DOWN
1991年にアメリカ・ニューオーリンズで結成されたバンド、DOWN(ダウン)のバイオグラフィとディスコグラフィ。1995年の『NOLA』から2026年の『Volume V』まで、スタジオ作全6作を収録曲・CD情報・ライナーノーツつきで作品ごとに掲載。PANTERAのフィル・アンセルモ、CORROSION OF CONFORMITYのペッパー・キーナン、CROWBARのカーク・ウィンドスタインらによるスーパーグループ。METAL BOOST。
Biography
DOWN
バイオグラフィー
DOWN(ダウン)は、1991年にアメリカ・ルイジアナ州ニューオーリンズで結成されたバンドである。PANTERAのフィル・アンセルモ(歌)、CORROSION OF CONFORMITYのペッパー・キーナンとCROWBARのカーク・ウィンドスタイン(ともにギター)、EYEHATEGODのジミー・バウアー(ドラム)、CROWBARのトッド・ストレンジ(ベース)という、それぞれ別のバンドを本業とする5人が始めた。全員が以前からの友人で、BLACK SABBATH、TROUBLE、SAINT VITUSを好んで聴いていた顔ぶれである。
ニューオーリンズでの結成(1991年〜)
バンドはまず3曲入りのデモを作り、地下の交換用として配った。アンセルモとキーナンは、メタル愛好家に「DOWNってバンドを知っているか」と声をかけてはテープを手渡し、自分たちがそのバンドだとは言わなかった。テープはやがて全米に広まり、地元での小さな公演にエレクトラ・レコードの重役が居合わせて、演奏しているのが誰なのかが分かる。そこで契約が提示された。ワーナーミュージック・ジャパンの紹介文も、あえて名前を伏せて音だけで勝負したこの出し方を、バンドの出発点として記している。
アンセルモは後に、デビュー作について、音も作り方も「とても音の大きいデモ」のようなものであり、楽しみのために作った3曲入りデモ3本が土台になっていると語っている。バンドとして何者であるかを探している最中であり、BLACK SABBATHの影響下にあるSAINT VITUSやTROUBLE、WITCHFINDER GENERALといったバンドを熱心に聴いていた時期でもあった。
『NOLA』と最初の休止(1995〜1998年)
デビュー作NOLAは1995年9月に出された。題名はニューオーリンズ、ルイジアナの略である。AllMusicのデイヴィッド・リーマーは「Temptation's Wings」「Stone the Crow」「Bury Me in Smoke」を挙げ、ヘヴィメタルの棚に必ず置かれるべき節目の一枚だと書いた。ロック・ハード誌の「500 Greatest Rock & Metal Albums of All Time」では244位に入っている。
発売後のツアーは13公演と短く、それが終わるとメンバーはそれぞれの本業のバンドへ戻った。DOWNは各自の「本当の」バンドが動いているときには場所を譲る、という了解のもとで動いてきたバンドである。アンセルモは2018年の取材でもその原則を説明しており、たとえばSUPERJOINT RITUALが動いているあいだはDOWNの時間はない、しかしいずれ必ずもう一枚録るし、全員がそのつもりだ、と述べている。
レックス・ブラウンと『Down II』(1999〜2005年)
1999年、休止中にトッド・ストレンジが離れ、PANTERAのレックス・ブラウンがベースに入った。2001年11月、バンドはブルースの手触りを求めてアンセルモの納屋に移る。Nodferatu's Lairと呼ばれるその場所で、Down II: A Bustle in Your Hedgerowの作曲と録音は28日で終わった。副題はLED ZEPPELINの「Stairway to Heaven」の一節から採られている。
2002年3月26日に発売された本作はビルボード200の44位に入ったが、評価は分かれた。Blabbermouth.netの評者は前作の水準に届かないと書き、一方でイギリスのMetal Hammer誌は10点中8点を付けている。日本盤は同年4月10日にAMCY-10007として出た。バンドはOZZFESTのセカンド・ステージで全米を回り、その後ふたたび休止に入る。
『Over the Under』とライヴ盤(2006〜2010年)
2006年、バンドは再始動した。アメリカではワーナー・ブラザース、それ以外の地域ではロードランナーとの契約である。1年をかけて書かれたOver the Underは2007年9月に出され、ビルボード200の26位、初週約2万9千枚。歌詞の主題は、ハリケーン・カトリーナ後のニューオーリンズへの怒り、PANTERAの解散、元PANTERAのダイムバック・ダレルの殺害、そしてアンセルモ自身の背中の手術と薬物依存からの回復である。発売に先立ってHEAVEN & HELL、MEGADETHとのツアーが組まれ、そのあとバンドは単独の長期ツアーに出た。
