよりもやや中音域に特徴があり、二人の声が重なることで強烈な「フック (聴きどころ)」が生まれた。2022年の脱退は、ナイト・レンジャーのツアー活動との両立が困難になったためと推測される。
2.3 ダグ・アルドリッチ (Doug Aldrich) - 黄金の指を持つギタリスト (MK I)
- 担当: ギター
- 在籍: 2014年-2022年
キャリアの背景と特質: ダグ・アルドリッチは、80年代のライオン (Lion) やバッド・ムーン・ライジング (Bad Moon Rising) での活動を経て、ロニー・ジェイムス・ディオ (Ronnie James Dio) のバンドに参加したことで世界的な評価を確立した。その後、ホワイトスネイク (Whitesnake) に加入し、デイヴィッド・カヴァデール (David Coverdale) の右腕として約12年間にわたりバンドのサウンドを支えた。彼のプレイスタイルは、レスポール (Les Paul) とマーシャル (Marshall) アンプを組み合わせた、太く、攻撃的で、ブルージーな正統派ハードロックスタイルである。
レボリューション・セインツにおける意義: アルドリッチはバンドに「エッジ」 と 「攻撃性」をもたらした。カストロノヴォとブレイズが生み出すキャッチーなメロディに対し、アルドリッチのリフはヘヴィ・メタルの質感を持っており、この対比がMK Iの独自の緊張感を生んでいた。彼はホワイトスネイク脱退後の新たな創造の場としてこのプロジェクトに情熱を注いだが、ザ・デッド・デイジーズ (The Dead Daisies) への加入など多忙を極め、2022年に脱退した。
2.4 ジョエル・ホークストラ (Joel Hoekstra) - 変幻自在の技巧派 (MK II)
- 担当: ギター
- 在籍: 2022年-現在
キャリアの背景と特質: ジョエル・ホークストラは、現代のロックシーンで最も多忙かつ信頼されるギタリストの一人である。彼はブロードウェイ・ミュージカル『ロック・オブ・エイジズ (Rock of Ages)』 のギタリストとして長期間演奏し、あらゆるスタイルのロックギターを再現する能力を身につけた。その後、ナイト・レンジャーに加入し(ここでジャック・ブレイズと共演)、さらにホワイトスネイクではダグ・アルドリッチの後任として加入するという、運命的なキャリアを歩んでいる。また、トランス・シベリアン・オーケストラ (Trans-Siberian Orchestra) の主要メンバーとしても知られる。
レボリューション・セインツにおける意義: MK IIにおけるホークストラのギターは、アルドリッチと比較してよりテクニカルで、モダンなアプローチを見せる。彼は楽曲の構造を深く理解し、バッキング (伴奏)の巧みさと、ソロパートでの華麗なタッピングやスウィープ奏法を使い分ける。彼がナイト・レンジャーとホワイトスネイクの両方を経験していることは、レボリューション・セインツの音楽적ルーツを完璧に体現していると言える。
2.5 ジェフ・ピルソン (Jeff Pilson) - バンドサウンドの建築家 (MK II)
- 担当: ベース、バックボーカル
- 在籍: 2022年-現在
キャリアの背景と特質: ジェフ・ピルソンは、80年代のL.A.メタルシーンを代表するバンド、ドッケン (Dokken) のベーシストとして知られる。ドッケン解散後はディオ (Dio) にも参加し、現在はフォリナー (Foreigner) のメンバーとして、またバンドの音楽監督的な役割も担っている。特筆すべきは彼のマルチプレイヤーとしての才能と、プロデューサーとしての手腕である。彼は自身のスタジオを持ち、ブラック・スワン (Black Swan) やジ・エンド・マシーン (The End Machine) などのプロデュースも手掛けている。
レボリューション・セインツにおける意義: ピルソンの加入は、バンドのリズムセクションに新たな重厚さと安定感をもたらした。彼のベースラインはメロディックでありながら楽曲のボトムを強固に支える。また、彼のコーラスワークはドッケン時代から定評があり、カストロノヴォのボーカルに厚みを加える上で不可欠な要素となっている。彼もまた「歌えるプレイヤー」であり、バンドのボーカル・ハーモニーの密度を高めている。
2.6 アレッサンドロ・デル・ヴェッキオ (Alessandro Del Vecchio) - 第4のメンバー
- 担当: プロデュース、キーボード、ソングライティング、バックボーカル
- 関与: 2014年-現在
このバンドを語る上で、アレッサンドロ・デル・ヴェッキオの存在は無視できない。彼はフロンティアーズ・レコードのハウス・プロデューサーであり、レボリューション・セインツの全アルバムのプロデュース、ミキシング、マスタリング、そして大半の楽曲の作詞作曲を担当している。彼はメンバーそれぞれの強み (カストロノヴォの高音、アルドリッチのリフ、ブレイズのポップセンスなど)を熟知しており、それらを最大限に活かす楽曲を提供する「建築家」である。彼のキーボードプレイは、80年代の産業ロック (Industrial Rock / Corporate Rock) 特有のきらびやかさを現代に蘇らせている。
