Erik Grönwall トリビア 全100件

Erik Grönwallにまつわる事実を、出典付きで100件掲載しています。

Trivia

『Bad Bones』の日本盤には、海外盤に入っていないボーナス・トラック「Life Goes On」が追加収録された。品番はKICP-4115、発売はキングレコードで、世界同時発売の2026年5月22日に日本でも店頭に並んでいる。

出典: キングレコード オフィシャルサイト「バッド・ボーンズ/エリック・グロンウォール」

来日公演に向けて、招聘元のウドー音楽事務所は日本のファンから2度にわたって募集を行った。7月22日から28日はエリックへの質問、8月4日から10日は歌ってほしいリクエスト曲である。曲のほうはオリジナルに限らず、過去に歌った曲やカバーしたことのある曲、まだ歌っていない曲まで対象とされ、選ばれた曲を本人が歌うという企画だった。8月21日にはスペシャルインタビューの前編も公開されている。

出典: ウドー音楽事務所「【ERIK GRÖNWALL】あなたからエリックに歌ってほしいリクエスト曲を大募集!」

2023年5月22日、スキッド・ロウは10年以上ぶりとなる日本ツアーの延期を発表した。オーストラリア公演の残り日程を取りやめた2日後のことで、理由はグロンウォールのインフルエンザ様の症状が続いていたことである。バンドは声明で、購入済みのチケットは振替日程でそのまま有効になると述べ、日程の調整を急いでいると伝えた。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Cancels Japanese Tour Due To Singer ERIK GRÖNWALL's 'Continued Flu-Like Symptoms'」

延期になったスキッド・ロウの来日公演は、2023年2月15日に発表されていた。日程は5月24日に大阪のCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホール、5月26日に東京ドームシティホールの2公演で、いずれも18時開場・19時開演。招聘はウドー音楽事務所だった。グロンウォールを迎えて16年ぶりのアルバムを出した直後の来日で、結局この日程で実現することはなかった。

出典: BARKS「スキッド・ロウ、来日公演決定」

来日中止のあと、グロンウォールは自身のYouTubeチャンネルで公開したVlogの最後に、オーストラリアと日本のファンへ謝罪した。最善は尽くしたが、今回は自分に正直になって健康を優先しなければならない、という趣旨である。本人は不調の原因を、時差の異なる地域を続けて移動した疲れだと見ていた。スウェーデンからカリフォルニアへ飛んで公演し、そこからシドニー、さらにブリスベンという行程だった。

出典: BARKS「エリック・グロンウォール、スキッド・ロウの日本公演延期に「本当に、本当に申し訳ない」」

2026年11月、グロンウォールはソロ名義で初の来日ツアーを行う。11月4日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホール、11月5日に大阪・梅田CLUB QUATTROの2公演で、いずれも18時開場・19時開演、スタンディング9,500円(税込、ドリンク代別途)。ウドー・プレミアムメンバーズ先行が5月23日、メンバーズ先行が5月25日、一般発売は6月13日だった。

出典: 激ロック「Erik Grönwall(ex-SKID ROW)、初のソロ来日ツアー決定!11月に東京&大阪にて開催!」

この来日は、2026年1月のマイケル・シェンカー来日公演でヴォーカルを務めた直後の再訪でもあった。日本の音楽メディアは、2023年に果たせなかったスキッド・ロウでの来日と、シェンカー・ツアーでの熱狂を経ての「日本再上陸」として、この単独公演を伝えている。

出典: 激ロック「Erik Grönwall(ex-SKID ROW)、初のソロ来日ツアー決定!11月に東京&大阪にて開催!」

グロンウォール自身の公式サイトは、彼の名が知られるきっかけを2009年のスウェーデンのゴールデンタイムのテレビ番組に置いている。そこで披露されたアイアン・メイデン「Run To The Hills」は、単なるオーディション番組の一場面ではなく、スウェーデンから現れた屈指のロック・ヴォイスの紹介そのものだった、という書き方をしている。

出典: Erik Grönwall 公式サイト「The Short Story」

『Swedish Idol』優勝でソロ・デビューを果たしたグロンウォールは、2010年にスウェーデンのハードロック・バンドH.E.A.T.に加入する。テレビ発の歌手からバンドのフロントマンへ、という進路は本人が選んだもので、公式サイトはこの決断を、彼が他人に糸を引かれる存在ではなく自分の条件でキャリアを築く道を選んだ証として挙げている。

出典: Erik Grönwall 公式サイト「The Short Story」

2018年4月、グロンウォールは米NBCの生放送ミュージカル『Jesus Christ Superstar Live in Concert』で熱心党のシモン役を演じ、約1000万人の視聴者に向けて米国デビューを果たした。共演者にはジョン・レジェンド、アリス・クーパー、サラ・バレリスらが並んでいる。

出典: earMUSIC「Erik Grönwall from H.E.A.T is Grammy nominated for his contribution to Jesus Christ Superstar Live!」

『Jesus Christ Superstar Live in Concert』のアルバムはグラミー賞のBest Musical Theater Album部門にノミネートされ、各曲を歌ったヴォーカリストもノミネートの対象に含まれた。ジョン・レジェンド、サラ・バレリス、アリス・クーパー、ベン・ダニエルズ、ブランドン・ヴィクター・ディクソン、ジン・ハ、ノーム・ルイス、ジェイソン・タムと並んで、グロンウォールの名も記されている。

出典: earMUSIC「Erik Grönwall from H.E.A.T is Grammy nominated for his contribution to Jesus Christ Superstar Live!」

グラミー賞ノミネートの知らせをグロンウォールが受け取ったのは、H.E.A.T.としてバルセロナのステージを降りた直後だった。本人は、これがどれほど大きな話なのか分かっていなかったことがかえって助けになった、と述べ、クニヴスタ出身の田舎町の人間には途方もなく大きな出来事だった、と表現している。