2010年10月5日には、2006年のヨーロッパ・ツアーからロンドンでの公演を丸ごと収めた2枚組のライヴ作品『Diary of a Mad Band: Europe in the Year of VI』がCD/DVDで出ている。題名の「VI」は録音された年を指す。当初は同年3月23日の予定だったが、権利上の問題で10月へずれ込んだ。レックス・ブラウンが参加した最後のDOWN作品であり、アナログ盤は『Threefold Live』と改題され別のジャケットで出された。このサイトはスタジオ作のみを個別ページで扱っているため、この作品にはページを設けていない。
『Down IV』の2枚(2011〜2014年)
2011年6月、ジミー・バウアーはレックス・ブラウンがバンドに戻らないことを明らかにし、CROWBARのパット・ブルーダーズが後任となった。バンドは通常のアルバムではなく4枚のEPを順に出す形を選び、その第1弾Down IV – Part Iが2012年9月18日に発売された。『The Purple EP』とも呼ばれるこの6曲はビルボード200の35位に入った。日本では日本盤が作られず、ワーナーミュージック・ジャパン/ロードランナーが同年10月6日から輸入盤を販売し、解説と対訳のPDFカードをダウンロードできるQRコードを付けた。
2013年の夏、カーク・ウィンドスタインがバンドを離れ、ボビー・ラングラフが後任としてギターを弾いた。第2弾Down IV – Part IIは2014年5月13日に出ている。日本では、この2枚の12曲を1枚にまとめた日本独自企画盤『ダウンIV ~パート1&2~』(WPCR-15739、税込2,703円)が同年7月9日に発売された。シリーズはこの2枚で止まり、第3弾と第4弾は出ていない。
再結集と『Volume V』(2019年〜)
2019年11月、バンドは2020年に公演を行うことを発表した。同年12月には、『NOLA』の25周年に合わせて創設メンバーのカーク・ウィンドスタインが復帰することが明らかになっている。2025年8月の取材でウィンドスタインは、新作の録音が折り返しを過ぎ、ドラム、ベース、リズム・ギターがすべて終わったと述べた。
2026年2月13日、バンドはマルディグラに合わせてドクター・ジョンの「Right Place, Wrong Time」のカヴァーを公開した。同年8月19日には先行シングル「Blood Oath」とともに4作目Volume Vが告知され、Nuclear Blastからの11月20日の発売が発表されている。フル・アルバムとしては『Over the Under』以来19年ぶりで、2曲目「Merciful Fate」にはキング・ダイアモンドが参加している。
メンバーについて
2026年8月のレーベル告知が記す現在の編成は、フィリップ・H・アンセルモ(歌)、ペッパー・キーナン(ギター)、カーク・ウィンドスタイン(ギター)、パット・ブルーダーズ(ベース)、ジミー・バウアー(ドラム)の5人である。ベースは結成時のトッド・ストレンジ(1991〜1999年)、レックス・ブラウン(1999〜2011年)を経てブルーダーズに引き継がれ、ギターはウィンドスタインの不在期(2013〜2019年)にボビー・ラングラフが務めた。
このサイトは、バンド自身の公式サイトが現行ラインナップを掲げた一次情報を公開していないため、メンバー情報を構造化データとしては登録していない。上記はレーベルの告知およびワーナーミュージック・ジャパンのアーティスト紹介に拠るものである。
ディスコグラフィ
スタジオ作6作が、このサイトに登録されている。ライヴ盤『Diary of a Mad Band: Europe in the Year of VI』(2010年、アナログ盤の題は『Threefold Live』)、1992年のデモ集、2008年のBBCセッション、シングルは含まない。『Down IV』の2枚はEPだが、バンドとレーベルが4作目を分割して出したものとして扱っており、日本でも2枚を1枚にまとめた企画盤が出ているため、ここでは本編に並べている。
| # | アルバム | 形態 | 発売 |
|---|---|---|---|
| 1 | NOLA | アルバム | 1995年9月 |
| 2 | Down II: A Bustle in Your Hedgerow | アルバム | 2002年3月26日 |
| 3 | Over the Under | アルバム | 2007年9月24日 |
