BEAST IN BLACK トリビア 全153件

BEAST IN BLACKにまつわる事実を、出典付きで153件掲載しています。

Trivia

初来日を、バンドは「最大級の夢の一つ」と呼んでいる。2017年12月26日の公式告知は、2018年5月に日本で3公演を行うことを伝え、それが最も大きな夢の一つの実現だと書いた。日程は5月24日の大阪・心斎橋SOMA、25日の名古屋・HOLIDAY NEXT、26日の東京・新宿BLAZEである。デビュー・アルバムの発売から半年あまりでの来日だった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2度目の来日で、立場が変わっている。2019年3月22日の公式告知は、5月にまた日本へ行くが今度はヘッドライナーとしてだ、と書いている。日程は5月22日の大阪・梅田Zeela、24日と25日の東京・赤羽ReNY alphaで、東京は2日連続だった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2023年の来日には、公演ごとに別々の名前が付いていた。日本のレーベル、ワードレコーズが立てた特設ページによれば、「Two Nights In Tokyo 2023」は5月15日の渋谷クラブクアトロが「シブヤ Night Carnival」、16日の新宿BLAZEが「シンジュク Night Party」という2本立てだった。チケットの一般発売は2月4日、開場18時・開演19時、前売り9,500円で、メンバーとの撮影とサインカードが付くVIPチケットが15,000円という設定である。

出典: ワードレコーズ「BEAST IN BLACK Two Nights In Tokyo 2023」公演特設ページ

2024年の東京公演には、終演後に乾杯できるチケットがあった。ワードレコーズの特設ページによれば、Zepp Shinjuku での2公演は開場17時15分、トゥルミオン・カティロットのオープニング・アクトが18時、ビースト・イン・ブラックが19時15分という進行で、一般チケット9,800円のほかに25,000円の「KANPAI!!」チケットが用意された。この券には終演後にメンバーと乾杯できること、最前エリアでの観覧、メンバーとの撮影、直筆サインカードなどが含まれている。

出典: ワードレコーズ「BEAST IN BLACK Kabukicho 2024」公演特設ページ

日本にしか出ていないCDが1枚ある。2024年12月6日の公式告知によれば、シングル「Power Of The Beast」は日本のパートナーであるワードレコーズからフィジカルで発売され、そこには表題曲に加えて同年の東京公演「KABUKICHO MADHOUSE」からのライヴ3曲が収められた。「One Night In Tokyo」「Blind And Frozen」「Sweet True Lies」の3曲である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

その企画は、日本側から持ち込まれたものだった。2024年12月6日の告知でマーテ・モルナールは、自分たちのようにCDやレコードを集める古い世代の人間にとって、自分の曲が配信だけでなく物として手元にあるのは嬉しいと述べたうえで、この案は日本のレーベルであるワードレコーズから出たものであり、だからこそ東京での最新公演からライヴ曲を加えるのは自然な選択だった、と説明している。ライヴ音源を入れるのはこれが初めてだった、とも彼は書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

日本盤に収められたライヴは、ヴォーカリストの誕生日の夜だった。ワードレコーズの商品ページによれば、『Power Of The Beast』日本盤限定CDは2024年12月6日発売の完全生産限定盤(品番 GQCS-91541)で、日本語解説書と歌詞対訳が付く。収録のライヴ3曲は同年5月22日・23日の来日公演「KABUKICHO MADHOUSE」からのもので、レーベルはこの公演がヤンニス・パパドプロスの誕生日と重なり、ファンとメンバーの熱量が桁違いになった夜だったと記している。

出典: ワードレコーズ『Power Of The Beast』日本盤限定CD 商品ページ

2026年の来日は、アジアを回る旅の一部になっている。2026年5月13日の公式告知によれば、バンドは9月19日と20日に東京の Zepp DiverCity で2夜の単独公演を行い、さらに22日に台北、24日に上海、25日に北京へ足を延ばす。台湾と中国はいずれもバンドにとって初めての土地である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

このバンドには、自分たちで決めた誕生日がある。2015年10月、公式サイトはヘルシンキに集まった週末のことを報告し、そのうちの10月8日をビースト・イン・ブラックの結成日として数える、と書いた。5人が初めて顔を合わせ、その場で11月に控えた初ライヴのリハーサルをした週末である。以後、バンドは10周年もこの日付で祝っている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

最初の5人は、その週末に初めて全員が同じ部屋に揃った。公式サイトが結成を告げた際に並べた名前は、ヴォーカルのヤンニス・パパドプロス、ギターのアントン・カバネンとカスペリ・ヘイッキネン、ベースのマーテ・モルナール、ドラムのサミ・ハンニネンの5人である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

契約の発表とアルバムの発表は、同じ日に出ている。2017年8月31日、公式サイトはニュークリア・ブラストとのワールドワイド契約と、11月にデビュー作『Berserker』を出すことを一度に告知した。カバネンはこの発表で、世界最大にして最高のヘヴィ・メタル・レーベルと契約できて最高の夢が叶った、と述べている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ジャケットを描いた人物も、前のバンドから連れてきている。2017年8月の公式発表は、『Berserker』のカバー・アートがカバネンとローマン・イスマイロフの共作の再開にあたること、そしてイスマイロフがバトル・ビーストのイラストとグラフィックを最初に手掛けた人物であることを明記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

アルバムの1曲目とバンド名は、同じ登場人物から来ている。ニュークリア・ブラストの作品ページに載ったカバネンの説明によれば、冒頭の「Beast In Black」はバンド名と同様に『ベルセルク』のあるキャラクターから着想を得た曲で、歌詞はその人物に直接結び付きながら、同時に個人的な何かを比喩として語ってもいるという。彼はこの曲をアルバムで最も強力な曲の一つに挙げ、カスペリのギター・ソロもおそらく作中随一だと述べている。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Berserker』作品ページ

デビュー作の中に、一度は捨てられた曲が入っている。ニュークリア・ブラストの作品ページでカバネンは、「Blood Of A Lion」がもともとバトル・ビーストの『Unholy Savior』の候補曲だったが、そのときは使わないことにした、と明かしている。この曲は結局ビースト・イン・ブラックの1作目に、アルバムで最も壮大な大合唱を持つ曲として収まった。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Berserker』作品ページ

初ライヴの相手が、いきなりアリーナのナイトウィッシュだった。2015年10月25日の公式告知によれば、ビースト・イン・ブラックの最初のステージは同年11月13日、エスポーのメトロ・アリーナでナイトウィッシュの前に立つというものだった。開場18時30分、ビースト・イン・ブラックが20時15分、ナイトウィッシュが21時30分という進行まで告知に書かれている。結成を数えた10月8日から、わずか5週間後である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

初の単独公演は、同じ週末に2本まとめてやった。2017年12月12日の公式告知によれば、ビースト・イン・ブラック史上初のヘッドライン公演は2018年2月9日のユヴァスキュラ・ルタッコと10日のヘルシンキ・ノスタリ、いずれもフィンランド国内である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

結成時のドラマーの交代は、本人の説明とともに発表された。2018年2月7日、公式サイトはアッテ・パロカンガスの加入を伝えると同時に、前任のサミ・ハンニネンの声明を載せている。ハンニネンは、生活上の事情で今後のライヴやツアーに参加できなくなったこと、加えて左手に神経系の問題を抱えており、手が痺れて力が入らなくなるためドラムを叩くのが極度に難しく痛みを伴うことがあると説明した。バンドとの間にわだかまりは一切なかった、とも彼は書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

