BEAUTIFUL CREATURES

1999年のロサンゼルス (Los Angeles)、特にウェスト・ハリウッド (West Hollywood)のサンセット・ストリップ (Sunset Strip)は、かつてないアイデンティティの危機に瀕していました。

Biography

ビューティフル・クリーチャーズ (BEAUTIFUL CREATURES)
世紀末ロサンゼルスのハードロック復権

第1章 ミレニアム前夜のロサンゼルス・ロックシーンの地殻変動

1999年のロサンゼルス (Los Angeles)、特にウェスト・ハリウッド (West Hollywood)のサンセット・ストリップ (Sunset Strip)は、かつてないアイデンティティの危機に瀕していました。1980年代を席巻したヘア・メタル (Hair Metal) やグラム・ロック (Glam Rock) の狂騒は、1990年代初頭のシアトル発グランジ (Grunge) ムーブメントによって一掃され、世紀末にはコーン (Korn) やリンプ・ビズキット (Limp Bizkit) に代表されるニュー・メタル (Nu-Metal) がアリーナクラスの会場を埋め尽くしていました。かつてのロックスターたちは地下に潜るか、音楽性の劇的な変更を余儀なくされていました。

この文化的真空地帯において、過去の遺産と現代的なヘヴィネスを融合させようとする新たな動きが胎動していました。その震源地となったのが、ビューティフル・クリーチャーズ (BEAUTIFUL CREATURES)です。BEAUTIFUL CREATURESは単なる「80年代リバイバル」ではなく、インダストリアル・ロックの無機質なビート感と、クラシックなハードロックのリフ、そしてパンクの獰猛さをハイブリッドさせた、極めて2000年代的なロックバンドとして設計されました。

第2章 結成前夜と「ヘルスター」期の実験 (1999-2000)

2.1 異なる文脈の融合: ジョー・レステとDJ アシュバの邂逅

バンドの核となったのは、全く異なるキャリア背景を持つ二人のミュージシャンでした。

一人目は、ジョー・レステ (Joe Lesté)。彼は1989年にデビューしたバング・タンゴ (Bang Tango) のフロントマンとして知られていました。バング・タンゴは 「Someone Like You」のヒットで知られるものの、典型的なLAメタルとは一線を画すファンク (Funk) やサイケデリックな要素を取り入れたバンドであり、ジョー自身も型にはまらないボーカリストとしての評価を確立していました。

二人目は、DJアシュバ (DJ Ashba)。彼はインディアナ州出身で、19歳でハリウッドへ移住し、DJ アシュバは 1990 年代半ばに 自身のバンド「Barracuda」でギタリストとしてキャリアをスタートさせていました。アシュバは卓越したギターテクニックだけでなく、グラフィックデザインやソングライティングにおける現代的な感覚を持ち合わせており、古いロックのクリシェを打破するポテンシャルを秘めていました。

1999年、共通の知人を介して出会った二人は、即座に互いの才能を認め合いました。彼らは当初、ヘルスター (Hellstar) というプロジェクト名で活動を開始し、デモ音源の制作に着手します。この初期段階で彼らが目指したのは、バング・タンゴのようなグルーヴ感と、ナイン・インチ・ネイルズ (Nine Inch Nails) のようなモダンな音響処理の融合でした。

2.2 リズムセクションの構築と改名

ヘルスターとしての活動を本格化させるため、彼らは強力なリズムセクションを必要としました。そこで以下のメンバーが召集されました。

  • ケニー・クイーンズ (Kenny Kweens): ベース (Bass)。彼は以前、シェイク・ザ・フェイス (Shake The Faith) に在籍しており、その長身痩躯と派手なヴィジュアル、そして攻撃的なベースプレイは、バンドの「美しき野獣」というコンセプトに合致していました。
  • アンソニー・フォックス (Anthony Focx): リズムギター (Rhythm Guitar)。彼は当初セッションドラマーとして参加していましたが、ギターへ転向。マルチプレイヤーであり、かつエンジニアとしての技術も持つ彼は、バンドのサウンドメイキングにおいて重要な役割を果たしました。
  • グレン・ソーベル (Glen Sobel): ドラムス (Drums)。高度なテクニックを持つセッションプレイヤーとして知られており、後にアリス・クーパー (Alice Cooper)のバンドで活躍することになる実力者です。

