CHICKENFOOT TRIVIA

Trivia

デビュー作『Chickenfoot』の日本盤は、2009年7月8日に発売された。BARKS が載せた仕様は品番 IECP-10190、価格は税込2,625円である。国際盤の6月5日から1か月ほど遅れての発売だった。

出典: BARKS

デビュー作のCDジャケットは、手の熱で絵柄が変わる感熱仕様だった。公式サイトは発売直前の告知で、レコード店で買えばこの感熱ジャケットが手に入る、とわざわざ書いている。この仕掛けは物理メディアにしかないもので、のちにバンド公式の iPhone アプリが備えた機能の筆頭も、この感熱ジャケットを画面上で再現することだった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

CHICKENFOOT の共同マネージャーだったカーターは、2011年5月10日にパーム・スプリングスで亡くなった。65歳だった。公式サイトの訃報は彼を、伝説的なA&Rマン、プロデューサー、ソングライター、マネージャーと呼び、さらに「きちんとしたブリッジのある曲」のために生涯戦い続けた人物だと書いている。バンドは、彼の独特で聡明な導きを失ったと述べた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

『Chickenfoot III』はグラミー賞にノミネートされている。ただし部門は演奏でも楽曲でもなく、Best Recording Package だった。公式サイトが2011年12月に伝えたところによれば、対象となったのはアルバムの3D仕様のパッケージ・デザインである。同じ告知は、デジタルでダウンロードした人はこの仕掛けを知らないかもしれない、と断りを添えていた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

2016年5月7日と8日、CHICKENFOOT はレイク・タホの Harrah's で2夜だけ復活した。公式サイトの報告によれば、セットは『Chickenfoot』と『Chickenfoot III』の両方から組まれ、あわせて新曲「Divine Termination」が初めて披露された。この2公演は、バンドにとって6年以上ぶりのフル・セットである。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

CHICKENFOOT の始まりは、企画会議ではなく一夜のジャムだった。サミー・ヘイガーとマイケル・アンソニーが、ヘイガーの店 Cabo Wabo Cantina で演奏していたところへ、RED HOT CHILI PEPPERS のチャド・スミスが飛び入りで加わった。この3人がその場の手応えを共有したことがすべての発端で、そこからギタリストとしてジョー・サトリアーニに声がかかる。BARKS はこの経緯を、バンド誕生のきっかけは偶然だったと伝えている。

出典: BARKS

CHICKENFOOT という名前は、正式に決められたものではない。ジョー・サトリアーニの説明によれば、これは何かしら呼び名が要るという理由でつけた、ふざけた仮の呼称だった。その間にもっと気の利いた候補をいくつも考えたが、結局 CHICKENFOOT ほど良いものは出てこなかったという。奇妙でありながら同時にぴったりだ、というのが彼の見方で、世間が一貫してこの名前で呼び続けたことにも彼は驚かなかった。名前のほうが定着してしまったのである。

出典: Songfacts

デビュー作の制作は、驚くほど速く動いていた。2008年10月末に Billboard の取材へ答えたサミー・ヘイガーによれば、この時点でバンドはスタジオに入って2日で8曲のデモを録り上げており、録音済みの曲は9曲に達していた。12月にもう数曲を録りにスタジオへ戻り、2月か3月の発売を目指しているという話だった。実際の発売は2009年6月にずれ込んでいる。

出典: Blabbermouth.net

「Three And A Half Letters」の歌詞は、サミー・ヘイガーがファンから受け取った実物の手紙でできている。ジョー・サトリアーニの説明によれば、マネージャーのカーターは以前からヘイガーに、経済状況を題材にした曲を書くよう求めていた。ヘイガーはその案を「カントリーみたいだ」と一度は退けたが、アフガニスタンにいる男性からの手紙の末尾にあった「仕事が要る、助けてくれないか」という一行を読んで、そこに曲があると気づいたという。歌詞は約20通の手紙をもとに3通ぶんへまとめ直したもので、ヘイガーはヴァースでそれを読み上げ、サビで「I need a job」と叫ぶ。