出典: earMUSIC「Erik Grönwall from H.E.A.T is Grammy nominated for his contribution to Jesus Christ Superstar Live!」

スキッド・ロウ側から声がかかった経緯を、グロンウォールの公式サイトはこう記している。かつてH.E.A.T.でスキッド・ロウの前座として英国を回ったとき、彼の歌は毎晩バンド、とりわけレイチェル・ボランに残った。2022年にスキッド・ロウが新しいシンガーを探していたとき、ボランがグロンウォールに直接連絡し、バンドに入らないかと尋ねたのだという。

出典: Erik Grönwall 公式サイト「The Short Story」

ヨナ・ティーとの関係について、グロンウォールは、一緒に働き続けるのはあまりに自然なことだったと語っている。10年にわたって世界中を回り、音源も一緒に出してきた相手で、彼にとってヨナは血のつながった兄弟のような存在だという。

出典: Erik Grönwall 公式サイト(New Horizon の項)

療養中に始めたYouTubeチャンネルは、やがてグロンウォールの活動の柱になった。公式サイトは、音楽と自分をつなぎ直すための私的な手段として始まったものが、ロック・クラシックスの解釈を通じて世界中の視聴者を集めるまでになったと記す。歌うことが同時にリハビリでもあり、世界とつながる回路でもあった、という書き方をしている。

出典: Erik Grönwall 公式サイト「The Short Story」

『Bad Bones』の日本盤クレジットによれば、演奏はグロンウォール(ヴォーカル、バッキング・ヴォーカル)、フレドリック・トマンダー(ギター、ベース、バッキング・ヴォーカル)、フィリップ・ナスルンド(ギター)、ペドロ・モヤ(ドラム)、ヨナ・ティー(キーボード)ほか。プロデュースはフレドリック・トマンダー、ミックスはエリック・モーテンソン、マスタリングはチャートメイカーズのスヴァンテ・フォースバックが担当している。

出典: キングレコード オフィシャルサイト「バッド・ボーンズ/エリック・グロンウォール」

『Bad Bones』でグロンウォールが再び組んだのは、H.E.A.T.時代からの盟友ヨナ・ティーと、NESTORの楽曲制作にも関わるプロデューサー、フレドリック・トマンダーだった。公式サイトはこの2人との再結集を、次の段階を決める素材づくりの出発点として記している。

出典: Erik Grönwall 公式サイト「The Short Story」

2009年、21歳のエリック・グロンウォールはスウェーデンのオーディション番組『Swedish Idol』で優勝した。実はこれが2度目の挑戦で、その2年前にも同じ番組に挑んでいる。2度目の年に彼が選んだのはスキッド・ロウ「18 And Life」、キッス「Shout It Out Loud」、アイアン・メイデン「Run To The Hills」、クイーン「The Show Must Go On」と、ハードロックばかりだった。

出典: BARKS「エリック・グロンウォール、オーディション番組で「18 And Life」を歌った13年後にスキッド・ロウのシンガーに」

スキッド・ロウ加入が発表された直後、グロンウォールはSiriusXMの取材で、自分はスキッド・ロウを聴いて育ったこと、セバスチャン・バックの声が自分の歌い始めた理由の一つであることを明かしている。『Swedish Idol』に出られると決まったときに「18 And Life」を選んだのはそのためで、この曲が自分にキャリアを与えてくれた、とも語っている。

出典: BARKS「エリック・グロンウォール、オーディション番組で「18 And Life」を歌った13年後にスキッド・ロウのシンガーに」

2022年、スウェーデンの朝の情報番組『Nyhetsmorgon』にゲスト出演した際、13年前の『Swedish Idol』で「18 And Life」を歌う当時のグロンウォールの映像が改めて放送された。彼がその曲を生んだバンドの正式なシンガーになった直後のことである。

出典: BARKS「エリック・グロンウォール、オーディション番組で「18 And Life」を歌った13年後にスキッド・ロウのシンガーに」

グロンウォールがH.E.A.T.で歌ったスタジオ・アルバムは4枚ある。『Address The Nation』(2012年)、『Tearing Down The Walls』(2014年)、『Into The Great Unknown』(2017年)、そして『H.E.A.T II』(2020年)で、この4枚が在籍10年のスタジオ上の記録となった。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Parts Ways With Singer ZP THEART, Enlists Ex-H.E.A.T. Frontman ERIK GRÖNWALL」

2020年10月、H.E.A.T.はグロンウォールの脱退と、初代ヴォーカリストであるケニー・レックレモの復帰を同時に発表した。バンドの創設メンバーは声明で、この10年の旅と、ともに今のH.E.A.T.を作り上げたことへの感謝を述べている。レックレモのほうは、これは汚名をすすぐ機会のようなものだと語った。

出典: BraveWords「H.E.A.T. – ERIK GRÖNWALL Departs, Original Vocalist KENNY LECKREMO Returns」

H.E.A.T.脱退にあたり、グロンウォールはこう語っている。あのバンドは自分が一人の人間として、シンガーとして、フロントマンとして育つ場所だった。メンバーは『Swedish Idol』上がりの若造を迎え入れ、自分自身よりも自分の可能性を信じてくれた。そのことに永遠に感謝している、と。

出典: BraveWords「H.E.A.T. – ERIK GRÖNWALL Departs, Original Vocalist KENNY LECKREMO Returns」

2021年3月、グロンウォールは急性リンパ性白血病と診断される。診断からほどなく彼がSNSに書いたのは、この病が治せる時代に生きていることへの感謝と、体は治療によく反応しているが長い治療になり、自分と家族にとってこれまでで最も厳しい挑戦になるだろう、という内容だった。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Parts Ways With Singer ZP THEART, Enlists Ex-H.E.A.T. Frontman ERIK GRÖNWALL」

