MILLENIUM
1990年代のアメリカ合衆国フロリダ州タンパ (Tampa, Florida) は、世界のヘヴィメタルシーンにおいて極めて特異な位置を占めていた。
Biography
ミレニアム (MILLENIUM)
フロリダ産メロディック・ロックの孤高なる軌跡と遺産
1. デスメタルの聖地における旋律のパラドックス
1.1 フロリダ州タンパ (Tampa, Florida) の音楽的土壌
1990年代のアメリカ合衆国フロリダ州タンパ (Tampa, Florida) は、世界のヘヴィメタルシーンにおいて極めて特異な位置を占めていた。この地は「デスメタル (Death Metal) の首都」として知られ、Deicide (ディーサイド)、Obituary (オビチュアリー)、Morbid Angel (モービッド・エンジェル)、Death (デス) といった、極端な重低音と攻撃性を特徴とするバンド群がシーンを席巻していた。この過激な音楽的土壌において、MILLENIUM (ミレニアム) というバンドの存在は、ある種の「美しい異常」であった。
MILLENIUMは、後にデスメタル界の名手として名を馳せるギタリスト、Ralph Santolla (ラルフ・サントーラ) が率いたメロディック・ハードロック・バンドである。MILLENIUMは、グランジ (Grunge) やオルタナティブ・ロック (Alternative Rock) が支配的であった90年代のアメリカ国内市場において、70年代から80年代の Rainbow (レインボー) や Deep Purple (ディープ・パープル)、UFO (ユー・エフ・オー) といったブリティッシュ・ハードロックの様式美を継承し、洗練された AOR (Adult Oriented Rock) の要素を融合させた音楽性を貫いた。
1.2 バンド名の定義と識別
- The Millennium (ザ・ミレニアム): 1960年代のカリフォルニア産サンシャイン・ポップ・バンド。
- MILLENIUM (ポーランドのバンド): ネオ・プログレッシブ・ロック・バンド。
- Millennium (インド等の同名バンド): ヘヴィ/スラッシュメタル・バンド。
2. 前史: Eyewitness (アイウィットネス) 時代 (1993-1996)
2.1 結成の経緯とデモ制作
MILLENIUM の歴史を紐解くには、その直接的な前身バンドである Eyewitness (アイウィットネス) について詳述しなければならない。1993年、Ralph Santolla (ラルフ・サントーラ) は、テクニカル・デスメタルの始祖であるバンド Death (デス) のアルバム 『Individual Thought Patterns』 に伴うツアーに参加していた。しかし、彼の音楽的ルーツはマイケル・シェンカー (Michael Schenker) やウリ・ジョン・ロート (Uli Jon Roth) といった欧州のメロディックなギタリストにあり、自身の理想とするメロディック・ロックを追求するためのバンド結成を模索していた。
サントーラは、ドラマーの Oliver Hanson (オリバー・ハンソン) と出会い、バンドを結成する。ボーカリストには、地元タンパで活動し、プロレスラーの Hulk Hogan (ハルク・ホーガン) の入場テーマ曲 「American Made」 を歌ったことでも知られる実力派シンガー、Todd Plant (トッド・プラント) を迎えた。初期のラインナップには、キーボードの Keith Sterling (キース・スターリング) やギターの Shawn Phillips (ショーン・フィリップス) も名を連ねていた。
2.2 アルバム 『Eyewitness』 (1995年) の分析
バンドはイギリスのメロディック・ロック専門レーベル Now & Then Records と契約し、1995年にセルフタイトル・アルバム 『Eyewitness』 をリリースした。
音楽的特徴と楽曲分析: このアルバムは、純粋なアメリカン・ハードロックと欧州的な叙情性が混在している。特筆すべきは、UFOの名曲「Only You Can Rock Me」のカヴァーが収録されている点であり、これはサントーラの Michael Schenker (マイケル・シェンカー) への深い敬愛を示している。また、Zeno (ジーノ) のカヴァー 「Far Away」 も収録されており、MILLENIUMが目指した方向性が「様式美ハードロック」であったことが明確である。
- "Masters of the World": オープニングを飾るにふさわしい、フックのあるコーラスを持った楽曲。
- "The Killing Words": メロディアスなギターリフが主導する、バンドの代表曲の一つ。
- "Life Goes On": サントーラの作曲能力の高さを示すバラード。
歴史的評価: 『Eyewitness』は、ロンドンで開催されたフェスティバル 「Gods of AOR」でのパフォーマンスを含め、欧州のファンから好意的に受け入れられた。しかし、バンドはより明確なアイデンティティの確立と音楽的な方向転換 (よりヘヴィかつプログレッシブな要素の導入) を求め、バンド名を MILLENIUM (ミレニアム) へと変更することとなる。