このラインナップが固まった直後、バンドに大きなチャンスが訪れます。伝説的なロックバンド、キッス(KISS) の再結成ツアーのオープニングアクトに抜擢されたのです。たった一度のショーの後、彼らはバンド名をビューティフル・クリーチャーズ (BEAUTIFUL CREATURES) に改名しました。この名前は、彼らの音楽が持つ「美しさ (メロディ)」と「野獣性(アグレッション)」の二面性を象徴するものでした。

第3章 メジャーデビューと1stアルバム 『BEAUTIFUL CREATURES』の衝撃 (2000-2001)

3.1 ワーナー・ブラザースとの契約とAOL/Time Warner合併の影

2000年後半、バンドのデモテープとライブパフォーマンスは業界内で話題となり、争奪戦の末、ワーナー・ブラザース・レコード (Warner Bros. Records) との契約に至りました。当時、これほどストレートなハードロックバンドがメジャーレーベルと大型契約を結ぶことは異例であり、レーベル側はBEAUTIFUL CREATURESを 「21世紀のガンズ・アンド・ローゼズ (Guns N' Roses)」として売り出す戦略を立てていました。

しかし、この契約はタイミングとして非常に微妙な時期に行われました。2001年、AOLとタイム・ワーナー (Time Warner) の歴史的な合併が行われ、ワーナー・ミュージック・グループ内でも大規模なリストラと組織再編が進行していました。この企業的な混乱は、後のバンドの運命に暗い影を落とすことになります。

3.2 ショーン・ビーヴァンによるサウンド・プロダクション

デビューアルバムのプロデューサーには、ショーン・ビーヴァン (Sean Beavan) が起用されました。ビーヴァンは、マリリン・マンソン (Marilyn Manson) の 『Antichrist Superstar』 やナイン・インチ・ネイルズ (Nine Inch Nails) の作品でエンジニアやミキシングを務めた人物であり、「音の壁」を作る手法に長けていました。

彼が持ち込んだインダストリアル・メタルのノウハウは、ビューティフル・クリーチャーズのサウンドを決定づけました。ドラムサウンドにはコンプレッションが強くかけられ、ギターのリフは多重録音によって分厚い壁のように構築されました。これにより、BEAUTIFUL CREATURESの音楽は「古臭いロックンロール」ではなく、「モダンで危険なハードロック」として響くことになりました。

3.3 アルバム 『BEAUTIFUL CREATURES』楽曲解析

2001年8月14日にリリースされたデビューアルバム 『BEAUTIFUL CREATURES』は、全米ビルボードチャートでの爆発的なヒットこそ逃しましたが、ロックファンの間では即座にカルト的な人気を獲得しました。

曲名 (Track Title) 考察・分析 (Analysis)
1 A.M. アルバムのオープニングを飾るこの曲は、夜のロサンゼルスの退廃を描いたアンセムです。キャッチーなサビと重厚なリフが特徴で、映画『バレンタイン (Valentine)』やTVシリーズ『ヤング・スーパーマン (Smallville)』 のサウンドトラックに起用され、バンドの知名度向上に貢献しました。
Wasted シングルカットされた楽曲。享楽的な歌詞と、一度聴いたら忘れられないフックを持つコーラスが特徴で、ロックラジオチャートでマイナーヒットを記録しました。
Ride 映画『ローラーボール (Rollerball)』のリメイク版 (2002年) サウンドトラックに提供された楽曲。疾走感のあるリフが特徴で、アクション映画との親和性が高いナンバーです。
Wish バラード的な側面を持ちつつも、パワーコードによる重厚さを失わない楽曲。ジョー・レステのボーカルの表現力が際立っています。
Blacklist バンドの攻撃的な側面が前面に出た楽曲。ケニー・クイーンズのベースラインが曲を牽引しています。

日本盤(規格番号:WPCR-11095)には、ボーナストラックとして 「1A.M.」 のアコースティックバージョンや 「Get Up」などが追加収録され、日本のハードロックファンの間でも話題となりました。

第4章 オズフェスト参戦と商業的な苦闘 (2001-2002)

