ARCH ENEMY TRIVIA
Trivia
ARCH ENEMY の日本での発売元は Trooper Entertainment である。2014年の『War Eternal』の発表記事は、この作品が世界では Century Media Records から、日本では Trooper Entertainment からリリースされると明記している。アンジェラ・ゴソウは退任の声明の中でも、ファン、ロード・クルー、そしてマイケル・アモット、ダニエル・エランドソン、シャーリー・ダンジェロと並べて、Century Media(世界)と Trooper Entertainment(日本)の2社に名指しで謝意を述べている。バンドの公式サイトのリンク欄にも trooper.co.jp が並んでいる。
新しいシンガーを迎えたARCH ENEMYは、その最初のステージからわずか3週間で日本に来ている。Blabbermouth によれば、〈Blood Dynasty Japan Tour 2026〉の一環として2026年4月17日に東京・EXシアター六本木で公演が行われた。3月27日の北京から始まった中国7公演を終えた直後の来日である。ドラムのダニエル・エランドソンはこの時期の取材で、ローレン・ハートへの反応は圧倒的で自分でもここまでうまくいくとは思わなかったと述べ、会場の空気は電気を帯びていると語っている。彼はまた、30年ほど続けてきたバンドが今また新しい時代を始めているのは奇妙な感じだ、とも付け加えた。
ARCH ENEMY は初期からコンスタントに日本へ来ているバンドである。BARKS のライブレポートによれば、過去の来日公演の歴史をたどっても3年以上の空白が生じたことはなかった。その記録が途切れたのがコロナ禍で、2023年2月22日に Zepp DiverCity Tokyo で開幕した『デシーヴァーズ』のジャパン・ツアーは、丸5年ぶりの来日となった。事前に公開された各メンバーのビデオ・メッセージでも、久しぶりのジャパン・ツアーを楽しみにしているという言葉が口々に語られていたという。ツアーはこの後、札幌、名古屋、大阪、福岡、そして再度の東京公演へと続いた。
ARCH ENEMY は公式サイトで、2026年を新しい時代の幕開けと位置づけている。掲載されている紹介文は、『Blood Dynasty』のサイクルを終えた彼らが物語の新しい章へ踏み出したとし、ローレン・ハートの加入によってバンドはより研ぎ澄まされ、より致命的な姿に変わったと書く。そしてこれは単なるメンバー交代ではなく再生であり、自分たちの最も暗く最も激しい時代はまだ始まったばかりだ、と結んでいる。同じ文章はマイケル・アモットに率いられたこのバンドについて、立ち止まるという選択肢はこれまで一度も無く、変化だけが唯一変わらないものだった、とも述べている。
ARCH ENEMY は1995年、マイケル・アモットが CARCASS を離れた直後に組んだバンドである。Louder が伝えるアモットの説明によれば、脱退したのは『Heartwork』を出した直後で、彼にはすでにストーナー寄りの SPIRITUAL BEGGARS があったが、それとは別により極端なスタイルのバンドをやりたかったのだという。弟のクリストファー・アモットをギターに、CARNAGE のヨハン・リーヴァをヴォーカルに、EUCHARIST のダニエル・エランドソンをドラムに迎え、1996年に Wrong Again からデビュー作『Black Earth』を出した。この時点でのARCH ENEMYはほぼアモットひとりの構想で、全曲を彼が書き、ベースまで彼自身が弾いている。
初代シンガーのヨハン・リーヴァが外れた理由を、マイケル・アモットは Louder の取材ではっきり述べている。リーヴァはツアーにあまり乗り気ではなかった。しかしバンドを次の段階へ進めるにはもっと多くのライヴが必要だった——そして、それまでに彼らがやっていたのは日本での公演と、ほかにいくつかの場所くらいで、大きなものは何もなかったのだという。バンドの外からもリーヴァでは発展させられないという声が出ていた。デス・メタルの炎とメロディの均衡をもっと高い水準で実現したかったアモットにとって、彼は弱点と映った。
アンジェラ・ゴソウは、最初はジャーナリストとしてARCH ENEMYに会っている。Louder が伝えるアモットの説明によれば、『Burning Bridges』が出た頃の彼女はウェブジンの取材者で、バンドにインタビューをしていた。そのとき彼女は、ASMODINA というバンドで自分が歌っているライヴ映像を渡している。映っていたのはドイツのクラブで50人ほどを前にした演奏だったが、その本気ぶりにクリストファー・アモットが感心し、候補者リストに彼女を加えることを提案した。当時、後任探しは「いつもの顔ぶれ」の短いリストから始めるつもりだったという。