グロンウォールが自分の骨髄移植の日として挙げているのは2021年8月12日である。2026年8月、その5年目にあたる日に彼は「5歳の誕生日」として節目を祝い、新しい血、新しい免疫、新しい人生を与えられた日だと書いている。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL Celebrates Five Years Of Cancer Remission」

移植から5年の投稿で、グロンウォールは自分の命を可能にしたものとして4つを挙げている。匿名のドナー、スウェーデンの医療制度、科学、そしてこの移植を成立させた団体トビアス・レジストレット(Tobiasregistret)である。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL Celebrates Five Years Of Cancer Remission」

移植当時、ドナーは完全な匿名だった。グロンウォールは2022年1月の取材で、世界のどこかにいる見ず知らずの誰かが自分に二度目の人生をくれたこと、その人は自分と何のつながりもなく、その細胞が誰のためのものかも知らないことを語っている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Singer And Cancer Survivor ERIK GRÖNWALL Explains Tour Postponement」

その匿名は、のちに解かれた。2026年8月の投稿でグロンウォールは、双方が合意して匿名性を解除したこと、自分の「血のきょうだい」が誰かを今は知っていて連絡を取り合っていることを明かしている。まだ直接会ってはいないが家族だと思っている、相手のプライバシーのため名前は明かさない、とも書いている。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL Celebrates Five Years Of Cancer Remission」

移植から12か月後の検査結果について、グロンウォールは2022年末の取材で、体内の細胞が100パーセント健康だという結果が出たと述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL Admits He Was 'Scared' Before Performing With SKID ROW For First Time」

治療の結果、グロンウォールの体は文字どおり作り替えられた。免疫系が新しくなり、血液型まで変わったため、予防接種を最初からやり直す必要があった。本人はこの新しい免疫系を、保育園からあらゆるウイルスを持ち帰る幼児にたとえている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: 'I Really Wanted To Still Be In SKID ROW', But 'We Couldn't Find Common Ground'」

闘病中、病室の窓から出勤する人々を眺めていたグロンウォールは、自分たちは何にそんなに急ぎ、何を追いかけているのだろう、と考えたという。そこで彼が思い出したのが、侍が拠りどころとした武士道だった。自分にも自分の掟が要ると考えた彼は、病院で自分だけの武士道を作る。その筆頭に置かれた項目が「健康が最優先」である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Tells His Story In 'To Hell & Back' Mini-Documentary」

2023年12月、グロンウォールは闘病の只中に撮った2年前の自分の写真と近影を並べてSNSに投稿した。添えた文章では、がんは誰にも勧めないと断りつつ、その闘いが自分に与えたものには感謝しており、今のほうが病気になる前より幸せだと書いている。36歳にして、時間がいかに希少な資源かを身をもって知ったから、というのがその理由である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Says He Is 'Grateful' For What His Cancer Battle Gave Him」

スキッド・ロウがグロンウォールに目を付けたのは、加入のずっと前だった。ベーシストのレイチェル・ボランは、2018年にスキッド・ロウとH.E.A.T.が一緒にツアーを回った際、毎晩楽屋で彼の歌を聴き、モニターの裏まで見に行ったと語っている。スキッド・ロウが休んでいる間に連絡を取ってサイド・プロジェクトを組みたい、とまで考えていたという。

出典: BARKS「スキッド・ロウ、数年前からエリック・グロンウォールに白羽の矢を立てていた」

ギタリストのデイヴ・スネイク・セイボによれば、ZPサートとの状況が決断を迫られる段階に来たとき、思い浮かんだのがグロンウォールの名だった。数年後、友人のロブ・ホフマンから「何かあったらスウェーデンにあの男がいる」と言われ、それが数年前に自分たちのマネージャーが口にしたのと同じ言葉だったという。

出典: BARKS「スキッド・ロウ、数年前からエリック・グロンウォールに白羽の矢を立てていた」

2022年3月23日、スキッド・ロウはZPサートとの決別と、元H.E.A.T.のグロンウォールを迎えたことを同時に発表した。バンドは声明で、新しいアルバム、新しいシングル、ワールドツアーとともに新しい声を加えた、スキッド・ロウの新時代だと述べている。実際にグロンウォールがバンドに加わったのはその年の1月で、サートは2月に最後のライブを務めていた。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Parts Ways With Singer ZP THEART, Enlists Ex-H.E.A.T. Frontman ERIK GRÖNWALL」

加入の打診は、両者が一度も会わないまま行われた。グロンウォールは、同じ部屋にいたこともない相手にシンガーをやらないかと訊いたのはバンドにとって大きな賭けだった、と振り返っている。もっとも、それをレイチェル・ボランに言うと、こちらは4人分の賭けをしている、と返されたという。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL Admits He Was 'Scared' Before Performing With SKID ROW For First Time」

加入を決めたときのグロンウォールの心構えは、意外に醒めていた。断れる話ではないと考えた上で、もし互いに合わなければそれでもいい、少なくとも1〜2週間はスキッド・ロウのシンガーだったという事実は残る、と自分に言い聞かせていたという。結果としては最初からうまく噛み合った。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL Admits He Was 'Scared' Before Performing With SKID ROW For First Time」

復帰の予定は、加入によって前倒しになった。グロンウォールは2022年6月に別の公演を控えており、それに向けて4か月かけて体を戻すつもりでいた。ところがスキッド・ロウが与えた猶予は1か月だった。2月末からリハーサルを始め、ボイス・トレーナーのもとに通い、3月末のラスベガス公演に間に合わせている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL Admits He Was 'Scared' Before Performing With SKID ROW For First Time」

