KISSIN' DYNAMITE
KISSIN' DYNAMITE(キッシン・ダイナマイト)の詳しいバイオグラフィとディスコグラフィ。ドイツ・シュヴァーベン出身のアリーナ・ロック・バンドを、日本盤の品番とボーナス曲まで含めて作品ごとの個別ページとともに掲載するMETAL BOOSTのアーティストページ。
Biography
KISSIN' DYNAMITE
バイオグラフィー
概要
KISSIN' DYNAMITE(キッシン・ダイナマイト)は、ドイツ南部シュヴァーベン地方のブルラーディンゲンとミュンジンゲンを出自とする5人組のロック・バンドである。ルーツはアンデとハネスのブラウン兄弟が2002年に始めた学生バンドBlues Kidsにあり、2006年のSchool Jamでは「最も若いバンド」として特別賞が新設されて贈られた。バンドとしての結成は2007年、同年末にCapitol/EMIと契約し、翌2008年にデビュー作『Steel of Swabia』を発表している。
作品を重ねるごとにドイツ国内での順位を上げ、『Ecstasy』(2018年)で初のトップ10、『Not the End of the Road』(2022年)で2位、『Back with a Bang!』(2024年)でついに1位に達した。2018年のMetal Hammer Awardsでは「Best German Band」を受賞している。
2026年9月18日には通算9作目にしてセルフ・タイトルの『Kissin' Dynamite』が、バンド自身が立ち上げたレーベルKissin' Dynamite Recordsから発売される。ヴォーカルのハネス・ブラウンが歌う最後のアルバムでもある。
結成——学生バンドからEMIまで
出発点は2002年、ブラウン兄弟が始めたBlues Kidsという学生バンドだった。2006年のSchool Jamコンテストでは、彼らのために「最も若いバンド」という特別賞が設けられている。2007年初めからはフレンスブルクの制作チームElephant Musicと組むようになり、同年末に各レーベルへ送ったデモがCapitol/EMIとの契約に結びついた。
結成年は資料によって2006年と2007年に割れている。ドイツ語版Wikipediaは本文と概要の双方で2007年を採り、MusicBrainzの活動開始と英語版Wikipediaの略歴欄は2006年を置く。バンド自身は公式サイトで結成年を述べていないが、2026年の新作を紹介する文章では「20年におよぶ活動」という言い方をしている。当サイトは、Blues KidsではなくKISSIN' DYNAMITEそのものの結成として年を明示している唯一の記述に従い、2007年を採る。それより細かい日付は主張しない。
バンド名の由来は、ギタリストのジム・ミュラーが語ったところによればAC/DCの楽曲「Kissin' Dynamite」である。名前を決める会合の最中にドラマーのアンディ・シュニッツァーの携帯電話が鳴り、その着信音がこの曲だったため、そのまま採用された。原曲はAC/DCの1988年作『Blow Up Your Video』に収められており、当サイトにもページがある。
EMI期の2作(2008–2010)
デビュー作『Steel of Swabia』は2008年7月18日、Electrola(EMI)から発表された。全12曲は速いテンポと大きなコーラスで統一されており、表題曲は自分たちの土地を掲げた1曲である。バンドは後年これを「シュヴァーベンの隠れた讃歌」と呼んでいる。シングルは「Freaky」と「My Religion」の2枚が同年5月10日に切られ、「My Religion」にはデニス・レーマン監督によるクリップが作られた。2009年にはBang Your Headなどのフェスティヴァルにも出演している。
2010年3月26日の第2作『Addicted to Metal』も引き続きElephant Musicが制作を担当した。表題曲にはACCEPTとU.D.O.のウド・ダークシュナイダーが参加している。バンドはこの前後にU.D.O.の前座を何度も務めており、共演はその延長線上にあった。ドイツのアルバム・チャート91位という、バンドにとって初のチャート・イン記録もこの盤で生まれている。日本盤はEMIからTOCP-66957として2010年7月7日に発売され、「Freaky」「My Religion」「Lie for Me」の3曲を加えた全15曲だった。うち2曲はデビュー作の収録曲で、この盤が国内での最初のまとまった紹介になっている。
AFM期——順位を上げていく5年(2012–2017)
2011年末に完成した第3作『Money, Sex & Power』は、2012年3月21日にAFM Recordsから発売された。移籍第1弾であり、ドイツ50位。このリリースに伴うツアーではSTEEL PANTHERの前座を務めている。表題曲と「I Will Be King」の2曲がシングルとして先行し、いずれもマルティン・ミュラー監督のミュージック・ビデオが付いた。日本盤はReveltasからSPIN-0035として同日に発売され、ボーナス曲「Goin' All In」を収めている。
