PRIDE OF LIONS トリビア 全14件
PRIDE OF LIONSにまつわる事実を、出典付きで14件掲載しています。
Trivia
PRIDE OF LIONSの日本盤は、8作すべてが輸入盤に無い曲を最低1曲持っている。2003年のデビュー作『Pride of Lions』(KICP-963)だけは「Surrender to the Night」「Stand by You」「So Deadly」の3曲が加わって全15曲・1時間14分57秒になり、残る7作は1曲ずつ。しかもその7曲のうち6曲は、同じアルバムに入っている曲のアコースティック・ヴァージョンである。例外は2作目『The Destiny Stone』の「Reckless Love」と3作目『The Roaring of Dreams』の「I Am My Father」で、この2曲だけは他にどこにも入っていない別の曲として加えられた。
このバンドは、ジム・ピートリックの姪であるケリーの一言から始まっている。ケリーはあるオーディションの場でトビー・ヒッチコックと知り合い、叔父に「この歌い手を聴くべきだ」と伝えた。ピートリックは自分のスタジオにヒッチコックを呼んで歌わせ、その一本の声にデニス・デヤング、トミー・ショウ、ジミ・ジェイミソンという、自分が好んで聴いてきたシンガーたちの面影が同居しているのを聴き取ったと語っている。ふたりはそのまま「Love Is On The Rocks」のデモを録音した。
日本での発売元は途中で入れ替わっている。2003年のデビュー作から2012年の『Immortal』(KICP-1639)まで4作を出したのはキングレコードのNEXUSで、2017年の『Fearless』(MICP-11331)からはマーキー/アヴァロンに移った。以後の4作、2026年の『Unbridled』(MICP-12035)までは一貫してマーキーが手がけている。
バンドにとって最大の観客を集めたのは、2005年夏のベルギーの野外フェスティヴァル、ロケルセ・フェーステンへの出演である。ジム・ピートリックの公式サイトは、この日2万人の観客の前で演奏したと述べている。この公演はライヴ・アルバム『Live in Belgium』として2006年にCDとDVDの両方で発売された。
デビュー作の4曲目「Sound of Home」に公式ミュージック・ビデオが作られたのは、曲が世に出てから17年後の2020年6月1日だった。フロンティアーズの公式チャンネルからの公開で、当サイトが登録している14本の公式映像のうち最も古いアルバムの曲でありながら、公開は5番目に新しい。それだけこの曲がバンドの代表曲として残り続けたということでもある。
ケリーとトビー・ヒッチコックの出会いについては、ヒッチコック自身の説明がもう一つ残っている。彼によれば、ふたりが最初に知り合ったのは14〜15年前のオーディションの場で、そのまま友人として連絡を取り合う仲になっていた。のちにケリーがヒッチコックのシカゴのイベント・バンドのオーディションを受けに来て合格し、リハーサルの席で「自分のレコードでデュエットしてほしい」と頼み、そのついでに叔父を紹介したいと言った——その叔父がジム・ピートリックだった、というのがヒッチコックの語り口である。
フロンティアーズ・レコードの総帥セラフィノ・ペルジーノは当初、ピートリックの新しいプロジェクトには名の知られたシンガーを立てることを提案していた。ピートリックはそれを断り、当時まったく無名だったトビー・ヒッチコックで押し通す。ペルジーノはイタリアからナッシュヴィルまで飛んで実際に声を聴き、その場で納得したという。PRIDE OF LIONSの契約はこうしてまとまった。
アルバムの収録曲を最終的に選ぶのは、作った本人ではなくレーベルの側である。ピートリックは1作につきおよそ20曲を提出し、そこからセラフィノ・ペルジーノが11曲ほどを選ぶという手順を説明したうえで、選曲はたいてい彼のほうが正しく、自分の市場をよく分かっているのだと認めている。20年以上にわたって収録曲数が11〜12曲で安定しているのは、この工程の結果でもある。
ピートリックはイリノイ州、ヒッチコックはインディアナ州エヴァンズヴィルに住んでおり、このバンドは全員が同じ部屋に集まって作られていない。ヒッチコックはヴォーカルの多くを自身のスタジオで録り、ファイルをやり取りして作品を仕上げていく。2026年の『Unbridled』の制作でも、ピートリックはヒッチコックとおよそ3か月にわたってファイルを送り合っていたと述べている。
3作目『The Roaring of Dreams』の最後に置かれた7分を超える「Turnaround」には、トビー・ヒッチコックの姉妹であるトーリ・ヒッチコックが参加している。PRIDE OF LIONSの作品に彼女が加わったのはこれが初めてだった。
2026年の『Unbridled』のジャケットに描かれた、雷光を背に向かい合う2頭の馬はマーク・アラーノの手によるものである。unbridled は「手綱を外した」を意味する語で、アルバム題と絵柄はそのまま対応している。
『Unbridled』の冒頭を飾る表題曲は、ギターのマイク・アキノによるイントロから始まる。ピートリックは制作途中の2026年1月、このイントロをヴァン・ヘイレンの「Eruption」を思わせるものとして紹介しており、アルバムの一曲目をそこから走り出させる意図があったことが分かる。
『Unbridled』のミックスを手がけたラリー・ミラスは、ピートリックが1964年に結成したTHE IDES OF MARCHの共同創設者であり、ピートリックのWORLD STAGEが持つ2つのレコーディング・スタジオのエンジニアでもある。ふたりの関係は幼なじみにさかのぼり、ミラスはPRIDE OF LIONSの曲作りにも関わっていて、2020年の『Lion Heart』では「Carry Me Back」と「Unfinished Heart」の共作者に名を連ねている。
PRIDE OF LIONSがステージに立つ機会は極めて少ない。直近の公演は2025年4月25日、所属レーベル自身が開くフロンティアーズ・ロック・フェスティヴァル第7回の初日で、イタリアのトレッツォ・スッラッダにあるライヴ・クラブが会場だった。3日間で21組が出演したこのフェスティヴァルの初日、彼らの出番は20時20分。ファンズ・オブ・ザ・ダーク、アート・ネイション、シャクラ、ボンファイア、ハネムーン・スイートに続く出番で、22時に最後を締めたのはASIAである。