アリーナ・ツアーの動員を、バンドは平均で公表している。2018年末の公式総括によれば、その年の秋にナイトウィッシュの「Decades」アリーナ・ツアーへ6週間同行し、1公演あたり平均1万人の前で演奏した。初ライヴでナイトウィッシュの前に立った3年後のことである。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2作目は、フェスティヴァルの合間に録音されている。2018年末の公式総括は、その年の夏に18の大きなフェスに出演したことと、そのフェスの季節のあいだに2作目のアルバムを録音したことを並べて書いている。つまり週末はステージ、平日はスタジオという作り方だった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

バンドを広く知らせたのは、デビュー作の中の1曲だった。2018年末の公式総括によれば、「Blind And Frozen」のミュージック・ビデオは公開から14か月足らずでYouTubeの1000万再生に達している。2作目のリード・シングル「Sweet True Lies」も、公開から1か月で77万再生を記録したと同じ総括に書かれている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

国内でほぼ全公演が売り切れたので、大きな会場を一つ借りることにした——というのがバンドの説明である。2019年5月20日の公式告知は、フィンランドでのライヴがほぼすべてソールド・アウトになっていることを受けて、2019年末にファンが一堂に会して祝える大きなイベントをやると決めた、と伝えている。それが12月13日のヘルシンキ・アイスホールで、スペシャル・ゲストはロルディだった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ヘルシンキ・アイスホールの動員は、4500人だった。公演翌日の2019年12月14日、公式サイトは4500人の前で演奏するのがどういう気持ちか分かった、この夜は間違いなくバンドの歴史における一つの節目だ、と書いている。ニュークリア・ブラストはのちに、その10か月前に同じ街で演奏したときの観客が1500人だったことを併記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

最初のゴールド・ディスクは、アイスホール公演と同じ日に発表されている。2019年12月14日、公式サイトはフィンランド国内での『Berserker』の売上に対してバンド初のゴールド・レコードを受けたことを伝えた。同じ日の別の投稿が、前夜のヘルシンキ・アイスホール4500人公演の礼を述べている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

3度目のフィンランド音楽賞で、バンドは部門を獲っている。2022年5月7日、公式サイトは EMMA-Gaala で「Metal of the Year」に選ばれたことを、これ以上ない栄誉だと伝えた。EMMA-Gaala は、バンド自身が前年末の総括で「フィンランドのグラミー賞」と呼んでいる賞である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

3作目の下敷きは、日本のサイバーパンク・アニメだった。2021年8月20日にジャケットとともに公開されたカバネンの文章は、『Dark Connection』の着想源として『アミテージ・ザ・サード』『サイバーシティ OEDO 808』『AD POLICE』『銃夢』『バブルガムクライシス』を名指しし、加えてリドリー・スコットの『ブレードランナー』を挙げている。空飛ぶ車、ネオンの谷、感情のない殺し屋、ガイノイド、ファム・ファタール——アルバムに入っているのはそういうものだ、というのが彼の説明である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

3作目は、制作中に亡くなった漫画家に捧げられている。ジャケット公開時のカバネンの文章は、ビースト・イン・ブラックのアルバムが『ベルセルク』の強い影響なしにあり得ないことを述べたうえで、その作者である三浦建太郎がこのアルバムを作っている最中に世を去ったこと、そして『Dark Connection』を彼に捧げることを記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

三浦建太郎の訃報に際して、カバネンはバンドの成り立ちそのものに触れている。2021年5月20日に公式サイトへ寄せた追悼文で彼は、三浦の影響は自分の人間としての、そして表現者としての歩みの最も深い部分に響いてきたとしたうえで、『ベルセルク』がなければビースト・イン・ブラックの物語は始まってすらいなかった、と書いた。これからも『ベルセルク』についての曲を作り続けることで記憶を讃えていく、というのが結びである。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

カバネンは曲の良し悪しを、剥ぎ取ったあとに何が残るかで測っている。ニュークリア・ブラストの『Dark Connection』作品ページで彼は、最も良く最も強い曲とはアコースティックに落とし込めるもの——ギターかピアノと歌だけにしてもメロディの本質が失われないもの——だと述べている。実際、今回はMIDIのデモ段階で新しい素材に強く興奮したといい、そんな早い段階で何度も聴きたくなるなら記憶に残る何かがあるはずだ、と語っている。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Dark Connection』作品ページ

カバネンの主要な影響源の一つは、ゲーム機の音源である。ニュークリア・ブラストの『Dark Connection』作品ページで彼は、ファミコンやスーパーファミコンの古い音楽を覚えているかと問いかけ、非常に単純な音源チップと限られた資源が、作曲家に色褪せないメロディを書かせたのだと述べている。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Dark Connection』作品ページ

3作目は、本国のチャートで首位に立っている。2021年末の公式総括は、新しいアルバムが各国のチャートで良い位置に着いたこととして、フィンランドでの1位を挙げている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ミュージック・ビデオから、遊べるゲームが生まれている。2021年11月8日の公式告知は「One Night In Tokyo」を題材にしたベルトスクロール・アクションを公開し、開発者クラウディオ・チミニの言葉を添えた。彼によれば、このゲームはビジュアル・デザインを担当したブリランティーナ・モレッティとの協働で1か月の集中的な開発で作られ、『ベア・ナックル』や『ファイナルファイト』といった往年のアーケード作品の手触りと遊び心地を、ビデオの世界観に合わせて再現することを狙ったという。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2025年、バンドは自分たちの二つの世界を一つの案件に繋げている。2025年4月28日の公式告知は、『ディアブロ IV』と『ベルセルク』とのコラボレーションを発表し、そこから新曲「Enter The Behelit」が生まれたことを伝えた。カバネンはブリザード、『ベルセルク』、ニュークリア・ブラストの各チームへ謝意を述べ、最後に三浦建太郎への感謝を記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

初の北米ツアーは、単独と前座を組み合わせた31公演だった。2022年5月22日の公式投稿によれば、前日に終わったこのツアーは20本のヘッドライン公演(うち何本かはソールド・アウト)と、ナイトウィッシュとの11公演で構成されていた。これ以上ない出だしだった、というのがバンドの総括である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2023年のヨーロッパ・ツアーは、44公演21か国だった。2023年3月24日の公式投稿は Dark Connection ヨーロッパ・ツアーの規模をそう記し、多くがソールド・アウトで、バンドにとっての「初めて」が数多くあったと書いている。同行したのはギリシャのファイアーウインドで、2公演にはスーサイダル・エンジェルスも加わった。年末の総括では、44公演のうち25公演が完売したと公表されている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

そのツアーで、バンドは自分たちの足場を測っている。2024年末の公式総括によれば、彼らはその年、新作を書く休みに入らず『Dark Connection』でもう少し引っ張ることを選び、グローリーハマーと組んで2000人から4000人規模の会場を回り、そこを売り切った。何が起きるか分からないまま出た結果、事前の不安はすべて消え、いつでも頼れる大きく忠実なファン層が出来上がっていることが分かった——それがこの年の発見だった、と書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

結成メンバーのギタリストが、ちょうど10年で去っている。2025年10月22日の公式告知は、カスペリ・ヘイッキネンが10年をともにしたのちバンドを離れることを重い気持ちで伝え、当時ヘロウィンとの大規模なツアーの最中だったため、ふさわしいギタリストが見つかるまで数公演は4人編成で続けると書いた。ツアー中なのでこれ以上は語らない、とも明記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

代役のギタリストは、4日でセットを覚えている。2025年10月28日の公式告知によれば、クラウンシフトのダニエル・フレイベリ(元チルドレン・オブ・ボドム)がヘロウィンとのツアーに参加することになり、彼はバンドのセットリスト全曲をわずか4日で覚えた。初共演はその晩のカトヴィツェ公演だった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

正式なギタリストは、国内外からの候補者との面談を経て決まった。2026年6月17日の公式告知は、マルクス・ヴェネフサロの正式加入を伝え、フィンランド国内と国外の高い技量を持つ複数の候補者との広範な面談のなかで、彼が強い演奏力と独創的なソロで力を示したと書いている。加えて、東フィンランド流のユーモアがバンドと噛み合ったことが、この決定を自然で必然的なものに感じさせた、とも記されている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