2年ぶりのステージを前に、グロンウォールは自分でも「怖かった」という言葉が正しいと認めている。治療を経た体がどう反応するか分からず、白血病からスキッド・ロウへという展開そのものを処理しきれていなかった、というのがその理由である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL Admits He Was 'Scared' Before Performing With SKID ROW For First Time」

グロンウォールを迎えたスキッド・ロウの初日は2022年3月26日、ラスベガスのプラネット・ハリウッド内ザッポス・シアターだった。スコーピオンズのレジデンシー公演〈Sin City Nights〉の振替日程にサポートとして立った9曲のセットで、前日に配信されたばかりの新曲「The Gang's All Here」も披露している。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: SKID ROW Plays First Show With New Singer ERIK GRÖNWALL」

そのラスベガス公演でグロンウォールは客席に向かって、自分のキャリアを始めた曲を、その曲を作ったバンドと一緒に歌う気分がどんなものか分かるか、と語りかけた。「18 And Life」のことである。この場面にファンの一人が、映画『ロック・スター』の脚本を引用したのか、とコメントを付けたという。平凡な青年が憧れのメタル・バンドのシンガーに抜擢される、あの映画である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「New SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL On Joining His Favorite Band Months After Leukemia Diagnosis: 'It's Like A Movie Script'」

加入後の4か月は目の回る速さだった。グロンウォールは2022年夏の取材で、この間に約30本の公演をこなし、アルバムを1枚録音し、次のアルバムの作業に入り、ミュージック・ビデオも撮った、と語っている。2年在籍したような感覚なのに実際は4か月だ、とも述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「New SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL On Joining His Favorite Band Months After Leukemia Diagnosis」

闘病を支えた人として、グロンウォールは妻の名を挙げている。治療中、自分がもう諦めそうになったとき、諦めるなと厳しく言ってくれたのが彼女だった、と語る。当時は2歳半の息子が家にいて、病院から帰って息子の顔を見ることが自分の弱点だった、とも述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「New SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL On Joining His Favorite Band Months After Leukemia Diagnosis」

スキッド・ロウ加入と同時に発表されたのが、16年ぶりのスタジオ・アルバム『The Gang's All Here』だった。発売は2022年10月14日、レーベルはearMUSIC。先行するタイトル曲は3月25日に配信され、その一部は発表当日にSiriusXMの番組〈Trunk Nation With Eddie Trunk〉で世界初公開されている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Parts Ways With Singer ZP THEART, Enlists Ex-H.E.A.T. Frontman ERIK GRÖNWALL」

『The Gang's All Here』の大半はテネシー州ナッシュヴィルで録音された。プロデューサーはニック・ラスキュリネッツで、フー・ファイターズ、ラッシュ、アリス・イン・チェインズ、ハルストーム、エヴァネッセンス、ストーン・サワーらの作品を手がけてきた人物である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「New SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Says His Cancer Battle Inspired Him To Make Every Vocal Take Count」

がんとの闘いは、グロンウォールのレコーディングの姿勢そのものを変えた。本人は、自分が通ったことは憎いがそれが自分を強くした、この1テイクを何としても意味のあるものにする、という気持ちで歌うようになったと語る。ヴォーカルを録るときはその瞬間だけが全てで、できなくなるまで全力を出す、という言い方をしている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「New SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Says His Cancer Battle Inspired Him To Make Every Vocal Take Count」

『The Gang's All Here』の曲作りにグロンウォールは関わっていない。2026年の取材で本人は、送られてきた曲を聴いたとき、自分が聴いて育ったスキッド・ロウそのものに聞こえたと述べ、あのアルバムが好きだと語っている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Is Already Working On His Next Solo Album: 'I Just Wanna Keep Writing'」

グロンウォールの歌の出発点には、はっきりした手本がいる。本人が挙げるのはボン・スコット、セバスチャン・バック、ロバート・プラントで、歌い始めた頃はこの人たちのように歌いたかったという。とりわけスキッド・ロウの『Slave To The Grind』は、バックのように歌いたくて数えきれないほど聴いたと語っている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Is Already Working On His Next Solo Album」

オリジナル・ラインナップを好むファンがいることについて、グロンウォールは正面から理解を示している。自分もファンとしては、このバンドはオリジナルの編成で聴きたい、と思うバンドがある。だからその見方はよく分かる、と語る。その上で、自分たちには自分たちの良いものがあったと述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Is Already Working On His Next Solo Album」

2023年5月、オーストラリア・ツアー中にグロンウォールがインフルエンザ様の症状で倒れる。ブリスベン公演は中止となったが、5月19日のシドニーは強行した。ところが1曲目「Slave To The Grind」を終えた時点で無理だと悟り、演奏を止めてメンバーと楽屋で対策を話し合い、その上で最後まで演奏している。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW's ERIK GRÖNWALL Opens Up About Australian And Japanese Tour Cancelations: 'Health Always Comes First'」

2023年9月にも同じことが起きている。9月8日にニュージャージー州モントクレアのウェルモント・シアターで良い公演をしたあと、翌朝目覚めると声が完全に出なくなっていた。ウォームアップすらできず、直前まで粘ったが公演は延期となる。バンドはバックチェリーとの北米第3レグを翌年へ、2公演を9月下旬へ振り替えた。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Singer And Cancer Survivor ERIK GRÖNWALL Explains Tour Postponement: 'I Need More Time To Recover'」

この延期のとき、グロンウォールは自分の体の事情を数字で説明している。移植から2年、免疫系は2歳、抵抗力を作り直すには時間がかかる。そして、移植から半年でスキッド・ロウのツアーに出たことは決して標準的なことではなかった、と述べた。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW Singer And Cancer Survivor ERIK GRÖNWALL Explains Tour Postponement」