3. MK I時代 (2014-2022): 伝説の融合と確立
3.1 結成とデビュー・アルバム『REVOLUTION SAINTS』 (2015)
2014年、オレゴン州ポートランドなどでレコーディングが行われたデビュー作は、ハードロック・ファンに衝撃を与えた。多くのスーパーグループが期待外れに終わる中、本作は楽曲の質と演奏の熱量において群を抜いていた。
• リリース日: 2015年2月24日
• 音楽性: ジャーニーの哀愁とホワイトスネイクの力強さの融合。
主要楽曲解説:
- "Back on My Trail" (バック・オン・マイ・トレイル): アレッサンドロ・デル・ヴェッキオによって書かれたこのオープニング・トラックは、カストロノヴォの人生の再生をテーマにしたアンセムである。疾走感のあるリズムと「私は自分の道に戻ってきた」と歌うサビは、ファンの心を即座に掴んだ。
- "Turn Back Time" (ターン・バック・タイム): ジャーニーの『Escape』や『Frontiers』時代を彷彿とさせる、キーボード主導のメロディック・ロック。MVも制作され、バンドの方向性を決定づけた。
- "You're Not Alone" (ユア・ノット・アローン): ジャーニーの現ボーカリスト、アーネル・ピネダ (Arnel Pineda) がゲスト参加したパワーバラード。カストロノヴォとピネダの歌声は驚くほど相性が良く、兄弟のようなハーモニーを響かせる。
- "Way to the Sun" (ウェイ・トゥ・ザ・サン): ジャーニーのニール・ショーン (Neal Schon) がギターソロでゲスト参加。彼の特徴的なサステインとメロディックなフレージングが、楽曲に壮大なスケール感を与えている。
- "In the Name of the Father (Fernando's Song)" (イン・ザ・ネイム・オブ・ザ・ファーザー): アルバムの最後を飾る、ピアノを中心とした感動的なバラード。カストロノヴォのボーカル表現の深さが際立つ。
受容と評価: 「ジャーニーが録音しなかった最高のジャーニー・アルバム」とも評され、カストロノヴォがリードシンガーとして十分に通用することを証明した。
3.2 進化とライブ活動: 『Light in the Dark』 (2017)
2作目『Light in the Dark』は、バンドとしてのアイデンティティをより強固にした作品である。デビュー作の成功を受け、イタリア・ミラノで開催された「フロンティアーズ・ロック・フェスティバル」でのライブパフォーマンスを経て制作されたため、よりライブ映えするエネルギッシュな楽曲が増加した。
• リリース日: 2017年10月13日
• 特徴: 1作目よりもバンド・サウンドとしての一体感が増し、ダグ・アルドリッチのギターがより前面に出ている。
主要楽曲解説:
- "Light in the Dark" (ライト・イン・ザ・ダーク): タイトル曲であり、ポジティブなエネルギーに満ちたアップテンポなナンバー。ギターリフの攻撃性とボーカルの爽やかさの対比が鮮やかである。
- "I Wouldn't Change a Thing" (アイ・ウドゥント・チェンジ・ア・シング): 6分を超える壮大なバラード。カストロノヴォのボーカルは、自身の過去を振り返りながらも肯定するような力強さに満ちている。
- "Take You Down" (テイク・ユー・ダウン): ジャック・ブレイズの影響を強く感じる、アメリカン・ハードロック色の強い楽曲。
- "Freedom" (フリーダム): ダグ・アルドリッチのブルージーなギターソロが光る、ミッドテンポの重厚なトラック。
3.3 MK Iの集大成: 『Rise』 (2020)
3作目『Rise』は、MK Iラインナップによる最後のスタジオ・アルバムとなった。メンバー間の阿吽の呼吸が完成の域に達し、ソングライティングも洗練されたが、皮肉にもリリース直後のパンデミックや各メンバーのスケジュール問題により、この布陣での活動は終焉に向かうこととなる。
• リリース日: 2020年1月24日
• 特徴: 前2作の路線を継承しつつ、より哀愁味を帯びたメロディが際立つ。
主要楽曲解説:
- "When the Heartache Has Gone" (ホエン・ザ・ハートエイク・ハズ・ゴーン): 80年代のアリーナ・ロックの黄金律を体現した楽曲。イントロのキーボードからサビの爆発力まで、往年のファンが求める全てが詰まっている。MVは砂漠地帯で撮影され、ビジュアル面でもスケールアップした。
- "Price We Pay" (プライス・ウィー・ペイ): メロディックなギターリフとキャッチーなコーラスが特徴。
- "Talk to Me" (トーク・トゥ・ミー): ルナ・アキレ (Luna Akire) をゲストボーカルに迎えたデュエット曲。男女ボーカルの掛け合いが新鮮な響きを与えている。
