BLACK SABBATH トリビア 全18件

BLACK SABBATHにまつわる事実を、出典付きで18件掲載しています。

Trivia

1970年に発表されたデビュー作『Black Sabbath』は、日本では『黒い安息日』の邦題で知られている。ユニバーサル ミュージック ジャパンの資料によれば、このアルバムが英ヴァーティゴからリリースされたのは1970年2月13日——奇しくも金曜日だった。プロデュースはロジャー・ベインで、ジャズやブルースを独創的に解体・再構築してヘヴィ・ロックへと昇華させた歴史的名盤とされ、全英8位、全米23位を記録している。禍々しいイメージのバンドが、その出発点を「13日の金曜日」に刻んだことになる。

出典: ユニバーサル ミュージック ジャパン 公式サイト(製品ページ「黒い安息日<デラックス・エディション>」)

オジー・オズボーンを含む編成としてのブラック・サバスが初めて来日したのは、2013年5月11・12日に千葉・幕張メッセで開かれた「Ozzfest Japan 2013」でのことである。バンドは2日間のフェスの大トリを務め、代表曲「War Pigs」で幕を開けると、初期4作品からの楽曲を立て続けに披露した。6月発売予定だった新作『13』からの新曲「God Is Dead?」もいち早く演奏し、「Children Of The Grave」で本編を終えたあと、アンコールでは「Sabbath Bloody Sabbath」のイントロから「Paranoid」へとなだれ込み、約90分のステージを締めくくった。

出典: 音楽ナタリー「Ozzfest Japan初開催でサバス、SLIPKNOT、日本勢が大活躍」

2013年発表の『13』は、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、オジー・オズボーンの3人が同じスタジオで録音する、実に1978年の『Never Say Die』以来35年ぶりの作品となった。プロデュースは、グラミー賞受賞プロデューサーのリック・ルービン。ドラムには新たにブラッド・ウィルクが迎えられている。オリジナルのドラマー、ビル・ワードは、2011年末の再結成発表の場には4人そろって姿を見せていたが、翌2012年に契約条件をめぐって折り合わず離脱し、このアルバムには参加しなかった。

出典: ユニバーサル ミュージック ジャパン 公式サイト(ニュース 2013-04-23)

バンドはもともとブルースを演奏するアース(Earth)を名乗っていたが、同名の別バンドがいると分かって改名を迫られた。新しい名は自分たちの曲「Black Sabbath」からとったもので、この曲名はボリス・カーロフ主演の1963年のホラー映画(イタリアのマリオ・バーヴァ監督、原題 Black Sabbath)に由来するとされる。ただしその経緯についてはメンバーの証言が食い違っている。オジー・オズボーンとギーザー・バトラーがこの映画を観て同名の曲を書いたとする説明がある一方で、トニー・アイオミは当時バンドの誰もこの映画を観ていなかったと述べている。

異説あり出典: Songfacts「Black Sabbath by Black Sabbath」/Black Sabbath Artistfacts

ヘヴィ・メタルの重いサウンドは、トニー・アイオミが17歳のときに負った事故から生まれたと言ってよい。バンドでヨーロッパをまわる予定だった彼は、板金工場での最後の勤務日、ギロチン式の巨大なプレス機に手を挟まれ、弦を押さえる側の手の指先2本を失った。病院で骨を切除され、医者からはギターは諦めろと告げられたが、彼は受け入れなかった。落ち込む彼のもとを工場の元上司が訪ね、火傷で指が不自由になりながら演奏したジャズ・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトのレコードを手渡したことが転機になった。アイオミはプラスチックの洗剤ボトルを溶かして指先の義指を自作し、革を貼って感触を整えて演奏を取り戻す。指の自由がきかないぶん単純なコードの押さえ方に頼らざるを得ず、その制約こそが、彼のギターに独特の重い響きを与えることになった。

出典: Loudwire(トニー・アイオミ本人のインタビュー)