出典: Songfacts

CHICKENFOOT が止まった理由について、ジョー・サトリアーニは2015年にこう説明している。ここ数年アルバムをもう1枚作ろうとしてきたが不可能だった、全員がやりたいとは思っているのに日程が邪魔をする、と。彼はまた、常に扉を叩いていたのは自分のほうだった、もう1枚作ろうと言い続けてきたのは自分だ、とも述べた。理由は日程だけではないという。最初のアルバムは無茶な思いつきだったから楽しかったが、周囲の関係者が「これが当たったらどうする」と気づいた時点で最初の暗雲が生じ、2枚目は作るのが難しくなり、3枚目はほとんど不可能になった、というのが彼の見方である。彼は同時に、メンバー間に個人的な確執はないと明言している。

出典: Blabbermouth.net

日本のメディアがこのバンドを紹介したのは、デビュー作の日本盤が出た直後だった。BARKS は2009年7月、元 VAN HALEN のサミー・ヘイガーとマイケル・アンソニー、RED HOT CHILI PEPPERS のチャド・スミス、そしてジョー・サトリアーニという顔ぶれを「まさかの」組み合わせとして伝えている。記事は当時の状況として、5月に始まった北米の ROAD TEST ツアーと、6月下旬から始まるヨーロッパ・ツアーに触れ、ロンドン公演が完売したことを話題として挙げていた。

出典: BARKS

BARKS はこのバンドの動向を、活動が止まったあとも追い続けている。2019年3月の記事は、9月に公演があるはずだというジョー・サトリアーニの見通しを伝え、リハーサル中に新曲を録るかもしれないという彼の言葉も紹介した。同じ記事は、2018年は本格的な再開が語られながら結局サンフランシスコでの1公演に終わったこと、そしてケニー・アロノフが2011年から2012年にかけての CHICKENFOOT のツアーに参加した人物であることにも触れている。

出典: BARKS

CHICKENFOOT が最初に組んだツアーは、アルバムが出る前に行われた。2009年4月に公式サイトが発表した「ROAD TEST」は、デビュー作の曲を携えて回る少数限定の公演で、対象都市はシアトル、ヴァンクーヴァー、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、トロント、ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアだった。名前のとおり、作品を世に出す前に路上で走らせてみるという趣旨の興行である。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

バンドは金曜日を「Footday」と呼んでいた。デビュー作が発売されたのが2009年6月5日の金曜で、公式サイトはその告知でこの呼び方を使っている。同じ日、彼らはコナン・オブライエンが司会を引き継いだばかりの The Tonight Show に出演し、「Oh Yeah」を演奏した。番組がコナン体制になって最初の週の出来事である。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

デビュー作の発売前、バンドは「12 Days of the Foot」という映像連載を毎日1本ずつ公開した。1話につき1曲、ジョー、チャド、マイク、サミーの4人がその曲の背景を語り、曲の一部も聴ける構成である。アルバムを1曲ずつ順に紹介していく形式で、発売前に全曲の断片が出そろうことになる。同じ趣向は2011年の『Chickenfoot III』でも繰り返され、こちらは隔日更新のポッドキャスト連載として行われた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

デビュー作を出した年の夏、CHICKENFOOT はクリーヴランドのロックの殿堂で無料公演を行っている。2009年8月15日のこの公演について、公式サイトは、チケットは無料だがクリーヴランド現地のさまざまな企画を通じてしか手に入らず入手が難しいため、ファンの手にチケットを届ける別の方法を用意した、と説明していた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

2009年夏のヨーロッパ公演は、チャド・スミスの故障で3本が飛んでいる。公式サイトの説明によれば、彼はパリでの公演中に完治していなかった古傷を悪化させ、MRI で状態が判明した。マドリードはパリでの診断のために中止となり、彼はその後の公演を続けるつもりでイタリアへ向かったが、週末の公演のあと痛みが強く、ロンドンで専門医に診てもらう時間を取るため、完売していたハンブルクとコペンハーゲンの2公演が中止になった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

2009年のツアー終盤、バンドは将来の映像作品のために公演を録画していた。公式サイトは8月末にアトランタ公演の収録を、9月にはフェニックス公演(9月23日)の収録を予告しており、来場者には映像に映る可能性があると伝えている。このフェニックスの音源は、のちにDVD/Blu-ray『Get Your Buzz On』の素材となり、さらに2017年の『Best + Live』でCD初収録となった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

