Zilqy トリビア 全10件
Zilqyにまつわる事実を、出典付きで10件掲載しています。
Trivia
「Zilqy」という綴りは、もともとバンド名ではなく略称として考えられたものだった。名付け親はボーカルのAnnaで、女性を思わせる語としてQueenを軸に据え、そこに合わせる言葉を探した。最初は「何もない」を表すZeroを付ける案だったが格好がつかず、同じ意味のスラングであるZilchに落ち着く。そうして決まった正式名が「Zilch Queen」、その略称が「Zilqy」という想定で進んでいたのだが、話しているうちに略称のほうが良いということになり、略称のほうがバンド名として採用された。音楽ナタリーのプロフィール欄は、この組み合わせに「誰のものでもない女王」という意味が込められていると説明している。
4人が集まる前段には、沖縄のライブハウスでの一度きりのセッションがある。TokiとMihoは以前からの知り合いだったが、同じステージに立った経験はそれまで一度もなかった。演奏そのものと同じくらいパフォーマンスを重視するというTokiは、隣で弾くMihoの佇まいに見惚れてしまい、海外に出ていけるバンドを組むならこの人としかない、と考えて声をかけた。Miho側も以前からTokiに惚れ込んでいたといい、この誘いを受けたことがZilqyの出発点になっている。
バンド名が決まるまでには没案があった。Annaが長らく推していたのは「東京アストロベイビーズ」で、後にMihoから「ずっと推してたよね」と言われるほど熱心だったという。それでも採用には至らなかったのだが、理由は語感の善し悪しではなかった。TokiもKanoも東京の出身ではない、という身も蓋もない事実のほうである。
結成初期のTokiとMihoは、もう1人のギタリストを探していた。「メタルバンドといえばツインギター」という前提が2人の頭にあったからである。方針が変わったのはバンドの音楽性が固まっていく過程で、むしろギターは1本のほうが良いのではないかという判断に傾き、1人編成を好むAnnaとKanoが加わったことで現在の4人に着地した。Mihoは背景として、欧米のフェスではステージにアンプを置かないバンドが増え、ツインギターで向かい合ってソロを弾く編成もかなり減っている、と感じていたことを挙げている。
Kanoは、Mihoが音楽関係の飲み会で知り合ったマニピュレーターから「いい子がいる」と紹介された人物だった。Mihoは実際にライブへ足を運び、この子としかやりたくないと思うほど惚れ込んで帰ってくる。ところが、同じくKanoがサポートで叩くライブを観に行こうとしたTokiのほうは空振りに終わった。その日はたまたま別のドラマーが入る回だったのである。しかもTokiがそれに気づいたのは、すでにライブハウスへ向かっている道中だったという。
EPのリード曲「Carry On」は、多数決で選ばれている。メンバーとスタッフがそれぞれメロディを持ち寄り、全員が目をつぶった状態で「どれがいいか手を挙げて」という方式を取った結果が、この曲だった。バンドとして最初に完成した曲でもある。制作の途中でKanoが加わり、そのドラムのフレーズが入ったことで曲はさらに形を変えた。Mihoは、この1曲を作る過程を通じて、メンバー各自がどんな音楽をやりたいのかが互いに見えたと振り返っている。
『Vacant Throne』の歌詞は基本的に英語で、日本語が入るのは「Cannonball」と「Realize」の2曲だけである。この日本語詞は、すんなり決まったものではなかった。発端は「Cannonball」のサビのメロディが日本っぽいから日本語詞が入ってもいいのではないか、というメンバー間の会話だったが、Annaによれば、レコーディング当日にスタッフから英語のままにすべきだという反対が出ており、それを押し切って通したのだという。
2025年12月10日、東京・代官山SPACE ODDで開かれた1stライブ「Start The Fire」は、チケットが即日完売した。全10曲およそ1時間のステージのうち2曲はカバーで、これはEP収録の5曲だけでは尺が足りないという事情から決まったものである。1曲はParamoreの「Hallelujah」。Annaのルーツにあたる曲であり、Zilqyとして初めて制作したカバーでもあった。もう1曲はMetallicaの「Enter Sandman」で、こちらもAnnaの選曲だった。アンコールで再演された「Carry On」は、Annaが客席を静止させたうえでアカペラから始まっている。
初ライブでのAnnaは、お立ち台から身を乗り出して客席を煽り、低く構えた声から一気に伸びる高音まで声色を使い分けるフロントマンぶりを見せた。ところが彼女がライブステージに立つのは、このとき2017年以来だったという。8年のブランクを挟んだ復帰が、そのままバンドのデビュー公演だったことになる。
『Vacant Throne』はメンバー4人だけで仕上げられた作品ではない。Mihoが名前を挙げているのは、Toshi-Fj、Kuboty(ex. TOTALFAT)、Macky、そしてCrystal LakeのGakuといった面々で、彼らを含めたチーム全体で意見をぶつけ合いながら作り上げたという。Annaも、なかなか完成しなかった「Disguise」については、Toshiとエンジニアがスタジオに集まって曲の基盤を作ったと明かしている。