CYNTIA

2010年代初頭、日本の音楽シーンにおいて「ガールズ・メタル・バンド・ブーム (Girls Metal Band Boom)」、通称「嬢メタル (Jo-Metal)」と呼ばれるムーブメントが勃興した。

Biography

CYNTIA
ガールズ・メタル・シーンの革新者としての軌跡、音楽的変遷、全貌

1. CYNTIA (シンティア) の出現とその歴史的意義

2010年代初頭、日本の音楽シーンにおいて「ガールズ・メタル・バンド・ブーム (Girls Metal Band Boom)」、通称「嬢メタル (Jo-Metal)」と呼ばれるムーブメントが勃興した。 Aldious (アルディアス) やDestrose (デストローズ) といったバンドがインディーズ・シーンで注目を集める中、一際異彩を放ち、シーンのメインストリーム化を決定づける役割を果たしたのがCYNTIA (シンティア) である。

CYNTIAは、2011年に東京 (Tokyo, Japan) で結成された。CYNTIAの最大の特徴は、伝統的なヘヴィ・メタル (Heavy Metal) やパワー・メタル (Power Metal) の様式美を継承しつつも、キーボードを全面的にフィーチャーした煌びやかなサウンド・プロダクションと、元アイドルという経歴を持つボーカリストによるキャッチーなメロディラインを融合させた点にある。この「メロディック・パワー・メタル (Melodic Power Metal)」 と 「J-POP」の高度な融合は、メタル・ファンのみならず、アニメファンや一般のロックリスナー層をも取り込むことに成功した。

特筆すべきは、CYNTIAがこのブームの中で「最初にメジャーレーベルと契約を果たしたバンド」であるという歴史的事実である。2013年のビクター・エンタテインメント (Victor Entertainment)との契約は、ガールズ・メタルがサブカルチャーの枠を超え、商業音楽として成立することを証明した転換点であった。

2. バンド・バイオグラフィ: 結成から復活までの詳細な年代記

2.1 胎動期: 運命的な出会いと結成 (2011年)

CYNTIAの結成は、あるミュージックビデオ (MV) の撮影現場での出会いに端を発する。2011年春、ギタリストのYUI (ユイ) とドラマーのKANOKO (カノコ) は、シンフォニック・メタル・ユニット 「LIV MOON (リヴ・ムーン)」のPV撮影現場で共演した。当時、YUIは相川七瀬 (Nanase Aikawa) のライブサポートを務め、ギターメーカーIbanez (アイバニーズ)の広告塔や東京モーターショー (Tokyo Motor Show) のトヨタ (Toyota) ブースでの演奏など、若手実力派ギタリストとして既に注目を集めていた。一方、KANOKOも数多くのサポート・ワークをこなす売れっ子ドラマーであり、二人の出会いは必然的に「実力派のガールズ・メタル・バンド」の構想へと繋がっていった。

2011年4月、YUIとKANOKOを中心にバンドを結成。同年夏には、音大で作曲とプロデュースを専攻していたキーボードのAYANO (アヤノ)と、ベーシストのAIRI (アイリ) が加入した。特にAYANOの加入は、CYNTIAの楽曲にクラシカルな要素と複雑な構成美をもたらす重要な要素となった。

しかし、バンドの「顔」となるボーカリストの選定は難航を極めた。1年以上にわたる広範なオーディションを経て、2011年11月に選ばれたのがSAKI (サキ) であった。SAKIはかつてアイドルグループ 「C-ZONE (シー・ゾーン)」のメンバーとして活動していた経歴を持ち、その圧倒的な声量と広い音域、速度感あるパフォーマンス能力は、既存のメタル・バンドの閉鎖的なイメージを打破するために不可欠な要素であった。バンド名は、ギリシャ神話の月の女神アルテミスの別名 「Cynthia」に由来し、その英語発音を採用して「CYNTIA」と命名された。

2.2 インディーズ時代の躍進: Bright Star Recordsからの出発 (2012年)

メンバーが揃ったCYNTIAは、制作したデモテープが決め手となり、スピニング (Spinning) との契約を獲得する。2012年4月11日、CYNTIAはスピニング傘下のレーベルであり、シーンの盟友Aldious (アルディアス) が設立した 「Bright Star Records」 からデビューシングル『Run to the Future』をリリースした。