バンドの代名詞ともいえる「Paranoid」は、もともとアルバムの尺を埋めるための「捨て曲」として、ほんの短時間で書かれたものだった。ギーザー・バトラーによれば、セカンド・アルバムは二、三日でほぼ一発録りされ、あと三分ほど足りないという段になって、トニー・アイオミがリフを出し、バトラーが急いで詞を付け、オジー・オズボーンはその歌詞を初めて目で追いながら歌ったという。トニー・アイオミも、この曲は穴埋め以上のものとして作ったつもりはなかったが、短いためシングルになり、結果として多くの人がこの曲でバンドを知ることになったと語っている。歌詞にはうつと薬物がもたらす不安が投影されており、皮肉にも曲中で「paranoid」という語は一度も歌われない。全英4位に達し、バンド最大のヒットの一つとなった。

出典: Songfacts「Paranoid by Black Sabbath」

「Iron Man」は、時を旅して世界の終末を目撃した男の物語である。人類に警告しようと地球へ戻る途上、磁気の嵐を抜けるうちに彼は鉄の体に変えられてしまう。誰にも信じてもらえない男は怒りを募らせ、その怒りを人類にぶつけ、結果として自らが見たはずの終末を招く——そういう筋立てだ。作詞を手がけたギーザー・バトラーは、オジー・オズボーンに発想を与えられたあと、街を歩きながら「もし金属でできた大男が歩きまわっていたら、どうだろう」と思いついたのがきっかけだったと語っている。

出典: Songfacts「Iron Man by Black Sabbath」

ブラック・サバスは2025年7月5日、地元バーミンガムのヴィラ・パークで、オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードのオリジナル4人がそろう最後の公演「Back to the Beginning」を行った。オリジナル編成での共演は20年ぶりで、METALLICA や SLAYER をはじめ多数のバンドが顔をそろえるチャリティ・イベントとして開催され、音楽監督はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロが務めた。この日の収益はすべて、キュア・パーキンソンズ、バーミンガム児童病院、エイコーン子どもホスピスというバーミンガムの3つの慈善団体に寄付された。

出典: BLABBERMOUTH.NET(最終公演の告知)

彼らのサウンドの方向を決めた発想の一つは、リハーサル場所の真向かいにあった映画館から生まれた。ホラー映画を人々がいかに楽しんでいるかを目の当たりにしたメンバーは、それなら音楽で恐怖を表現しようと思い立ったという。この「怖い音楽を作る」という着想が、のちに彼らの重く不穏なサウンドへと結実していく。

出典: Songfacts Black Sabbath Artistfacts

トニー・アイオミは1968年、ごく短い期間だけジェスロ・タルに加入していた。滞在は二週間ほどで、ローリング・ストーンズの特番『ロックンロール・サーカス』にタルの一員として出演し、「ソング・フォー・ジェフリー」に合わせて演奏する場面にも映っている。ただし彼は、バンド仲間というより一従業員のように扱われるタルの体制になじめず、すぐに古巣へ戻った。それでも規律ある練習の進め方をタルから学び、その職業意識をオジー、ギーザー、ビルのいるバンドに持ち帰っている。バンドが練習を組織立てて行うようになってほどなく、のちにデビュー作へ結実する曲づくりが始まった。

出典: Songfacts Black Sabbath Artistfacts

反戦歌として知られる「War Pigs」は、殺戮と破壊へ向かう人間の衝動を主題にしている。ギターのトニー・アイオミによれば、着想はヨーロッパ・ツアー中に米軍基地で演奏した際に耳にした戦争の話から得たもので、チューリッヒの寒々しい会場で少人数の客を前に演奏していた時期に書かれた。当時激化していたベトナム戦争が背景にあり、作詞を手がけたギーザー・バトラーは、戦争こそ本物のサタニズムであり、政治家こそ本物のサタニストだと言いたかったのだと語っている。曲の当初の題は、異教と魔女の祭りにちなむ「Walpurgis」だった。

