HAGANE トリビア 全26件
HAGANEにまつわる事実を、出典付きで26件掲載しています。
Trivia
ゲーム『CRAZY CHA!N -エルピスの鎖-』のオープニングとエンディングはどちらもHAGANEが担当し、作詞・作曲・編曲はいずれもSakura一人が手掛けている。OPの「Amour Chain」はフランス語で「愛の鎖」、EDの「Avenir」は「未来」を意味する。Sakuraの説明によれば、「Amour Chain」は主人公である17代目ジャンヌ・ダルクに寄せて力強く頼もしい破天荒な女性像を描いたもので、対する「Avenir」は男性の目線から主人公を想う気持ちとして書かれた。戦いのイメージもあったため、甘い恋愛曲にはせず夜明けのような温かさに寄せたという。完成したとき本当にHAGANEから生まれた曲なのかと驚いた、とも記している。
HAGANEを立ち上げたSakura(よしださくら)は、7歳でギターを始めている。中学生になると洋楽の「弾いてみた」動画をYouTubeへ投稿するようになり、高校を卒業してからはギターでの出演やサポートをこなしながらバンドのメンバーを募って、2018年にHAGANEを始動させた。
HAGANEは、ギターのSakuraがミュージシャン募集サイト「OURSOUNDS」で声をかけて回ったところから始まっている。ひとりずつ連絡してスタジオで合わせる、という手順を納得がいくまで繰り返したため人選には時間がかかり、Sakuraが高校3年の頃に動き出してから最後にヴォーカルが決まるまで、通算で2〜3年を要したという。彼女がメンバー選びの第一条件に挙げたのは音楽性ではなくヴィジュアルで、次いで性格が合うことと年齢が近いこと。世代差があると互いに気を遣ってしまう、というのがその理由だった。
2023年5月26日のワンマン公演「ZERO」を最後に3人が同時に脱退し、HAGANEはギターのSakuraとベースのSayakaだけが残る状態になった。翌日から始まった新ヴォーカリストの公募で課題曲に指定されたのは、前年の1stフル・アルバム『Code ; 9021』に入っていた「BlackCult」。応募者はこの曲を歌った動画を専用アドレスへ送り、書類選考を通ると都内のスタジオでのセッションによる実技審査へ進む、という流れだった。募集要項では10代から20代くらいまでの女性で、日本国内在住であることが条件とされている。
『TOP OF THE TOWER』の「Kagome」には、わらべ歌「かごめかごめ」の旋律が引用されている。Sakuraはこれを入れるにあたって、著作権上問題のないメロディかどうかを事前に調べたうえで使ったと話している。作詞はSayakaで、Sakuraから渡されたお題は「剣士の地獄祭り」——剣士とはHAGANEのファンの呼び名である。Sayakaは、輪廻という抜け出せない仕組みを「かごめかごめ」の籠に重ね、外に出るには籠を燃やすしかない、という筋立てで歌詞を組み立てた。
EP『METAL QUEST』は、収録曲ごとにミックスを担当したエンジニアが違う。LAメタル、ブリティッシュ・メタル、和とメタルの融合と、1曲ずつ狙う方向が異なったため、Sakuraが曲ごとにそれぞれの持ち味が出る相手を選んで依頼した。たとえば和楽器を使った「月光-TSUKIKAGE-」は、和楽器バンドのミックスを手掛けている人に頼みたい、という理由で担当が決まっている。
2026年4月にデンマークの<Epic Fest 2026>へ出演したのが、HAGANEとして初めての海外公演だった。個々の活動で海外を経験しているメンバーはいたが、バンドで出るのはこれが最初だった。メンバーは、自分たちが行ったことのない国でなぜ知られているのかが不思議だ、という趣旨のことを口を揃えて話している。
シングル「Amour Chain」は、Nintendo Switch用ソフト『CRAZY CHA!N -エルピスの鎖-』のために書き下ろされたテーマソングである。Sakuraにとって、既にある物語を踏まえて曲を作るのはこれが初めての経験だった。制作の打ち合わせでは彼女の側から別バージョンを作るかどうかを持ちかけ、先方のディレクターが気に入ったことでオーケストラ・バージョンも収録されることになった。凪希によれば話が来たのは取材の2年近く前、現在の4人になって最初の東名阪ツアーの最中だったという。