| 4 | Down IV – Part I | EP | 2012年9月18日 |
| 5 | Down IV – Part II | EP | 2014年5月13日 |
| 6 | Volume V | アルバム | 2026年11月20日 |
『NOLA』の発売日は資料によって9月の日にちが食い違うため、ここでは月までを記している。『Down IV – Part II』はアメリカでの発売日で、イギリス盤のCDはその前日に出た。
日本公演
来日は2回で、いずれもさいたまスーパーアリーナのLOUD PARKである。最初は2008年10月18日、LOUD PARK 08の初日で、フェスティヴァル自身のラインナップ表はDOWNを19:35、ヘッドライナーのSLIPKNOTの直下に置いている。ワーナーミュージック・ジャパンのアーティスト紹介はこれを「初の来日」と記す。当時のベースはレックス・ブラウンで、『Over the Under』を携えた来日だった。
2度目は2014年10月18日、LOUD PARK 14の初日である。フェスティヴァルの告知はDOWNを10月18日(土)の出演と発表しており、ワーナーミュージック・ジャパンによるWOWOWの放送案内も、初日をDOWNの出演日と明記している。この時のギターはボビー・ラングラフだった。
3回目になるはずだった公演は行われていない。2014年10月16日に大阪・梅田AKASOで予定されていた単独公演は、地元ニューオーリンズの天候によってフライトが遅れたため中止となった。振替は組まれず、チケットは全額払い戻された。開催されなかった公演であるため、このサイトのLIVE欄には登録していない。
出典について
ここに記した事実は、英語版Wikipediaのバンド記事(1991年の結成、匿名のデモとエレクトラとの契約、休止の経緯、ベースの交代、Nodferatu's Lairでの28日間、OZZFEST、2006年の契約、ウィンドスタインの離脱と復帰、2026年の告知)とその各アルバムの記事(発売日、レーベル、スタジオ、プロデューサー、参加メンバー、曲順、副題の由来、隠しトラック)、ワーナーミュージック・ジャパンのアーティスト紹介およびニュース(日本盤の品番と価格、2度の来日、大阪公演の中止、WOWOWの放送日)、LOUD PARK公式サイトのラインナップと告知(出演日と時間)、Blabbermouth.netの2026年8月19日の記事(『Volume V』の発売日、制作陣、曲順、キング・ダイアモンドの参加)、MusicBrainzのリリース情報(品番、形態、曲数、公式リンク)、およびSpotifyの埋め込み情報(アルバムの同定と再生可否)に拠っている。いずれも2026年9月29日に閲覧した。
Trivia
初来日は2008年10月18日、さいたまスーパーアリーナのLOUD PARK 08である。フェスティヴァル自身が公開しているラインナップ表を見ると、この日は11:00から20:45まで12組が並び、DOWNの出番は19:35。その直後、最後に立ったのがヘッドライナーのSLIPKNOTだった。ワーナーミュージック・ジャパンはこの出演を「初の来日」と記している。
『Down IV』は4枚のEPとして出される構想で始まり、実際に出たのは2枚である。日本ではその2枚が1枚にまとめられた。2014年7月9日に発売された『ダウンIV ~パート1&2~』(WPCR-15739)は、第1弾と第2弾の6曲ずつ全12曲を1枚のCDに収めた日本独自企画盤で、輸入盤しか出なかった第1弾も、この形で国内盤として手に入るようになった。
このバンドは、自分たちが誰であるかを伏せたまま世に出た。ワーナーミュージック・ジャパンのアーティスト紹介によれば、5人はあえて名前を出さず、バンド名だけを記したデモ音源を作って配った。話題になったのは音のほうが先で、それがフィリップ・アンセルモを中心としたスーパーグループだと分かったのは、テープが全米に広まったあとである。地元での小さなライヴをエレクトラ・レコードの重役が観たことで正体が知れ、契約が提示された。
2014年の再来日では、実現しなかった公演がひとつある。10月16日に大阪・梅田AKASOで予定されていた単独公演で、地元ニューオーリンズの天候によってフライトが遅れ、大阪の会場の振替日程まで調整したものの中止となった。バンドのマネージメントは大阪のファンに宛てた声明を出し、チケットは全額払い戻された。2日後のLOUD PARKへの出演はそのまま行われている。
