TWILIGHTNING

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ヘヴィメタル・シーン、特に欧州においては、メロディック・パワー・メタル (Melodic Power Metal) の爆発的な復権が見られた。このムーブメントの中心地となったのがフィンランド (Finland) である。

Biography

トワイライトニング (TWILIGHTNING)
フィンランド・メロディック・パワー・メタルの興隆と変遷

1. イントロダクション: 北欧メタルの文脈におけるトワイライトニング

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ヘヴィメタル・シーン、特に欧州においては、メロディック・パワー・メタル (Melodic Power Metal) の爆発的な復権が見られた。このムーブメントの中心地となったのがフィンランド (Finland) である。ストラトヴァリウス (Stratovarius) が築き上げたネオ・クラシカル (Neo-classical) とスピード・メタルの融合、そしてソナタ・アークティカ (Sonata Arctica) が提示した煌びやかなキーボード主導の疾走感は、世界中のメタル・ファンを魅了していた。この「フィンランド・メタル・ブーム」の最盛期において、第2世代、あるいは第3世代の旗手として期待を集め、デビューと同時にシーンの最前線へと躍り出たバンドが、イマトラ (Imatra) 出身のトワイライトニング (Twilightning)である。

トワイライトニングのキャリアは、純粋なパワー・メタル・バンドとしての華々しい登場から始まり、次第に1980年代のハードロック (Hard Rock) やAOR (Album-Oriented Rock) の美学を取り入れた独自の「スワイン・ロック (Swinerock)」とも呼ばれるスタイルへの変貌、そして解散に至るまで、常に音楽的な探求と変化の連続であった。TWILIGHTNINGの音楽的旅路は、単なる一バンドの歴史に留まらず、2000年代のメタル・シーンにおける「ジャンルの成熟と多様化」、精度商業的な成功とアーティスティックな誠実さの狭間で揺れ動くミュージシャンの葛藤を映し出す鏡でもある。

2. バイオグラフィ: 結成、成功、そして変容の軌跡

2.1 黎明期: イマトラでの結成とデモ・テープ時代 (1998-2001)

トワイライトニングの歴史は1998年、フィンランド南東部、ロシア国境にほど近い工業都市イマトラ (Imatra)で幕を開けた。結成当初のオリジナル・ラインナップは以下の4名であった。

  • トミ・サルタネン (Tommi Sartanen): Guitar, Vocals
  • ヴィレ・ワレニウス (Ville Wallenius): Guitar
  • ユッシ・カイヌライネン (Jussi Kainulainen): Bass
  • ユハ・レスキネン (Juha Leskinen): Drums

この初期段階において、トミ・サルタネンがギターとヴォーカルを兼任しており、バンドは4人編成でスタートした。TWILIGHTNINGは結成後まもなく楽曲制作を開始し、翌1999年2月には、フィンランドのメタル・シーンにおいて名門スタジオとして知られるラッペーンランタ (Lappeenranta) のアスティア・スタジオ (Astia Studio)にて、初のデモテープ 『Change of the Scepter』をレコーディングした。このデモ制作を通じて、バンドはプロデューサーであるアンッシ・キッポ (Anssi Kippo) との関係を構築した。キッポはチルドレン・オブ・ボドム (Children of Bodom) などを手掛けたことで知られる人物であり、彼の指導はバンドの初期サウンドの形成に大きく寄与することとなる。

『Change of the Scepter』の完成後、バンドは地元イマトラを中心にライブ活動を開始した。しかし、当時のメロディック・メタル・シーンの潮流は、よりシンフォニックで厚みのあるサウンドを求めていた。これに対応するため、バンドは数ヶ月後にキーボード奏者としてミッコ・ナウッカリネン (Mikko Naukkarinen)を迎え入れる。ナウッカリネンの加入により、楽曲にはアトモスフェリックな広がりと、ストラトヴァリウス的な鍵盤とギターのユニゾンといった要素が付加され、ライブ・パフォーマンスの質も飛躍的に向上した。

