METALITE トリビア 全15件
METALITEにまつわる事実を、出典付きで15件掲載しています。
Trivia
初期3作の日本盤には、いずれも日本盤だけの曲が1曲ずつ入っている。バンド自身のリリース一覧は日本盤を国際盤と別の項目として掲げ、追加された曲に「Japanese Bonustrack」と注記している。『Heroes in Time』は「In the Middle of the Night」のピアノ・ヴァージョン、『Biomechanicals』は「Riders of the Storm」、『A Virtual World』は「Aftermath」。いずれも国際盤には無い曲である。4作目『Expedition One』のボーナス2曲は国際盤のデジタル版にも付くもので、5作目『Discovery』の日本盤は国際盤と同じ全12曲。日本盤だけの曲が続いたのは、結果として最初の3枚だけだった。
バンドは2015年、ストックホルムで始まった。立ち上げたのはギタリストのエドウィン・プレムベリとヴォーカリストのエマ・ベンシングの2人である。プレムベリは曲と詞を書き、制作を統括する立場に立った。公式のプレス用紹介文は、このバンドが結成以来ジャンルの境界を押し広げてきたと書き、その出発点として2017年のデビュー作『Heroes in Time』を挙げている。設立者2人のうち1人はデビュー作の翌々年に去るが、もう1人は現在まで同じ役割を続けている。
デンマークのヤコブ・ハンセンは、このバンドの5枚すべてに関わっている。デビュー作『Heroes in Time』ではプロデュースまで手がけ、以後はミックスとマスタリングを担当。公式の紹介文と、AFMおよびレイニング・フェニックス・ミュージックの発表のいずれもが、VOLBEAT、EVERGREY、AMARANTHEを並べて彼を紹介している。レーベルが3度変わり、ヴォーカリストが交代し、ドラマーが2度替わってもなお、音を仕上げる人だけが10年間動いていない。
デビュー作には2人の客演がいる。公式のプレス用紹介文によれば、『Heroes in Time』にはASCENSIONのフレイザー・エドワーズと、WIGELIUSのヤコブ・スヴェンソンが参加した。どちらも同じスウェーデンのメロディック系のバンドの人間である。以後のアルバムで外部の演奏者が名指しで紹介されることはなく、客演が置かれたのはこの1枚だけになっている。
4作目と5作目は、3年離れた一つの物語である。AFMが2023年に出した『Expedition One』のプレスリリースは、舞台を2055年と説明している。健康状態が人の一生を左右するようになった世界で、情報機関と軍の出身者、そしてテック企業を離れた経営者からなる離反チームが、5人の「指揮官」に率いられて遠い惑星への脱出計画を立てる——というのがその筋書きだった。2026年の『Discovery』の告知は、その3年後の2058年を舞台とし、地球を離れた人類のその後を描くと述べている。前作の結末が次作の前提になっている。
『Expedition One』の14曲目「Utopia」は、バンドの歴史で最初のインストゥルメンタルである。AFMのプレスリリースはこの曲をそう紹介したうえで、同じアルバムには「Blazing Skies」「Aurora」「Free」のような従来どおりの引き締まった曲と、「Sanctum Of Light」「Outer Worlds」「Paradise」のようにファンを驚かせるであろう曲が同居すると書いている。16曲を1本の物語に通そうとした結果として、歌のない曲が初めて必要になったという読み方もできる。
コンセプト作を書く動機は、聴き手の言葉だった。AFMのプレスリリースのなかでプレムベリは、ファンから繰り返し「あなたたちの曲は映画のようだ」と言われてきたことを挙げ、それならばと『Heroes In Time』『Biomechanicals』『A Virtual World』の3作を一本の弧でつなぐ物語を書こうとした、と説明している。最初は少し難しかったが、話の骨格が決まってからは満足のいく結果になったという。同じ発表のなかで彼は、この4年から5年でバンドの音は相当に変わり、とりわけ制作の質が上がったとも述べている。