このデビューシングルは、疾走感溢れるパワー・メタル・ナンバーでありながら、サビではJ-POP的な親しみやすさを提示し、メタル専門誌やファンの間で高く評価された。しかし、順調な滑り出しに見えた直後、ベーシストのAIRIが体調不良を理由に活動を一時休止し、同年6月に正式に脱退するという事態に見舞われる。

バンドは活動を止めることなく、サポート・ベーシストとしてAZU (アズ) を迎える。AZUは、ガールズ・ロック・バンド 「LAZYgunsBRISKY (レイジーガンズブリスキー)」の元メンバーであり、そのロック然としたアグレッシブなプレイスタイルと5弦ベースを駆使した重低音は、CYNTIAのサウンドにより厚みと攻撃性を加えることとなった。

2012年9月5日、1stフルアルバム 『Endless World』をリリース。このアルバムはオリコン週間チャートで22位を記録し、インディーズの新人バンドとしては異例のヒットとなった。アルバムリリース後の同年11月、AZUは正式メンバーとしてバンドに加入し、SAKI、YUI、AZU、AYANO、KANOKOという、バンドの黄金期を支える5人体制が確立された。

2.3 メジャー・デビューとシーンの頂点へ (2013年~2014年)

2013年、CYNTIAは日本のガールズ・メタル・シーンにおける記念碑的な一歩を踏み出す。大手メジャーレーベルであるビクター・エンタテインメント (Victor Entertainment / Colourful Records) と契約を結び、3月20日に2ndアルバム 『Lady Made』でメジャーデビューを果たした。これは「嬢メタル・ブーム」出身のバンドとして初のメジャー進出であり、シーン全体の地位向上に大きく貢献した。アルバムはオリコンチャート23位を記録した。

同年7月には、浜田麻里(Mari Hamada) の往年のヒット曲をカバーしたシングル『Return to Myself ~しない、しない、ナツ。』をリリース。この楽曲では、メンバーが水着姿を披露するなど、アイドル的なビジュアル展開も辞さない姿勢を見せ、メタル・ファン以外の層へのアピールを強化した。

2014年は、CYNTIAにとって商業的なピークを迎えた年である。1月にはテレビ朝日系アニメ『聖闘士星矢Ω(Saint Seiya Omega)』のオープニングテーマに起用されたシングル『閃光ストリングス(Senkou Strings)』をリリース。続く2月12日にリリースされた3rdアルバム『Limit Break』は、オリコン週間チャートで自己最高となる9位を記録し、トップ10入りを果たした。このアルバムでは、従来のメタル・サウンドに加え、デジタル・シーケンスやトランスの要素を融合させた「トランス・メタル (Trance Metal)」とも呼べる独自のスタイルを確立し、バンドの進化を印象付けた。

ライブ活動も精力的に行い、2014年4月には新宿BLAZE (Shinjuku BLAZE) でのワンマンライブを含むツアー 「CYNTIA LIVE TOUR 2014-Limit Break-」 を成功させた。また、LIGHT BRINGER (ライト・ブリンガー) とのカップリングツアー 「Lovely Music Tour 2014」も行い、下北沢GARDEN (Shimokitazawa GARDEN) や大阪MUSE (Osaka MUSE) など全国を巡回した。

2.4 音楽性の深化とメンバーの離脱 (2015年)

2015年に入ると、CYNTIAは「メタル」というジャンルの枠組みを超え、「女性としての強さと可憐さ」をテーマにしたコンセプトの探求を始める。1月にはフジテレビ系ドラマ『イタズラなKiss2~Love in TOKYO』の主題歌 『KISS KISS KISS』を、2月にはアニメ『暁のヨナ(Yona of the Dawn)』のオープニングテーマ 『暁の華 (Akatsuki no Hana)』 を立て続けにリリースし、タイアップ戦略を加速させた。

同年2月18日、4thアルバム『Woman』 をリリース。オリコン37位を記録したこのアルバムは、ポップ・ロックやバラードの要素を大幅に取り入れ、より歌を聴かせる方向へとシフトした。3月にはTSUTAYA O-EASTにてワンマンライブ 「CYNTIA LIVE TOUR 2015 PRETTY WOMAN」を開催し、大盛況を収めた。