3. 黎明期: デビューアルバム『MILLENIUM』 (1997)
3.1 再出発とアイデンティティの確立
1997年、バンドは MILLENIUM として再始動し、セルフタイトル・アルバム『MILLENIUM』を発表した。この改名は単なる名称変更にとどまらず、楽曲の構成力とプロダクションの質における飛躍的な向上を意味していた。
ラインナップ (1997):
- Ralph Santolla (ラルフ・サントーラ): Guitars, Keyboards, Backing Vocals
- Todd Plant (トッド・プラント): Lead Vocals
- Sean Phillips (ショーン・フィリップス): Rhythm Guitar
- Wayne Koho (ウェイン・コーホー): Bass
- Oliver Hanson (オリバー・ハンソン): Drums
3.2 アルバム 『MILLENIUM』の楽曲構造分析
デビュー作は、後の作品に比べるとAOR色が最も濃い作品である。Journey (ジャーニー) や Survivor (サバイバー) に通じる爽快感と、サントーラのテクニカルなギターソロが融合している。
- "Together As One": アルバムの幕開けを告げる楽曲で、6分を超える大作。サントーラの書く歌詞は希望や愛をテーマにしたものが多く、デスメタルバンドでの活動とは対照的な「光」の側面が強調されている。
- "Believe In Love": ラジオフレンドリーなコーラスワークが特徴的な楽曲。
- "Invincible": バンドの持つ力強さを象徴するハードロック・ナンバー。
日本市場との親和性: このアルバムは日本でも Brunette レーベル (ALCB-3188) からリリースされ、専門誌『BURRN!』の読者層を中心に熱狂的な支持を得た。日本のファンにとって、サントーラの奏でるネオ・クラシカルなフレーズとプラントの伸びやかなハイトーン・ボイスは、まさに求めていた「メロディック・メタルの理想形」であった。
4. 黄金期 Part1: 『Angelfire』における成熟 (1999)
4.1 音楽的進化とプロダクションの深化
1999年にリリースされた2ndアルバム 『Angelfire』 (エンジェルファイア) は、多くの批評家やファンによって、トッド・プラント在籍時の最高傑作と評されている。前作のAOR路線を継承しつつも、よりドラマティックで、シンフォニックなアレンジが施された。
制作背景: レコーディングはフロリダの名門 Morrisound Studios (モリサウンド・スタジオ) で行われた。モリサウンドは通常、デスメタルの聖地として知られているが、プロデューサーの Jim Morris (ジム・モリス) は、MILLENIUMの持つ繊細なメロディを最大限に引き出すクリアなプロダクションを提供した。
4.2 主要楽曲の詳細分析
- "Nations" (Instrumental): アルバムの冒頭を飾るインストゥルメンタル曲。短いながらも、サントーラのギターオーケストレーションが堪能できる。
- "Shaman": 民族音楽的なリズムを取り入れた野心作。サントーラの音楽的引き出しの多さを示している。
- "Angelfire": タイトル曲であり、抒情的なメロディが際立つパワーバラード。
- "Saving Grace": トッド・プラントのボーカルパフォーマンスが光る、エモーショナルな楽曲。
4.3 トッド・プラントの離脱とバンドの危機
『Angelfire』のリリース直後、バンドは大きな転機を迎える。ボーカリストの Todd Plant (トッド・プラント) が、アメリカの伝説的ロックバンド The Doobie Brothers (ドゥービー・ブラザーズ) のツアーメンバーとしてのオファーを受け、バンドを離脱したのである。プラントにとってこれは断ることのできないキャリア上の大きなステップであったが、MILLENIUMにとってはフロントマンの喪失という存続の危機であった。
5. 黄金期 Part II: 『Hourglass』 とヨルン・ランデの伝説 (2000)
5.1 北欧の巨人 Jorn Lande (ヨルン・ランデ) の加入
トッド・プラントの後任を探していたラルフ・サントーラは、ノルウェー出身のシンガー Jorn Lande (ヨルン・ランデ) に白羽の矢を立てた。当時、ランデは The Snakes (ザ・スネイクス) や Ark (アーク) での活動を通じて注目を集め始めていたが、まだ現在のような「メタルの帝王」としての地位は確立していなかった。
サントーラとランデの出会いは、音楽的な化学反応を即座に引き起こした。二人は Deep Purple、Rainbow、Whitesnake (ホワイトスネイク) といった共通の音楽的嗜好で意気投合し、よりヘヴィでブルージー、かつエピックな方向性を目指すこととなった。
5.2 スーパーグループ化するラインナップ