4.1 オズフェスト2001: アウェイでの戦い

デビューアルバムのリリース直後、バンドはアメリカ最大のメタルフェスティバル、オズフェスト 2001 (Ozzfest 2001) に参戦しました。BEAUTIFUL CREATURESは「ローリング・ロック・ステージ (Rolling Rock Stage)」に出演しましたが、そのラインナップはディスターブド (Disturbed)、マッドヴェイン (Mudvayne)、スリップノット (Slipknot)、ブラック・サバス (Black Sabbath) といった、よりヘヴィでアグレッシブなバンドが中心でした。

ビューティフル・クリーチャーズの「ロックンロール」スタイルは、当時のメタルキッズたちにとっては異質に映る可能性がありました。しかし、ジョー・レステの百戦錬磨のステージパフォーマンスと、DJアシュバの華やかなギタープレイは観衆を惹きつけ、BEAUTIFUL CREATURESは「パーティ・ロック」の復権をアピールすることに成功しました。

4.2 レーベルからの解雇とDJ アシュバの脱退

精力的なツアー活動とメディア露出にもかかわらず、アルバムのセールスはレーベルの期待値(これは往々にして非現実的なほど高く設定されていました)に届きませんでした。さらに、前述したAOLとタイム・ワーナーの合併に伴う混乱の中で、多くのロックバンドが契約を切られる事態が発生していました。2002年、ビューティフル・クリーチャーズもまた、ワーナー・ブラザースからドロップ (契約解除) されました。

この逆境の中、バンドの音楽的支柱であったDJ アシュバが2002年2月13日に脱退を発表しました。アシュバの脱退理由は公式には「音楽的相違」や「ソロプロジェクトへの専念」とされましたが、実際にはレーベル契約を失ったことによる将来への不安と、彼自身のより大きな野心(後のシックス・エーエムやガンズ・アンド・ローゼズへの加入に繋がる)が要因であったと推測されます。また、ドラマーのグレン・ソーベルも同時期にバンドを離れました。

第5章 新生ビューティフル・クリーチャーズとアルバム『Deuce』(2003-2006)

5.1 メンバーの流動とアレックス・グロッシの加入

中心メンバーの脱退により解散の危機に瀕したジョー・レステとケニー・クイーンズ、アンソニー・フォックスでしたが、BEAUTIFUL CREATURESはバンドの存続を選択しました。ここからバンドは、流動的なメンバーチェンジを繰り返しながら再構築を図ります。

2003年頃、新たなリードギタリストとしてマイケル・トーマス (Michael Thomas) が加入しましたが、彼は短期間でスティーヴン・アドラー (Steven Adler) のバンド (Adler's Appetite)に参加するために離脱しました。

その後、白羽の矢が立ったのが、コネチカット州出身の若きギタリスト、アレックス・グロッシ (Alex Grossi)でした。グロッシは、DJアシュバとは異なる、よりブルージーで泥臭いプレイスタイルを持っており、バンドのサウンドをより 「ストリート・ロック」的な方向へと導きました。またドラマーにはマット・スター (Matt Starr) が迎え入れられました。

5.2 アルバム 『Deuce』の制作とスピットファイア・レコードとの契約

新生バンドは、スピットファイア・レコード (Spitfire Records) と契約を結び、セカンドアルバムの制作に入りました。このアルバム 『Deuce』は、アンソニー・フォックス自身がプロデュースとミキシングを手掛けました。これは予算の制約もあったでしょうが、バンドが自らのサウンドコントロールを取り戻すための決断でもありました。

2005年8月23日にリリースされた『Deuce』は、デビュー作のような洗練されたインダストリアル・サウンドは後退し、より生々しく、ライブ感のあるハードロック・アルバムとなりました。

5.3 『サンズ・オブ・アナーキー』 と 『あなたは私の婿になる』: ライセンスビジネスでの成功

『Deuce』は商業チャートを賑わすことはありませんでしたが、リリースから数年後、映像作品への楽曲提供 (シンクロ権ビジネス)を通じて、予想外の成功を収めることになります。