動員の伸びを、公式サイトは2つの数字で示している。バンド紹介ページによれば、デビュー作と2作目の頃に行った初のヘッドライン・ツアーでは1公演あたり1,000人を超える客を集め、『Dark Connection』以降にヨーロッパ・北米・南米・日本を回るようになってからは平均2,500人規模になった。ヴァッケン・オープン・エア、ヘルフェスト、グラスポップといったヨーロッパ主要フェスのメイン・ステージにも立っている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト「BAND」

このバンドは、前のバンドの名前を手放したところから始まっている。Metal Hammer 系の Louder に載ったインタビューでカバネンは、自分が立ち上げ、名前を付け、全曲を書いてきたバトル・ビーストで方向性をめぐる衝突が起き、やがて名前の権利をどちらが持つかという話にまでなったこと、そして最終的に名前は他のメンバーが持つことを受け入れざるを得なかったことを語っている。ビースト・イン・ブラックは、そこで断たれた最初の構想を続けるためのバンドだった。

出典: Louder(Metal Hammer)「New Band Of The Week: Beast In Black」

バンド名は、一つの漫画の中の二つの言葉を繋ぎ合わせたものである。BARKS の取材でカバネンは、『ベルセルク』に出てくる「黒い剣士(Black Swordsman)」と、その主人公が内に抱える「闇の獣(Beast of Darkness)」を合体させて Beast in Black という名前にした、と説明している。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

『ベルセルク』との出会いは、借り物のDVDだった。BARKS の取材でカバネンは、子供の頃に友達が教えてくれた、2006年のことだったと思う、と振り返っている。第1話を観ただけでのめり込み、そのまま25話を一気に観てしまい、最終話が続きの気になる終わり方だったので我慢できずに漫画で先を読んだ——それ以来ずっとファンだ、というのが彼の説明である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

2作目のマスターが上がったのは、ツアー出発のわずか数日前だった。BARKS の取材でカバネンは、前年の夏はフェスの季節で毎週末ステージに立っていたため、アルバムの作業はその合間の平日にやるしかなかったと語っている。プロデュースも自分でやったのでその間はずっとスタジオにいる必要があり、11月頭にナイトウィッシュのサポート・ツアーへ出る数日前になってようやくマスターが完成した——非常に厳しいスケジュールで、まさに地獄だった、というのが彼の言い方である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

タイトルの意味を、カバネンは誰にでも当てはまる形で説明している。BARKS の取材で彼は、とても愛しているものや情熱を感じる対象のためなら人は代償を払う——夢や情熱のためには地獄もいとわない、というのが『From Hell With Love』というタイトルの意味だ、と述べている。ただし一つの解釈に限定したくはないとも言い添え、聴き手それぞれが自分の意味を見つけてくれればいい、と話している。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

2作目で、カバネンは初めて歌詞を他人と一緒に書いた。BARKS の取材で彼は、ヘルシンキに住むイタリア人の友人と共作したこと、その相手も『ベルセルク』などの漫画やアニメが大好きであること、そして同じ対象に真剣な興味を持つ相手との共作は良い経験だったと語っている。公式ディスコグラフィーのクレジットでは、この共作者は「P. Ribaldini」と記載されている。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

2作目の題材は、作者自身が数で示している。BARKS の取材でカバネンは、自分たちの歌詞は大きく分けて漫画についてのものと個人的な経験についてのものの2種類だとしたうえで、今回は5曲が『ベルセルク』、1曲が『北斗の拳』についてで、残りの半分が個人的な感情や宣言だと説明している。『北斗の拳』にあたるのが冒頭の「Cry Out For A Hero」である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

もう一つのカバーは、映画のサウンドトラックから選ばれている。BARKS の取材でカバネンは、『ロッキー4』のサントラで知られるロバート・テッパーの「No Easy Way Out」をやろうという話は2年ほど前から出ていたと語っている。メンバー全員がこの曲を好きで、とくにカスペリが『ロッキー4』のサントラの大ファンだったこと、そして全員のお気に入りだったことが選曲の理由だった。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

3作目の方向性は、2作目を仕上げている最中に決まっていた。Blabbermouth のインタビューでカバネンは、2018年の終わり、2枚目を終えようとしていた頃にはもう3枚目のことを考えており、2枚目が仕上がった瞬間に「次はサイバーパンクだ」と分かっていた、と語っている。同じことが3枚目でも起き、完成する前から4枚目についていくつかのことが決まっていた、とも彼は述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET(アントン・カバネン インタビュー、David E. Gehlke)

3作目が形になったのは、ツアーが止まったからだった。Blabbermouth のインタビューでカバネンは、2020年秋にハンマーフォールとのアメリカ・ツアーへ出る予定で、そのツアーまでにアルバムを仕上げるつもりだったが到底間に合わないと感じていたこと、そして時間ができたことに安堵したことを語っている。もしそうでなければ『Dark Connection』が世に出るのは2022年か2023年になっていたかもしれない、というのが彼の見立てである。ただし時間があり過ぎたせいで直接必要のない作業にも手を広げ、何週間か、あるいは何か月かを失った、とも彼は認めている。

出典: BLABBERMOUTH.NET(アントン・カバネン インタビュー、David E. Gehlke)

3作目のジャケットには、名前のある登場人物がいる。Blabbermouth に載ったカバネンの説明によれば、絵はローマン・イスマイロフによるもので、そこに描かれているのはビーストと、シンシアという名のガイノイドのファム・ファタールである。2人の間で交わされる緊張した視線が、肉体的にも感情的にも、そして倫理的にも際どい繋がりを語っている、というのが彼の読み解きである。

出典: BLABBERMOUTH.NET(「Hardcore」ミュージック・ビデオ公開)

「Hardcore」のビデオには、はっきりした視覚上の出どころがある。Blabbermouth に載ったカバネンの説明によれば、この映像は空山基の作品群と、1990年代の生々しいサイバーパンク・アニメ——具体的には『AD POLICE FILES』の「ザ・ファントム・ウーマン」——に触発された、妥協も容赦もない構想の産物だという。

出典: BLABBERMOUTH.NET(「Hardcore」ミュージック・ビデオ公開)

1本のミュージック・ビデオに、1年半かかっている。Blabbermouth のインタビューでカバネンは、先行シングル「Moonlight Rendezvous」の映像に2020年春から取り掛かり、完成までほぼ1年半を要したと語っている。理由は資金が潤沢でないことと、同時にスタジオでアルバムを作り歌詞を書きプロデュースもしていたことだった。監督のカトリ・イロナ・コッパネンにとっては、これが初監督作だったという。

出典: BLABBERMOUTH.NET(アントン・カバネン インタビュー、David E. Gehlke)

バンドは自分たちの音に、ふざけた名前を一つ付けている。2024年6月に「Power Of The Beast」を出した際、カバネンは長年吸収してきたスーパーユーロビートの影響が音楽に深く染み込んでいることを踏まえ、半ば冗談としてこの曲を「スーパー・ユーロビースト」と呼ぶのはそれなりに正当だろう、と述べた。そしてこれが最初の1曲であって最後にはならない、とも書いている。

出典: BLABBERMOUTH.NET(「Power Of The Beast」公開)

カバネンは、自分と締め切りの相性を公言している。2024年8月、4作目の進み具合を訊かれた彼は、この3年のツアーのせいでテーマを固める落ち着いた環境がなく、新しい曲も歌詞もあるのに構想を結晶させられていないと答えた。そのうえで、自分を知っている人間なら誰でも——レーベルもバンドの仲間もマネージメントも——「アントンと締め切り」が最悪の組み合わせだと知っている、と述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET(4作目の制作状況について)