2014年9月5日の『Megalomania』はドイツ17位。先行シングル「DNA」は以後のライヴでも定番となった。日本盤はキングレコードのMETAL FRONTIERシリーズからKICP-1706として9月10日に出ており、「Golden Cage」「In the Eye of the Shitstorm」の2曲を加えた全12曲である。
2016年7月8日の『Generation Goodbye』はドイツ14位、スイス59位。ハッシュタグ文化を扱った「Hashtag Your Life」に代表されるように、この頃から歌詞は現代の生活を茶化す方向へはっきりと寄っていく。日本盤はキングレコードのSEVEN SEASからKICP-1787として、国際盤より1か月早い6月7日に発売された。ボーナス曲「All Are Equal」入りの全12曲である。
翌2017年7月14日には初のライヴ・アルバム『Generation Goodbye - Dynamite Nights』が発表された。同ツアーのシュトゥットガルト公演を全25曲で収めたもので、「Masterpiece」ではBEYOND THE BLACKのジェニファー・ハーベンがゲストとして加わっている。
『Ecstasy』とMetal Hammer Award(2018–2019)
第6作『Ecstasy』は2018年7月6日に発表され、ドイツ7位、オーストリア52位、スイス30位を記録した。本国での初のトップ10入りである。権利関係はやや複雑で、Metal Blade Recordsの作品をドイツではSony Music Entertainment Germany(Columbia)が独占ライセンスで扱った。日本盤はAVALONからMICP-11427として7月4日に発売され、ボーナス曲「Let There Be Night」を加えた全14曲となっている。
同年のMetal Hammer Awardsでバンドは「Best German Band」を受賞した。秋にはAMARANTHEとともにPOWERWOLFの『Wolfsnächte』ツアーに帯同し、翌2019年春には自身のヘッドライナー・ツアーを行っている。表題曲にはEXIT EDENのアンナ・ブルナーが迎えられた。彼女とハネス・ブラウンは長年のパートナーであり、ブラウンはEXIT EDENの作品をプロデュースし、ブルナーがデュエット相手として参加した曲も一貫して手がけている。
Napalm期——2位、そして1位へ(2021–2024)
COVID-19の流行でライヴがほとんど行えなくなった時期、バンドは2020年7月4日にシュトゥットガルト空港の駐車場でドライブイン公演を行った。2021年8月には初の公式ファンクラブ、Kissin' Dynamite Pyromaniacs e.V.が設立されている。
2022年1月21日の第7作『Not the End of the Road』はNapalm Recordsへの移籍第1弾で、ドイツ2位、オーストリア53位、スイス13位。シングル「Good Life」にはSALTATIO MORTIS、シャルロッテ・ヴェッセルス、THUNDERMOTHERのゲルニカ・マンチーニが参加し、バンドはこの曲の収益6,000ユーロをテュービンゲンの小児がん患者支援団体に寄付している。日本盤はAVALONからMICP-11671として2日早い1月19日に発売された。2022年12月から翌年1月にかけては、DYNAZTY、FORMOSA、LEAGUE OF DISTORTIONを帯同したドイツ国内のヘッドライナー・ツアーが組まれている。
2024年7月5日の『Back with a Bang!』で、バンドはついにドイツのアルバム・チャート1位を獲得した。オーストリア12位、スイス11位。日本では7月3日に『バック・ウィズ・ア・バング!』の邦題で配信されている。
ハネス・ブラウンの引退表明と『Kissin' Dynamite』(2025–2026)
2025年8月、ハネス・ブラウンはSNSで「ロックンロールのステージから退き、KDのマイクの前に立つことはもうない」と表明した。理由として挙げたのは、長年のツアー生活が健康に及ぼした負担である。同時に彼は「これからもソングライターであり、プロデューサーであり、言うなればこの船の船長であり続ける」とも述べており、バンドを離れるわけではない。この表明の時期については、バンド公式サイトが「2025年8月」と書き、ドイツ語版Wikipediaはバンド自身のニュース記事(2025年9月17日付)を引いて9月とする。当サイトは、自分たちの発言について述べているバンド公式の記述に従っている。