2024年3月27日、グロンウォールはスキッド・ロウ脱退を自身のSNSで発表した。理由は、バンドのリード・シンガーを務めながら健康と完全な回復を優先することが難しいと分かったからである。2021年の治療が自分に「視点」という力をくれた、そのときに書き出した価値観の一覧の筆頭が「健康第一」であり、この1年その一覧を何度も見返して、自分は価値観どおりに生きていないと気づいた、と説明している。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: Why I Decided To Leave SKID ROW」

脱退声明でグロンウォールは、自分は病気ではないこと、ツアーが嫌になったわけでもないことをわざわざ断っている。移動そのものは好きだ、バランスを見つけようと一緒に試みもした、その上で身を引くほうが自分にとって良いと判断した、という順序である。声明は、スキッド・ロウを愛しているがそれ以上に自分の健康を愛し、敬っている、という言い方で結ばれている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: Why I Decided To Leave SKID ROW」

スキッド・ロウ側も同日に声明を出している。この2年でエリックとともに作り上げ、成し遂げたことを誇りに思う、彼と彼の健康にとって最善を願う、という内容だった。バンドはあわせて、この2年間を捉えたライブ・アルバムをまもなく発表するとも述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: Why I Decided To Leave SKID ROW」

脱退の2か月後、スキッド・ロウの4公演でリード・ヴォーカルを執ったのはハルストームのリジー・ヘイルだった。2024年5月17日から6月1日にかけての北米4公演で、イリノイ、アイオワ、ネヴァダ、カリフォルニアを回っている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: Why I Decided To Leave SKID ROW」

ツアーの量をめぐる話し合いは、脱退の2年前から始まっていた。グロンウォールは2024年の映像メッセージで、より良いバランスを求めて最初に切り出したのは2022年だったと述べている。昨日思いついた話ではない、長いあいだ考えてきたことだ、という言い方をしている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW's DAVE 'SNAKE' SABO Explains The Band's Split With Singer ERIK GRÖNWALL」

グロンウォールがバンドに出した提案は具体的だった。移動を含めて3週間ツアーに出て1か月休む、それを繰り返す。回復のための間隔がほしかったのであって、ツアーを一切しないという話ではない、と本人は繰り返し説明している。しかしバンド側はこれを実行可能とは考えず、合意には至らなかった。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: 'I Really Wanted To Still Be In SKID ROW', But 'We Couldn't Find Common Ground'」

この決定を、グロンウォールは自分自身への約束として説明している。あのとき病院にいた人間に敬意を払うため、そして自分の価値観に従うために出した結論だった、と語る。バンドにいることでそれができないと感じたとき、決断するしかなかったという。可能なら残っていた、とも述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: 'I Really Wanted To Still Be In SKID ROW', But 'We Couldn't Find Common Ground'」

スキッド・ロウとの関係について、グロンウォールは自分が雇われの歌手扱いされたことは一度もなかったと語っている。初日から民主的で、自分はバンドの一員だった。互いに大きなリスクを取り、互いに価値を足し合った、良い関係だった、という総括をしている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL Looks Back On His Time With SKID ROW: 'I Still Think We Were So Good For Each Other'」

バンド側からの説明も残っている。ギタリストのデイヴ・スネイク・セイボは2024年の取材で、寛解して体力が戻ってきたグロンウォールがすぐにでも歌いたがっていたこと、そこでバンドから「新しいレコードを録ったから歌ってくれないか」と連絡したこと、ツアーが始まってみると彼の体調がまだ戻っていないのは早い段階から分かっていたこと、そして折り合いを探ったが健康面でもバンドの経済面でも成立しなかったことを述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW's DAVE 'SNAKE' SABO Explains The Band's Split With Singer ERIK GRÖNWALL」

グロンウォール在籍時の記録として残ったのが、スキッド・ロウにとって初の公式ライブ・アルバム『Live In London』である。収録は2022年10月24日、ロンドンのO2フォーラム・ケンティッシュ・タウン公演。2024年9月20日にearMUSICから2枚組アナログとCD/DVDのデジパックで発売された。セイボは、彼の健康問題と現在の状況を思うと、あのとき記録しておいて本当に良かったと語っている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW's DAVE 'SNAKE' SABO Explains The Band's Split With Singer ERIK GRÖNWALL」

脱退から2年たった2026年、グロンウォールは元メンバーとの現在の距離をこう語っている。ギタリストのスネイクとはテキストのやり取りが少しあり、彼がいないのは寂しい。ほかの面々とはほとんど話していない。良い関係が築けていただけに、終わり方が急すぎたように感じる、と。

出典: Louder(Classic Rock)「Erik Grönwall interview: Leaving Skid Row and Bad Bones」(文:デイヴ・エヴァリー)

スキッド・ロウを離れたグロンウォールを迎えたのが、マイケル・シェンカーだった。2024年のアルバム『My Years With UFO』でグロンウォールはUFOの「Mother Mary」を歌っており、この曲にはガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュもギターで参加している。先行シングルとして2024年6月19日に公開された。

出典: BLABBERMOUTH.NET「MICHAEL SCHENKER Shares 'Mother Mary' Single Featuring SLASH And ERIK GRÖNWALL」

『My Years With UFO』は、シェンカーがUFOに在籍した1972年から1978年までの50周年を記念した企画で、当時の代表曲11曲を豪華なゲスト陣で歌い直したものだった。アクセル・ローズ、スラッシュ、カイ・ハンセン、ロジャー・グローヴァー、ジョーイ・テンペスト、ビフ・バイフォード、ジェフ・スコット・ソート、ジョン・ノーラム、ディー・スナイダー、ジョー・リン・ターナーらが名を連ね、その一人としてグロンウォールが参加している。