アルバム『Hourglass』 (アワーグラス) の制作にあたり、サントーラは強力な布陣を敷いた。
- Keyboards: Don Airey (ドン・エイリー) - Rainbow, Ozzy Osbourne, Deep Purpleで活躍する伝説的キーボーディストが参加。
- Keyboards: Dag Stokke (ダグ・ストッケ) - ノルウェーのバンドTNTのキーボーディストも参加し、北欧的な透明感を付加した。
- Bass: Manfred Binder (マンフレッド・ビンダー)
- Drums: Oliver Hanson (オリバー・ハンソン)
5.3 アルバム 『Hourglass』 (2000年) の全貌
このアルバムは、MILLENIUMのディスコグラフィーにおいて最高傑作 (Masterpiece) と見なされることが多い。レコーディングはイギリスのマンチェスター、ノルウェーのBøverbru (Studio Studio Nyhagen)、そしてフロリダのタンパと、世界各地で行われた。
楽曲構成:
- "The Power to Love": ランデのパワフルな咆哮から始まる、メロディック・メタルの王道を行く楽曲。サントーラのギターソロは、速弾きと泣きのフレーズが完璧なバランスで共存している。
- "Hourglass": タイトル曲。6分42秒に及ぶ大作で、プログレッシブな展開と壮大なサビが特徴。ドン・エイリーのキーボードソロも聴きどころである。
- "I Will Follow": ランデの深みのある中低音と、突き抜けるようなハイトーンの両方が味わえる楽曲。
カヴァー曲の重要性: サントーラとランデのルーツを色濃く反映したカヴァー曲も、本作の重要な要素である。
- "I Surrender": Rainbow (レインボー) の名曲 (ラス・バラード作曲)。ランデの歌唱はジョー・リン・ターナー (Joe Lynn Turner) のオリジナルに肉薄、あるいは凌駕すると評される。
- "Love Is Like Oxygen": The Sweet (ザ・スウィート) のカヴァー。
- "Jane": Jefferson Starship (ジェファーソン・スターシップ) のカヴァー。
5.4 日本盤ボーナストラックの魔力
日本盤 (Now & Then Records / CRCL-4545) には、世界中のコレクターが血眼になって探すボーナストラックが収録されている。
- "Rain": 未発表のオリジナル曲。哀愁漂うメロディが秀逸で、なぜ本編から外されたのか不思議なほどの完成度を誇る。
- "Anybody": こちらも日本盤独自のボーナストラック。
5.5 ヨルン・ランデの離脱
『Hourglass』は欧州と日本で高い評価を得たが、ヨルン・ランデのキャリアは急上昇し、彼は Masterplan (マスタープラン) への加入やソロ活動、Avantasia (アヴァンタジア) への参加などで多忙を極めることとなる。結果として、ランデが参加したスタジオ・アルバムはこの1枚のみとなったが、そのインパクトは絶大であった。
6. 再結集と終焉: 『Jericho』 (2004)
6.1 トッド・プラントの帰還
ヨルン・ランデの脱退後、バンドは再びボーカリスト不在の危機に陥るが、ここで初代ボーカリストである Todd Plant (トッド・プラント) が復帰を果たした。2004年にリリースされたアルバム『Jericho』 (ジェリコ) は、バンドの原点回帰であると同時に、よりモダンでヘヴィなサウンドへの進化を示した。
6.2 アルバム『Jericho』のサウンド変革
この時期、ラルフ・サントーラはデスメタル・バンドへの関与を深めており(後に Deicide に正式加入)、その影響がギターサウンドにも表れている。ダウンチューニングが多用され、リフはより鋭角的になった。
ラインナップ (2004):
- Ralph Santolla (ラルフ・サントーラ): Guitars, Keyboards
- Todd Plant (トッド・プラント): Vocals
- Shane French (シェーン・フレンチ): Guitars
- Steve McKenna (スティーヴ・マッケンナ) / Tere Bertke: Bass
- Mark Prator (マーク・プレイター): Drums (オリバー・ハンソンに代わり参加)
主要楽曲:
- "My Saving Grace": アルバムのオープニング曲。重厚なギターリフとプラントの突き抜けるボーカルが交錯する。
- "Wheel of Fortune": ドラマティックな展開を見せる楽曲。
- "My War": タイトル通り攻撃的なリフが特徴で、サントーラのメタル・サイドが顔を出している。
6.3 活動停止とラルフ・サントーラの死去
『Jericho』以降、バンドとしての活動は散発的になり、事実上の活動停止状態となった。ラルフ・サントーラはその後、Deicide (2005-2011)、Obituary (2007-2011) といった世界的デスメタル・バンドのリードギタリストとして、その超絶技巧を世界に見せつけることとなる。彼はデスメタルの凶暴なサウンドの中に、MILLENIUMで培った叙情的なメロディを持ち込み、デスメタル・ギターの常識を覆した。