2022年のライヴEPは、1曲ずつ小出しにされてから1枚にまとまった。6月9日のスウェーデン・ロック・フェスティヴァル出演の音源から4曲が選ばれ、AFMは9月15日に「We Bring You The Stars」、9月29日に「Far From The Sanctuary」、10月13日に「Peacekeepers」、10月27日に「Cloud Connected」と、およそ2週間おきに公式ライヴ映像を公開していった。EP本体『Live At Sweden Rock Festival 2022』が出たのは翌10月28日である。CDは製造されず、日本盤も無い。収録された4曲のうち「We Bring You the Stars」だけは、どのアルバムにも入っていない単独シングルの曲である。
アルバムに入らなかった曲のうち2曲は、北欧の先達のカヴァーである。2020年4月8日にSTRATOVARIUSの「Hunting High and Low」を、2022年3月18日にSONATA ARCTICAの「Full Moon」を、いずれも単独シングルとして発表した。どちらもAFMの公式チャンネルにミュージック・ビデオがあり、どのアルバムにも収録されていない。フィンランドのメロディック・パワー・メタルを代表する2組を選んでいることは、このバンドが自分たちの音をどこに置いているかの表明でもある。
現在のドラマーは2024年に加入した。公式のプレス用紹介文によれば、エリック・ユンティラ・ヨハンソンがバンドに加わったのは2024年で、初めてステージに立ったのは2025年の年明け、リンシェーピングでの公演だった。公式の公演一覧はその日付を2025年1月31日、会場をヘル・イェー・ロック・クラブとしている。前任のレア・ラーションは『Expedition One』まで叩いており、2026年の『Discovery』はユンティラ・ヨハンソンにとって最初のスタジオ・アルバムとなる。
バンド名は造語である。2019年に受けたインタビューで、エドウィン・プレムベリは「metal」と「l33t」を組み合わせたものだと説明している。l33t はインターネット上で「elite(精鋭)」を綴り替えた俗語で、1と3を文字の代わりに使う書き方を指す。メタルという語に、オンライン文化から借りた綴りを足したことになる。近未来を主題に据え、シンセサイザーを骨格に使うこのバンドの音を考えると、名前の成り立ちそのものが作風の予告になっている。
初代ヴォーカリストのエマ・ベンシングが、この編成でステージに立ったのは生涯に一度だけだった。プレムベリが2019年のインタビューで語ったところによれば、彼女が出たライヴはデビュー作のリリース・ギグ1回のみである。2018年に母となり、音楽以外のことに時間を使いたいと考えるようになって脱退した。結果として『Heroes in Time』は、彼女の声を聴ける唯一のMETALITEのアルバムになっている。バンドを立ち上げた2人のうちの1人が、1枚と1公演だけを残して去ったことになる。
後任のヴォーカリストは、メタルを聴いてこなかった人だった。何人か試したものの決め手を欠いていたところ、プレムベリがストックホルムのロック・ショーで歌っていたエリカ・オールソンを見つける。スタジオで数曲を録ってもらうと、探していたものがすべて揃っていた——プレムベリはそう2019年のインタビューで語っている。その場で加入を打診し、彼女は承諾した。彼女はそれまでヘヴィ・メタルをほとんど聴いたことがなかったという。2作目『Biomechanicals』以降のすべてのアルバムで歌っているのは、この人物である。
2019年時点の編成には、古い付き合いと副業が混ざっている。ギターのロベルト・オルネスヴェドはプレムベリと15年前にカヴァー・バンドで一緒に演奏していた間柄で、以前はCASTILLIONに在籍していた。ベースのロベルト・マイドはCAPTAIN BLACK BEARDのフロントマンでもあり、ドラムスのレア・ラーションはIMBERの出身である。メンバー全員がストックホルムを拠点にしている点も、このバンドが地元の人間関係から組み上がったことを示している。
5枚のアルバムは3つのレーベルから出ている。デビュー作『Heroes in Time』はスウェーデンのインナー・ウーンド・レコーディングス、2作目から4作目まではドイツのAFMレコーズ、そして5作目『Discovery』はレイニング・フェニックス・ミュージック傘下のパーセプションから発売される。プレムベリは2019年のインタビューで、AFMへの移籍は流通を広げるためだったと語っている。日本の窓口もそれに合わせて動いており、ルビコン・ミュージック、マーキー/アヴァロン、ワードレコーズと3社を経ている。