2000年4月、バンドは再びアスティア・スタジオに入り、2作目のデモ『Affection Seeker』を制作した。このデモは当初、フィンランド国内のみでの流通であったが、そのクオリティの高さは海を越えて日本のバイヤーの耳にも届くこととなった。日本の輸入盤専門店ディスク・ヘヴン (Disc Heaven) が残りの在庫200枚を一括購入したという逸話は、いかに当時の日本のメタル・ファンの琴線に触れるものであったかを物語っている。この時期のサウンドについて、批評家からは「ソナタ・アークティカの『Ecliptica』に近いプロトタイプ的なサウンドでありつつ、より『Silence』に近いアトモスフェリックな側面を持っていた」と分析されている。

2001年はバンドにとって決定的な転換点となった。バンドは専任のヴォーカリストを探すこととし、ヘイッキ・ポイヒア (Heikki Pöyhiä) が加入したのである。ヘイッキの加入により、トミ・サルタネンはギターとソングライティングに専念できる環境が整い、バンドの編成は最強の布陣となった。ヘイッキのヴォーカル・スタイルは、イタリアのラプソディー (Rhapsody) のようなオペラティックなハイトーンとは異なり、80年代のハードロック・シンガーを彷彿とさせる、中音域に艶と力強さを持ったものであった。

この新ラインナップで制作された3作目のデモ 『Return to Innocence』は、批評家やレコード会社から絶賛された。このデモの成功により、バンドはフィンランド最大手のメタル・レーベルであるスパインファーム・レコード (Spinefarm Records) との契約を勝ち取ることに成功した。これは、ナイトウィッシュ (Nightwish) やチルドレン・オブ・ボドムを輩出した名門レーベルへの加入であり、トワイライトニングが「次なるビッグ・シング」として認められた瞬間であった。

2.2 デビュー・アルバム 『Delirium Veil』 と国際的成功 (2002-2003)

スパインファームとの契約締結後、バンドはデビュー・アルバムの制作に向けた準備を開始した。2002年9月、TWILIGHTNINGは再びアンッシ・キッポをプロデューサーに迎え、アスティア・スタジオでのレコーディングに入った。レコーディングは一時中断を挟みつつも同年12月に完了した。

このアルバムの制作において特筆すべきは、ミックス・エンジニアとしてストラトヴァリウスのリーダーでありギタリストのティモ・トルキ (Timo Tolkki) が起用されたことである。ヘルシンキ (Helsinki) のフィンヴォックス・スタジオ (Finnvox Studios) で行われたミックス作業は、バンドのサウンドを世界基準のクリアでパワフルなものへと昇華させた。マスタリングは同スタジオの名手ミカ・ユッシラ (Mika Jussila) が担当した。フィンランド・メタル界のトップ・クリエイターたちが集結したこの制作体制は、レーベル側の期待の大きさを裏付けている。

2003年4月(日本盤は8月)、満を持して1stアルバム 『Delirium Veil』がリリースされた。このアルバムは、メロディック・パワー・メタルの金字塔として、現在でも多くのファンに愛聴されている。アルバムの音楽性は、疾走するツーバス・ドラミング、ネオ・クラシカルな速弾きギター、煌びやかなキーボード、性能キャッチーで哀愁を帯びたメロディという、ジャンルの王道を往くものであった。オープニングの「Gone to the Wall」 から 「At the Forge」への流れ、そしてタイトル・トラック 「Delirium Veil」に見られる高揚感は、エドガイ (Edguy) やソナタ・アークティカのファン層に直接的に訴求した。一方で、随所に見られる80年代的なハードロックのグルーヴや、ヘイッキの歌唱法は、TWILIGHTNINGが単なるフォロワーではないことを示唆していた。

日本市場での反応は特に熱狂的であり、日本盤にはボーナス・トラックとして「The Escapist」と「Affection Seeker」の再録バージョンが追加収録された。『Delirium Veil』は、バンドのキャリアにおける「音楽的ピーク」として、あるいは「最高傑作」として言及されることが多く、その後の音楽的変化を語る上での基準点となっている。