デビュー作『Chickenfoot』は発売の年のうちにゴールド認定を受けた。公式サイトは2009年10月6日、ツアーの締めくくりとしてジョー、チャド、マイク、サミーの4人にゴールド・ディスクが手渡されたことを写真つきで伝えている。BARKS の記事によれば、このアルバムは全米チャートで4位に達し、50万枚以上の出荷でゴールドに認定された。同じ記事は、2枚目はそこには届かなかったとも書いている。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

2009年のツアーが終わった時点で、公式サイトは4人それぞれの次の予定を並べている。チャド・スミスは RED HOT CHILI PEPPERS に戻り、サミー・ヘイガーとマイケル・アンソニーはカボへ、ジョー・サトリアーニは年明けにライヴDVDを控えている、という内容だった。全員が本業を別に持つバンドの日程が、最初から並列で動いていたことがそのまま書かれている。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

『Chickenfoot III』は、デモを録るつもりで始まって本番になった。公式のバイオグラフィによれば、2010年の初めにジョー・サトリアーニとサミー・ヘイガーがツアー中に曲の断片を交換し始め、その年を通じてサトリアーニが完成度の異なるデモをバンドへ送り続けた。翌年2月、4人はヘイガーの倉庫スタジオに集まる。そこで技師として迎えたマイク・フレイザーの出す音があまりに良かったため、マイケル・アンソニーの言葉を借りれば、まだデモの段階のつもりだったのが「テープを回してしまおう」という話になったのだという。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

『Chickenfoot III』を録ったのは、サミー・ヘイガーの倉庫スタジオである。バンドはここを「the Foot Locker」と呼んでいた。バンド名にちなんだ通称だが、内輪の冗談で終わらず、2012年にバンドが Google+ で行った公開ハングアウトの告知でも、配信元の場所としてこの名前がそのまま使われている。技師として参加したマイク・フレイザーは AC/DC や METALLICA を手がけた人物で、この作品では共同プロデューサーも兼ねた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

2作目のデモ作りの段階で、ジョー・サトリアーニはサミー・ヘイガーに注文をつけた。あなたの声には録音に残っていない陰影がある、これまでと違う歌い方を聴かせてほしい、という趣旨である。ヘイガーはそれを挑戦として受け取り、こう返した——それなら自分にも同じことを求める、これまでにない弾き方を聴かせてほしい、と。公式のバイオグラフィによれば、二人はその場で握手を交わしている。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

サミー・ヘイガーは『Chickenfoot III』の歌詞で行き詰まっていた。公式のバイオグラフィによれば、バンドがスタジオに入る直前、長年のマネージャーであり CHICKENFOOT の共同マネージャーでもあったジョン・カーターが癌に倒れ、予後は良くないと知らされた。自著の宣伝ツアーも重なり、彼は自分の言葉によれば「詰まって」いた。衰えていく体でカーターがヘイガーに命じたのは、これまでで最高の作品を作れ、意味のある曲を書け、人にとって意味を持つ言葉を書け、ということだった。カーターが亡くなったあと、ヘイガーは探していた主題を見つけている。ジョー・サトリアーニは、カーターが逝った瞬間にサミーの鍵が外れたようだった、と語った。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

「Up Next」は、亡くなったマネージャーへの追悼としてサミー・ヘイガーが書いた曲である。公式のバイオグラフィによれば、彼は自分の番がいつ来てもおかしくないと考えるようになり、天国の門の前で順番を待つ光景をファストフード店の行列のように思い描いた。そこで店員が呼ばわる「次の方」——それがそのままサビになったのだという。この曲にはサトリアーニの長いギター・ソロも入っている。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

「Come Closer」は、このバンドとしては手順が逆だった曲である。公式のバイオグラフィによれば、通常とは反対に、サミー・ヘイガーが先に歌詞を書き上げ、それにジョー・サトリアーニが曲をつけた。しかも作曲はピアノで行われている。バンド全員で形にする段階でサトリアーニはピアノを離れてギターに持ち替え、そのソロが曲の射程を広げることになった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