  1. 「Anyone」と『サンズ・オブ・アナーキー』: 人気TVドラマ『サンズ・オブ・アナーキー (Sons of Anarchy)』のシーズン1 (2008年)で、収録曲 「Anyone」が使用されました。バイカーギャングを描いたこのドラマの世界観と、ビューティフル・クリーチャーズの荒々しいロックサウンドは完璧にマッチし、ドラマファン経由でバンドを知る新たな層を開拓しました。
  2. 「Freedom」 と『あなたは私の婿になる』: 2009年のサンドラ・ブロック (Sandra Bullock) とライアン・レイノルズ (Ryan Reynolds) 主演の大ヒット映画『あなたは私の婿になる (The Proposal)』において、収録曲「Freedom」が印象的なシーンで使用され、バンドにとって最大のメインストリーム露出となりました。

これらの成功は、バンドが活動休止状態にあった時期にも継続的なロイヤリティ収入と知名度をもたらし、後の再結成への布石となりました。

第6章 離散の時代と各メンバーの飛躍 (2007-2015)

2000年代後半から2010年代前半にかけて、バンドとしての活動は停滞しましたが、元メンバーたちはそれぞれのフィールドで目覚ましい成功を収め、ビューティフル・クリーチャーズは「スタープレイヤーの輩出元」として再評価されるようになりました。

6.1 DJ アシュバ: スタジアム・ロックへの帰還

脱退後のDJアシュバのキャリアは飛躍的でした。彼はモトリー・クルー (Mötley Crüe)のニッキー・シックス (Nikki Sixx) と共にシックス・エーエム (Sixx:A.M.) を結成し、「Life Is Beautiful」などのヒットを飛ばしました。さらに2009年にはアクセル・ローズ (Axl Rose) 率いるガンズ・アンド・ローゼズ (Guns N' Roses) のリードギタリストに抜擢され、2015年までその重責を担いました。

6.2 アレックス・グロッシ: クワイエット・ライオットの守護者

アレックス・グロッシは、伝説的メタルバンド、クワイエット・ライオット (Quiet Riot) のボーカリスト、ケヴィン・ダブロウ (Kevin DuBrow) に見出され、バンドに参加しました。ダブロウの死後もバンドの再結成に尽力し、現在に至るまでクワイエット・ライオットの看板ギタリストとして活動を続けています。

6.3 その他のメンバーの活躍

  • グレン・ソーベル: アリス・クーパー (Alice Cooper) のバンドの正ドラマーとして定着し、モトリー・クルーのツアーサポートも務めるなど、業界最高峰のドラマーとしての地位を確立しました。
  • アンソニー・フォックス: エンジニアとしての才能をさらに開花させ、バックチェリー (Buckcherry) やエアロスミス (Aerosmith) などの作品に関わりました。
  • ジョー・レステ: L.A. ガンズ (L.A. Guns) への一時参加や、バング・タンゴの再結成ツアーなど、クラブサーキットでの活動を継続しました。

第7章 再結成、デラックス版リリース、そして悲劇 (2016-2025)

7.1 モンスターズ・オブ・ロック・クルーズでの再会 (2016)

2016年、80年代・90年代のハードロックバンドが一堂に会するイベント「モンスターズ・オブ・ロック・クルーズ (Monsters of Rock Cruise)」において、ジョー・レステ、ケニー・クイーンズ、アレックス・グロッシ、アンソニー・フォックスらが再会を果たしました。ステージ上での共演を経て、彼らは「ビューティフル・クリーチャーズ」としての活動を再開することに合意しました。

7.2 『Deuce Deluxe Edition』 とアーカイブの解放 (2017)

2017年3月、長らく廃盤状態に近かったセカンドアルバム 『Deuce』が、リマスターされボーナストラックを追加した『Deuce Deluxe Edition』として再リリースされました。このエディションには、新曲「Get You High」も収録され、現在進行形のロックバンドであることを示しました。アンソニー・フォックスによるリミックスにより、オリジナル版よりもさらにダイナミックな音像に生まれ変わっています。

7.3 ジョー・レステの脳卒中と闘病 (2023-2025)

バンドの活動が断続的に続く中、2023年8月10日、ファンと音楽シーンに衝撃的なニュースが走りました。フロントマンのジョー・レステ (58歳)が脳卒中 (Stroke) で倒れたのです。

彼は長年高血圧(Hypertension) を患っており、血圧降下剤を服用していましたが、薬が効かずに発作を起こしました。彼はアリゾナ州フェニックスのHonorHealth Deer Valley病院の心臓病棟に5日間入院した後、リハビリテーション病院へ移送されました。妻のジェシカ (Jessica McElyea-LeSte) はGoFundMeを立ち上げ、医療費の支援を呼びかけました。