アルバムを仕上げるために、創設者がツアーを外れている。2026年4月7日、カバネンはヘロウィンの北米ツアーに同行できないことを自身のSNSで告げた。新しいアルバムにとってどうしても必要だからだ、というのがその理由である。彼はこのアルバムの制作が絶え間ない中断と問題に見舞われ、とくにここ数年は作業の流れが許容を超えて滞っていたと書き、それでも制作は重要な地点に達しており、今こそ自分の全ての注意を要する、と説明した。バンドは4人で北米へ向かい、同ツアーはその日ダラスで始まって5月2日ラスヴェガスで終わっている。

出典: BLABBERMOUTH.NET(北米ツアー不参加の発表)

2023年の東京2公演の入りを、バンドは正直に書いている。2023年末の公式総括は、東京で2夜連続の公演を行い、1本はソールド・アウト、もう1本もそれに近かった、と記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2024年の来日も、2夜連続だった。2023年11月3日の公式告知は、2024年5月22日と23日に東京の Zepp Shinjuku で「Two Nights for Love」と題した公演を行うこと、そしてスペシャル・ゲストとしてトゥルミオン・カティロットが同行することを伝えている。この2組は2019年の初のヨーロッパ単独ツアーでも一緒だった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

日本盤のアルバムには、共通して2つのものが付いている。ワードレコーズの商品ページによれば、『ダーク・コネクション』日本盤(品番 GQCS-91103、2021年10月29日発売)には日本語解説書が封入され、歌詞の対訳が付く。同じ表記は『バーサーカー』と『Power Of The Beast』日本盤にもある。

出典: ワードレコーズ『ダーク・コネクション』商品ページ

デビュー作の日本盤には、通販だけの限定セットがあった。ワードレコーズの商品ページによれば、『バーサーカー』は2017年11月3日の発売で、通常のCDのほかに直筆サインカード付きCDとTシャツを組み合わせた通販限定のセットが50組だけ用意された(品番 WRDZZ-664、税抜5,500円)。日本語解説書と歌詞対訳が付くのは他の日本盤と同じである。

出典: ワードレコーズ『バーサーカー』商品ページ

日本のレーベルは、このバンドを「日本の漫画や映画から大きな影響を受けた」バンドとして紹介している。ワードレコーズの商品解説は、2015年にカバネンがバトル・ビーストを脱退してビースト・イン・ブラックを結成したこと、日本の漫画や映画から強い影響を受けた楽曲が話題になったこと、そして2023年と2024年に東京をフィーチャーした来日公演を2年連続で満員にしたことを記している。

出典: ワードレコーズ『Power Of The Beast』日本盤限定CD 商品ページ

2作目は、日本でも同じ日に出ている。BARKS のインタビュー記事に添えられたリリース情報によれば、『フロム・ヘル・ウィズ・ラヴ』は2019年2月8日の世界同時発売で、日本盤(GQCS-90684)には日本語解説書と歌詞対訳が付いた。ほかに直筆サインカード付きのCDが50セット、サインカード付きCDとTシャツのセットが30セット用意されている。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

カバネンはヤンニスの歌を、レコーディングでの粘りで評価している。ニュークリア・ブラストの『Dark Connection』作品ページに載ったカバネンの言葉によれば、ヤンニスは何でもできる稀なシンガーであり、1テイクや2テイクで済ませず、納得のいく結果が出るまで必要なだけ歌い直すタイプだという。同じアルバムには自分のかすれた叫び声やデュエット、コーラスも入っているが、ヤンニスの歌唱はこれまでで最も幅の広いものになった、とも述べている。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Dark Connection』作品ページ

アルバムの最後の工程を告げる公式の投稿は、一行だけだった。2017年6月15日、公式サイトはデビュー作がフィンヴォックス・スタジオのミカ・ユッシラの手で仕上げを受けたことを伝えている。フィンヴォックスはヘルシンキの老舗スタジオで、ユッシラは北欧メタルのマスタリングを長く手掛けてきた技師である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

『Berserker』のミックスには、ナイトウィッシュの音を長年支えてきた技師が入っている。公式ディスコグラフィーのクレジットによれば、プロデュースはカバネン、ミックスはテロ“ティーシー”キンヌネンとカバネンの共同で、エミール“エンプ”ポフヤライネンが追加のミックス補助に付いた。録音はサウンド・クエスト・スタジオ、マスタリングはフィンヴォックスのミカ・ユッシラである。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト ディスコグラフィー『Berserker』

初回のデジパックには、2曲が余分に入っていた。公式ディスコグラフィーの表記では『Berserker』全12曲のうち「Hell For All Eternity」と「Go To Hell」の2曲にデジパック・ボーナス曲の印が付いている。つまり通常のCDには10曲しか入っていない。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト ディスコグラフィー『Berserker』

レーベル発表用の経歴文には、順序がはっきり書かれている。2017年8月の公式リリースによれば、バンドはカバネンがバトル・ビーストと袂を分かった直後の2015年に結成され、その年の終わりにはナイトウィッシュの前座として初ライヴを行い、『Berserker』の制作はその時点ですでに進んでいて2017年夏に完成、契約はその直後だった。つまりライヴが先で、アルバムが後、契約はさらに後という順である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ジャケットの解説を、描いた本人が動画でしている。2017年10月4日、公式サイトはデビュー作『Berserker』のグラフィック・アーティストであるローマン・イスマイロフが、カバー・アートの細部と裏側を語る映像を公開したことを伝えている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

デビュー作の直前、バンドは自分たちの成り立ちを自分たちで説明する映像を出している。2017年9月27日の公式サイトの告知によれば、カバネンとカスペリ・ヘイッキネンの2人が、ビースト・イン・ブラックがどのように結成されたか、バンド名の着想はどこから来たか、そして最近の動きについて語る内容だった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

「Zodd The Immortal」は、曲名がそのまま出どころを言っている。ニュークリア・ブラストの作品ページでカバネンは、この曲をアルバムで最も攻撃的な曲、とくに歌唱面でそうだと位置づけたうえで、これも『ベルセルク』に関わる曲なので同作のファンにも気に入ってもらえたら、と述べている。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Berserker』作品ページ

デビュー作には、ヘヴィ・メタル・アルバムに入るには奇妙すぎる曲が1曲ある、と作者自身が言っている。ニュークリア・ブラストの作品ページでカバネンは、ディスコとダンス・ミュージックの影響を受けた「Crazy, Mad, Insane」を、アルバムで最もクレイジーでおそらく最も奇妙な曲だと笑いながら評し、イタロ・ディスコや1980年代のシンセ・ポップが好きなら気に入るはずだと勧めている。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Berserker』作品ページ

ニュークリア・ブラストの作品ページは、デビュー作の音の下敷きを名指ししている。そこで挙げられているのはジューダス・プリースト、マノウォー、W.A.S.P.、ブラック・サバス、アクセプトといった1980年代のメタル勢である。カバネン自身はこのアルバムを、非常に直線的でキャッチーかつ力強く、ときおりシンフォニックな要素が混ざる、と説明している。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Berserker』作品ページ

2回目のステージも、同じ会場だった。2015年11月20日の公式告知によれば、バンドは同年12月19日にエスポーのメトロ・アリーナへ戻り、今度はサバトン、ストラトヴァリウス、ガンマ・レイの前座を務めている。デビュー・アルバムの発売は、この時点でまだ2年近く先である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2016年のライヴは、1本だけだった。2016年4月16日の公式告知は、デビュー作の制作に追われるなかフィンランド最大のメタル・イベントであるトゥスカ・フェスティヴァルから招待を受けたことを伝え、これが今年予定されている唯一のビースト・イン・ブラックの公演なので、2016年にステージを見たいならここへ来てほしい、と書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