「Different Devil」のサビは、ドラマーが書いた。公式のバイオグラフィによれば、曲そのものはジョー・サトリアーニが作ったものの、彼はアレンジがうまく噛み合っていないと感じていた。そこへチャド・スミスがコードをいくつか弾いてみせ、新しいコーラスを出した。それで曲が滑らかになり、一気に録り終えられたという。この曲はマイケル・アンソニーの歌が最も前に出ている曲でもあり、コーラス担当の彼がヘイガーとほぼデュエットに近い形で歌っている。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

アルバムを締めくくる「Something Going Wrong」で、ジョー・サトリアーニはギター以外の弦楽器を弾いている。マイケル・アンソニーの説明によれば、この曲でサトリアーニはドブロやバンジョーを手にしており、彼は世間が思っているような速弾き専門の人間ではなく深い根を持っている、というのが同僚の評だった。アンソニー自身とチャド・スミスも、この曲ではふだんと違う帽子をかぶるのを楽しんだと語っている。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

2011年の Ultimate Classic Rock Awards で、CHICKENFOOT は2部門を獲得した。公式サイトが2012年の年明けに伝えたところによれば、受賞は Best Song(「Big Foot」)と Best Album(『III』)の2つで、投票したのはファン——バンドが Foot Soldiers と呼ぶ人たちである。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

デビュー作を出した年、CHICKENFOOT は Classic Rock Awards で BEST NEW BAND に選ばれている。公式サイトが2009年11月にそう伝えた。メンバー4人の経歴を合わせれば数十年になるバンドが「新人」の賞を受けたことになる。同じ告知には、11月6日の Jimmy Kimmel Live 出演と、11月1日に Best Buy 限定で発売されるデラックス限定盤のことも並んでいた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

2009年12月5日のラスヴェガス公演が、この年の最後のステージになった。公式サイトの報告によれば、この夜はジェイソン・ボーナムが飛び入りし、アンコールで「Rock 'N Roll」を演奏している。しかもそのときチャド・スミスはドラムではなくギターに回っていた。締めくくりは全員参加のドラム乱打だったという。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

「Get It Up」のアニメーション・ビデオは、ファンからの持ち込みで実現した。公式サイトの説明によれば、熱心なファンの一人がたまたまプロのアニメーション監督で、彼のほうからバンドへビデオ制作を持ちかけてきた。最終的にはカナダのアニメーション制作会社 Pipeline Studios と組み、2010年初めに公開されている。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

2作目の「ROAD TEST」も、少数の会場で行われた。公式サイトが発表した2011年のアメリカ公演は5本で、11月1日サンフランシスコ Warfield Theatre、2日ロサンゼルス Avalon Hollywood、4日セントルイス The Pageant、5日シカゴ Metro、8日ニューヨーク Webster Hall。ファンクラブ先行では、できるだけ多くの会員を入れるため1人2枚までという制限が設けられた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

『Chickenfoot III』を出したあとのツアーで、ドラムを叩いていたのはチャド・スミスではなかった。公式サイトは2011年10月、ヨーロッパの ROAD TEST 公演を告知する中で、新しい素材の響きが素晴らしく、ケニーがドラムでうまく嵌まっていると書いている。ケニー・アロノフである。ROAD TEST はヨーロッパ5都市・アメリカ5都市の限定興行で、2012年に予定されていた大きな会場での本格的なツアーに先立つものだった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

2012年の「Different Devil」ツアーは、サウス・レイク・タホの Harrah's にある South Shore Room の2公演から始まった。どちらも完売で、公式サイトによればヨーロッパをはじめ遠方から客が集まっている。同じ建物の中に Cabo Wabo Cantina があることが、CHICKENFOOT のファンにとってもサミー・ヘイガーのファンにとってもこの会場を特別なものにしていた。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

CHICKENFOOT の5年ぶりの新曲は、新作アルバムではなくベスト盤の1曲目として世に出た。2017年3月10日発売の『BEST + LIVE』は、バンドにとって初のベスト・アルバムで、その冒頭に置かれたのが新曲「Divine Termination」である。北米では eOne Music から、それ以外の地域では earMUSIC/Edel から発売された。ジョー・サトリアーニはこの曲を、骨まで砕くような、態度と空気の滴るロックだと評している。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

