BABYMETAL トリビア 全27件
BABYMETALにまつわる事実を、出典付きで27件掲載しています。
Trivia
BABYMETALは、独立したバンドとして立ち上がったのではない。2010年、アイドルグループ・さくら学院の部活動ユニット「重音部」として始動したのが出発点である。初期のインタビューでYUIMETALが、BABYMETALは放課後の部活動ユニットなのでそれを強調するためにマニキュアを塗ったりメイクを濃くしたりしている、と説明しているとおり、部活動という設定は当時の見せ方にも及んでいた。
「BABYMETAL DEATH」がどう発注された曲なのかを、プロデューサーのKOBAMETALが明かしている。テーマは「ライブのオープニング曲を作ろう」で、イメージとして伝えたのは「神を降臨させる儀式の曲」。シンフォニックメタルとデス&スラッシュメタルを組み合わせることをアレンジャーのゆよゆっぺに依頼し、曲の構成自体はメタルを知っている人が聴けばニヤリとできるよう、定番のフレーズをあちこちに入れてもらったという。歌詞がメンバー名に「DEATH」を付けただけなのは、自己紹介の曲にしたかったからで、KOBAMETALはそのイメージをBABYMETAL版「ミッキーマウス・マーチ」と表現している。
振付を担当しているのはMIKIKOで、Perfumeの振付を手掛けているコレオグラファーである。ただし振りが一方的に与えられているわけではなく、メンバーがふざけて踊っていた動きをMIKIKOが気に入り、そのまま採用されることもあるという。ステージに立つ前の習慣は3人で円陣を組むこと。SU-METALは初期の取材で、目標はライブを観た人に「なんじゃこりゃ!?」と思わせつつ「でも面白いからもう1回観たい」と感じてもらうことだ、と語っている。
初のワールドツアーは2014年の夏に行われた。イギリスの大型フェス「Sonisphere Festival UK」ではメインステージで6万5000人の観衆を集め、アメリカではレディー・ガガの北米ツアー5公演でサポートアクトを務めている。デビュー・アルバム『BABYMETAL』が全米ビルボードの総合チャートに入ったのと同じ年のことだった。
全米ビルボード200での順位は、作品ごとにはっきりと上がってきた。2014年のデビュー作『BABYMETAL』は最高187位。2016年の『METAL RESISTANCE』が39位で、日本人アーティストとして53年ぶりのTOP40入りとなった。2019年の『METAL GALAXY』は13位で、同時にビルボードのTop Rock Albumsチャートでアジアのバンドとして初の1位を獲得している。このときの初週は28,000ユニットで、うち27,000がフィジカル、1,000がストリーミング換算だった(『METAL RESISTANCE』の初週は13,000弱)。そして2025年の『METAL FORTH』が9位に入り、日本のバンドとして初めてビルボード200のTOP10に到達した。
2016年4月、BABYMETALはイギリスのウェンブリー・アリーナで日本人アーティストとして初のワンマン公演を行った。同じ月に2作目『METAL RESISTANCE』を発売し、同年9月にはワールドツアーのファイナルとして東京ドーム2DAYSを開催、2日間で計11万人を動員している。
2019年のGlastonbury Festivalへの出演には、変わった事情があった。参加が決まったのがかなり遅いタイミングだったため、ファンはチケットを買うことができなかったのだという。メタルのアーティストが多く出るフェスではないのでアウェイかもしれないと身構えていたが、同じ年に同じステージで、BABYMETALの次の出番がBRING ME THE HORIZONだった。SU-METALは、彼らのステージを観てメタル・フェス以外の場所でもやれるのだと思えた、と振り返っている。
BRING ME THE HORIZONとの関係は、授賞式から始まっている。2015年の「Relentless Kerrang! Awards」でBABYMETALがThe Spirit Of Independence Award、BMTHがBest British Bandを受賞した回に初めて顔を合わせ、以降フェスで会うたびに話すようになった。2020年のコラボ「Kingslayer」はBMTH側からのオファーで、歌うパートも最初から指定されていたのだが、SU-METALは自分が歌う箇所が多すぎるのではないか、BMTHの曲なのにサビを自分が歌ってよいのかと戸惑ったという。コロナ禍で直接会えず、音源を送り合いながら仕上げた。日本語のパートを入れてほしいという要望もあり、曲の最後の台詞は複数のバージョンを録っている。BABYMETALがライブ活動を封印していた期間も、BMTHはフェスでこの曲を演奏し続けていた。
2018年10月19日、BABYMETALはYUIMETALが離れることをオフィシャルサイトで発表した。彼女は前年12月の広島公演を体調不良で欠席して以来、BABYMETALでの活動を休止しており、メンバーとスタッフは本人の復帰の希望を受けて、10月23日から始まるジャパンツアーへの出演に向けて準備を続けていた。しかし最終的に本人の意向で日本公演への出演を見送り、グループを離れることになったと説明されている。YUIMETALはオリジナル・メンバーで、在籍は8年間だった。水野由結名義で出したコメントでは、もう一度ステージに立ちたいという思いはあったものの体調が万全でないこと、そして以前からの自分の夢に向かって進みたい気持ちがあったことを、決断の理由として挙げている。
