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ARTIST
Rush
LINER NOTES
LANGUAGE
『Rush』は、のちに複雑な組曲やコンセプト性で世界を広げていくRUSHが、まず三人編成の直線的なハード・ロック・バンドとして鳴らしたデビュー作である。ゲディー・リーの高く抜ける歌と太いベース、アレックス・ライフソンのブルースに根差したリフ、ジョン・ラトジーの力強いドラムが、飾り過ぎない演奏の中で互いを押し上げる。『Finding My Way』は勢いよく扉を開き、『In the Mood』は親しみやすいフックを見せ、『Working Man』は重いリフと長いギター・ソロで、バンドの最初の代表曲となる説得力を備える。
『Before and After』や『Here Again』では、後年へ通じる陰影や展開への志向もすでにのぞくが、中心にあるのは理屈よりも演奏の熱だ。音楽には当時のハード・ロックから受けた影響が素直に表れている一方、ゲディーの声とベースが前に出る感触、三人が小さな隙間を埋めるように音を重ねる方法には、すでにRUSH固有の緊張がある。完成されたプログレッシヴ・ロックの設計図ではなく、若いバンドがステージの勢いをそのままレコードへ移した記録として聴くほど、本作の魅力は増す。後年の壮大さを知る耳にも、出発点の野性と推進力を新鮮に届ける一枚だ。
TRACK LIST
- 1.Finding My Way
- 2.Need Some Love
- 3.Take a Friend
- 4.Here Again
- 5.What You're Doing
- 6.In the Mood
- 7.Before and After
- 8.Working Man