出典: Songfacts「War Pigs by Black Sabbath」

セカンド・アルバム『Paranoid』は、本来「War Pigs」という題になるはずだった。バンドは同名の収録曲からアルバム名をとろうとしたが、レコード会社がより刺激の少ない「Paranoid」を使わせたのである。もっとも、その名残はジャケットに残っている——剣と盾を構えた豚、すなわち文字どおりの「戦争豚(War Pig)」が描かれているのだ。

出典: Songfacts「Paranoid by Black Sabbath」

初期の楽曲「N.I.B.」は、悪魔を主人公にしたラブソングである。人間の女性に恋をしたサタンが彼女を誘惑しようとするという筋立てで、その悪魔はむしろ魅力的な存在として描かれ、冒頭の歌詞はかなり詩的だと評されている。悪魔崇拝のイメージで語られがちなバンドだが、この曲に限っては、恋に落ちた側としての悪魔が描かれている。

出典: Songfacts「N.I.B. by Black Sabbath」

「Fairies Wear Boots」は、当時のスキンヘッズを題材にしている。1970年ごろのイギリスでスキンヘッズといえば、人種差別主義者ではなくパンクやアナーキストの類で、彼らがブーツを履いていたことがそのまま曲名になった。詞のきっかけは実体験で、ある公演のあとバンドはスキンヘッズの一団に襲われ、トニー・アイオミが負傷して次の公演を中止せざるを得なくなった。ギーザー・バトラーによれば、それはウェストン・スーパー・メアでの出来事で、当時「フェアリー(fairy)」と呼ぶのは相手を侮辱する言い回しだったため、オジー・オズボーンが襲ってきた連中への意趣返しとして「妖精はブーツを履く」という一節を思いついたのだという。

出典: Songfacts「Fairies Wear Boots by Black Sabbath」

1971年発表の「Children Of The Grave」は、環境問題への警鐘として書かれた楽曲である。環境保護運動がようやく芽生えはじめた頃で、このまま地球をないがしろにし、人間どうしが傷つけあえばどうなるか、という危機感が込められている。作詞のギーザー・バトラーは、公害や気候の変化が意識されはじめた時期であり、環境に手を打たなければ我々は皆「墓場の子」になってしまう、という思いを歌にしたのだと語っている。この曲はバンドの人気曲となり、のちにロニー・ジェイムズ・ディオがヴォーカルを引き継いだ時期にも、さらにオジー・オズボーンのソロ時代にも、たびたびライブで演奏された。

出典: Songfacts「Children Of The Grave by Black Sabbath」

『Master of Reality』収録の「Sweet Leaf」は、マリファナを臆面もなく主題にした楽曲で、バンド全員で書き上げた。「sweet leaf(甘い葉)」という呼び名はこの曲がマリファナの俗称として定着させたもので、着想はアイルランド製のタバコの箱にあった「It's the sweet leaf」という文句からきている。メンバーはこの言葉をマリファナの見事な言い換えだと気に入り、そのまま曲名にした。

出典: Songfacts「Sweet Leaf by Black Sabbath」

バンドの歴史における大きな転機が、1979年のオジー・オズボーンの解雇だった。オリジナルのシンガーを失ったバンドは、後任にロニー・ジェイムズ・ディオを迎え、ディオは1982年までヴォーカルを務めた。オジー期とは異なる第二の時代の始まりである。

出典: Songfacts Black Sabbath Artistfacts

オリジナル編成のブラック・サバスが再結集した最初の機会が、1985年のチャリティ・コンサート「ライヴエイド」だった。オジー・オズボーン、トニー・アイオミ、ギーザー・バトラー、ビル・ワードの4人が同じステージに立ったのは、1978年以来のことである。この日のセットでは「Paranoid」や「Children Of The Grave」が演奏された。

出典: Songfacts「Paranoid by Black Sabbath」/「Children Of The Grave by Black Sabbath」