2018年6月6日、ラルフ・サントーラは心臓発作による昏睡状態の末、51歳の若さでこの世を去った。彼の死により、MILLENIUMの再結成の可能性は永遠に失われたが、彼が残したメロディは今もファンの心に生き続けている。
7. バイオグラフィー: 主要メンバー詳細 (Member Biographies)
7.1 Ralph Santolla (ラルフ・サントーラ) - Guitar & Keyboards
- 生没年: 1966年12月8日 - 2018年6月6日
- 出身: ノースカロライナ州シャーロット (フロリダ州タンパ育ち)
- プレイスタイル:
- テクニック: 高速オルタネイト・ピッキングと滑らかなレガート・プレイを自在に操る。
- 理論: クラシック音楽理論に精通しており、特にハーモニック・マイナー・スケールやメロディック・マイナー・スケールの使用において卓越していた。彼のソロは「構築美」に溢れており、アドリブ的な手癖よりも、楽曲の一部として作曲された旋律を好んだ。
- 機材: MILLENIUM時代は主に Jackson (ジャクソン) や Ibanez (アイバニーズ) のギターを使用。ピックアップにはアクティブ回路 (EMG等) を好み、クリアでサステインの長いトーンを作り出した。
- 特記事項: 敬虔なカトリック教徒であり (Deicide という 「神殺し」を意味するバンドに在籍しながらも)、その精神性は MILLENIUM の歌詞 ("Heaven Awaits", "My Saving Grace" 等) に色濃く反映されている。
7.2 Todd Plant (トッド・プラント) - Vocals
- 担当作品: Eyewitness, MILLENIUM, Angelfire, Jericho
- スタイル: 典型的なアメリカン・ハードロック・ボイス。中音域から高音域まで力強く伸びる声質は、Lou Gramm (Foreigner) や Jimi Jamison (Survivor) と比較される。
- その他の活動:
- Cryptic Vision (クリプティック・ヴィジョン): プログレッシブ・ロック・バンド。
- トリビュート活動: The Eagles (Alter Eagles), Steely Dan (Show Biz Kids), Doobie Brothers (China Grove) など、フロリダを中心に数多くのトリビュート・バンドでフロントマンを務める「職人シンガー」である。
- Hulk Hogan: ハルク・ホーガンのテーマ曲 「American Made」の歌唱を担当したことは、あまり知られていない彼のキャリアのハイライトの一つである。
7.3 Jorn Lande (ヨルン・ランデ) - Vocals
- 担当作品: Hourglass
- スタイル: デイヴィッド・カヴァデール (David Coverdale) やロニー・ジェイムス・ディオ (Ronnie James Dio) の系譜にある、ブルージーかつパワフルな歌唱法。「北欧のディオ」との異名を持つ。
- MILLENIUMでの貢献: 彼の加入により、バンドはAORから「メロディック・ヘヴィメタル」へと進化を遂げた。彼の作詞能力も高く、『Hourglass』の深遠なテーマ構築に寄与した。
7.4 Oliver Hanson (オリバー・ハンソン) - Drums
- 担当作品: Eyewitness ~ Hourglass
- スタイル: 派手さはないが、楽曲の骨格を支える堅実なドラミングが特徴。サントーラの長年の盟友であり、バンドの創設メンバーとして Eyewitness 時代からリズムを支えた。
8. ディスコグラフィー (Discography)
MILLENIUMおよびEyewitnessのスタジオ・アルバムの詳細を記載する。特に日本盤の仕様はコレクターにとって重要であるため、可能な限り詳細を記す。
8.1 アルバム一覧表
| 発売年 | タイトル(英) | タイトル(日・カナ) | ボーカル | レーベル (日/英) |
|---|---|---|---|---|
| 1995 | Eyewitness | アイウィットネス | Todd Plant | Brunette / Now & Then |
| 1997 | MILLENIUM | ミレニアム | Todd Plant | Brunette / Frontiers |
| 1999 | Angelfire | エンジェルファイア | Todd Plant | Now & Then / Frontiers |
| 2000 | Hourglass | アワーグラス | Jorn Lande | Now & Then / Frontiers |
| 2004 | Jericho | ジェリコ | Todd Plant | Now & Then / Metal Heaven |
| 2004 | The Best of... and More | ベスト・オブ・アンド・モア | Both | Now & Then / Frontiers |