ファンの反発を恐れたARCH ENEMYは、意見を探るために自分たちの曲を自らインターネットへ流している。Louder の取材でアモットが明かしたところによれば、シンガーが誰かは伏せたままクリップを投稿し、感想を募った。返ってきた反応は驚くほど良く、しかも女性が歌っていると考えた者は一人もいなかった。挙がった名前は CARCASS のジェフ・ウォーカーや AT THE GATES のトーマス・リンドバーグだったという。
アンジェラ・ゴソウは、加入した時点ですでに出来上がっていた曲に注文をつけている。Louder の取材でアモットが語ったところによれば、音楽と歌詞の一部は彼女が来る前に書き上がっており、彼女はサイクルの終盤にリハーサルへ来て意見を述べた。いくつかの曲については、それは型どおりで退屈なARCH ENEMYだ、自分もファンだから分かる、という趣旨のことを言い、良いギター・ソロの入った曲でさえ作り替えてもっと重くしろと求めたという。実際に変わった曲の一つが「Ravenous」で、元はもっと遅く、ギターがもっと入っていた。アモットはギタリストとして正直に気を悪くしたと認めたうえで、それでもアンジェラは正しかったと述べている。
2014年3月17日、ARCH ENEMY はアンジェラ・ゴソウの退任と、THE AGONIST のアリッサ・ホワイト=グラズの加入を同時に発表した。ゴソウ本人の声明によれば、13年間、6枚のスタジオ・アルバム、5大陸におよぶ数え切れないツアーを経て、生活の段階を変えて家族と過ごし他の関心事を追いたくなったのだという。ただし彼女はバンドを離れたわけではなく、ビジネス・マネージャーとして残ることを同じ声明で明言している。後任については、長年の友人であり優れたシンガーだと知っていたアリッサに松明を渡す、彼女には輝く機会が与えられて然るべきだと思ってきた、そして自分も2001年に同じ機会を与えられたのだ、と書いている。
ジェフ・ルーミスの後任として発表されたジョーイ・コンセプシオンは、バンドにとって初対面の人物ではなかった。マイケル・アモットの発表文によれば、彼は長くバンドの友人であり、2018年にはヨーロッパのフェスティバル公演でルーミスの代役を務めてもいる。Blabbermouth の記事は、その2018年のドイツ〈Summer Breeze Open Air〉でのヘッドライナー・セットの映像を添えている。2025年にアモットはあらためて、コンセプシオンはほぼ生涯にわたってARCH ENEMYのファンだった人物だと語っている。
2025年11月23日、ARCH ENEMY はアリッサ・ホワイト=グラズとの別れを発表した。理由は示されていない。バンドの声明は、共に過ごした時間と音楽に感謝し、彼女の幸運を祈ると述べたうえで、終わりのあるところには始まりもある、2026年に会おう、と締めくくっている。アリッサ自身も同じ日に自身のSNSで、ARCH ENEMY での12年を経て袂を分かったこと、その間に出会った何千人ものファンに永遠に感謝していること、そして取り組んできたものを2026年に発表することを書いた。彼女がバンドで録音したアルバムは『War Eternal』『Will to Power』『Deceivers』『Blood Dynasty』の4枚である。
アリッサ・ホワイト=グラズの脱退後、次のシンガーを見つけたのはアンジェラ・ゴソウだった。2026年2月に彼女がSNSに書いた文章によれば、彼女はローレン・ハートを個人的に何年も前から知っており、ONCE HUMAN での歩みを追い、彼女が別の有名バンドに加わることを願ったこともあった。実現しなかったため、彼女のために新しいバンドを組むことまで考え、DIMMU BORGIR と ARCH ENEMY/IN FLAMES と MACHINE HEAD/ONCE HUMAN を横断するような方向を思い描いて、まずカヴァー曲を何曲か送ってもらい歌唱力の全体像を確かめていたという。そこへ ARCH ENEMY 側の事情が動いた。彼女はハートをメンバーに推し、マイケル・アモットが反応した。ハートが歌を録音したのは2025年12月である。