2024年から2025年にかけての情報によると、ジョー・レステは懸命なリハビリを続けています。彼は「自分を見限るな (Don't count me out)」 と力強いメッセージを発信していますが、バンドとしての本格的なツアー活動や新作のレコーディングは、彼が完全にステージに立てる状態まで回復するのを待つため、無期限の休止状態 (Inactive) となっています。アレックス・グロッシやアンソニー・フォックスらメンバーは彼をサポートしつつ、それぞれのプロジェクトで活動を継続しています。

第8章 ディスコグラフィー (Discography)

ビューティフル・クリーチャーズが残した音源は数こそ多くありませんが、その一つ一つが2000年代ロックの変遷を記録した重要な資料です。

8.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)

1. BEAUTIFUL CREATURES
  • リリース: 2001年8月14日
  • レーベル: Warner Bros. Records
  • 規格番号(日本): WPCR-11095
  • プロデュース: Sean Beavan
No. 曲名 (English) 曲名 (Katakana) 備考 (Notes)
11 A.M.ワン・エーエム映画『Valentine』、TV 『Smallville』使用
2Wastedウェイステッドリードシングル
3Step Backステップ・バック
4Rideライド映画『Rollerball』使用
5Wishウィッシュ
6Kick Outキック・アウト
7Blacklistブラックリスト
8Kickin' For Daysキッキン・フォー・デイズ
9Time And Time Againタイム・アンド・タイム・アゲイン
10Goin' Offゴーイン・オフ
11New Orleansニュー・オーリンズ
12I Got It Allアイ・ガット・イット・オール日本盤等一部バージョンに収録
13*1 A.M. (Acoustic)1A.M. (アコースティック)日本盤ボーナストラック
14*Get Upゲット・アップ日本盤ボーナストラック
2. Deuce
  • リリース: 2005年8月23日
  • レーベル: Spitfire Records / JVC (Japan)
  • プロデュース: Anthony Focx
No. 曲名 (English) 曲名 (Katakana) 備考 (Notes)
1AnyoneエニワンTV『Sons of Anarchy』使用
2Freedomフリーダム映画『The Proposal』使用
3Unforgivenアンフォーギヴン
4Save Meセイヴ・ミー
5Superflyスーパーフライ
6Emptyエンプティ
7Neverネヴァー
8Straight To Hellストレート・トゥ・ヘル
9The Unknownジ・アンノウンインストゥルメンタル
10Ton Of Leadトン・オブ・レッド
11Brand New Dayブランド・ニュー・デイ
12Thanksサンクス
13I Won't Be The Oneアイ・ウォント・ビー・ザ・ワン
BonusStar Crossスター・クロス日本盤ボーナス
BonusI Still Miss Youアイ・スティル・ミス・ユー日本盤ボーナス
DeluxeGet You Highゲット・ユー・ハイ2017年デラックス版 新曲

8.2 参加サウンドトラック (Soundtracks)

以下のリストは、BEAUTIFUL CREATURESの楽曲がいかに映像作品に愛されたかを示しています。

年 (Year) 映画/TVタイトル (Title) 収録曲 (Track) 備考 (Context)
2001Valentine (バレンタイン)1 A.M.スラッシャー映画の劇中で使用
2001Smallville (ヤング・スーパーマン)1 A.M.シーズン1 エピソード13 "Kinetic"
2002Rollerball (ローラーボール)RideSFアクション映画のリメイク版
2008Sons of Anarchy (サンズ・オブ・アナーキー)Anyoneバイカーギャングドラマの代表作
2009The Proposal (あなたは私の婿になる)Freedom全米No.1ヒットのラブコメディ

第9章 メンバーバイオグラフィー詳細 (Detailed Biographies)

現在のメンバー (Current/Recent Lineup)