2026年9月18日発売のセルフ・タイトル作『Kissin' Dynamite』は、通算9作目にして自主レーベルからの初リリースであり、ブラウンが歌う最後のアルバムでもある。全13曲のうち6曲が新曲で、残る7曲は『Steel of Swabia』と『Addicted to Metal』からの新録。20年の活動で縁のあった面々が招かれており、「I Salute You」にSALTATIO MORTIS、「Out in the Rain」にAMARANTHE、「Steel of Swabia」にPRIMAL FEARのラルフ・シーパースとDRAGONFORCEのサム・トットマン、「Lie for Me」にLEAGUE OF DISTORTIONのアンナ・ブルナーが加わる。ジャケットは真っ赤な唇がダイナマイトに口づける絵柄で、バンド名をそのまま図にしたものである。2026年9月と10月には、ブラウンをフロントマンとする最後のアリーナ公演3本が予定されている。
メンバー
ハネス・ブラウン(ヴォーカル)、アンデ・ブラウン(ギター)、ジム・ミュラー(ギター)、シュテファン・ハイレ(ベース)、ゼバスティアン・ベルク(ドラム、2021年から)の5人。ドラムは2021年までアンディ・シュニッツァーが務めていた。
この5人の顔ぶれは、バンド公式サイトでは確認できない。公式サイトが名前を挙げているのはハネス・ブラウン(フロントマン、ソングライター、プロデューサー)とアンデ・ブラウン(ギタリスト、創設メンバー)の2人だけで、5人組であることは述べても残る3人には触れていない。上記の編成はドイツ語版Wikipediaの略歴欄に拠る。当サイトが一次資料で確認できた編成のみを載せる方針を採っているため、アーティストページのメンバー欄には反映していない。
ハネス・ブラウンとジム・ミュラーはいずれも制作チームElephant Musicで働いていた。ブラウンのパートナーであるアンナ・ブルナーも2019年末まで同社に在籍しており、2020年初めから2人はロイトリンゲン近郊の南ドイツに住んでいる。
ディスコグラフィ(当サイト登録分)
| 年 | タイトル | 種別 |
|---|---|---|
| 2026 | Kissin' Dynamite | スタジオ |
| 2024 | Back with a Bang! | スタジオ |
| 2022 | Not the End of the Road | スタジオ |
| 2018 | Ecstasy | スタジオ |
| 2017 | Generation Goodbye - Dynamite Nights | ライヴ |
| 2016 | Generation Goodbye | スタジオ |
| 2014 | Megalomania | スタジオ |
| 2012 | Money, Sex & Power | スタジオ |
| 2010 | Addicted to Metal | スタジオ |
| 2008 | Steel of Swabia | スタジオ |
2021年8月27日にAFM Recordsから発売されたベスト盤『Living in the Fastlane - The Best Of』は、当サイトには登録していない。既出曲を集め直した企画盤であり、収録内容はいずれも上記のいずれかのページから辿れる。
出典について
本稿は、バンド公式サイト(トップ、独語および英語のBANDページ)、ドイツ語版Wikipediaの本文とディスコグラフィ副項目、英語版Wikipedia、MusicBrainzのAPI(アーティスト、リリース・グループ、および日本盤6点を含む個別リリース)、Apple MusicのiTunes Search/Lookup API、Spotifyの各アルバム埋め込みが返すデータ、およびYouTubeのoEmbedに基づく。結成年(2006年か2007年か)とハネス・ブラウンの表明時期(2025年8月か9月か)については資料が食い違っており、どちらもその旨を明記したうえで一方を採った。『Generation Goodbye』と『Ecstasy』のレーベル表記についても資料が割れているため、複数の資料が一致する側を採り、『Ecstasy』については実際の権利関係の分割をそのまま記した。バンドの結成都市や各メンバーの担当楽器のうち、一次資料で確認できなかったものは、確認できなかったこととして書いている。
Trivia
日本デビューは2作目『Addicted To Metal』だった。ユニバーサル ミュージック ジャパンのディスコグラフィーによれば、日本盤は2010年7月7日、品番TOCP-66957、税込2,619円で発売されている。デビュー作『Steel Of Swabia』は日本では発売されておらず、日本の店頭に最初に並んだKISSIN' DYNAMITEのアルバムは、彼らにとっての2枚目だったことになる。