結成10周年にあたる2020年12月、BABYMETALは初のベストアルバム『10 BABYMETAL YEARS』を発売した。続く2021年1月から4月にかけては、東京・日本武道館で「10 BABYMETAL BUDOKAN」と銘打ったワンマン公演を10回行っている。そして同年10月10日をもって、ライブ活動を封印した。
封印からの復帰は、3段階を踏んで行われた。まず2022年4月1日、バーチャル空間「METALVERSE」を通じて、知られていなかったBABYMETALを復元させるという「THE OTHER ONE」計画が始動する。次に2023年1月28日と29日、封印を解くライブ「BABYMETAL RETURNS - THE OTHER ONE -」が開催された。そして同年4月1日と2日のぴあアリーナMM公演「BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE -」で、SU-METAL、MOAMETAL、MOMOMETALの3人体制が始まっている。MOAMETALはその4か月後の取材で、新しいグループに生まれ変わった感覚が強いと語っていた。
『THE OTHER ONE』はBABYMETAL初のコンセプトアルバムで、「我々の知らなかったBABYMETALの楽曲を復元させた」という位置付けを持つ。時空を超えて存在するとされる10個のパラレルワールドが10曲に投影されており、各曲にはTHRONE(王位)、CAVALRY(騎兵)、MIRROR(鏡)、ILLUSION(幻想)、TRANSITION(移り変わり)、SMOKE(煙)、COFFIN(棺)といったテーマ語が与えられている。2曲目の「Divine Attack - 神撃 -」は、SU-METALが初めて作詞に携わった曲であり、アルバムからのリードトラック第1弾でもあった。
2025年、BABYMETALはアメリカに活動拠点となる会社「BABYMETAL WORLD LLC」を設立し、ハリウッドに本社を置くキャピトル・レコードとグローバルレーベルパートナー契約を結んだ。SU-METALはこれをBABYMETALの“Season2”の始まりであり、海外に本格的に挑戦する意思表明だと表現している。ここ2、3年で海外の反響が大きくなり、リスナーの年齢層も若い方向に広がっていたことが背景にあった。同じ年の『METAL FORTH』は全世界同時リリースで、当初は6月13日発売の予定だったが8月8日に延期されている。
『METAL FORTH』に入っているElectric Callboyとの共作「RATATATA」の制作では、「フーフー!」というかけ声をめぐって議論になった。BABYMETAL側はどうしても入れたかったが、Electric Callboy側は「なんでフーフーなの」「ドイツ人には分からない」と反応し、減らしたがったのだという。話し合いはミュージック・ビデオの撮影当日まで続いた。決着がついたのは日本のイベント「FOX_FEST」で、観客が盛大に「フーフー」とやってみせたのを見たElectric Callboyが納得したからだった。両者はドイツの「Rock am Ring 2024」でも共演している。
新曲を初披露するまでに、3人は100回ほど踊り込む。MOAMETALは、そこまでやるのは観てもらうときに「余裕そう」と思えるくらいまで仕上げるためだと説明している。リハーサルはヒーヒー言いながらで、3人で毎日のように練習するのは、1人だと心が折れるからだという。
2014年3月に行われた東京・日本武道館での2DAYS単独公演は、女性アーティスト史上最年少での武道館単独公演という記録になった。
メジャーデビュー・シングルになった「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は、その時点での新曲ではない。結成間もない2010年からライブで歌われてきた看板曲で、シングルとして世に出たのは2013年1月9日だった。SU-METALのストレートなヴォーカルと、YUIMETALとMOAMETALのコミカルなコーラス&スクリームを、メロディックスピードメタルのサウンドに乗せてイジメ撲滅を訴える曲である。
「Catch me if you can」は、歌割りを決めないままレコーディングに入った曲である。歌詞を録音のギリギリまで書いていたため誰がどこを歌うかが固まっておらず、録りながら「このパートは○○が歌ってみよう」と試していったのだという。Aメロについては、鬼ごっこをしているYUIMETALとMOAMETALが土管の中に隠れてニヤニヤしている、という具体的な絵をもとに作られた。しかも2人には意図的にディレクションをせず「自由に歌って」とだけ伝えている。フリーな状態から生まれる偶然の産物に期待した、というのがKOBAMETALの説明である。なお音の方向性は先に決まっており、インダストリアルメタルとデジロックというテーマが先で、歌詞のテーマは後から考えられた。