2.3 『Plague-House Puppet Show』: 進化と実験の始まり (2004-2005)

デビュー作の成功による余韻が冷めやらぬ中、バンドは精力的に次作の制作に取り掛かり、2004年には早くも2ndアルバム 『Plague-House Puppet Show』をリリースした。このアルバム・タイトルや、不気味な人形を描いたアートワークが示唆するように、バンドはこの作品で音楽的な方向性の微修正を行った。

前作で見られた純粋無垢なパワー・メタル・スタイルは維持されつつも、よりダークで、シニカルで、実験的な要素が導入された。ギター・リフはよりアグレッシブになり、キーボード・サウンドも従来のチェンバロやストリングス風の音色だけでなく、よりモダンで奇抜なシンセ・サウンドが多用されるようになった。特に、ソングライティングのクレジットにおいて、ヴィレ・ワレニウス (Ville Wallenius) の貢献が目立つようになり、彼の志向する80年代ショック・ロック (Shock Rock)や、より複雑な構成を持つ楽曲が増加した。

日本盤ボーナス・トラックには、アリス・クーパー (Alice Cooper) のカヴァー曲「Wind-Up Toy」が収録された。この選曲は、バンドが影響を受けたルーツが、必ずしも欧州のパワー・メタルだけではなく、アメリカン・ハードロックやシアトリカルなロックにあることを明確に示していた。

アルバムからのシングル 「Into Treason」はフィンランドのシングル・チャートで5位を記録するなど、商業的にも一定の成果を挙げた。リリース後、バンドはナイトウィッシュ (Nightwish) のサポート・アクトとしてツアーを行う機会を得たが、この重要なツアー中にギタリストのトミ・サルタネンがナイトクラブでの事故により肩を脱臼するという不運に見舞われた。ツアーには代役としてフローズン・パラダイス (Frozen Paradise) のトニ・トッサヴァイネン (Toni Tossavainen) が参加することで急場を凌いだが、バンドの勢いに水を差す出来事となった。

2.4 『Bedlam』 から 『Swinelords』 へ: スタイルチェンジと論争 (2006-2007)

2006年、バンドはミニアルバム (EP) 『Bedlam』をリリースした。この作品において、トワイライトニングの変化は決定的なものとなった。パワー・メタルの代名詞であった「疾走感」や「ファンタジー」は後退し、ミッドテンポのグルーヴ、ダーティなギター・トーン、そしてロックンロール的な「ノリ」が前面に押し出された。日本盤『Bedlam』はCD-EXTRA仕様でリリースされ、ビデオ映像が収録されるなど、依然として日本市場への配慮はなされていたが、初期からのファンの間では戸惑いの声も上がり始めた。

この変化をさらに推し進めたのが、2007年にリリースされた3rdアルバム 『Swinelords』である。「豚の王たち」を意味するタイトルが示す通り、サウンドはより荒々しく、泥臭いハードロックへと変貌を遂げた。アルバムの楽曲群、「Vice Jesus」 や 「Swinelord」は、メロディックであることには変わりないものの、それは『Delirium Veil』の透明感あるメロディではなく、酒と煙草の匂いがするようなロック・メロディであった。特にバラード曲 「Not a Word」に関しては、一部のメタル・メディアから 「アコースティック・ギターのトワンギングと鼻にかかったクルーナー・ヴォーカルによる、ラジオ・ロックの失敗作」といった辛辣な批判も浴びた。

しかし、バンド側にとってこれは自然な進化であり、自分たちのルーツに正直になった結果であった。TWILIGHTNINGは「パワー・メタル」という狭いジャンルの枠組みに囚われることを拒否し、より普遍的な「ロック・バンド」としての在り方を模索していたのである。トミ・サルタネンやヴィレ・ワレニウスのソングライティングは、複雑なアレンジよりも、楽曲のグルーヴやリフのインパクトを重視する方向へシフトしていた。