8.2 各アルバム収録曲詳細
1. Eyewitness (1995)
Artist: Eyewitness (Pre-MILLENIUM) / 日本盤規格番号: ALCB-3054 (Brunette)
| トラック | 曲名(英) | 曲名(日・参考) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1 | The Killing Words | ザ・キリング・ワーズ | |
| 2 | Masters of the World | マスターズ・オブ・ザ・ワールド | |
| 3 | Still Half Alive | スティル・ハーフ・アライブ | |
| 4 | Thief in the Night | シーフ・イン・ザ・ナイト | |
| 5 | Far Away | ファー・アウェイ | Zeno Cover |
| 6 | Communion | コミュニオン | |
| 7 | Can't Stop | キャント・ストップ | |
| 8 | Life Goes On | ライフ・ゴーズ・オン | |
| 9 | Only You Can Rock Me | オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー | UFO Cover |
| 10 | Arms of Love | アームズ・オブ・ラブ | |
| 11 | Dorian's Song | ドリアンズ・ソング | |
| 12 | Rising Sun | ライジング・サン | |
| 13 | A Very Minor King | ア・ヴェリー・マイナー・キング |
2. MILLENIUM (1997)
日本盤規格番号: ALCB-3188 (Brunette) / 特徴: 純粋なメロディック・ロック作品。
| トラック | 曲名(英) | 曲名(日・参考) | 作曲者 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Together As One | トゥギャザー・アズ・ワン | Santolla | 6:08 |
| 2 | Believe In Love | ビリーヴ・イン・ラヴ | Santolla, Plant | 3:20 |
| 3 | Marianne | マリアンヌ | Santolla, Forte | 3:56 |
| 4 | Come Back | カム・バック | Santolla | 4:40 |
| 5 | Almost Made It To Heaven | オールモスト・メイド・イット・トゥ・ヘヴン | Santolla | 4:31 |
| 6 | Hold On | ホールド・オン | Santolla | 4:18 |
| 7 | Gabriella | ガブリエラ | Santolla, Forte | 4:32 |
| 8 | Gonna Let You Go | ゴナ・レット・ユー・ゴー | Santolla, Forte | 3:32 |
| 9 | Invincible | インヴィンシブル | Santolla, Forte | 4:02 |
| 10 | The Color of Night (Demo) | カラー・オブ・ナイト (デモ) | Santolla | Bonus |
3. Angelfire (1999)
日本盤規格番号: CRCL-4505 (Now & Then) / 特徴: シンフォニックなアレンジと楽曲の成熟。
| トラック | 曲名(英) | 曲名(日・参考) | 時間 |
|---|---|---|---|
| 1 | Nations (Instrumental) | ネイションズ | 1:44 |
| 2 | Shaman | シャーマン | 5:06 |
| 3 | Beyond The Pain | ビヨンド・ザ・ペイン | 4:34 |
| 4 | Until The End Of Time | アンティル・ジ・エンド・オブ・タイム | 5:24 |
| 5 | Angelfire | エンジェルファイア | 5:05 |
| 6 | Heaven Sent | ヘヴン・セント | 5:28 |
| 7 | Julia | ジュリア | 4:18 |
| 8 | Bound For Glory | バウンド・フォー・グローリー | 4:34 |
| 9 | Run | ラン | 5:35 |
| 10 | Waiting For Godot | ウェイティング・フォー・ゴドー | 4:19 |
| 11 | Remember | リメンバー | 1:12 |
| 12 | Saving Grace | セーヴィング・グレイス | 4:39 |
| 13 | The Color Of Night | カラー・オブ・ナイト | 4:41 |
| 14 | Hide Behind My Face | ハイド・ビハインド・マイ・フェイス | 4:18 |