デビュー作を出す直前のツアーで、カバネンは自分のアイドルの前座に立っている。2017年9月20日の公式告知は、W.A.S.P. のアニヴァーサリー・ツアー「Re-Idolized」への同行が最終確定したことを「大きな夢が叶った」と伝えている。日程はアントワープ、パリ、ストラスブールから始まり、スペイン各地を回るヨーロッパ公演だった。W.A.S.P. は、カバネンが自分の音楽の出発点として名前を挙げてきたバンドの一つである。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

デビュー作が出た月の終わりには、次のツアーが決まっていた。2017年11月14日の公式告知によれば、バンドは同年12月にドイツで9公演、ビヨンド・ザ・ブラックとコブラ・アンド・ザ・ロータスのサポートを務めることになっていた。ケルンから始まりハンブルクまで、アルバム発売から1か月あまりの日程である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

結成3年目のバンドが、シンフォニック・パワー・メタルの先駆者の最後のツアーに同行している。2017年12月5日の公式告知は、ラプソディの20周年フェアウェル・ツアーに参加できることをこの上ない光栄だとし、彼らはこのジャンルの開拓者で一世代に影響を与えたバンドだ、と書いている。日程は2018年2月のイタリアから始まり、ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリスへと続いた。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2本とも売り切れたことを、バンド自身が「予想外だった」と書いている。2018年2月11日の公式投稿は、初のヘッドライン公演が2本ともソールド・アウトになったことを「信じられない、予想もしていなかった」と表現している。年末の総括ではこの2会場の収容人数まで公表しており、ユヴァスキュラが530人、ヘルシンキが900人だった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

『Berserker』のライヴ活動は、始まった場所で閉じられている。ニュークリア・ブラストの『From Hell With Love』作品ページによれば、バンドは2018年11月から12月にかけてナイトウィッシュのサポートとして数千人の前に戻ることで、デビュー作のライヴ章を締めくくった。2015年にライヴ活動を始めたのが、まさにその同じ相手の前座だった。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『From Hell With Love』作品ページ

デビュー作を褒めた同業者の名前が、レーベルの経歴文に残っている。ニュークリア・ブラストの『From Hell With Love』作品ページは、『Berserker』が新旧のファンだけでなく著名な音楽家からも賞賛されたとして、ナイトウィッシュのトゥオマス・ホロパイネンとヘロウィン/ガンマ・レイのカイ・ハンセンの名を挙げている。ホロパイネンの一言は、このアルバムを好きにならないのは正気ではない、というものだった。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『From Hell With Love』作品ページ

2作目では、ミックスもマスタリングも担当者が入れ替わっている。公式ディスコグラフィーのクレジットによれば『From Hell With Love』はカバネンがプロデュースとミックスを単独で担当し、マスタリングはアメジスト・サウンド・プロダクションズのエミール・ポフヤライネンが手掛けた。1作目でミックスに入っていたテロ・キンヌネンと、マスタリングのミカ・ユッシラの名前はここにはない。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト ディスコグラフィー『From Hell With Love』

ジャケットを描く人物は、2作目でも変わらなかった。2018年10月31日、公式サイトは2作目のカバー・アートを公開し、それがローマン・イスマイロフによるデザインと制作であることを添えている。イスマイロフはバトル・ビースト時代からカバネンの作品の絵を手掛けてきた画家である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

その1曲は、その後も伸び続けている。公式サイトのバンド紹介文は、ブレイクのきっかけとなった「Blind And Frozen」のビデオがYouTubeで5000万再生を超えたと記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト「BAND」

初のヨーロッパ単独ツアーは、2作目の発売より先に発表されている。2018年9月19日の公式告知は、バンド史上初のヨーロッパ・ヘッドライン・ツアーを、2作目『From Hell With Love』をライヴで披露する場として発表している。スペシャル・ゲストはフィンランドのトゥルミオン・カティロット。日程は2019年2月のヘルシンキから始まり、ハンブルク、ボーフム、アムステルダムと続いた。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

バンドは初の単独ツアーを、率直に「賭け」と書いている。2018年末の公式総括は、ヘッドライン・ツアーは常に大きなリスクを伴い、とりわけ最初の一本はそうだと述べ、前売りは予想以上に好調で完売した会場もあるものの、これまでより長い時間観客を楽しませ、終演後にもっと聴きたいと思わせなければならない——それが本当の課題だ、と書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

蓋を開けてみると、その賭けは初日から当たっていた。2019年2月20日、ツアー初日の公式投稿は、すでに多くの公演がソールド・アウトしており、バンドにとって初のヘッドライン・ツアーとしては大きな成功だと書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ロシアでの初公演は、単独2本だった。2019年5月30日の公式告知によれば、バンドは同年9月にモスクワの Red とサンクトペテルブルクの Zal で初めてロシアのステージに立った。翌2020年5月にはナイトウィッシュとの短い遠征でロシアへ戻り、キーウとミンスクでも初公演を行う予定が発表されている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ヴァッケンの舞台に立ったとき、バンドはそれを結成からの早さで語っている。2019年8月7日の公式投稿は、キャリアの初めにヴァッケンで演奏することを夢見るバンドは多いが実現できるのはごく一部だとしたうえで、ビースト・イン・ブラックの結成からの短さを思えばなおさら光栄だ、と書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

3作目が出た翌日に、1作目と2作目の認定が同時に上がっている。2021年10月30日、公式サイトはフィンランドでの売上により『Berserker』がプラチナ、『From Hell With Love』がゴールドに達したことを伝えた。『Dark Connection』の発売はその前日である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

認定は、そのあとさらに一段ずつ上がっている。2024年8月14日の公式サイトは、『From Hell With Love』がプラチナに、『Dark Connection』がゴールドに達したことを伝えた。ベースのマーテ・モルナールはこの発表で、作っているときは受け止められ方を考えないが、ゴールドやプラチナを受け取って初めて何千人もの人を喜ばせたのだと実感する、と述べている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

最初のノミネートは、デビュー作に対するものだった。2018年9月4日の公式告知によれば、バンドはその年の Metal Hammer Awards の「Best Debut Album」部門にノミネートされている。授賞式は9月14日にベルリンで行われた。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

フィンランドの音楽賞にも、2作目で手が届いている。2019年12月18日の公式告知によれば、『From Hell With Love』は EMMA Gaala の「Best Metal Album」部門にノミネートされた。同じ年、バンドは Music Moves Europe Talent Awards にもノミネートされている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2024年には、投票による賞も獲っている。2025年1月5日、公式サイトは Metal Awards の「New Generation Metal Band of the Year」に選ばれたことを伝え、得票率34.52%という数字を引いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

一周忌には、それに合わせた曲のビデオを出している。2022年5月6日、三浦建太郎の逝去からちょうど1年の日に、公式サイトはカバネンの追想とともに「Broken Survivors」のミュージック・ビデオを公開した。三浦が『ベルセルク』の登場人物に与えた、傷つきやすさや優しさの側面を包み込むような何かを用意したかった、というのが彼の説明である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

3作目の中で、どの曲がどこから来たのかをカバネンは分けて説明している。ニュークリア・ブラストの作品ページによれば、「Highway To Mars」と「Moonlight Rendezvous」はアニメ『アミテージ・ザ・サード』のサイバーパンク世界へ通じており、一部は『ブレードランナー』に影響を受けている。一方で「Dark New World」「To The Last Drop Of Blood」「Broken Survivors」の3曲が『ベルセルク』への敬意にあたる曲だという。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Dark Connection』作品ページ

そのビデオは、届く先を自ら狭めることになった。2021年末の公式総括は、「Hardcore」がアルバムから3本目のミュージック・ビデオであったこと、そして内容が過激だったためYouTubeの新しい規定のもとで多くのファンには届かなかったことを、その年の出来事として書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