『BEST + LIVE』の2枚目には、90分を超えるライヴ音源が収められている。公式サイトによれば、これは2009年にフェニックスで録音されたもので、CDとして出るのはこれが初めてだった。それまでは DVD/Blu-ray『Get Your Buzz On』の映像としてしか聴けなかったものである。13曲のセットにはデビュー作のほぼ全曲に加え、サミー・ヘイガーが MONTROSE 時代に歌った「Bad Motor Scooter」、THE WHO の「My Generation」、そしてジョー・サトリアーニによる「The Star Spangled Banner」の解釈が並ぶ。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

『Chickenfoot III』は、2011年の発売時に Billboard 200 の9位で初登場している。公式サイトはベスト盤の紹介文の中でこの数字を挙げている。ゴールド認定を受けた1作目が全米4位だったのに対し、2作目はこの位置だった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト

『BEST + LIVE』のライヴ・ディスクには、発売直後にマスタリングの不具合が見つかった。曲間に隙間が入っているという指摘を受け、バンドは2017年3月に公式サイトで交換の受付を告知している。ディスクか購入証明を返送すれば Entertainment One Music から交換品が送られ、待ちたくない人には購入証明の写真を送れば即座にデジタル版を渡す、という内容だった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

「Divine Termination」のミュージック・ビデオは、前年のタホでの復活公演の映像で作られている。公式サイトの説明によれば、映像にはその公演でのライヴ演奏と、チャド・スミスがドラム・セットを破壊する場面が収められている。公開は2017年2月13日で、北米では Ultimate Classic Rock、ヨーロッパでは Classic Rock Magazine と組んでのプレミア公開だった。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

バンドの公式サイトは今も更新されている。最も新しい記事は2023年9月27日、『Chickenfoot III』の発売から12年を数えたもので、ジョー・サトリアーニとチャド・スミスのスタジオ・セッションから未公開のひとこまが公開された。二人が囲んでいるのは、スミスの好きな70年代の曲——SPIRIT の「Nature's Way」である。

出典: CHICKENFOOT 公式サイト NEWS

ジョー・サトリアーニがこの誘いを受けた理由は、インストゥルメンタルの演奏家であり続けることを望んでいなかったからだった。BARKS が伝える彼の説明によれば、彼は元々インスト奏者になろうと思っていたわけではなく、力のあるヴォーカルを擁するロック・バンドの一員になりたいと考え続けていた。過去にもいくつか誘いはあったが、どれも決め手を欠いていたという。サミー・ヘイガーのほうは、本気のバンドを探していたわけではないが、この面々と演奏してみて断るほうが馬鹿げていると感じた、と述べている。

出典: BARKS

サミー・ヘイガーは、このバンドの相性を自分の経歴の中で最上のものだと語っている。2008年の Billboard の取材で彼が挙げた比較対象は、MONTROSE と VAN HALEN だった。バンドは一人替わるだけで全体が変わってしまうことがある——自分が VAN HALEN に入ったときがまさにそうだ——と前置きした上で、CHICKENFOOT の相性はそのどちらより良い、と述べている。

出典: Blabbermouth.net

「Soap On A Rope」は、サミー・ヘイガーの一言から生まれた曲である。ジョー・サトリアーニの説明によれば、二人がテキーラを飲みながらこのバンドに向いた曲の話をしていたとき、ヘイガーが、まず演奏があって、自分が歌い、そのあとまた演奏がある——そういう作りの曲があったらいい、と言った。彼は仲間の演奏を聴くのが好きで、その構成なら歌ったあとで演奏を聴いていられるという理屈だった。サトリアーニはこれを受けてデモを作り、2回目のデモ・セッションでその場で構成をまとめている。

出典: Songfacts

「Three And A Half Letters」は、録音最終日に一発録りされた。ジョー・サトリアーニによれば、サミー・ヘイガーは彼のギターについて事前に譜面を起こすことも試し録りすることも望まず、その場の反射だけで弾くよう求めた。曲の骨格だけは書いておき、あとはバンド全員で一度に演奏したという。ソロの箇所で彼が踏んだのは Proctavia で、コーラス部分にはあとから2本目のギターを重ね、ライヴで弾いたソロを中央へ移してディレイを左右に振っている。