- "Eyes of a Child" (アイズ・オブ・ア・チャイルド): ジャック・ブレイズが、トミー・ショウ(スティクス) と共に書いた楽曲。ショウ・ブレイズ (Shaw Blades) 時代の温かみのあるアコースティックな質感が、ハードなアルバムの中でアクセントとなっている。
4. 転換期: スーパーグループの宿命とMK IIへの移行
2020年から2022年にかけて、バンドは沈黙の期間を迎える。ジャック・ブレイズはナイト・レンジャーの活動や自身の健康問題(心臓手術など)、ダグ・アルドリッチはザ・デッド・デイジーズの世界ツアーと、それぞれのメイン活動が多忙を極めた。
スーパーグループの維持における最大の課題は「スケジュールの調整」である。レボリューション・セインツは当初からスタジオ・プロジェクトとしての側面が強かったが、カストロノヴォとペルジーノはプロジェクトの継続と活性化を望んだ。その結果、ブレイズ and アルドリッチの友好的な脱退と、新メンバーによるMK IIへの移行が決定された。
5. MK II 時代 (2022-現在): 洗練と技巧の追求
5.1 新生レボリューション・セインツの始動
ジョエル・ホークストラとジェフ・ピルソンの加入は、バンドに新たな化学反応をもたらした。両名ともアレッサンドロ・デル・ヴェッキオとの作業経験が豊富であり、制作プロセスは極めてスムーズに進んだ。彼らの加入により、サウンドはより現代的で、かつ演奏技術の密度が高いものへとシフトした。
5.2 新たな飛翔: 『Eagle Flight』 (2023)
MK II体制での第一弾アルバムは、不安 (主要メンバー交代による質の低下) を払拭するに十分なクオリティであった。
• リリース日: 2023年4月21日
• 音楽性: アルドリッチ時代の「荒々しさ」が後退し、ホークストラによる「緻密さ」と「透明感」が増した。
主要楽曲解説:
- "Eagle Flight" (イーグル・フライト): 新体制の幕開けを告げるタイトル曲。重厚なリフよりもメロディの美しさを重視したアレンジで、カストロノヴォのボーカルもより伸びやかに響く。
- "Talking Like Strangers" (トーキング・ライク・ストレンジャーズ): ピルソンのベースラインがグルーヴを生む、モダンなAORナンバー。MVでは新メンバー3人が揃って演奏する姿が披露された。
- "Need Each Other" (ニード・イーチ・アザー): 美しいアルペジオから始まるバラード。ホークストラの繊細なギターワークが光る。
- "Crime of the Century" (クライム・オヴ・ザ・センチュリー): アップテンポでドラマティックな展開を見せる楽曲。キーボードとギターのユニゾンなど、テクニカルな要素も強い。
5.3 疾風の如く: 『Against the Winds』 (2024)
前作からわずか10ヶ月という異例の速さでリリースされた5作目。これは『Eagle Flight』と同時期に多くの楽曲が制作されていたことによる。バンドとしての結束がさらに高まり、MK IIのサウンドが完成を見た作品と言える。
• リリース日: 2024年2月9日
• 評価: MK IIとしての方向性が完全に定着。デル・ヴェッキオのプロダクションも冴え渡り、よりエモーショナルで凝集性の高いアルバムとなった。
主要楽曲解説:
- "Against the Winds" (アゲインスト・ザ・ウィンズ): 逆風に立ち向かう強さを歌ったタイトル曲。カストロノヴォのドラミングが非常にパワフルで、往年のバッド・イングリッシュを彷彿とさせる。
- "Changing My Mind" (チェンジング・マイ・マインド): キャッチーなコーラスとメロディックなギターソロが印象的な、ラジオフレンドリーなナンバー。
- "Fall on My Knees" (フォール・オン・マイ・ニーズ): ピルソンのバックボーカルが効果的に使われており、サビの厚みが素晴らしい。
- "Show Me Your Light" (ショウ・ミー・ユア・ライト): 5分を超える楽曲で、アルバムの中でも特にドラマティックな構成を持つ。静と動のコントラストが見事。
6. ディスコグラフィ (Discography)
以下に、全スタジオ・アルバムのトラックリスト、日本盤ボーナストラック、およびクレジット情報を表形式でまとめる。
6.1 Studio Albums
| トラック番号 | 曲名 (英語) | 曲名 (カタカナ) | 時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Back on My Trail | バック・オン・マイ・トレイル | 4:17 | |
| 2 | Turn Back Time | ターン・バック・タイム | 4:17 | |
| 3 | You're Not Alone | ユア・ノット・アローン | 5:09 | feat. Arnel Pineda |