3作目は、ほぼ一人の手で作られている。公式ディスコグラフィーのクレジットによれば『Dark Connection』はカバネンがプロデュースし、サウンド・クエスト・スタジオで録音とミックスも自ら行った。マスタリングのみエミール・ポフヤライネンが担当している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト ディスコグラフィー『Dark Connection』

3作目のボーナス曲は、およそ交わらない2組のカバーだった。2021年10月29日の公式の曲目表によれば、『Dark Connection』の12曲目と13曲目はマノウォーの「Battle Hymn」とマイケル・ジャクソンの「They Don't Care About Us」である。マノウォーは、カバネンが自分の出発点として名前を挙げてきたバンドの一つでもある。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2作目は、ドイツでも上位に入っていた。ニュークリア・ブラストの『Dark Connection』作品ページは、デビュー作『Berserker』と2作目『From Hell With Love』の成功に触れた箇所で、後者がドイツのアルバム・チャートのトップ10に入ったことを記している。

出典: ニュークリア・ブラスト公式『Dark Connection』作品ページ

その1年半は、公開2週間で報われている。2021年末の公式総括によれば、『Dark Connection』からの最初のミュージック・ビデオ「Moonlight Rendezvous」は、公開から2週間足らずで最初の100万再生に達した。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

そのビデオは、映像の賞も獲っている。2021年12月2日、公式サイトは「Moonlight Rendezvous」が Top Shorts フェスティヴァルの「Best Music Video of the Month」部門で優勝したことを伝えている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

「Hardcore」のビデオも、映像祭に選ばれている。2022年6月3日の公式告知によれば、この作品はベルリン・ミュージック・ビデオ・アワードの「Silver Screenings」部門に選出され、6月9日に同映画祭で上映された。BMVA は最もよく知られたミュージック・ビデオの祭典の一つだ、というのがバンドの説明である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

「One Night In Tokyo」は、バンドにとって初のドット絵アニメーションのビデオだった。2021年末の公式総括は、この曲が『Dark Connection』からの2本目のビデオであり、ピクセル・アニメーションによる初の作品だったと記している。この映像がのちにアーケード風のゲームへ発展する。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ゲームで知られる動画作家が、バンドと差し向かいで話している。2023年1月20日の公式告知によれば、「The Angry Video Game Nerd」で知られるジェイムズ・ロルフがオンラインでバンドと座談を行った。話題は好きなヘヴィ・メタル・バンド、「One Night In Tokyo」のウェブ・ゲーム、そしてバンドの制作過程のほぼ全般に及んだという。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

バンドは2023年に、アルバム3枚を丸ごとYouTubeへ上げている。2023年4月25日の公式告知は、『Berserker』『From Hell With Love』『Dark Connection』の3作がフル・アルバムとして公式にYouTube上で公開されたことを伝えている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

そのゲームは、その後も更新され続けている。公式サイトによれば、2023年に一度アップグレード版が出され、2024年7月には新しいミニ・ゲームが加わり、同年12月21日には敵を増やした改訂版が公開された。この改訂版のゲーム・デザインと開発、ビジュアル・デザインはマーヴィン・アドヴァゲームズが担当している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

公式サイトのゲームの紹介文は、収録曲の一つをそのまま使っている。「一晩を東京で過ごすことに勝るものはあるか? 無い」という一節から始まるその文は、未来の東京の夢のような光景を切り抜けて戦う内容だと説明している。曲名は「One Night In Tokyo」である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト「GAMES」

アーケード風ゲームの前に、バンドはクイズも作っていた。2021年9月27日の公式告知は、ビースト・イン・ブラックと『ベルセルク』の知識を試すクイズ・ゲームを紹介し、両者がどう繋がっているかを学べる、と案内している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

「Enter The Behelit」の題材は、『ベルセルク』のごく特定の一人である。公式サイトに載ったカバネンの説明によれば、この曲の核にあるのは「髑髏の騎士」でも主人公でもなく、〈誰でもない者/完全なる世界の卵〉と呼ばれる人物の、計り知れない苦しみとその境遇、そして没落だという。同時に「魔の子」と呼ばれる人物や自分自身の人生とも重なる歌詞で、平たく言えば〈誰でもない者〉と彼のベヘリットが互いを映し合う無意識の対話だ、と彼は書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

「Enter The Behelit」では、ヴォーカリストがミックスにも入っている。公式ディスコグラフィーのクレジットによれば、この曲のプロデュースとミックスはカバネン、追加のミックス補助をヤンニス・パパドプロスが担当し、録音はサウンド・クエスト・スタジオ、マスタリングはミロ・マスタリングのミロ・キースキである。ジャケットのアートワークはブリザード・エンターテインメントによるもので、ローマン・イスマイロフではない。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト ディスコグラフィー「Standalone Singles」

ベーシストのシグネチャー・モデルには、名前が付いている。2018年11月12日の公式告知でマーテ・モルナールは、スロヴァキアの GV Guitars と数年の協働を経てカスタム・モデルを作ることになったと述べ、黒い「Serpent」に続く2本目として白い「Two Devils」を紹介している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

3本目のベースは、形からして変わっていた。2021年7月1日の公式告知によれば、マーテ・モルナールの3本目のシグネチャー・モデル「Devil」は、黒い大鍋で黄色いスープをかき混ぜる悪魔を表した、それまでで最も奇妙な形をしている。製作は同じく GV Guitars である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

4本目のベースは、バンドの紋章そのものだった。2024年6月29日の公式告知によれば、マーテ・モルナールの4本目のシグネチャー・モデル「Beast」は「Power Of The Beast」のビデオで初めて姿を見せたもので、バンドの象徴であるビーストを表している。製作元の説明では、ボディの造形はバンドのロゴを下敷きに、獣の形を立体的に彫り込んだものだという。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ドラマーの契約発表には、自嘲まじりの一言が添えられている。2020年2月29日、公式サイトはアッテ・パロカンガスが正式に Tama のアーティストになったことを伝えた。彼のコメントは、Tama のドラムを一度も所有したことがなく、だからこそずっと密かに憧れていた、というものである。パロカンガスは2018年に Centent シンバル、2019年には Sihi シンバルとも契約している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

4作目が2026年へずれた理由を、バンドは自分たちで説明している。2025年末の公式総括によれば、その年は新作の作曲と録音に充てられ、当初は2025年末の発売を予定していた。ところが世界最大級のゲーム会社ブリザードとの想定外の協働がアルバム制作を大きく遅らせ、発売を翌年へ延ばさざるを得なくなった、というのが公式の説明である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

アメリカでの初公演は、ちょうど1年先の予定として発表された。2019年9月12日の公式告知は、初のアメリカ公演として2020年9月12日のアトランタ ProgPower USA を告げ、「ちょうど1年後に会おう」と書いている。バンドが実際にアメリカでツアーを行うのは、それよりさらに先になった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2度目の北米ツアーは、単独で31公演になった。2023年末の公式総括によれば、「Back in North America」と題したこのツアーはスペシャル・ゲストにダンス・ウィズ・ザ・デッドを迎え、31公演のうち9公演がソールド・アウトだった。同じ年、バンドはサマー・ブリーズ・ブラジル、ProgPower USA、ヘルフェスト、グラスポップを含む17のフェスにメイン・ステージで出演している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2024年のヨーロッパ・ツアーは、2組のヘッドライナーで回っている。2024年2月7日の公式投稿によれば、グローリーハマーとの共同ヘッドライン・ツアー「Glory and the Beast」はブラザーズ・オブ・メタルを帯同して14か国21公演を回り、うち12公演がソールド・アウトになった。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