出典: Songfacts

2枚目のアルバムが『Chickenfoot III』と名乗っているのは、冗談が半分だけ本気になった結果である。サミー・ヘイガーの説明によれば、日程の都合で再集結までに時間がかかったこともあり、作り始めたときは冗談で「Chickenfoot IV」と呼んでいた。完成してみるとこれは冗談で済ませるべき出来ではないと感じ、IV では茶化した響きになりすぎる、しかし内容は「Chickenfoot II」と呼ぶにはあまりに先へ進んでいる、と考えた。恐れられる2枚目を飛び越したのだから III でいい——というのが彼の理屈である。ジョー・サトリアーニのほうは、その呼び方はチャド・スミスとマネージャーのカーターが始めた冗談だったと記憶している。

出典: Songfacts

先行シングルに「Big Foot」を選んだのは、サミー・ヘイガー本人ではない。彼の説明によれば、この曲は CHICKENFOOT に期待されるものの典型すぎると感じており、第一候補ではなかった。レコード会社と周囲がこの曲を推したので、どの曲でも構わない、全曲良いのだから的にダーツを投げて決めてもいい、と答えたのだという。どれが一番良いか自分でも分からないと言えたのはこの作品が初めてだ、とも彼は述べている。

出典: Songfacts

デビュー作は、発売の年のうちにギター譜集になった。2009年11月末に Hal Leonard から出たこの本には、アルバム収録の11曲すべてについて、タブ譜つきの音符どおりの採譜が収められている。デビュー作1枚がそのまま教材として流通したことになる。

出典: Blabbermouth.net

サミー・ヘイガーのほうは、新作を作らない理由を採算として説明している。BARKS が伝えた Rolling Stone の取材で彼が挙げた数字は、CHICKENFOOT の水準で1枚作るには50万ドルかかり、曲作りと録音に半年を費やすというものだった。それだけやっても大きくは売れない、自分はがっかりしたくない、勝者でいたい、というのが彼の言い分である。同じ取材で彼は、ジョーはエディ・ヴァン・ヘイレン以来のお気に入りの共作相手であり、誰よりも彼とアルバムを作りたいとも述べている。

出典: BARKS

止まっていたバンドを動かしたのは、ジョー・サトリアーニのしつこさだった。2015年9月、BARKS が伝えたポッドキャストでの発言によれば、彼は CHICKENFOOT はどうなっているのかと1日に10回は訊かれる状況にあり、自分が文句を言い続けたことが功を奏したと語っている。新しい曲を作ってサミー・ヘイガーに送ったところ即座に返事が来て、創作上の提案までついていた。その時点で曲はバンド内を回っており、チャド・スミスのドラムとヘイガーのヴォーカルが入り、その週の終わりにはマイケル・アンソニーがベースとコーラスを加えに来る予定だという。

出典: BARKS

2018年5月15日、CHICKENFOOT はサンフランシスコの Fillmore で再び4人そろって演奏した。慈善公演「Acoustic-4-A-Cure」の5回目で、サミー・ヘイガーが自身の短いセットで開演したあと、残る3人と合流している。演奏されたのは「Oh Yeah」「Sexy Little Thing」「Something's Going Wrong」など。4人がそろって演奏したのは2年余りぶりだった。この催しはヘイガーと METALLICA のジェイムズ・ヘットフィールドが立ち上げたもので、収益は UCSF ベニオフ小児病院の小児がんプログラムに充てられる。

出典: Blabbermouth.net

再結成の可能性について、ジョー・サトリアーニは2019年に、扉はいつでも開いていると答えている。4人の間には本物のつながりがあり、全員が一瞬でやるだろう、というのが理由である。彼はまた、サミー・ヘイガーの口癖を持ち出してこう言った——サムは毎年「来年は休む」と言うが、元日の午前1時半、つまり年が明けて1時間半ほど経った頃に電話をかけてきて、バンドをまた集めるいい案がある、と言い出すのだ、と。

出典: Blabbermouth.net

2017年の秋、ジョー・サトリアーニはサミー・ヘイガーからの電話に面食らったと語っている。BARKS が伝えたところによれば、南米公演へ向かう車に乗り込もうとしていたところへ電話があり、2018年は CHICKENFOOT にすべてを捧げるつもりだ、と告げられた。サトリアーニは自分がソロ・アルバムを出してツアーに入るところで G3 ツアーもあると答えるほかなく、どう反応してよいか分からなかったという。実際の2018年は、サンフランシスコでの1公演にとどまった。

出典: BARKS