| 4 | Locked Out of Paradise | ロックド・アウト・オブ・パラダイス | 3:52 | |
| 5 | Way to the Sun | ウェイ・トゥ・ザ・サン | 5:00 | feat. Neal Schon |
| 6 | Dream On | ドリーム・オン | 3:17 | |
| 7 | Don't Walk Away | ドント・ウォーク・アウェイ | 5:36 | |
| 8 | Here Forever | ヒア・フォーエヴァー | 4:06 | |
| 9 | Strangers to This Life | ストレンジャーズ・トゥ・ディス・ライフ | 4:40 | |
| 10 | Better World | ベター・ワールド | 4:30 | |
| 11 | How to Mend a Broken Heart | ハウ・トゥ・メンド・ア・ブロークン・ハート | 3:32 | |
| 12 | In the Name of the Father | イン・ザ・ネイム・オブ・ザ・ファーザー | 5:00 | |
| Japan Bonus | Don't Walk Away (Acoustic) | ドント・ウォーク・アウェイ (アコースティック) | ||
| Japan Bonus | You're Not Alone (Arnel Ver) | ユア・ノット・アローン (アーネル・Ver) | Arnel Lead Vocal | |
| Japan Bonus | Way to the Sun (Doug Ver) | ウェイ・トゥ・ザ・サン (ダグ・Ver) | Doug Solo | |
| Japan Bonus | You're Not Alone (Deen Ver) | ユア・ノット・アローン (ディーン・Ver) | Deen Solo Vocal |
| トラック番号 | 曲名 (英語) | 曲名 (カタカナ) | 時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Light in the Dark | ライト・イン・ザ・ダーク | 3:56 | |
| 2 | Freedom | フリーダム | 5:18 | |
| 3 | Ride On | ライド・オン | 3:51 | |
| 4 | I Wouldn't Change a Thing | アイ・ウドゥント・チェンジ・ア・シング | 6:13 | |
| 5 | Don't Surrender | ドント・サレンダー | 4:08 | |
| 6 | Take You Down | テイク・ユー・ダウン | 4:39 | |
| 7 | The Storm Inside | ザ・ストーム・インサイド | 4:38 | |
| 8 | Can't Run Away From Love | キャント・ラン・アウェイ・フロム・ラヴ | 4:35 | |
| 9 | Running on the Edge | ランニング・オン・ジ・エッジ | 4:24 | |
| 10 | Another Chance | アナザー・チャンス | 4:10 | |
| 11 | Falling Apart | フォーリング・アパート | 5:12 | |
| Japan Bonus | Can't Run Away From Love (Acoustic) | キャント・ラン・アウェイ・フロム・ラヴ (アコースティック) |
| トラック番号 | 曲名 (英語) | 曲名 (カタカナ) | 時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | When the Heartache Has Gone | ホエン・ザ・ハートエイク・ハズ・ゴーン | 4:40 | |
| 2 | Price We Pay | プライス・ウィー・ペイ | 4:14 | |
| 3 | Rise | ライズ | 3:54 | |
| 4 | Coming Home | カミング・ホーム | 4:39 | |
| 5 | Closer | クローサー | 4:08 | |
| 6 | Higher | ハイヤー | 5:07 | |
| 7 | Talk to Me | トーク・トゥ・ミー | 4:19 | feat. Luna Akire |
| 8 | It's Not the End | イッツ・ノット・ジ・エンド | 5:03 | |
| 9 | Million Miles | ミリオン・マイルズ | 3:28 | |
| 10 | Win or Lose | ウィン・オア・ルーズ | 4:00 | |
| 11 | Eyes of a Child | アイズ・オブ・ア・チャイルド | 3:32 | Written by Jack Blades & Tommy Shaw |
| Japan Bonus | Coming Home (Acoustic) | カミング・ホーム(アコースティック) | ||