しかし、バンドに衝撃が走る。2015年4月、結成メンバーでありバンドの屋台骨を支えていたドラマーのKANOKOが脱退を発表した。これにより、バンドはSAKI、YUI、AZU、AYANOの4人体制となり、サポートドラマーを迎えての活動を余儀なくされる。

2.5 レーベル移籍、新境地、そして活動休止 (2016年~2018年)

KANOKO脱退後の2016年、バンドは活動の拠点をVillage Again Association (ヴィレッジ・アゲイン・アソシエーション/VAA) に移した。同年12月14日、5thアルバム『Urban Night』をリリース。このアルバムは、タイトルが示す通り都会的で洗練されたサウンドを志向し、ファンクやAOR (Adult Oriented Rock) の要素も取り入れた意欲作であった。オリコンチャートでは33位を記録した。

しかし、2017年に入ると、ギタリストのYUIが右腕の不調を訴えるようになる。診断の結果は、ミュージシャンにとって深刻な神経疾患である「フォーカル・ジストニア (Focal Dystonia)」であった。精密な演奏技術を要するYUIにとって、これは演奏活動の継続が困難であることを意味していた。治療に専念するため、バンドは苦渋の決断を下す。

2017年12月、CYNTIAは公式サイトおよびSNSを通じて、2018年1月13日のライブをもって無期限活動休止 (Indefinite Hiatus) に入ることを発表した。

2.6 沈黙を破る再会: 一夜限りの復活 (2024年)

活動休止から約7年の沈黙を経た2024年、CYNTIAの歴史に新たな1ページが刻まれた。バンドは2024年11月29日、神奈川県のCLUB CITTA' (Kawasaki Club Citta') にて一夜限りの復活ライブ「Queen of the Night」を開催した。

このイベントは、かつてのレーベルメイトであり、ガールズ・メタル・シーンを共に牽引した盟友Aldiousとのツーマン・ライブであった。Aldious側も元メンバーであるRe:NO (リノ / Vocal) とAruto (アルト / Drums) をゲストに迎えた特別編成で出演し、文字通り「夢の共演」が実現した。ジストニアと闘い続けたYUIを含むメンバーが再びステージに立ち、往年の楽曲を披露したこの夜は、CYNTIAの音楽が色褪せていないことを証明すると同時に、ファンとの絆を再確認する感動的な場となった。SAKIは「この夜だけは、変わることの無い皆様の笑顔にお会い出来ることを, 心待ちにしております!」とコメントを残している。

3. メンバー・プロフィール詳細

現メンバー (最終ラインナップ / 2024年復活時)

SAKI (サキ)
  • 担当: Vocals
  • 在籍期間: 2011年11月 - 現在
  • 経歴・特徴:
    • 元アイドルグループ 「C-ZONE」のメンバーとして活動していた異色の経歴を持つ。名字は「岩崎 (Iwasaki)」とされる情報もあるが、活動時はSAKI名義で統一されている。
    • アイドル時代に培った観客を煽るパフォーマンスと、メタル・ボーカリストとしての力強いハイトーンボイスを兼ね備える。
    • 作詞の多くを担当し、ポジティブで力強いメッセージ性の高い歌詞を得意とする。
    • ファンクラブ名は「さきおきち。(Sakiokichi)」。
YUI (ユイ)
  • 担当: Guitar, Chorus
  • 在籍期間: 2011年4月 - 現在
  • 経歴・特徴:
    • バンドの創始者であり、リーダー的存在。
    • 相川七瀬 (Nanase Aikawa) のサポートギタリストを務めるなど、セッション・ミュージシャンとしての実績も豊富。
    • 東京モーターショーのトヨタブースで演奏するなど、テクニテクニカルなプレイには定評がある。
    • Ibanez (アイバニーズ) のギターを使用。速弾きから泣きのメロディまで幅広いプレイスタイルを持つ。
    • 2017年よりフォーカル・ジストニアの治療を行っている。
AYANO (アヤノ)
  • 担当: Keyboards, Piano, Chorus
  • 在籍期間: 2011年夏 - 現在
  • 経歴・特徴:
    • 音大出身で、作曲・プロデュースを専攻していたアカデミックな背景を持つ。
    • CYNTIAのサウンドにおける特徴的なシンセサイザー・サウンドやピアノ・アレンジを一手に引き受ける。
    • 楽曲の主要なコンポーザーの一人であり、アニメ『聖闘士星矢Ω』の『閃光ストリングス』などの作曲も手掛けた。
AZU (アズ)
  • 担当: Bass, Chorus
  • 在籍期間: 2012年6月 (サポート) / 2012年11月 (正規) - 現在
  • 経歴・特徴:
    • ガールズ・ロック・バンド「LAZYgunsBRISKY」の元ベーシスト。
    • 5弦ベースを使用し、重厚なボトムエンドを支える。フィンガーピッキング主体の骨太なプレイスタイルが特徴。
    • AIRI脱退後の緊急事態にサポートとして参加し、そのまま正式メンバーとなった。