2012年の『Down IV – Part I』には日本盤が作られなかった。ワーナーミュージック・ジャパンとロードランナーは、日本盤を出さずに輸入盤を10月6日から販売するという形を選び、その代わりに輸入盤へQRコードを付けた。読み取ると、解説と対訳を収めたPDFカードをダウンロードできる。輸入盤を買った人にも日本語の解説と歌詞の訳を届けるための仕掛けである。
2014年のLOUD PARK 14での演奏は、日本のテレビで放送されている。WOWOWライブが2015年2月10日を「LOUD PARKの日」として全出演者の映像を流し、DOWNが出演した初日ぶんは20:00から、2日目ぶんは22:30からという編成だった。ワーナーミュージック・ジャパンの放送案内は、初日の枠に「*DOWN出演日」と添えている。
2026年11月発売の『Volume V』では、2曲目「Merciful Fate」にキング・ダイアモンドが加わる。レーベルの告知によれば、この曲はアンセルモとキング・ダイアモンドが歌を掛け合う場面で頂点に達し、その背後では毎分120拍の速さでソロが弾かれる。さらにキング・ダイアモンドの妻であるリヴィア・ジータも声を重ねている。
バンドには決まった作曲の場所がある。アンセルモの自宅スタジオNodferatu's Lairで、2002年の『Down II』以来そこが集合場所になってきた。レーベルの告知によれば、『Volume V』の曲の大半は2度の作曲セッションから生まれ、方法は昔のままで、全員が顔を突き合わせて音を出し合うなかで曲がその場で立ち上がっていった。2025年を通して形になり、キーナンとウィンドスタインはギターを同時に録音している。
News
PEPPER KEENAN(CORROSION OF CONFORMITY/DOWN)、初のソロ・アルバムを制作中
ポッドキャスト「We Wreck Records」で明かした。年を取ってから出そうと温存してきた曲が多数あるとし、曲ごとに誰にギターやドラムを弾いてもらうかを決めていく整理の段階だと語っている。
PANTERA、11月20・21日のニューオーリンズ2デイズ〈The Great NOLA Trendkill〉のチケットを発売開始
会場はLakefront Arena。PANTERAのほかDOWN、BLACK LABEL SOCIETY、POWER TRIP、CORROSION OF CONFORMITY、CROWBAR、PIG DESTROYER、EYEHATEGOD、Rāde、Herakleionが出演する。
PANTERA、ニューオーリンズで30年ぶりの公演 2デイズ・フェス〈The Great Nola Trendkill〉が11月20〜21日開催
Housecore Horror/Housecore Records/Live Nationの主催で、会場はニューオーリンズのLakefront Arena。1996年発表『The Great Southern Trendkill』の30周年に合わせた公演で、DOWNの新作『Volume V』のリリース公演も兼ね、BLACK LABEL SOCIETY、CORROSION OF CONFORMITY、POWER TRIP、CROWBAR、EYEHATEGOD、PIG DESTROYERらも出演する。
SLAYER、『Reign In Blood』40周年公演で同作を全曲演奏 1年ぶりのライヴで2014年以来の曲も披露
9月4日にミネソタ州ShakopeeのMystic Lake Amphitheaterで開催され、DOWN/SUICIDAL TENDENCIES/HATEBREEDが共演、全23曲の中で「Piece By Piece」「Necrophobic」「Criminally Insane」(いずれも2014年以来)と「Altar Of Sacrifice」(2015年以来)を演奏した。
DOWN、10年以上ぶりの新作『Volume V』を11月20日発売 — 新曲「Blood Oath」公開
ニューオーリンズのスラッジ・スーパーグループが、10年以上ぶりの新作『Volume V』を11月20日にNuclear Blastから発売する。先行曲「Blood Oath」を同時に公開した。
MVを再生Albums
DOWNの4作目。2026年11月20日にNuclear Blastから発売される。フル・アルバムとしては2007年の『Over the Under』以来19年ぶりで、「Merciful Fate」ではキング・ダイアモンドが歌に加わる。
DOWNの6曲入りEP、『Down IV』シリーズの第2弾。2014年5月発売。カーク・ウィンドスタインが離れ、ボビー・ラングラフがギターを弾いた唯一の作品である。
DOWNの2作目。2002年3月にElektraから発売された。副題はLED ZEPPELIN「Stairway to Heaven」の歌詞から採られている。