| Japan Bonus | Talk to Me (Deen's Vocal) | トーク・トゥ・ミー(ディーンズ・ボーカル) | No guest vocal |
| トラック番号 | 曲名 (英語) | 曲名 (カタカナ) | 時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Eagle Flight | イーグル・フライト | 5:34 | |
| 2 | Talking Like Strangers | トーキング・ライク・ストレンジャーズ | 4:19 | |
| 3 | Need Each Other | ニード・イーチ・アザー | 4:55 | |
| 4 | Kids Will Be Kids | キッズ・ウィル・ビー・キッズ | 3:47 | |
| 5 | I'll Cry For You Tonight | アイル・クライ・フォー・ユー・トゥナイト | 3:51 | |
| 6 | Crime of the Century | クライム・オヴ・ザ・センチュリー | 4:00 | |
| 7 | Set Yourself Free | セット・ユアセルフ・フリー | 4:46 | |
| 8 | Sacred | セイクリッド | 3:25 | |
| 9 | Once More | ワンス・モア | 4:14 | |
| 10 | Save It All | セイヴ・イット・オール | 3:51 | |
| Japan Bonus | I'll Cry For You Tonight (Acoustic) | アイル・クライ・フォー・ユー・トゥナイト (アコースティック) | 3:46 |
| トラック番号 | 曲名 (英語) | 曲名 (カタカナ) | 時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Against the Winds | アゲインスト・ザ・ウィンズ | 4:57 | |
| 2 | Changing My Mind | チェンジング・マイ・マインド | 4:15 | |
| 3 | Fall on My Knees | フォール・オン・マイ・ニーズ | 4:23 | |
| 4 | Can't End It Right Now | キャント・エンド・イット・ライト・ナウ | 4:48 | |
| 5 | Lost in Damnation | ロスト・イン・ダムネーション | 4:26 | |
| 6 | Will I See You Again | ウィル・アイ・シー・ユー・アゲイン | 4:22 | |
| 7 | Show Me Your Light | ショウ・ミー・ユア・ライト | 5:18 | |
| 8 | Save All That Remains | セイヴ・オール・ザット・リメインズ | 4:02 | |
| 9 | Been Said and Done | ビーン・セド・アンド・ダン | 3:08 | |
| 10 | Divine Wings | ディヴァイン・ウィングス | 4:28 | |
| 11 | No Turning Back | ノー・ターニング・バック | 4:31 | |
| Japan Bonus | Can't End It Right Now (Acoustic) | キャント・エンド・イット・ライト・ナウ (アコースティック) |
7. レボリューション・セインツが遺す遺産と未来
レボリューション・セインツの10年にわたる活動は、2010年代以降のメロディック・ロック・シーンにおいて最も成功したプロジェクトの一つとして評価されるべきである。REVOLUTION SAINTSの成功要因は、単に「有名なメンバーを集めた」ことにあるのではない。
第一に、ディーン・カストロノヴォという才能の再発見である。彼のドラマーとしての評価に隠れがちだった、ボーカリストとしての非凡な才能をメインストリームに提示し、彼をフロントマンとして確立させた功績は計り知れない。
第二に、フロンティアーズ・レコードの制作システムの勝利である。アレッサンドロ・デル・ヴェッキオを中心とした制作チームが、メンバーの個性を尊重しつつ、ファンが求める「80年代的な理想の音」を高品質に供給し続けたことで、プロジェクトはバンドとしての実体を伴うようになった。
MK IIへの移行と、それに続く連続リリースは、バンドが特定のメンバーの知名度だけに依存するのではなく、「レボリューション・セインツ」というブランドとサウンドそのものがファンに支持されていることを証明した。2024年の『Against the Winds』 で見せた高い完成度とバンドの結束力は、REVOLUTION SAINTSが今後もメロディック・ロック界の「聖人 (Saints)」として、ジャンルの伝統を守り、次世代へと繋ぐ重要な役割を果たし続けることを示唆している。REVOLUTION SAINTSの音楽は、過ぎ去った時代への郷愁ではなく、現在進行形のロック・アンセムとして鳴り響いているのである。