NIGHTWISH TRIVIA

Trivia

2022年10月、ナイトウィッシュの来日公演が発表された。<NIGHTWISH Japan Tour 2023>と題されたこのツアーは、2023年1月25日に大阪のなんばHatch、1月27日と28日に東京のEX THEATER ROPPONGIという3公演の予定だった。前回の来日から実に6年半が経っていた。

出典: 激ロック「NIGHTWISH、来年1月に来日公演決定!」

ツアーを休んでいる間も、『Yesterwynde』は舞台に上がっている。公式サイトが伝えているのは、タンペレでの3公演が完売し6,000人が聴いたあと、このアルバムをオーケストラで演奏する催しが2026年3月21日にヘルシンキのムジイッキタロ(音楽センター)で行われたということである。演奏したのはヴァンター管弦楽団とタンペレ・オペラ合唱団、そして児童合唱団で、指揮はエーロ・レフティマキが執った。

出典: ナイトウィッシュ公式サイト

ツォーマス・ホロパイネンは、自分たちのアルバムを1位から9位まで順位付けしたことがある。上から『Human. :||: Nature.』(2020年)、『Endless Forms Most Beautiful』(2015年)、『Oceanborn』(1998年)、『Once』(2004年)、『Imaginaerum』(2011年)、『Dark Passion Play』(2007年)、『Century Child』(2002年)、『Angels Fall First』(1997年)、そして最下位が『Wishmaster』(2000年)である。

出典: Loudwire「Nightwish Keyboardist Tuomas Holopainen Names His Favorite + Least Favorite Nightwish Albums」(文:Philip Trapp)

ホロパイネンが最下位に置いたのは『Wishmaster』だった。フィンランドでチャート1位を取った作品であることは彼自身が認めているが、彼にとってこれは「あいだ」のアルバムのひとつで、個人的な水準では際立って感じられない。『Oceanborn』のあとに来たものとして、革命的なところが何も無かったからだ、というのがその説明である。

出典: Loudwire「Nightwish Keyboardist Tuomas Holopainen Names His Favorite + Least Favorite Nightwish Albums」(文:Philip Trapp)

メタリカがナイトウィッシュに与えた影響について、ホロパイネンは、あのバンドが無ければ自分たちは今の場所にいないと思う、という言い方をしている。そして彼はひとつの場面を挙げた。1年ほど前、おそらくベルギーだったと思うフェスティバルで、最後の曲を終えてステージを降りたところにジェイムズ・ヘットフィールドがいて、彼の背中を叩いたのである。そのときホロパイネンの口から出たのは短い驚きの言葉だけだった。ヒーローには会うな、とはよく言ったものだ、と彼は付け加えている。

出典: Loudwire「Nightwish Mastermind Tuomas Holopainen's Favorite Metal Song Is a Ballad」(文:Joe DiVita)

2021年1月にマルコ・ヒエタラが脱退したとき、ツォーマス・ホロパイネンはバンドが終わったと思った。彼の言い方では、あれは打ちのめされる出来事だった。ヒエタラが抱えていた問題は知っていたが、それでも全員にとって大きな衝撃だった。48時間ほどのあいだ、彼はこれでバンドは終わりだと確信していたという。エンプ・ヴオリネンに電話をかけ、また起きたぞ、これで終わりだと思うか、と笑い合ったことを彼は覚えている。

出典: Loudwire「Tuomas Holopainen Was 'Convinced' Nightwish Were Done When Marko Hietala Quit」(文:Chad Childers)

この休止の発表で、バンドは理由として考えられがちな2つのことを名指しで否定している。声明が述べているのは、理由は個人的なものだが、バンドの健全さと将来にとって不可欠だと全員が同意しているということ。そして自分たちは今も一緒に働くのが好きだということ。そのうえで、この決定はフロール・ヤンセンの妊娠とも、各自の別プロジェクトとも一切関係が無い、とわざわざ書き添えられていた。

出典: Loudwire「Nightwish Taking Touring Hiatus, Announce New Album Timeline」(文:Chad Childers)

ナイトウィッシュが変わった生き物なのは、メンバーが実際にお互いといるのを好きだからだ、というのがトロイ・ドノックリーの言い分である。バンドとしては珍しいことで、楽屋を別々にするような話も多い中で、彼らは仕事でないときにも一緒に過ごし、互いといて楽しいのだという。その具体例として彼が挙げたのは、前の年にエンプ・ヴオリネンとツォーマス・ホロパイネンがイギリスのヨークシャーまでやって来て、1週間ずっと金属探知機を持って遊んでいたことだった。それが自分たちのやることで、しかもものすごく楽しい、と彼は述べている。

出典: Blabbermouth「FLOOR JANSEN Says NIGHTWISH Is Still 'On A Temporary Hold'」

その来日公演は行われなかった。2022年12月、3公演すべての中止が発表されている。バンドが出した説明によれば、フロール・ヤンセンが完全に健康を取り戻すための治療の最終段階の日程が、2月から1月へ前倒しになった。そのため予定どおりアジアへ行くことができなくなったのだという。声明には、また皆に会えるようチーム全員が動いているので待っていてほしい、とも書かれていた。