バンド名の由来はSakuraが2020年の取材で明かしている。鋼は打たれ、鍛えられるほど強くなる金属であり、バンドもいま名前どおりの存在になりつつあるのではないか——取材者がそう水を向けたのに対し、Sakuraは、そもそもそうなっていきたいという思いから付けた名前なのだと答えた。同じ取材では、当時のヴォーカルUyuの口から、ファンを「剣士」と呼んでいることも語られている。
1stシングル『Labradorite』のミックスを担当したエンジニアは、Sakuraが自分で探し当てた相手だった。彼女は好きなゲーム「BLAZBLUE」の音楽を手掛けている人物をTwitterで検索し、そこからコンタクトを取って依頼にこぎつけている。理想の音が作れた、と本人は振り返っている。なおこの作品自体、クラウドファンディングによって形になったものだった。
1stフル・アルバム『Code ; 9021』を締めくくる「ZERO」は、アニメ『コードギアス 復活のルルーシュ』をモチーフに書かれた曲で、曲名は作中人物のコードネームから採られている。ただしこれを知らないメンバーもいて、由来が明かされたのは取材の場だった。ギターのMaytoは人名だったのかと驚き、歌っていたUyuに至っては純粋に戦争を描いた歌詞だと思い、剣を持って戦う場面を思い浮かべながら歌っていたと話している。
『Code ; 9021』というタイトルには、Sakuraの説明によれば二つの意味が重ねられている。ひとつは年代で、90年代あたりの古い音楽から制作を始めた2021年頃の新しい音楽までが1枚に収まっていて、聴き進めるにつれて時代が進んでいく、という趣旨。もうひとつは深さで、ジャケットのデザインが深海をイメージしていたことから「深度9,000メートル」のような雰囲気も感じ取ってほしかったのだという。きっかけは「BlackCult」を作ったときのコンセプトが深海だったことで、アルバムは9曲目のインスト「Undersea Paranolia」からさらに深く沈んでいく流れになっている。
新ヴォーカリスト探しは難航した。いろいろな人とスタジオに入っても決め手が無く、気づけば2023年12月になっていたという。募集期間は延長され、凪希が応募したのはその延長を知ってからのことである。彼女は当時22歳。女性ヴォーカルのオーディションは22歳までという年齢制限が多く、次に落ちたら就職を考えるところまで来ていた。相談した学校の先生には二度とも合わないと思うと言われている。
HAGANEがファンを「剣士」と呼ぶことは、ファンクラブの名前にもそのまま表れている。公式ファンクラブの正式名称は「HAGANE Official Fanclub -剣士のクエスト-」で、会員向けの配布物にも「剣士のフォトカード」という名が付く。
2024年4月23日、公式サイトが「HAGANE 新メンバー決定!」としてヴォーカル凪希とドラムJUNNAを迎えた4人のビジュアルを公開した。同じ日に告知された再始動公演「HAGANE reboot live -Life goes on!-」(6月27日・渋谷REX)は売り切れ、7月16日に横浜ReNY betaで組まれた追加公演も売り切れている。どちらの告知ページにも、あとから「THANK YOU SOLD OUT!!」の一行が書き足されている。
『TOP OF THE TOWER』の初回限定盤に付くDVDには、ミュージック・ビデオ2本に加えて映像作品が2本入っている。ひとつはメンバーがその1年を振り返った座談会「Looking back talk time」。もうひとつが「Reboot of HAGANE 〜from 2023 to the future〜」で、こちらはオフショットなどを交えて、3人が抜けた2023年からの立て直しをたどるドキュメントである。