初期のサウンドは複数の作家が分担して作っていた。「ヘドバンギャー!!」はEDOMETALとNARASAKIが手掛け、そのカップリング「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」でゆよゆっぺが初めてBABYMETALの仕事に加わっている。NARASAKIは、SU-METALの声は張ったときの高音域が美しいのでそれを生かせる曲になるよう心掛け、YUIMETALとMOAMETALについては子供らしさとかわいらしさを引き出すことを考えていると述べている。BABYMETALの曲は毎回コンセプトに基づいて作られるためイメージはつかみやすく、難産なのはむしろプロデューサー陣とのイメージのすり合わせのほうだ、というのが彼の言だった。
「イジメ、ダメ、ゼッタイ」には、YUIMETALとMOAMETALがステージの端から端までかけっこをする場面がある。2012年の対談でYUIMETAL自身がそう説明しており、同じ場でMOAMETALは3人とも当時中学生だと話している。キツネサインやヘドバンといった、必ずやるポーズや動きがあることも同じ対談で本人たちが挙げていた。
2019年、BABYMETALはロサンゼルスのThe Forumでバンド初のヘッドライナー・アリーナ公演を行っている。同じ年の『METAL GALAXY』でビルボードの記録を更新した時期の出来事である。
3人体制になって最初に出たツアーは、自分たちのものではなかった。2023年4月のぴあアリーナMM公演を終えるとすぐ、SABATONの「THE TOUR TO END ALL TOURS」にスペシャル・ゲストとしてヨーロッパを回っている。SABATON、LORDI、BABYMETALという顔ぶれのツアーだった。ワールドツアーはコロナ禍前の2020年以来3年ぶりで、待っている人がいるのかも分からない手探りの状態だったところへSABATONから声がかかった、というのがSU-METALの説明である。続けてアジアとオーストラリアも回り、オーストラリアは初めて、インドネシアは10年ぶりだった。
3人体制になって最初の新曲「メタり!! (feat. Tom Morello)」は、「メタ村の夏祭り」をテーマにした曲である。RAGE AGAINST THE MACHINEのトム・モレロがギターで参加した。SU-METALはこの曲のレコーディングで苦戦しなかった理由を、「PA PA YA!! (feat. F.HERO)」と「メギツネ」のいいところ取りをした曲だと感じたからだと説明している。ワールドツアーで「PA PA YA!!」を歌い続けるうちに歌い方がどんどんオラオラした方向になり、「メギツネ」の民謡のような歌い方もライブの中で習得してきた。その両方を自然に出せた、というのが本人の弁である。
『METAL FORTH』の「from me to u feat. Poppy」を作ったのは、BRING ME THE HORIZONの元メンバーであるジョーダン・フィッシュである。彼がバンドに在籍していた頃から「コラボしようね」と話しており、構想自体はかなり前からあったという。Poppyとは別々に撮影したためMVの現場では会えていないが、SU-METALはそれ以前にブラジルのフェスで彼女と会っており、楽屋で少し話した際に「あなたたちのファンだ」と言われている。この曲のMVは、BABYMETALとしては珍しくダンスがメインになっている。
『METAL FORTH』の「Song 3(BABYMETAL x Slaughter to Prevail)」は、“3”をテーマにした曲である。数え歌のように「1,2,3」を連呼し、曲の長さも3分33秒にこだわった。歌の配分も普段と逆で、SU-METALが歌うのはサビ程度、本人いわく4行ほどしかない。代わりに大量に入っているのがMOMOMETALのデスボイスで、1番が彼女、2番がSlaughter to Prevailのアレックス、以降は交互に掛け合う構成になっている。
『METAL FORTH』の「Kon! Kon!(feat. Bloodywood)」は、インドのヘヴィメタルバンドBloodywoodが作ったオケにBABYMETALが歌詞を乗せる形で作られた。SU-METALは最初にオケだけを聴いたときの印象を「すっごいインド」だったと語っているが、そこに妖怪をテーマにした歌詞が乗ると急に日本らしくなり、さらにダンスが入るとボリウッド感が強く出るのだという。振付にあたってはインドのダンスを研究したが、独特な動きが多く慣れるのが大変で、中腰になる動きが多いため体力的にもハードな曲になった。ヒンディー語のラップも入っている。
『METAL FORTH』の「White Flame -白炎-」は、「紅月」「Amore」に続くメロディックスピードメタルの系列にあたる曲で、SU-METALによれば“紅”“蒼”に次ぐ“白”である。作詞はSU-METALで、テーマは「白い太陽」。太陽は直視できないけれど、その光を見たいという気持ちをメロディックスピードメタルで表現したかったのだという。歌詞はシンプルで短いフレーズを意識して書かれている。