| 15 | Dawn | ドーン | 2:44 |
4. Hourglass (2000)
日本盤規格番号: CRCL-4545 (Now & Then) / Vocal: Jorn Lande / 特徴: 最高傑作。日本盤ボーナストラックが重要。
| トラック | 曲名(英) | 曲名(日・参考) | 備考 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | The Power To Love | パワー・トゥ・ラヴ | 4:29 | |
| 2 | Wheels Are Turning | ホイールズ・アー・ターニング | 4:10 | |
| 3 | Hourglass | アワーグラス | Don Airey参加 | 6:42 |
| 4 | No More Miracles | ノー・モア・ミラクルズ | 3:49 | |
| 5 | Superstar | スーパースター | 3:10 | |
| 6 | Rocket Ride | ロケット・ライド | 3:23 | |
| 7 | I Will Follow | アイ・ウィル・フォロー | 5:36 | |
| 8 | I Still Believe | アイ・スティル・ビリーヴ | 5:09 | |
| 9 | Masquerade | マスカレード | 4:13 | |
| 10 | Chasing Time | チェイシング・タイム | Don Airey参加 | 5:16 |
| 11 | Rain | レイン | 日本盤ボーナス | 4:05 |
| 12 | Anybody | エニバディ | 日本盤ボーナス | 4:42 |
分析:日本盤ボーナスの「Rain」と「Anybody」は、ヨルン・ランデの表現力が遺憾なく発揮された楽曲であり、これらの曲のためだけに日本盤を買い求める海外ファンも多い。
5. Jericho (2004)
日本盤規格番号: CRCL-4578 (Now & Then) / Vocal: Todd Plant
| トラック | 曲名(英) | 曲名(日・参考) | 時間 |
|---|---|---|---|
| 1 | My Saving Grace | マイ・セーヴィング・グレイス | 5:37 |
| 2 | Heaven Awaits | ヘヴン・アウェイツ | 4:01 |
| 3 | My War | マイ・ウォー | 4:25 |
| 4 | Heresy | ヘレシー | 4:17 |
| 5 | Morning Star | モーニング・スター | 5:02 |
| 6 | Above This World | アバヴ・ディス・ワールド | 4:02 |
| 7 | Enemy Of The Sun | エネミー・オブ・ザ・サン | 3:23 |
| 8 | Wheel Of Fortune | ホイール・オブ・フォーチュン | 4:36 |
| 9 | Let There Be Light | レット・ゼア・ビー・ライト | 5:14 |
| 10 | Burning Again | バーニング・アゲイン | 6:29 |
9. 考察: MILLENIUMが遺したもの
9.1 「日本市場向け」というレッテルを超えて
MILLENIUMは、典型的な「ビッグ・イン・ジャパン (Big in Japan)」 バンドの一例として語られることが多い。90年代後半、アメリカのメインストリーム・メディアがメロディック・ロックを完全に無視する中で、日本の『BURRN!』 誌やレーベル (Brunette, Now & Then) はMILLENIUMを熱心にサポートした。しかし、MILLENIUMの音楽的質は、産業ロックの域を超えていた。特にラルフ・サントーラのギタープレイは、イングヴェイ・マルムスティーン (Yngwie Malmsteen) の技術と、マイケル・シェンカーの叙情性を兼ね備えた稀有なものであり、デスメタルという異ジャンルで彼が後に成功した事実が、そのミュージシャンシップの高さを証明している。
9.2 サントーラの「二面性」の統合
ラルフ・サントーラというギタリストの特異性は、「Deicideで逆さ十字を背負ってプレイする男」と「MILLENIUMで愛と神の恵みを歌う男」が同一人物であった点にある。彼はインタビューで常に「自分はあくまでギタリストであり、ジャンルに縛られない」と語っていた。MILLENIUMは、彼の内面にある「美」への渇望を純粋な形で表現した場所であり、その音楽は彼の死後も、メロディック・ロックの隠れた名盤として輝き続けている。
9.3 Conclusion
MILLENIUMは商業的なスタジアム・バンドにはなれなかったかもしれない。しかし、MILLENIUMが残した4枚のアルバム、特に『Angelfire』と『Hourglass』は、フロリダというデスメタルの中心地から生まれた奇跡的なメロディの結晶である。トッド・プラントとヨルン・ランデという二人の卓越したボーカリスト、そしてラルフ・サントーラという稀代のギターヒーローが交差した瞬間を記録したこれらの作品は、メロディック・メタル史における重要な遺産である。