新体制になってからの2作は、いずれも配信チャートの首位を取っている。2024年のEP『Life Goes On!』と2025年のフル・アルバム『TOP OF THE TOWER』が、どちらもiTunesのメタル・トップ・アルバムとApple Musicのメタル・トップ・アルバムで1位を獲得した。
「ZERO」で抜けた側もその年のうちに動き出している。ヴォーカルのUYUとギターのMayto.らは2023年10月に新バンドMana Diagramを始動させ、12月に最初のミュージック・ビデオ「Glitter wind」を公開、同月22日に初台DOORSで始動ライブを行った。
鋼を名に掲げたバンドでありながら、HAGANEには長いあいだ和のテイストを前面に出した曲がなかった。Sakuraはそのことを自覚したうえで温めていた案を、2024年のEP『Life Goes On!』の「天下五剣」で初めて形にしたと語っている。翌年のアルバムではさらに「Kagome」を書き、2026年のEPでは和楽器と語りを入れた「月光-TSUKIKAGE-」へ進んだ。Sakuraはこの路線を少しずつ増やして、いつか和をテーマにしたイベントを開きたいとも話している。
EP『METAL QUEST』に先行して配信された2曲は、いずれもiTunesのメタル・トップ・ソングで1位を獲得している。80年代のLAメタルを狙って作られた「Black Diamond」と、ブリティッシュ・メタル寄りの「We are The Knight」の2曲である。
2024年10月、SakuraがサントリーのクラフトボスのCM「宇宙人ジョーンズ・アイドル」篇にギタリストとして出演した。トミー・リー・ジョーンズ、役所広司、神木隆之介、河合優実らが出ているシリーズ作である。
2025年12月25日、Zepp Shinjukuで行われたツアー・ファイナルは、バンドにとって過去最大規模の公演となりソールドアウトした。この会場を選んだのはJUNNAで、1年前の会議の席でどうしてもここでやりたいと自分から大きな声で言い出したのだという。同じMCでSayakaは、この日フロアに1000人以上が入っていると話している。
2024年に加入した凪希は、それまでメタルとはほとんど縁がなかった。数々のオーディションに落ち続けていた頃、自宅で歌う彼女の声を聴いた父と姉が、この声はどのジャンルで活きるのか分からないと話していたそうで、HAGANE加入の報でようやく腑に落ちたのだという。加入後の彼女は、あえてメタルを聴かない方針を採っている。もともと好きだったJ-POPの歌い手の映像を見て発声を研究し、他のメタル・シンガーとは違う質感をそのままバンドの武器にする、という考え方である。
Sakuraはアニメや漫画を下敷きに曲を書くことがある。『Code ; 9021』の「BlackCult」の日本語詞は、彼女の好きな『D.Gray-man』から着想を得たもの。同じアルバムの英語詞曲「FlyingCircus」は、当時観ていた『蒼の彼方のフォーリズム』に出てくる架空のスポーツが下敷きで、自分も空を飛んでみたいという気持ちから詞を書いたという。取材者はこれらをまとめて「勝手アニソン」と呼んでおり、Sakuraもそういう感じだと認めている。
「Kagome」の詞を書いたSayakaは大学で哲学科に在籍しており、そこで学んだことをこの曲でようやく活かせたと話している。歌う側はかなり苦戦した。凪希は詞の内容を理解するのに時間がかかってSayakaに細かく解説してもらい、本番の歌録りではSayakaと事務所の社長までディレクションに入って、結果としてメタルではない歌い方に落ち着いた。
『TOP OF THE TOWER』のインスト曲「Over the fate」は、SakuraとSayakaの2人しか表立って動けなかった時期に、その2人で2度ほど演奏したことのある曲だった。Sayakaはタイトルの「運命を超えて行く」という意味もその時期と関係していると話し、新体制で出すアルバムだからこそどうしても入れておきたかったと語っている。ただしアルバムが完成した時点では、この曲をまだ4人で生演奏したことは一度もなかった。