その願いは半年余りで叶っている。2012年11月10日の公式告知で、『Money, Sex & Power』ツアーがワールド・ツアーになったこと、そして締めくくりが日本の3公演になることが発表された。日程は2013年2月9日 大阪FANJtwice、10日 名古屋アポロシアター、11日 東京クラブ ホリデー新宿である。
『Generation Goodbye』の日本盤は、キングレコードがKICP-1787として国際盤に先駆けて発売した。税込2,860円、ボーナス・トラックとして「All Are Equal」を追加した全12曲で、キングレコードの商品ページはプロデューサーをGate StudiosのMiro Rodenbergと明記している。
2度目の来日までは11年空いた。バンドは2024年5月21日に「11年ぶりに日本へ戻る」と告知し、日本のレーベルはその日程を2024年11月17日 大阪THE LIVE HOUSE soma、11月18日 東京Shibuya WWWと案内している。日本盤『Back With A Bang!』はアヴァロンからMICP-11894として2024年7月3日に出た。
「Queen Of The Night」のミュージック・ビデオは東京で撮られている。2025年5月9日の公式サイトによれば、フロリダとブラジルから戻った直後の彼らはこの曲をワールド・ツアーの記憶と重ねており、なかでも東京の街の規模に強く心を掴まれたため、渋谷スクランブル交差点と都心の情景を映像に収めることにしたという。
5作目『Generation Goodbye』のジャケットには、ファンの名前が入っている。2016年4月28日にアートワークを公開した際、バンドはFacebookの投稿を公開シェアしてコメントした人の中から選び、ジャケット上の「◯◯があなたをつつきました」という表示の名前部分に採用すると告知した。SNSの通知画面を模したデザインを、実在するファンのアカウント名で埋めるという趣向である。
『Ecstasy』のデラックス・エディション・ボックスには、ドラマーのアンディ・シュニッツァーが書き下ろしたバンドの伝記本『A road paved with gold』が入っていた。ボックスにはこのほか限定デジパックとインストゥルメンタルCD、バンダナが同梱され、アナログ盤は色違いで4種類、それぞれ500枚・500枚・200枚・100枚の限定生産だった。
2018年9月19日、バンドはメタル・ハマー・アワードの「Best German Band」を受賞したことを公表した。5年前に「up and coming」でノミネートされた同じ賞で、今度はドイツを代表するバンドとして名前が呼ばれたことになる。
Albums
第9作。バンドが自ら立ち上げたKissin' Dynamite Recordsからの初リリースであり、ハネス・ブラウンがヴォーカルを務める最後のアルバム。新曲6曲と初期2作からの新録7曲で構成される。
第8作。ドイツのアルバム・チャートで初の1位を獲得し、オーストリア12位・スイス11位。ハネス・ブラウンがヴォーカルとして参加した最後から2番目の作品でもある。
第7作にしてNapalm Records移籍第1弾。ドイツ2位。「Good Life」の収益6,000ユーロをテュービンゲンの小児がん支援団体に寄付した。日本盤はAVALONからMICP-11671。
第6作。ドイツ7位で初のトップ10入りを果たし、同年のMetal Hammer Awardsで「Best German Band」に選ばれた。日本盤はAVALONからMICP-11427、ボーナス1曲入り。
初のライヴ・アルバム。『Generation Goodbye』ツアーのシュトゥットガルト公演を全25曲で収める。「Masterpiece」ではBEYOND THE BLACKのジェニファー・ハーベンが加わる。
第5作。ドイツ14位、スイス59位。日本盤はキングレコードのSEVEN SEASからKICP-1787として国際盤より1か月早く発売され、ボーナス曲「All Are Equal」を収めている。
第4作。ドイツ17位まで上昇し、先行シングル「DNA」でバンドの知名度が一段上がった1枚。日本盤はキングレコードのMETAL FRONTIERからKICP-1706、ボーナス2曲入り。
第3作にしてAFM Records移籍第1弾。ドイツ50位。この作品に伴うツアーではSTEEL PANTHERの前座を務めた。日本盤はReveltasからSPIN-0035、ボーナス1曲入り。
第2作。表題曲でU.D.O.のウド・ダークシュナイダーが共演し、ドイツのアルバム・チャートに初めて(91位)名前を残した1枚。日本盤はEMIからTOCP-66957、ボーナス3曲入りの全15曲。
デビュー作。2007年に結成されたドイツ・シュヴァーベン地方のバンドが、まだ10代のうちにCapitol/EMIと契約して残した12曲。表題曲は自分たちの土地を歌った1曲で、2026年のセルフ・タイトル作で録り直された。