2.5 解散とその後 (2009-)

音楽的な成熟とスタイルの確立を目指した『Swinelords』であったが、商業的には初期の爆発的な成功を超えることはできなかった。2009年6月(一部報道では7月)、トワイライトニングは公式に解散を発表し、約11年間の活動に幕を下ろした。解散の明確な理由は詳細に語られていないが、当時のメンバーを取り巻く環境や、音楽ビジネスにおける収益性の問題、およびメンバー個々の音楽的関心の変化が要因であったと推測される。ファンからは「新しいバンドやプロジェクトも無く、ただ消えてしまった」と惜しまれるほど、唐突かつ静かな幕引きであった。

解散後、メンバーはそれぞれの道を歩んだ。ヴォーカルのヘイッキ・ポイヒアとギターのヴィレ・ワレニウスは、音楽活動を継続し、新たなプロジェクトで共演することとなる。一方で、リズム隊であったユッシ・カイヌライネン (Bass) やミッコ・ナウッカリネン (Keyboards)、トミ・サルタネン (Guitar)は、表立った音楽活動から身を引いたと見られている。ドラムのユハ・レスキネン (Juha Leskinen) は一時ブラック・メタル・バンドに参加した後、ダンス・スポーツの審判員という全く異なる分野でその名を確認することができる。

3. メンバー詳細プロフィールと解散後の活動

ここでは、トワイライトニングを構成した各メンバーの役割、プレイスタイル、およびバンド解散後の具体的な活動について詳述する。

3.1 ヘイッキ・ポイヒア (Heikki Pöyhiä) - Vocals

  • 在籍期間: 2001年-2009年
  • 役割とスタイル: 3作目のデモ 『Return to Innocence』 から加入した2代目にして黄金期のヴォーカリスト。彼の声質は、典型的なパワー・メタル・シンガーのハイトーン一辺倒ではなく、デヴィッド・カヴァデール (David Coverdale) のようなブルージーな深みと、80年代アリーナ・ロックの華やかさを併せ持っていた。この声質こそが、バンドが後期にハードロック路線へ移行する際の核となった。
  • 解散後の活動:
    • R.O.C.K.: トワイライトニング解散後、すぐにハードロック・バンド「R.O.C.K.」を結成。2011年にアルバム『Mirror Ball & Red Lights』をリリースした。YouTubeで「Freedoom」などの楽曲が公開されているが、2013年頃に活動が停止した。
    • Riverdog Samson: 旧友ヴィレ・ワレニウスと共に結成したトリオ。プログレッシブ・ロック、アンビエント、オルタナティブ・ロックを融合させた実験的なプロジェクト。2012年にセルフタイトルのデビュー・アルバム、2015年に2ndアルバム『Station』をリリース。ヘイッキはヴォーカルに加えギターも担当した。
    • Aching Hands: 2014年にイマトラで始動したプログレッシブ・ロック・バンド。ラッシュ (Rush) やピンク・フロイド (Pink Floyd) の影響下にあるサウンドを展開。

3.2 ヴィレ・ワレニウス (Ville Wallenius) - Guitar

  • 在籍期間: 1998年-2009年
  • 役割とスタイル: 創設メンバーの一人。バンドのメイン・ソングライターの一人として、特に中期以降のハードロック路線の楽曲を多く手掛けた。『Plague-House Puppet Show』では全曲の半数以上を作曲している。テクニカルな速弾きだけでなく、アコースティック・ギターを用いた繊細なアレンジも得意とした。
  • 解散後の活動:
    • Riverdog Samson: ヘイッキと共に活動。ギター、パーカッション、ハルモニウムなどを演奏し、エンジニアリングやミキシング、プロデュースも自ら手掛けるなど、マルチな才能を発揮している。