南米には、初ライヴの相手と一緒に行っている。2022年1月25日の公式告知によれば、バンドは同年10月にナイトウィッシュのサポートとしてリオデジャネイロ、サンパウロ、ブエノスアイレス、サンティアゴを回ることになった。のちに単独公演も追加され、公式はそれを南米での初のヘッドライン公演だと書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

結成10年の年に、バンドはヘロウィンの40周年ツアーに同行している。2025年末の公式総括は、その年ヘロウィンの「40 Years」ヨーロッパ・ツアーをサポートしたこと、そしてそれが自分たちの10年目とも重なったことを並べて書いている。新しいファンに大量に自己紹介できた年だった、というのがバンドの評価である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

2025年には、船の上の出演も決まっている。同年末の公式総括は、世界最大のヘヴィ・メタル・クルーズである 70000tons of Metal への初出演が決まったことを、その年の出来事の一つとして挙げている。日程は2026年1月29日から2月2日である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

4作目のためのツアーには、名前が2回付いている。2025年10月13日の公式告知は、2026年末のヨーロッパ・ヘッドライン・ツアーを4作目のライヴでの披露の場として発表し、スペシャル・ゲストにソナタ・アークティカ、サポートにフローズン・クラウンを迎えることを伝えた。翌2026年6月22日、バンドはこのツアーに新しい名称とデザインを与え、「The Resurrection Tour」と呼び直している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

その代役の任期は、最初から期限付きだった。2026年6月17日の公式告知に寄せたダニエル・フレイベリの言葉によれば、彼が普段の活動の外へ出てステージを共にしたこの8か月は、クラウンシフトでの長期的な計画があるため一時的な章になることを全員が最初から分かっていたという。道が分かれても友情は残る、というのが彼の締めくくりである。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

新しいギタリストは、加入の挨拶で8歳の日の話をしている。2026年6月17日の公式告知に寄せたマルクス・ヴェネフサロの言葉によれば、父親が同僚から買ってきたギターを家に持ち帰ったとき、彼はそれをアンプに繋ぎ、歪みのチャンネルを見つけて、父に「ロックンロールのギタリストになる」と宣言した。ビースト・イン・ブラックの一員になったいま、それはほとんど叶うはずのなかった夢が叶ったようだ、というのが彼の書き方である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

バンドは編成の変更について、率直な一行を残している。2025年末の公式総括は、その年の損失としてカスペリ・ヘイッキネンとの別れに触れ、編成の変更は常に痛みを伴い、とりわけ結成メンバーが去るときはそうだ、と書いている。それでも物事はすべて良い方へ向かい、この機械は動き続ける、と続けたうえで、急な事態で穴を埋めたダニエル・フレイベリへの謝辞を追記している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

公式サイトが現在挙げている編成は5人である。バンド紹介ページの末尾には、ドラムのアッテ・パロカンガス、ギターのマルクス・ヴェネフサロ、ヴォーカルのヤンニス・パパドプロス、ギターのアントン・カバネン、ベースのマーテ・モルナールの名が並んでいる。結成時から残っているのはカバネン、パパドプロス、モルナールの3人である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト「BAND」

10周年の日には、ビデオ監督から贈り物が届いている。2025年10月8日、公式サイトは複数のミュージック・ビデオを手掛けてきたカトリ・コッパネンがこの日のためにサプライズを用意したことを伝え、彼女の言葉を載せた。ツアー・バスの寝台での眠れない夜、終演後のシャワー、洗っても洗いきれない衣類——そういうものを並べたうえで、まばゆい照明もあなたたちの内側の火ほどには輝かない、と書いている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

バンドは自分たちの音を、公式サイトで一文にまとめている。バンド紹介ページによれば、ビースト・イン・ブラックはヘルシンキを拠点とする国際的なヘヴィ・メタル・バンドであり、その音は力強いリフとメロディックなフック、ダンス・メタル的な勢い、そして1980年代のポップとエレクトロニック・ミュージックの劇的さを混ぜ合わせたものである。歌詞はダーク・ファンタジーとSFに寄っており、とりわけ漫画『ベルセルク』への思い入れが強い、と書かれている。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト「BAND」

公式サイトは、4作目の発売年を明記している。バンド紹介ページの末尾は、待望の4枚目のアルバムが2026年に発売予定であると書いている。前作『Dark Connection』は2021年10月の発売なので、5年近い間隔になる。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト「BAND」

ツアーが止まっていた年に、バンドは物販の相手を決めている。2020年11月6日の公式告知は、世界最大級のマーチャンダイジング会社であるブラヴァドとの協働を伝え、以後の物販と音源を新しいストアで扱うことを案内している。2022年には北米向けのアーティスト・ショップも開設された。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

アルバムはカセットでも出ている。公式サイトによれば、『From Hell With Love』のカセット版は2020年6月16日、『Berserker』のカセット版は同年12月4日に発売された。いずれもツアーが止まっていた年の出来事である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

バンドは2019年に、チケットの詐欺について注意を出している。7月23日の公式投稿は、オンラインでの詐欺被害が日々増えているとしたうえで、公演のチケットは必ずバンドが案内している販売サイトから買うよう強く勧め、その一覧は公式サイトのツアー欄と Facebook のイベントにあると案内している。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

ステージにサンタクロースが上がったことがある。2021年12月24日、公式サイトはクリスマス・イヴに合わせて、数年前にサンタとエルフの少女たちがビースト・イン・ブラックの公演を訪れてクリスマスの気分を撒いていった出来事の映像を公開した。「クレイジー(あるいはマッド、インセイン)な思い出」を分かち合うのに、この日以上の日はない、というのが公式の書き方である。

出典: ビースト・イン・ブラック公式サイト NEWS

脱退の理由として公表されたのは、たった一語だった。Blabbermouth によれば、カバネンがバトル・ビーストを離れたのは2015年2月で、当時の説明は他のメンバーとの「乗り越えられない意見の相違」というものだった。それ以上の内訳は公式には出ていない。

出典: BLABBERMOUTH.NET(デビュー作完成の報)

カバネンが作りたかったのは、最初から難しいものではなかった。Louder のインタビューで彼は、自分の元々の構想はジューダス・プリースト、マノウォー、W.A.S.P.、アクセプトといった自分のアイドルに似たヘヴィ・メタル・バンドを作ることだった、と述べている。ビースト・イン・ブラックはその構想へ戻るためのバンドだ、というのが彼の説明である。

出典: Louder(Metal Hammer)「New Band Of The Week: Beast In Black」

「ビースト」という語を残したのは、意地でもあった。BARKS の取材でカバネンは、バトル・ビーストを抜けたあとも「ビースト」という言葉はバンドのイメージの一部として手元に置きたかったこと、そしてその言葉を思いついたのは自分だという誇りがあることを、名前を決めた二つの理由の一つとして挙げている。もう一つの理由が、自分が『ベルセルク』の大ファンだと名前で示したい、というものだった。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

本人は「ビースト」を、あるバンドのマスコットに喩えている。Blabbermouth が引いたカバネンの発言によれば、新バンドにも「ビースト」を残したのはバトル・ビーストで始めた構想を続けたいからで、その獣はすでに自分の人生の欠かせない一部になっている——アイアン・メイデンのエディのようなものだ、というのが彼の言い方である。

出典: BLABBERMOUTH.NET(『Berserker』11月発売の報)

前のバンドの名前の出どころを、カバネンは2022年まで一度も話していなかった。Blabbermouth のインタビューで彼は、バトル・ビーストという名前がどこから来たのかは誰も知らないはずだ、これまでどのインタビューでも言ったことがない、と断ったうえで、『マスターズ・オブ・ユニバース(He-Man)』を観ていて Beast Man と Battle Cat という登場人物から雷のように思いついた、と明かしている。

出典: BLABBERMOUTH.NET(アントン・カバネン インタビュー、David E. Gehlke)