出典: BLABBERMOUTH.NET「MICHAEL SCHENKER Shares 'Mother Mary' Single Featuring SLASH And ERIK GRÖNWALL」

グロンウォールがマイケル・シェンカーのバンドで初めてステージに立ったのは2025年4月9日、オランダ・ズーテルメーアのデ・ブーデレイだった。『My Years With UFO』を携えた春の欧州ツアーの初日で、セットは「Natural Thing」「Only You Can Rock Me」「Hot 'N' Ready」「Doctor Doctor」といったUFO時代の曲で組まれていた。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Plays First Show With Legendary Guitarist MICHAEL SCHENKER」

2025年5月4日、グロンウォールはシェンカーの欧州ツアーを途中で離れ、スウェーデンへ帰国した。4月17日のウィーン公演の20分前に家族から連絡が入り、父が左脚が立たなくなって救急搬送されたという知らせだった。父は心臓手術を受けることになり、彼はマドリードとバルセロナの公演を欠場する。代役はロベルト・ディミトリ・リアパキス。彼は自分の投稿で、いま自分は演者としてではなく息子として居なければならない、と書いている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL Leaves MICHAEL SCHENKER's European Tour To Be With His Ailing Father」

2025年5月23日、グロンウォールはマドリードのラ・リビエラでH.E.A.T.のステージに飛び入りし、「Breaking The Silence」「Inferno」「Living On The Run」の3曲を歌った。この公演はDVDとBlu-ray化を前提に本格収録されていた日だった。脱退から4年半ぶりの共演である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Rejoins H.E.A.T On Stage In Madrid」

マイケル・シェンカーとの仕事は1曲では終わらなかった。2024年8月、シェンカーは取材で、次のマイケル・シェンカー・グループ作『Don't Sell Your Soul』では大半の曲をグロンウォールが歌うと明かしている。同作は2023年6月にスタジオ入りして書き上げられた3枚のうちの1枚だった。

出典: BLABBERMOUTH.NET「MICHAEL SCHENKER Says Next MSG Album Will Feature Ex-SKID ROW Frontman ERIK GRÖNWALL On Most Of The Songs」

『Don't Sell Your Soul』は2025年10月3日にearMUSICから発売された。発表の場は同年のヴァッケン・オープン・エアで、7月31日のステージ最後にタイトル曲を世界初披露するという形を取っている。リード・ヴォーカルはグロンウォール、ゲスト・ヴォーカルにロビン・マッコーリー、ロベルト・ディミトリ・リアパキス、マイケル・ヴォスが加わった。

出典: BLABBERMOUTH.NET「MICHAEL SCHENKER GROUP Announces New Album 'Don't Sell Your Soul', Shares Title Track」

シェンカーのツアーに出ることをグロンウォールが最初に語ったのは、2024年9月20日の自身のYouTubeライブ配信だった。翌年に欧州を回ること、『My Years With UFO』で1曲歌ったこと、そしてまたあのステージに戻れるのを楽しみにしていることを話している。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Performs UFO Classics With MICHAEL SCHENKER In Kraków」

シェンカーのツアーに出ることを決めたのは、条件が違ったからだった。グロンウォールによれば、自分の病歴を伝えたときシェンカーは、休みたい日があってもいいように代役のシンガーを用意しておく、と答えたという。それで安心してツアーに戻れた。シェンカーは解決策を見つけるのがうまい人だ、というのが本人の評である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「ERIK GRÖNWALL: 'I Really Wanted To Still Be In SKID ROW', But 'We Couldn't Find Common Ground'」

シェンカーの人となりについて、グロンウォールは非常に率直な人だと語っている。何を望んでいるかをそのまま言う。日本へ飛ぶ機内で全員が時差ぼけに参っているとき、シェンカーだけは、時差ぼけは眠らずに済むから好きだ、そのぶん多くのことができる、と言っていたという。

出典: Louder(Classic Rock)「Erik Grönwall interview: Leaving Skid Row and Bad Bones」(文:デイヴ・エヴァリー)

H.E.A.T.を離れたグロンウォールが次に組んだのは、同じくH.E.A.T.出身のキーボーディスト兼ソングライター、ヨナ・ティーだった。二人が始めたパワーメタル・プロジェクトがNew Horizonで、デビュー作『Gate Of The Gods』は2022年3月11日にフロンティアーズ・ミュージックからCD、アナログ、デジタルでリリースされた。

出典: BraveWords「NEW HORIZON To Release Debut Album, Gate Of The Gods, In March; Stronger Than Steel Music Video Posted」

New Horizonは、もともと複数のシンガーを立てる構想で始まっている。それが変わったのは、グロンウォールが2曲を録りにスタジオへ来たときだった。ティーが書いていた曲は彼の声に恐ろしいほど合い、その2曲を録り終えた時点で二人は将来を語り始めた。プロジェクトはバンドらしい形へと組み替えられている。

出典: BraveWords「NEW HORIZON To Release Debut Album, Gate Of The Gods, In March」

『Gate Of The Gods』にはゲストが集まった。ロバン・ベック(ムスタッシュ)、サム・トットマン(ドラゴンフォース)、ラヴ・マグヌッソン(ダイナスティ)、デイヴ・ダローン(H.E.A.T.)、ニコ・ヴオレラ(テンプル・ボールズ)、ラウチャ・フィゲロアが名を連ねている。