2026年2月19日、ARCH ENEMY は新しいシンガーとしてローレン・ハート(元 ONCE HUMAN)を発表し、同時に新曲「To The Last Breath」を公開した。彼女が参加した最初の音源である。マイケル・アモットはこの曲について、音楽的には自分がバンドに抱いていた当初の構想にまっすぐ沿ったもので、長年のファンならすぐ分かるはずだと述べ、歌詞は欺瞞を見抜き支配の幻想を解体することについてのものだと説明した。後日の取材で彼は、発表の手段として新曲を選んだ理由も語っている——これがこれからやることだと示せる曲が必要で、しかもそれは非常に良い曲でなければならなかった。彼は未発表の手持ちの曲から1曲を選び、作り直してこの形にしたという。
ローレン・ハートとマイケル・アモットは、最初の曲を作った時点でまだ一度も直接会っていなかった。2026年の取材でアモットが明かしたところによれば、すべてが速く進んだためレコーディングの時間が取れず、ハートは本国アメリカの自宅でヴォーカルを録って送ってきた。その最初のトラックの出来が素晴らしかったため、これはいけると彼は判断したのだという。その時点まで二人が交わしていたのは Zoom での通話だけだった。アルバムについてもアモットは、ツアーを回ってから書いてまとめる従来のやり方ではなく、休みのたびにセッションを重ねて少しずつ形にしていく、いずれそれがアルバムになる、と説明している。
ローレン・ハートがスクリームを始めたきっかけは、ARCH ENEMY の『Wages of Sin』だった。2026年の取材で彼女が語ったところによれば、メタルを教えてくれる友人たちがこのCDをかけたとき、彼女は歌っているのは男性だと思い、良い声だと感想を述べた。違う、女性だと言われて驚いたという——当時の彼女は、女性がスクリームできることを知らなかった。友人たちはバンドをやっており、彼女は自分にもやらせてほしいと頼み込んだ。そこから彼女のスクリームが始まった。そして2026年3月27日、北京での初ステージについて彼女は、夢が叶った瞬間であり新しい未来の始まりだったと述べ、『Wages of Sin』でこのバンドを好きになった子どもの頃の自分と何かがつながった、とも語っている。
ARCH ENEMY が Century Media と最初の契約を結んだのは1997年、デビュー作を出した直後である。マイケル・アモットが2025年の取材で明かしたところによれば、当時バンドには Nuclear Blast と Century Media の両方からオファーが来ており、条件は同じだったが、なぜか Century Media を選んだのだという。契約はライセンス契約で、以後何度も更新されながら形を変えてきた。彼はこの長い関係を安定要因だったと評価する一方で、レーベル側の人の入れ替わりは ARCH ENEMY より激しく、契約した当時から残っている人間はもう誰もいないと思う、とも笑って述べている。Century Media は後にソニーに買収され、現在はベルリンのオフィスで動いている。
『Blood Dynasty』は、ARCH ENEMY にとって久しぶりに全部を1か所で録った作品である。マイケル・アモットが2025年の取材で説明したところによれば、それまでの彼らは歌はここ、ドラムはあそこ、ソロは別のスタジオ、リズム・ギターはさらに別の場所、と各所を移動しながら録音してミックスでまとめるやり方を続けていた。今回はドラムの録音から始めて最後のオーバーダブまでイェンス・ボーグレンのスタジオに留まり、ミックスもマスタリングもそこで済ませている。ボーグレンはスウェーデンのエレブルーに土地を買い、ゼロから新しいスタジオを建てていた。彼はそれ以前にも『War Eternal』と『Will to Power』のミックスを手がけており、以前からもっと深く関わりたいという意思を見せていたという。
『Blood Dynasty』の録音中、同じスタジオには AT THE GATES と DARK TRANQUILLITY のミカエル・スタンネもいた。マイケル・アモットが2025年の取材で明かしたところによれば、イェンス・ボーグレンの施設は宿泊できるスタジオで、彼はそこに寝泊まりしながら作業していた。ボーグレンが同時に複数の制作を回しているため、こういう顔合わせが起きる。アモットは、この手のバンドを本気で追いかけている人が休憩用のキッチンに入ってきて、コーヒーを飲みながら話している自分たちを見たら大変なことになっただろう、と面白がっている。彼はまた、ボーグレンが自分の考えを強く主張し、時にかなり熱くなったことを肯定的に受け止めたとも述べた——録音ボタンを押して任せきりにする人ではなかった、という意味である。