出典: 激ロック「NIGHTWISH、来日公演がメンバーの健康上の理由により中止に」

『Yesterwynde』について、バンド自身が公式サイトに書いた説明はこうである。時間と記憶、そして人間の善なる部分を巡る幻想的な航海であり、3年をかけて作られた10作目のアルバムだ、と。

出典: ナイトウィッシュ公式サイト

ナイトウィッシュは、土地を買い取って自然環境を保全する英国の団体ワールド・ランド・トラストと提携している。公式サイトはページの下部に常時この提携を掲げ、団体の活動を見に行くよう読者に呼びかけている。

出典: ナイトウィッシュ公式サイト

1996年7月にナイトウィッシュを立ち上げたとき、ツォーマス・ホロパイネンがやりたかったのはムーディなアコースティック音楽だった。ただし彼とギターのエンプ・ヴオリネンにはメタルの下地が強くあったので、より重いものへ移っていったのは自然な流れだったという。それでも、当初のアコースティック・バンドという発想はいまも作品の中に強く聴き取れる、というのが本人の見立てである。

出典: Loudwire「Nightwish Keyboardist Tuomas Holopainen Names His Favorite + Least Favorite Nightwish Albums」(文:Philip Trapp)

ホロパイネンが自分たちのアルバムの中で最上位に置いたのは『Human. :||: Nature.』である。理由として彼が挙げたのは、まず人間についての曲を並べ、そのあともう1枚のディスクに移って自然の中へ入っていくという構成だった。制作していたときの記憶も幸せなものだ、と彼は述べている。

出典: Loudwire「Nightwish Keyboardist Tuomas Holopainen Names His Favorite + Least Favorite Nightwish Albums」(文:Philip Trapp)

ツォーマス・ホロパイネンが自分にとって史上最高のロック/メタル曲として挙げるのは、メタリカの「One」である。バラードだ。曲も歌詞もミュージック・ビデオも見事な出来だという理由に加えて、ちょうど自分がメタルという音楽を見つけた頃の曲であり、たくさんの記憶を連れてくるからだと彼は説明している。

出典: Loudwire「Nightwish Mastermind Tuomas Holopainen's Favorite Metal Song Is a Ballad」(文:Joe DiVita)

ホロパイネンがその「One」を生で聴いたのは、1992年9月のカンザスシティでのことだった。メタリカとガンズ・アンド・ローゼズの公演で、アンコール前の最後の曲がこれだった。完全に打ちのめされた、と彼は振り返っている。

出典: Loudwire「Nightwish Mastermind Tuomas Holopainen's Favorite Metal Song Is a Ballad」(文:Joe DiVita)

『Yesterwynde』の先行シングル「Perfume of the Timeless」について、ホロパイネンが述べているのは次のことである。いま生きている一人ひとりは、何百万という祖先と、その人たちの愛が途切れずに連なった結果である。この曲はその驚くべき事実を思い出させるためのものだ。もし驚けなかったならもう一度聴いてほしい、これは大事なことだから、と彼は書いている。

出典: Loudwire「Nightwish Mastermind Tuomas Holopainen's Favorite Metal Song Is a Ballad」(文:Joe DiVita)

その48時間のあとホロパイネンの考えを変えたのは、マネージメントからの一本の電話だった。もう一度考えてみてほしい、26年もの旅をしてきて、そんな終わり方でいいのか――そう言われた彼は、それは確かにもっともだと思った。出ていくのなら格好よく出ていこう、それに自分たちは過去にも悪いことを乗り越えてきたのだから今回も乗り越えられるかもしれない、と。数週間のうちに見通しは明るくなり、そこへユッカ・コスキネンが現れた。星の並びが狂ったことは何度もあったが、今はうまく並んでいるのがいい、というのが彼の言葉である。

出典: Loudwire「Tuomas Holopainen Was 'Convinced' Nightwish Were Done When Marko Hietala Quit」(文:Chad Childers)

三部作になった理由を、ホロパイネンは単純に説明している。『Endless Forms Most Beautiful』を作り終えた直後に、このテーマでもっと曲を作らなければ、まだ探るべきことも世界に伝えるべきことも山ほどある、と分かったのだという。同じことが『Human. :||: Nature.』のあとにも起きた。だからもう1枚、少なくとももう1枚やろう、となった。3作目については、大きな驚きがいくつもあるが、前作からの自然な続きだとも彼は述べていた。

出典: Loudwire「Tuomas Holopainen Was 'Convinced' Nightwish Were Done When Marko Hietala Quit」(文:Chad Childers)

2023年4月、ナイトウィッシュはツアー活動から離れることを発表した。<Human. :||: Nature. World Tour>が終わりに近づいていた時期で、6月に予定されていた公演を最後に、ライヴ演奏に関しては期限を定めずに休むこと、そして次のアルバムに伴うツアーは行わないことが、メンバー連名の声明で告げられた。

出典: Loudwire「Nightwish Taking Touring Hiatus, Announce New Album Timeline」(文:Chad Childers)