ジョー・レステ (Joe Lesté)
・役割: リードボーカル (Lead Vocals)
・詳細: 1960年代生まれ。1980年代後半のLAシーンで、バング・タンゴのフロントマンとして頭角を現す。ハスキーでブルージーな声質と、エアロスミスのスティーヴン・タイラーを彷彿とさせるステージアクションが特徴。2023年の脳卒中以降、療養中である。
アンソニー・フォックス (Anthony Focx)
・役割: リズムギター (Rhythm Guitar), バッキングボーカル (Backing Vocals)
・詳細: 当初はドラマーとしてキャリアをスタートさせたが、BCではギタリストへ転向。特筆すべきはエンジニアとしての才能で、BCの作品だけでなく、Daughtry、Aerosmith、Buckcherry、Night Rangerなどの作品のミキシングやマスタリングを手掛けるトップエンジニアとしても知られる。
ケニー・クイーンズ (Kenny Kweens)
・役割: ベース (Bass)
・詳細: 長身でタトゥーに覆われたヴィジュアルが印象的なベーシスト。BC以外にも、L.A.ガンズ (L.A. Guns) のメンバーとして活動した時期があり、LAハードロックシーンの顔役の一人。
アレックス・グロッシ (Alex Grossi)
・役割: リードギター (Lead Guitar)
・詳細: 1976年11月22日生まれ、コネチカット州出身。ボストンでの活動 (Angry Salad)を経てLAへ移住。BCでの活動が評価され、クワイエット・ライオットに参加。また、ディジー・リード (Guns N' Roses) とのバンド 「Hookers & Blow」 でも活動。非常に多作で勤勉なギタリストとして知られる。
ティミー・ラッセル (Timmy Russell)
・役割: ドラムス (Drums)
・詳細: 『Deuce』期以降のドラマー。バング・タンゴでもジョー・レステと活動を共にしており、リズム隊としての連携は鉄壁である。

過去の主要メンバー (Former Members)

DJ アシュバ (DJ Ashba)
・役割: リードギター (1999-2002)
・詳細: BC脱退後、ニッキー・シックスとのコラボレーションを経て、ガンズ・アンド・ローゼズに加入(2009-2015)。現在は「ASHBA」名義で、EDMとギターロックを融合させた実験的なプロジェクトを展開している。
グレン・ソーベル (Glen Sobel)
・役割: ドラムス (1999-2003)
・詳細: BC脱退後はセッションドラマーとして、オリアンティ (Orianthi)、リッチー・サンボラ (Richie Sambora)、アリス・クーパーなどと共演。その正確無比なドラミングは「ドラマーの中のドラマー」として高く評価されている。
マイケル・トーマス (Michael Thomas)
・役割: リードギター (2002-2003, 2005, etc.)
・詳細: 短期間の在籍だったが、その後スティーヴン・アドラーやファスター・プッシーキャット (Faster Pussycat) などのバンドを渡り歩いた実力派。

第10章 ビューティフル・クリーチャーズの歴史的意義

ビューティフル・クリーチャーズの物語は、ロック音楽産業が激変した2000年代初頭の縮図です。BEAUTIFUL CREATURESは、ヘア・メタルが死に絶え、ニュー・メタルが台頭する中で、「ロックンロールの復権」を掲げて登場しました。ワーナー・ブラザースという巨大資本のバックアップを受けながらも、企業の合併劇という不可抗力によって梯子を外されるという不運に見舞われました。

しかし、BEAUTIFUL CREATURESが残した音楽は、商業的な数字以上の価値を持っています。第一に、BEAUTIFUL CREATURESのサウンドはDJ アシュバという稀代の才能を世に送り出す孵化器としての役割を果たしました。第二に、『サンズ・オブ・アナーキー』 や 『あなたは私の婿になる』での楽曲使用に見られるように、BEAUTIFUL CREATURESの楽曲が持つ普遍的なキャッチーさとエネルギーは、時代を超えてメディアに求められ続けました。

そして現在、リーダーであるジョー・レステの闘病という困難に直面していますが、アレックス・グロッシやアンソニー・フォックスといったメンバーがそれぞれの場所で活躍し続ける限り、ビューティフル・クリーチャーズのDNAはロックシーンに生き続けています。BEAUTIFUL CREATURESは、トレンドに流されることなく、自分たちの信じる「美しきロック」を貫いた、真のサバイバー(生存者)であると言えるでしょう。

Albums

Deuce CD
/

太いリフとダーティーな歌を前面に出し、BEAUTIFUL CREATURESが荒々しいハード・ロックを鳴らした第二作。

Beautiful Creatures CD
/

LAハード・ロックの色気とパンクの荒さを混ぜ、ダーティーなグルーヴを鳴らしたデビュー作。