3.3 トミ・サルタネン (Tommi Sartanen) - Guitar, Vocals

  • 在籍期間: 1998年-2009年
  • 役割とスタイル: 創設メンバー。初期デモではリード・ヴォーカルも兼任していた。ソングライティングにおいても重要人物であり、「Into Treason」 や 「Diamonds of Mankind」などの重要曲を作曲した。2004年のナイトウィッシュとのツアー直前に肩を脱臼し、ツアーに参加できなかったエピソードは、バンドの不運を象徴するものとして語られる。
  • 解散後の活動: 解散後は音楽ビジネスの第一線からは退いた模様であり、目立った活動記録は残っていない。

3.4 ユッシ・カイヌライネン (Jussi Kainulainen) - Bass

  • 在籍期間: 1998年-2009年
  • 役割とスタイル: 創設メンバー。全期間を通じてベースを担当し、ボトムを支えた。クレジット表記は 「J. Kainulainen」 とされることが多い。
  • 解散後の活動: 音楽業界から引退した可能性が高い。

3.5 ユハ・レスキネン (Juha Leskinen) - Drums

  • 在籍期間: 1998年-2009年
  • 役割とスタイル: 創設メンバー。パワー・メタル特有の高速ツーバスから、後期のグルーヴィーなロック・ドラミングまで幅広く対応した。
  • 解散後の活動:
    • Solium XI: 2006年頃からブラック・メタル・バンド 「Solium XI」に参加し、EP『Towards the Era ov Anti-Existence』などでドラムを叩いたが、トワイライトニング解散と同時期にこちらのバンドも活動を停止した。
    • ダンス・スポーツ: その後、WDSF (World DanceSport Federation) のA級審判員(General Adjudicator) として、ラテン、スタンダード、テン・ダンスの審査を行っている記録がある。

3.6 ミッコ・ナウッカリネン (Mikko Naukkarinen) - Keyboards

  • 在籍期間: 1999年-2009年
  • 役割とスタイル: 1stデモ制作後に加入。彼のキーボード・ワークは、トワイライトニングのサウンドを「デモ・レベル」から「メジャー・レベル」へと引き上げる重要な要素であった。『Delirium Veil』でのチェンバロ風のソロや、「Trip to the Dale Beyond the Delirium Veil」のようなインストゥルメンタル曲の共作など、バンドのメロディックな側面を強調した。
  • 解散後の活動: 解散後は音楽活動の記録が途絶えている。

4. ディスコグラフィ (Discography)

トワイライトニングが残した作品群は、数こそ多くはないが、その変遷は非常に興味深い。ここでは、アルバムごとの詳細データ、日本盤ボーナス・トラック、および特筆すべき楽曲の解説を行う。

4.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)

1st Album: Delirium Veil (デリリアム・ヴェイル)
  • リリース日: 2003年4月22日 (フィンランド), 2003年8月21日 (日本)
  • レーベル: Spinefarm Records (フィンランド), Universal Music K.K. (日本)
  • 規格番号(日本盤): UICO-1052
  • プロデューサー: アンッシ・キッポ (Anssi Kippo)
  • ミキシング: ティモ・トルキ (Timo Tolkki)