ツアーをしないと告げた同じ声明で、バンドは作品の予告もしている。新曲12曲からなるアルバムが2024年に世に出ること、そしてミュージック・ビデオを3本出すことである。実際に2024年9月に発表された『Yesterwynde』は12曲入りだった。

出典: Loudwire「Nightwish Taking Touring Hiatus, Announce New Album Timeline」(文:Chad Childers)

この休止がどう決まったのかについて、トロイ・ドノックリーは2024年に説明している。全員がその決定に加わっており、誰かに強いられたわけではない。ただし、その方向を指し示されたのはかなり早い時期、パンデミックより前だったという。やりすぎて燃え尽きる危険があると自分たちで気づいたからである。この休みは全員のためのもので、期限は定められておらず、いつバンドを再びライヴに連れ出すかについての計画はまったく無い、というのが彼の説明だった。

出典: Blabbermouth「FLOOR JANSEN Says NIGHTWISH Is Still 'On A Temporary Hold'」

この休止は終わりではない、というのがトロイ・ドノックリーの説明である。長い休みではあるが致命的なものではなく、彼が思い描いているのは2027年あたりのライヴ活動である。2027年はバンドの30周年にあたるので、何かしらライヴで印を付けることになるだろう、というのが彼の見方だった。

出典: Blabbermouth「FLOOR JANSEN Says NIGHTWISH Is Still 'On A Temporary Hold'」

休止に至った事情について、トロイ・ドノックリーはもう少し具体的な言い方もしている。アルバムとツアーの長い周期が年々きつくなるのは大きな要因だが、それを6人全員が同じように感じている状態で、7週間のツアーに出て、南米へ3週間行き、日本へ行き、それからアメリカで5週間というスケジュールを回す。しかも全員に家族があり、フロール・ヤンセンには幼い子どもが2人いる。生活としてこれは混乱を招く、というのが彼の説明である。

出典: Blabbermouth「FLOOR JANSEN Says NIGHTWISH Is Still 'On A Temporary Hold'」

2026年8月の時点で、フロール・ヤンセンはバンドについてこう述べている。何も予定されていない。ナイトウィッシュは一時的な保留の状態にあり、いつ何かが起きるのかについての連絡も無い、と。

出典: Blabbermouth「FLOOR JANSEN Says NIGHTWISH Is Still 'On A Temporary Hold'」

ベースのユッカ・コスキネンが正式メンバーになったのは2022年8月だが、彼が最初にナイトウィッシュとしてステージに立ったのはその1年以上前、2021年5月に行われた2度のインタラクティブな配信公演でのことである。正式加入までの1年間、彼はサポート・ミュージシャンとしてバンドと一緒にツアーを回っていた。

出典: Blabbermouth「FLOOR JANSEN Says NIGHTWISH Is Still 'On A Temporary Hold'」

フィンランドにおけるナイトウィッシュの位置づけは、数字よりも次の言い方のほうが伝わるかもしれない。2015年にヘルシンキから書かれたBARKSの連載記事は、フィンランドで彼らを知らない人はいないのではないかというほどの大物であり、フィンランド最大の屋内会場ハートウォール・アレーナを即完売にしてしまう英語詞の国内バンドは、現時点で彼らのほかにいないのではないか、と書いている。

出典: BARKS【連載】Hiroのもいもいフィンランド vol.11(『Endless Forms Most Beautiful』発売日のサイン会)

『Endless Forms Most Beautiful』の発売日、ナイトウィッシュはヘルシンキの中心にあるショッピングセンター、フォーラムの地下でサイン会を行った。前の2作のときは、日付が変わった午前0時にヘルシンキ市街のレコード店でアルバム発売と同時にサイン会が開かれていたが、今回は前日にバーで先行試聴会を行い、0時に発売、サイン会は発売当日の17時からという形になった。会場には出張のCDショップが出て、ポスター付きで売られていた。

出典: BARKS【連載】Hiroのもいもいフィンランド vol.11(『Endless Forms Most Beautiful』発売日のサイン会)

2015年の春、ナイトウィッシュはフィンランドのカレワラ・コル(カレヴァラ・ジュエリー)とコラボレーションを行った。この春のカレワラ・コルの顔を務めたのはフロール・ヤンセンで、コラボレーションの続きは同年秋のワールドツアーで明かされる予定だと当時報じられている。

出典: BARKS【連載】Hiroのもいもいフィンランド vol.11(『Endless Forms Most Beautiful』発売日のサイン会)

『Endless Forms Most Beautiful』の制作とそれに伴うツアーで、ドラムを叩いたのはユッカ・ネヴァライネンではなくカイ・ハヒトだった。長く不眠症を患っていたネヴァライネンが、全力を出し切れないという理由でこの作品とツアーから離れたためである。当時のBARKSの記事は、ハヒトをスワロウ・ザ・サンやウィンターサンで知られるドラマーとして紹介している。

出典: BARKS【連載】Hiroのもいもいフィンランド vol.11(『Endless Forms Most Beautiful』発売日のサイン会)