カバネンが『ベルセルク』に惹かれる理由は、剣や魔物ではないという。BARKS の取材で彼は、悪魔や魔法といった超自然的な要素を取り除いても核に残るのは極めて人間的なものだ、と述べている。自分とは何か、人生の意味、なぜ世界はこれほど苦痛に満ちているのか、誰を愛し誰を憎むのか、復讐に人生を賭けるのか、それとも夢のために生きるのか——多くの人が実際に直面する問いばかりで、だから登場人物に共感でき、それが曲を書くときの動力になる、というのが彼の説明である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

もう一つの日本の漫画は、投げ売りのVHSの山から出てきた。BARKS の取材でカバネンは、ヘルシンキに越して1年ほど経った頃、古本や中古ビデオを店先に並べている店を見つけ、VHSが1本50セント程度だったのでそこにあった分をまとめて買った、と語っている。中身は雑多なアニメや映画で、その何本かが『北斗の拳』だった。当時は作品を知らず、観て衝撃を受けたという。2008年頃のことだった、というのが彼の記憶である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

国籍もバンドもばらばらの5人だった。Blabbermouth が2017年に載せた編成表では、ヴォーカルのヤンニス・パパドプロスはギリシャの WARDRUM、ギターのカスペリ・ヘイッキネンは U.D.O.、ベースのマーテ・モルナールはハンガリーの WISDOM、ドラムのサミ・ハンニネンはフィンランドの BRYMIR の出身として紹介されている。ヘルシンキ拠点でありながら「国際的なヘヴィ・メタル・バンド」と呼ばれるのはそのためである。

出典: BLABBERMOUTH.NET(デビュー作完成の報)

デビュー作は、レーベルが決まる前に完成していた。Blabbermouth が2017年7月に伝えたところでは、バンドはこの時点でデビュー・アルバムを作り終えており、リリースのための契約はまだ探している最中だった。録音の大半はカバネン自身のスタジオ、サウンド・クエスト・スタジオで行われ、プロデュースも彼が担当している。

出典: BLABBERMOUTH.NET(デビュー作完成の報)

その録音には1年以上かかっている。Blabbermouth によれば『Berserker』の制作は1年を超え、2017年の夏に完成した。そしてニュークリア・ブラストとの契約は、最後の仕上げが終わった直後に結ばれている。

出典: BLABBERMOUTH.NET(『Berserker』11月発売の報)

デビュー作のボーナス曲は、アルバムより先にステージで鳴っていた。Blabbermouth が2017年7月の記事に添えたのは、前年のヘルシンキのトゥスカ・フェスティヴァルでバンドが「Go To Hell」という新曲を演奏した映像である。この曲がレコードとして世に出るのは、その1年以上あとの『Berserker』デジパック盤だった。

出典: BLABBERMOUTH.NET(デビュー作完成の報)

「ビースト」という獣の姿は、二人で作ったものだった。Louder の記事は、カバネンがバトル・ビーストを立ち上げ、名前を付け、全曲を書いただけでなく、バンドのマスコットである「ビースト」をアーティストのローマン・イスマイロフと共同で生み出したと記している。カバネン自身も同じ記事で、イスマイロフはバトル・ビーストの最初のアルバム・カバーを描いた人物であり、今後もビーストのキャラクターをジャケットに残していくつもりだと述べている。

出典: Louder(Metal Hammer)「New Band Of The Week: Beast In Black」

新しいドラマーの返事は、1秒だった。BARKS の取材でカバネンは、アッテ・パロカンガスについて、加入以前から彼しかいないと思っていたと述べたうえで、正式に加わらないかと訊いたらわずか1秒で「イエス」と答えた、と語っている。彼は単に叩くだけでなくショーを演出する術を知っているエンターテイナーだ、というのがカバネンの評価である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

タイトルは、そのアルバム自身の作られ方にも当てはまる、とカバネンは認めている。BARKS の取材で彼は、このアルバム自体が地獄のような状況をくぐり抜けて愛と献身をもって作られたものであり、その意味でもタイトルは当てはまる、と述べた。あくまで一例だが、と断ったうえでの話である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

カバネンは『北斗の拳』を題材にした曲を以前にも書いていた。BARKS の取材で彼は、この作品についての曲は過去にも書いたことがあるが、アルバムに採用したのは今回が初めてだ、と述べている。とてもパワフルなアニメだ、というのが彼の評価である。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

2作目に収められたモーターヘッドのカバーは、ベーシストの発案だった。BARKS の取材でカバネンは、「Killed By Death」を取り上げたのはベースのアイデアで、自分は8歳の頃からこの曲を知っていたので演奏は簡単だったと語っている。パワー・メタル寄りのヴォーカリストがレミーの曲を歌うのは少々意外だろう、とも彼は述べ、ヤンニスはとてもうまくやったと評している。

出典: BARKS「【インタビュー】ビースト・イン・ブラック」(取材・文:川嶋未来)

「Power Of The Beast」の中身も、やはり『ベルセルク』と本人の人生が混ざっている。Blabbermouth に載ったカバネンの説明によれば、この曲は励ましや意志の力を必要としている人へ向けたもので、その姿勢は『ベルセルク』の主人公ガッツの折れない態度に重ねられている。歌詞は『ベルセルク』と自分自身の人生観や経験の混成物だ、というのが彼の言い方である。

出典: BLABBERMOUTH.NET(「Power Of The Beast」公開)

そのビデオの監督は、1980年代・90年代の映画を下敷きにしたと語っている。Blabbermouth に載ったカトリ・コッパネンの説明によれば、彼女は歌詞の断片しかない段階から台本を書き始め、それでも曲の主張が力づけるものになると分かったという。近年の世界が暗く混沌としているぶん、悪者が必ず報いを受けた当時の映画の無邪気さが恋しくなる——そこから、見終わったあとに良い気分が残るものを作りたかった、というのが彼女の動機である。

出典: BLABBERMOUTH.NET(「Power Of The Beast」公開)

カバネンはツアー中に曲を書かない、と決めている。Blabbermouth のインタビューで彼は、移動中は頭の中でメロディやリフ、歌詞になりそうな言葉を考えるが、一度か二度パソコンを持ち込んで書いたり録ったりしてみたところ、自分には合わなかったと語っている。家では家でしかできないことをやり、ツアーではツアーでしか味わえないものを味わう——そこは分けたほうがいい、というのが彼の考えである。

出典: BLABBERMOUTH.NET(アントン・カバネン インタビュー、David E. Gehlke)

カバネンは、自分たちがポップに寄ることを気にしていない。Blabbermouth のインタビューで彼は、ヘヴィ・メタルは音楽史上最も豊かで最も解放的なジャンルだと考えてきたと述べている。最も小さな囁きから最も遅いメロディ、環境音楽的な音像から、速く攻撃的で叫びやグロウルまで、すべてがヘヴィ・メタルでは許容される——これほどの幅を持つジャンルは他に見つけにくい、というのが彼の主張である。だからポップにもユーロビートにもシンフォニックにも近づくことを厭わない、と彼は言う。

出典: BLABBERMOUTH.NET(アントン・カバネン インタビュー、David E. Gehlke)

短くてキャッチーな曲を書くのは簡単ではない、とカバネンは言う。Blabbermouth のインタビューで彼は、単純な曲を書くのは易しいが、単純でキャッチーで、しかも耳障りにならない曲を書くのは易しくない、と述べている。誰でも2小節の単純なメロディを繰り返して曲の形にはできる。しかしそれは聴き手の心に響くのか、感情があるのか、歌詞に意味があるのか、サビは持ち上がるのか、それとも頭に残って苛立たせるだけなのか——単純さは両刃の剣だ、というのが彼の見方である。

出典: BLABBERMOUTH.NET(アントン・カバネン インタビュー、David E. Gehlke)