解説: 初期ソナタ・アークティカやエドガイと比較される、疾走感と叙情性に満ちた傑作。日本盤には帯 (Obi)が付属し、ボーナス・トラックが2曲追加されている。

Tr. 曲名 (English) 曲名 (Katakana) 備考・解説
1 Gone to the Wall ゴーン・トゥ・ザ・ウォール アルバムの幕開けを飾る疾走曲。
2 At the Forge アット・ザ・フォージ キャッチーなコーラスが特徴のパワー・メタル・アンセム。
3 Jester Realm ジェスター・レルム キーボードのイントロが印象的。
4 Delirium Veil デリリアム・ヴェイル タイトル・トラック。バンドの代表曲の一つ。
5 Return to Innocence リターン・トゥ・イノセンス デモ時代の楽曲の再録。
6 Under Somber Skies アンダー・ソンバー・スカイズ 壮大なバラード。
7 Seventh Dawn セブンス・ドーン
8 Enslaved to the Mind エンスレイヴド・トゥ・ザ・マインド
9 Masked Ball Dalliance マスクド・ボール・ダライアンス 舞踏会が乱痴気騒ぎに変わる様を描いた曲。
10 The Escapist ジ・エスケイピスト 日本盤ボーナス・トラック。ファンからの人気が高い疾走曲。
11 Affection Seeker アフェクション・シーカー 日本盤ボーナス・トラック。2ndデモの表題曲の再録。
2nd Album: Plague-House Puppet Show (プレイグ・ハウス・パペット・ショー)
  • リリース日: 2004年11月16日 (各国), 2004年後半 (日本)
  • レーベル: Spinefarm Records, Universal Music K.K.
  • 規格番号(日本盤): UICO-1076 (推定)

解説: 前作よりダークでヘヴィなサウンドへ移行。日本盤にはアリス・クーパーのカヴァーが収録されているのが特徴的。

Tr. 曲名 (English) 曲名 (Katakana) 作曲 備考・解説
1 Plague-House Puppet Show プレイグ・ハウス・パペット・ショー Wallenius 演劇的な展開を見せるタイトル曲。
2 Into Treason イントゥ・トリーズン Sartanen シングル・カット曲。キャッチーなサビを持つ。
3 The Fiend ザ・フィーンド Wallenius
4 Victim of Deceit ヴィクティム・オブ・ディシート Sartanen
5 Painting the Blue Eyes ペインティング・ザ・ブルー・アイズ Wallenius
6 In the Fervor's Frontier イン・ザ・ファーヴァーズ・フロンティア Wallenius
7 Fever Pitch フィーヴァー・ピッチ Wallenius
8 Diamonds of Mankind ダイアモンズ・オブ・マンカインド Sartanen
9 Riot Race ライオット・レース Wallenius
10 Lubricious Thoughts ルブリシャス・ソーツ Wallenius
11 Goddess of Fortune ゴッデス・オブ・フォーチュン 日本盤ボーナス・トラック。Spotify等未配信のレア曲。
12 Wind-Up Toy ワインド・アップ・トイ Cooper et al. 日本盤ボーナス・トラック。アリス・クーパーのカヴァー。
3rd Album: Swinelords (スワインローズ)
  • リリース日: 2007年3月21日 (フィンランド), 2007年5月2日 (日本)
  • レーベル: Spinefarm Records, Universal Music K.K.
  • 規格番号(日本盤): UICO-1126

解説: ハードロックへの転身を完了させた最終作。ジャケットのアートワークや曲名からも、ダーティなイメージを強調している。

Tr. 曲名 (English) 曲名 (Katakana) 時間 備考・解説
1 Isolation Shell アイソレーション・シェル 5:15
2 Swinelord スワインロード 4:08 グルーヴ重視のヘヴィなトラック。
3 Reflection of the Cuckoo リフレクション・オブ・ザ・カッコウ 4:43
4 Vice Jesus ヴァイス・ジーザス 4:16 挑発的なタイトルのハードロック・ナンバー。
5 Pimps, Witches, Thieves & Bitches ピンプス、ウィッチズ、シーヴス・アンド・ビッチズ 4:12
6 The Gun ザ・ガン 3:34
7 Not a Word ノット・ア・ワード 3:54 賛否両論を呼んだアコースティック・バラード。
8 Consume Gap コンシューム・ギャップ 4:08
9 With the Flow ウィズ・ザ・フロー 5:07
10 Wounded & Withdrawn ウーンデッド・アンド・ウィズドローン 5:27
11 Maggots マゴッツ 日本盤ボーナス・トラック。