初期のARCH ENEMYは、リズム隊が落ち着くまでに時間がかかっている。Louder によれば、デビューから2年後の『Stigmata』ではベースにマルティン・ベングトソンが入り、ドラムはダニエル・エランドソンからペーテル・ヴィルドエルに交代していた。この時期に Century Media と契約している。さらに1999年の『Burning Bridges』では、元 MERCYFUL FATE のシャーリー・ダンジェロがベースに加わり、エランドソンがドラムに復帰した。それでもアモットは、まだ理想の編成には至っていないと考えていたという。
当のマイケル・アモットは、女性シンガーを迎えることに乗り気ではなかった。Louder の取材で本人が認めているとおり、彼はこの件についてかなり保守的で、当時エクストリーム・メタルの世界に女性シンガーを擁するバンドは一つもなかったのだという。考えを変えさせたのはアンジェラ・ゴソウのオーディションだった。それでもバンドは慎重に進め、4作目のレコーディング中も後任が誰であるかを明かさなかった。録音したのはヨーテボリの Studio Fredman で、他のバンドも出入りする大きな施設だったにもかかわらず、情報は漏れなかったという。もし見つかったら、何人か試している最中だと言うつもりで口裏まで合わせてあった。
『Wages of Sin』では、プロデュース体制も変わっている。それまでの3作はフレドリック・ノルドストロームがアモットと共同でプロデュースしていたが、この作品ではミックスをアンディ・スニープに任せた。アモットがスニープを知ったのは、『Burning Bridges』の後に NEVERMORE とアメリカを回っていたときで、ラジオから流れた TESTAMENT の『The Gathering』の音に驚いてミックス担当を調べたのがきっかけだった。彼はその名前を覚えておき、NEVERMORE にも勧めている。Louder の記事によれば、ノルドストロームはこの決定に強く反発し、以後数年にわたって口をきかなかった。関係が戻ったのは2007年の『Rise of the Tyrant』でふたたび組んだときである。
『Wages of Sin』は2001年4月に発売された。Louder の記事によれば、それまでのARCH ENEMYはアモットのキャリアの中で SPIRITUAL BEGGARS に次ぐ位置と見られていたが、この作品以降ツアーの規模が上がり、優先順位が入れ替わる。アモット自身も、ARCH ENEMY が本気のバンドになったのは『Wages of Sin』からだと認めている。当時を振り返って彼は、あの頃のシーンで女性シンガーを迎えることを考えるのは自殺行為に近かったが、アンジェラだからこそ成立した、外見からは想像できない力強く極端な声だった、と述べている。
アンジェラ・ゴソウがバンドに与えた変化を、マイケル・アモットは動物にたとえて説明している。Louder の取材で彼は、彼女のおかげでバンドははるかに攻撃的になった、ペットのウサギを追い出してロットワイラーを飼うようなものだった、と述べ、それまで無かった鋭さが加わり、そのぶん自分たちの発想も大きくなったのだと語っている。彼女が影響を受けてきたのは OBITUARY、MORBID ANGEL、DEATH といった、繊細なギターの手つきにあまり時間を割かないバンドだった。
アンジェラ・ゴソウは退任後も、アリッサ・ホワイト=グラズと離れなかった。Blabbermouth が2016年に伝えたところによれば、彼女は後任である彼女を高く評価し、そのうえで当時まだ公表されていなかったアリッサのソロ・プロジェクトのマネジメントを自分が始めたことを明かしている。ARCH ENEMY のシンガーが交代しても、その周りの体制は同じ人物が握り続けたことになる。アリッサのソロ作の構想自体、ゴソウの提案から出たものだったと後年の記事は書いている。
2023年12月30日、ARCH ENEMY はギタリストのジェフ・ルーミスとの円満な別れを発表した。ルーミス本人の言葉によれば在籍は9年で、彼は NEVERMORE の主要な作曲者だった人物である。ただし Blabbermouth の記事が指摘するとおり、2017年の『Will to Power』と2022年の『Deceivers』の曲作りには関わっていない。ルーミスは2018年の別の取材で、『Will to Power』のために3〜4曲書いたが求められていた方向と違ったため採用されなかったと語り、それでもギター・ソロを弾けたのは嬉しかったと述べていた。アモットの側も、ルーミスは自身の作風では強力な作曲家だがARCH ENEMYの作風ではない、バンドは自分の曲作りとアイデアを軸に始まっており今もそれが支配的だ、と説明していた。