出典: BraveWords「NEW HORIZON To Release Debut Album, Gate Of The Gods, In March」

2023年4月23日、グロンウォールはYouTubeチャンネルの登録者4万人到達を記念してライブ配信を行った。2部構成のインタビューと、ボブ・シーガー「Old Time Rock & Roll」、ディープ・パープル「Child In Time」、4ノン・ブロンズ「What's Up」、CCR「Travelin' Band」といったカバーのアコースティック・セットで、H.E.A.T.のギタリスト、デイヴ・ダローンが加わっている。

出典: BraveWords「SKID ROW Frontman ERIK GRÖNWALL Celebrates Hitting 40,000 YouTube Channel Subscribers Mark With Livestream Acoustic Set」

2023年、グロンウォールはアイアン・メイデン「Run To The Hills」を新たに録り直して公開した。2009年の『Swedish Idol』でライブ演奏した曲を、いま改めて訪ね直す時期だと考えたという。ベース以外の楽器はフィリップ・ネスルンドが演奏し、ベースはリッキー・ボナッツァ、映像はヤコブ・ヤコブソン・ブロムが担当している。

出典: BraveWords「SKID ROW Frontman ERIK GRÖNWALL Celebrates Hitting 40,000 YouTube Channel Subscribers Mark With Livestream Acoustic Set」

2023年9月に公開されたボン・ジョヴィ「Livin' On A Prayer」のカバーは、プロデュースと全楽器をヨナ・ティーが一人で担当している。H.E.A.T.時代からの相棒は、この時期のグロンウォールのカバー作品でも裏方を務めていた。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW's ERIK GRÖNWALL Covers BON JOVI's 'Livin' On A Prayer'」

スキッド・ロウ加入後、グロンウォールはファンの反応を3種類に分けて説明したことがある。カリフォルニア公演のあと、彼のところへ来て「セバスチャン、まだいけるね」と声をかけた人がいた。セバスチャン・バックがまだ在籍していると思っているファンもいれば、経緯を全部知っているファンもいる、という分け方である。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW's ERIK GRÖNWALL Covers BON JOVI's 'Livin' On A Prayer'」

オリジナル編成を望む声について、グロンウォールは自分もAC/DCならボン・スコット派だと明かした上で、その気持ちは分かると述べている。むしろ、これだけ多くの人がバンドについて語り、議論していること自体が特権だ、多くのバンドがそれを喉から手が出るほど欲しがっている、という見方を示した。

出典: BLABBERMOUTH.NET「SKID ROW's ERIK GRÖNWALL Covers BON JOVI's 'Livin' On A Prayer'」

『Eriksplanations』は、YouTubeチャンネルで反響の大きかったカバーを集めたシリーズである。限定のサイン入りアナログ盤という形で出され、Vol.1は2023年発売。アナログは1か月足らずで完売し、その後デジタル配信でも聴けるようになった。収録されたのは「Rainbow In The Dark」「Headless Cross」「Hallowed Be Thy Name」「Love Gun」「Chandelier」「Separate Ways」などである。

出典: BraveWords「SKID ROW Frontman ERIK GRÖNWALL's Eriksplanations Covers Album Now Available On All Digital Platforms」

『Eriksplanations Vol. 2』は2025年3月に配信された。2年ほどの間にYouTubeへ上げたカバーを集めたもので、ジューダス・プリースト「Painkiller」、モトリー・クルー「Kickstart My Heart」、AC/DC「Girls Got Rhythm」、ボン・ジョヴィ「Livin' On A Prayer」、ジャーニー「Faithfully」、ホワイトスネイク「Still Of The Night」、ブラック・サバス「Neon Knights」、マライア・キャリー「Without You」が並ぶ。ハロウィン「Eagle Fly Free」にはカイ・ハンセンとティム・ハンセンが参加している。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL Releases Eriksplanations Vol. 2 Covers Album Featuring JUDAS PRIEST, HELLOWEEN, WHITESNAKE, JOURNEY Classics And More」

『Eriksplanations Vol. 3』は2025年12月5日に発売された。「Rising Force」「Poison」「House of The Rising Sun」「God's Gonna Cut You Down」「I Will Always Love You」「Highway Star」「Sabbath Bloody Sabbath」「Hallelujah」「All By Myself」「The Final Countdown」の10曲。予約開始時のグロンウォールの投稿によれば、Vol.1と2は完売しており、自分の曲に集中するのでこれがシリーズ最後になるかもしれない、ただしまだ決めていない、とのことだった。

出典: Sleaze Roxx「Erik Grönwall to release third covers album 'Eriksplanations Vol. 3' on December 5th」

『Eriksplanations Vol. 3』に入ったEUROPE「The Final Countdown」は、原曲の高揚感をそのまま裏返した解釈だった。本人が「暗くゆっくり」と表現したこのカバーの映像は、ストックホルム空港の北およそ20キロにある地元の古城ノールス・スロットで撮影されている。

出典: Louder「Former Skid Row singer Erik Grönwall has taken Europe's euphoric anthem The Final Countdown and made it "slow and dark"」

スキッド・ロウを離れてからのグロンウォールは、カバーを次々と発表していった。エアロスミス「Dream On」、エイミー・ワインハウス「Rehab」、リンキン・パーク「Numb」、ジョン・ファーナム「You're The Voice」、アニマルズ「House Of The Rising Sun」、ブラック・サバス「Sabbath Bloody Sabbath」と続き、EUROPE「The Final Countdown」もその流れの中にある。

出典: Louder「Former Skid Row singer Erik Grönwall has taken Europe's euphoric anthem The Final Countdown and made it "slow and dark"」

グロンウォールは自伝『Power』を書いている。スウェーデン語版はハーパーコリンズ・ノルディックから2024年9月12日刊行の予定で発表され、生い立ちから『Idol』出演、白血病の発症と回復、そしてスキッド・ロウのフロントマンになるまでを追った内容だという。2024年春にバンドを離れた決断も、闘病中に定めた価値観に従うものとして扱われている。