4.2 EP & シングル (EPs & Singles)

EP: Bedlam (ベドラム)
  • リリース日: 2006年1月25日 (フィンランド)
  • 規格番号(日本盤): UICO-1101

解説: 2ndと3rdの架け橋となった作品。日本盤はCD-EXTRA仕様で、ビデオ映像が収録されている。廃盤のため、現在では入手困難なアイテムとなっている。

Tr. 曲名 (English) 曲名 (Katakana) 備考
1 Space of Disgrace スペース・オブ・ディスグレイス
2 Rolling Heads ローリング・ヘッズ
3 Sex Jail セックス・ジェイル 曲名が示す通りのスリージーなロック。
4 Plague Overload プレイグ・オーヴァーロード
5 Train to Bedlam トレイン・トゥ・ベドラム ファンからの評価が高い隠れた名曲。
Video Enhanced Video エンハンスト・ビデオ 日本盤特典映像。
Single: Into Treason (イントゥ・トリーズン)
  • リリース日: 2004年
  • 解説: 2ndアルバムからの先行シングル。
  • 収録曲:
    1. Into Treason
    2. Wind-Up Toy (Alice Cooper cover)
    3. Affection Seeker (2004 Version) - デモ曲の再々録音バージョンが含まれている場合がある。

4.3 デモテープ (Demos)

これらは公式に再発されていないため極めて希少であるが、バンドの進化を知る上で重要である。

  • 1. Change of the Scepter (チェンジ・オブ・ザ・セプター) (1999年)
    トミ・サルタネンがヴォーカルを兼任していた時代の最初期音源。
  • 2. Affection Seeker (アフェクション・シーカー) (2000年)
    日本で一部流通した重要作。「Fireheart」 や表題曲 「Affection Seeker」の初期バージョンを収録。
  • 3. Return to Innocence (リターン・トゥ・イノセンス) (2001年)
    ヘイッキ加入後の初音源。スパインファームとの契約を決定づけた。「Return to Innocence」 「Delirium Veil」 「Gone to the Wall」 「At the Forge」といった1stアルバムの核となる楽曲のデモ・バージョンが収録されていた。

5. トワイライトニングが遺したもの

トワイライトニングのキャリアを振り返ると、TWILIGHTNINGは常に「変化」と共にあったバンドであることがわかる。イマトラという小さな街から出発し、アスティア・スタジオでの研鑽を経て、ティモ・トルキという巨匠の手によって磨き上げられたデビュー作 『Delirium Veil』で、TWILIGHTNINGは間違いなく2003年の「パワー・メタル・ドリーム」を体現していた。

しかし、TWILIGHTNINGはその成功に安住しなかった。『Plague-House Puppet Show』以降の音楽的変遷は、パワー・メタルというジャンルの定型化に対するTWILIGHTNINGなりの反抗であり、より自由で、よりルーツに忠実なロック・サウンドへの回帰であったと言える。特にヴィレ・ワレニウスとトミ・サルタネンのソングライティングは、北欧メタルの冷徹な美しさから、アメリカン・ハードロックの熱量を含んだスタイルへと明確にシフトしていった。

解散から長い年月が経過した現在でも、デビュー・アルバム 『Delirium Veil』はメロディック・メタルの名盤として語り継がれている。一方で、後期作品における音楽的探求も、偏見なく聴けば高品質なハードロック・アルバムとして再評価の余地がある。Riverdog Samsonなどの後身バンドの活動を含め、TWILIGHTNINGの音楽への情熱は形を変えて生き続けている。トワイライトニングは、フィンランド・メタル史において、その輝きと儚さの両方を象徴する存在として記憶されるべきバンドである。

Albums

Swinelords CD
/

パワー・メタルの速度感に80年代ハード・ロックの色気を混ぜ、TWILIGHTNINGが独自の方向へ踏み出した第3作。

Plague-House Puppet Show CD
/

鮮やかなキーボードと遊び心ある展開で、TWILIGHTNINGがメロディック・メタルの個性を強めた第二作。

Delirium Veil CD
/

鮮やかな鍵盤と遊び心ある展開で、TWILIGHTNINGが個性的な北欧メロディック・メタルを示したデビュー作。