12作目『Blood Dynasty』は2025年3月に Century Media Records から発売されたが、その年の10月10日にはデラックス・エディションが出ている。Blabbermouth によればボーナス・トラックは3曲で、そのうち「Lachrymatory」は未発表曲だった。デラックス盤の発売に合わせて、バンドは AMORPHIS、ELUVEITIE、GATECREEPER を従えたヨーロッパのヘッドライナー・ツアーに出ている。先行して公開された「Break The Spell」のリリック・ビデオについて、バンドは絶望と回復力をめぐる曲であり、死や恐れ、感情の崩壊に向き合いながら降伏を拒む内容だと説明した。
同じ文章でアンジェラ・ゴソウは、自分が復帰することを真剣に検討したうえで断ったことも明かしている。彼女が挙げた理由は、自分の生活、年齢、まだ幼い子どもたち、そしてARCH ENEMYのマネージャーとしての仕事量で、感情の面でも理屈の面でも答えは「ノー」だったという。ファンのあいだで復帰の噂が広がったきっかけは、バンドと彼女が同時に公開したティーザー映像だった。松明を掲げる人影に「2026」とだけ添えられ、両者のアカウントからそれ以外の投稿がすべて消されていたためである。噂に対して彼女は、自分ではない、ただし新しい章にマネージャーとして関われることを楽しみにしている、と応じていた。
ローレン・ハートを迎えたARCH ENEMYが初めてステージに立ったのは、2026年3月27日、北京の Dongsan Live である。これは7公演から成る中国ツアーの初日でもあった。ヨーロッパでの初披露はそこから約4か月後、7月17日にオーストリアのレオーベンで開かれたフェスティバル〈Area 53〉だった。2026年夏には、〈Back To The Root Of All Evil〉と名付けられた小規模クラブを回るヨーロッパ公演も予定され、ベルリン、コペンハーゲン、ストックホルム、ヘルシンキといった都市が並んでいる。
アリッサ・ホワイト=グラズは、脱退から3か月ほど経った2026年2月の取材で、この別れについて口を開いている。彼女の言い方によれば、たしかに困難ではあったが、変化とはいつも恐れと高揚が入り混じったものだ、というものだった。ドラムのダニエル・エランドソンの側の説明はこうである——公式に伝えられたとおり彼女はソロの活動をするために抜けた、長く続いた関係が自然に終わりを迎えたということだ、うまくいっていたが、そうでなくなった。彼はまた、好きなシンガーがバンドを抜けるのがどういうことか自分にも分かるとしたうえで、ARCH ENEMY とアリッサの両方を好きでいられないわけではない、と述べている。
ARCH ENEMY はスタジオに入る時点で曲をほぼ完成させているバンドである。マイケル・アモットが2025年の取材で語ったところによれば、彼らはデモの段階で多くのヴァージョンを作り、テンポや転換、転調を試しながら長いあいだ曲の周りを回っている。そのためプロデューサーが何かを提案しても、それはもう試して別の道を選んだ、という返答になりがちで、彼自身それが相手には歯がゆいだろうとも認めている。かつて組んだアンディ・スニープからも、準備の良いバンドだと言われたという。彼が同業の友人たちから聞く話では、6割ほどの完成度で入ってスタジオでアイデアを膨らませるバンドもあるが、ARCH ENEMY はそうしない。自分の曲に対しては非常に守りが堅い、とも彼は認めている。
『Blood Dynasty』の発表は2024年10月4日、発売はその翌年3月28日だった。Blabbermouth によれば、この発表に先立つ7月31日にはシングル「Dream Stealer」が予告なしに投下されており、アルバムの正式な告知はその流れの上にあった。マイケル・アモットはこのアルバムについて、これまでやってきたことの境界を押し広げる作品であり、このバンドに期待するもののすべてに、さらに何かが加わっていると述べている。「Dream Stealer」はアルバムの1曲目に置かれた。
『Blood Dynasty』収録の「Illuminate The Path」では、アリッサ・ホワイト=グラズがサビでクリーン・ヴォーカルを聴かせている。Blabbermouth の記事は、かつてならこの種の歌い方が「商業化した」という議論を掲示板やSNSに巻き起こしただろうと書いたうえで、30年にわたって少しずつ音を変えながら出発点にも忠実であり続けたこのバンドの歩みの中では、取り立てて変わったことではないと指摘している。同記事は、ARCH ENEMY に秘密の公式などなく、あるのはツイン・ギターに大きく寄りかかった、よくできた曲だけだ、とも書いている。