出典: BraveWords「Former SKID ROW Vocalist ERIK GRÖNWALL Reveals Details Of His New Book, Power」

自伝の紹介文は、グロンウォールがスウェーデンで広く知られるようになった出来事として2009年の『Idol』優勝を挙げ、その際のシングル「Higher」が3週間でゴールドに達したと記している。

出典: BraveWords「Former SKID ROW Vocalist ERIK GRÖNWALL Reveals Details Of His New Book, Power」

自伝の紹介文には、彼の現在の暮らしも短く記されている。1987年生まれ、ストックホルム郊外のクニヴスタに住み、家族は妻と当時4歳の息子である。

出典: BraveWords「Former SKID ROW Vocalist ERIK GRÖNWALL Reveals Details Of His New Book, Power」

自伝の英語版はハーパーコリンズから出た。当初は2024年11月21日の発送予定だったが、12月6日へ約2週間ずれている。理由は本人の説明によれば、最初の翻訳を読んだときに、自分の語り口と意図を正しく映すには言い回しの調整が要ると判断したためだった。翻訳者の仕事は核心をよく捉えていたが、自分の言葉に感じられるようにもう少し時間をかけた、と述べている。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL – English Edition Of Former SKID ROW Vocalist's Autobiography Delayed Until December」

英語版と同時期に、グロンウォールは自分でナレーションを吹き込んだ英語のオーディオブックも用意した。スウェーデン語版と英語版の紙の本が版元の管理下にあるのに対し、この英語オーディオブックはより独立した企画で、こういうことをするのは初めてで自分の快適圏の外だ、と本人は書いている。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL – English Edition Of Former SKID ROW Vocalist's Autobiography Delayed Until December」

自伝を出すことについて、グロンウォールは自分でも意外だったと語っている。36歳で自伝を書くとは思っていなかった、ただ、人生の3分の1ほどの時間で2回分の人生を生きたように感じることがある、というのがその理由だった。苦しんでいる人に希望を渡せるなら、病気のあとの人生はむしろ以前より良くなり得ると伝えたい、とも述べている。

出典: BraveWords「Former SKID ROW Vocalist ERIK GRÖNWALL Reveals Details Of His New Book, Power」

2026年5月22日に発売された『Bad Bones』は、グロンウォールにとって初めて全曲オリジナルで組まれたソロ・アルバムである。ソロ名義としては16年ぶりの新作でもあった。発表は同年2月27日で、タイトル曲が同時に公開されている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Former SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Announces 'Bad Bones' Solo Album, Shares Title Track」

『Bad Bones』というタイトルを骨髄移植と結びつけて読んだ人がいた。本人はそれを否定している。彼にとってこの言葉は、これが自分だ、自分はこう出来ている、どいてくれ、こちらが行く、という宣言に近い。自分は権威というものが苦手で、人に期待されたとおりに振る舞おうとしたことがない、と語っている。

出典: Louder(Classic Rock)「Erik Grönwall interview: Leaving Skid Row and Bad Bones」(文:デイヴ・エヴァリー)

『Bad Bones』の3枚目のシングル「Praying For A Miracle」について、グロンウォールは、制御を失って最後の一度に全てが懸かり、ただしがみついて願うしかない状態を歌ったものだと説明している。自分にとってきわめて個人的な曲で、骨髄移植から5か月後にスキッド・ロウとして初めてステージに立ったあの瞬間に引き戻される、とも述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Releases Music Video For 'Praying For A Miracle' Single From Upcoming 'Bad Bones' Solo Album」

アルバムの内容について、グロンウォールはフィンランドのChaoszineに、直近の5〜6年、白血病と診断された人生で最も暗い瞬間を起点にした作品だと説明している。この5年に起きたことを処理する手立てだった、ソロ名義でやる以上は個人的で正直なものでなければならなかった、という言い方をしている。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL Talks Debut Solo Album – "It's Been A Way To Process Pretty Much Everything That's Been Going On For The Last Five Years"」

2009年のソロ・デビュー作について、グロンウォールは後年、あれは自分のアルバムというよりソニー・ミュージックのアルバムだったと振り返っている。当時は自分が何をやりたいのかも分かっておらず、クリスマス商戦に間に合わせるために急いで出した、心から出たものではなかった、という総括である。その上で、『Bad Bones』ほど誇れるアルバムはこれまでなかったと述べている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Tells His Story In 'To Hell & Back' Mini-Documentary」

自分が何者なのかを探る作業の末に、グロンウォールが行き着いた答えは単純だった。アーティストとしての自分は、これまでやってきたことの総和である。H.E.A.T.、スキッド・ロウ、マイケル・シェンカー——その全部が自分だ、というものである。制作にはたっぷり時間をかけ、ヨナ・ティーが隣にいて、あれこれ試しては違うと退ける作業を重ねたという。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Tells His Story In 'To Hell & Back' Mini-Documentary」

『Bad Bones』の発売前後、地元ストックホルムのシルクスで組まれた2公演は数か月前に完売した。日程は2026年5月25日と26日で、アルバム発売の直後にあたる。以降はスカンジナビアとヨーロッパ各地のフェス出演が続いた。

出典: BraveWords「ERIK GRÖNWALL Releases New Single "Born To Break"; Official Video Streaming」

アルバム発売の1週間前、2026年5月15日に7分間のミニ・ドキュメンタリー『To Hell & Back』が公開された。『Bad Bones』に至るまでの道のりを追ったもので、生き延びること、そして音楽と曲作りへの愛を取り戻すことを主題にしている。

出典: BLABBERMOUTH.NET「Watch: Ex-SKID ROW Singer ERIK GRÖNWALL Tells His Story In 'To Hell & Back' Mini-Documentary」