旧メンバー (Past Members)

KANOKO (カノコ)
  • 担当: Drums, Percussion
  • 在籍期間: 2011年4月 - 2015年4月
  • 経歴・特徴:
    • バンドの共同創始者。
    • 数多くのサポート・ワークをこなしていた売れっ子ドラマー。
    • ツーバスを駆使した手数の多いパワフルなドラミングで、初期CYNTIAのメタル・サウンドの屋台骨を支えた。
AIRI (アイリ)
  • 担当: Bass
  • 在籍期間: 2011年夏 - 2012年6月
  • 経歴・特徴:
    • 初期メンバー。デビューシングル『Run to the Future』のレコーディングに参加したが、体調不良により早期に脱退を余儀なくされた。

4. ディスコグラフィ (Discography)

CYNTIAの作品群は、初期の正統派メタルから、中期のトランス・メタル、そして後期のポップ・ロックへの変遷を辿ることができる。以下に主要な作品を詳細に記載する。

4.1 スタジオ・アルバム (Studio Albums)

1st Album: Endless World (エンドレス・ワールド)
  • 発売日 (Released): 2012年9月5日
  • レーベル (Label): Bright Star Records / Spinning
  • オリコン最高位 (Peak Position): 22位
  • 概要: インディーズ時代唯一のフルアルバムであり、バンドの初期衝動が詰まった一枚。「嬢メタル」の王道を行くスピード感とメロディが共存している。
曲順 タイトル (Title) 時間 (Time) 備考
1 Moonlight Roulette (ムーンライト・ルーレット) 5:55 代表曲の一つ。MVも制作された。
2 色葬和音 (Shikiso Waon) 4:16
3 The Endless World 4:25
4 Run to the Future (Album Version) 4:11 デビューシングルのアルバム版。
5 Through the Fire and the Desire 5:10
6 黎明 (Reimei) 5:37
7 Beyond the World 4:25
8 Meteor Calling 5:56 1stシングルC/W曲。
9 Shaman Dance 4:45
10 Voice (Album Version) 6:48 1stシングルC/W曲。
11 幻覚の太陽 (Genkaku no Taiyou) 8:54 プログレッシブな大作。
2nd Album: Lady Made (レディ・メイド)
  • 発売日 (Released): 2013年3月20日
  • レーベル (Label): Colourful Records / Victor Entertainment
  • オリコン最高位 (Peak Position): 23位
  • 概要: メジャーデビュー作。ビクターへの移籍により音質が向上し、楽曲のバリエーションも広がった。K-POP的なシンセリフを導入するなど、独自性を模索し始めた時期の作品。
曲順 タイトル (Title) 時間 (Time) 備考
1 深愛エゴイズム-extended- (Shinai -Egoism) 4:52 先行シングル曲の拡張版。
2 I Will 4:03
3 IV 4:27
4 Fly away 4:18
5 Chilly Nights 4:14
6 Lady Made 3:30 タイトル・トラック。
7 Jewel Stars 5:22
8 箱庭のイデア (Hakoniwa no Idea) 4:47
9 Wish 5:29
10 Raison d'etre 4:46
11 睡蓮と蝶 (Suiren to Chou) 5:45 ライブでの定番曲。
12 メロリィ (Melody) 4:28
3rd Album: Limit Break (リミット・ブレイク)
  • 発売日 (Released): 2014年2月12日
  • レーベル (Label): Colourful Records / Victor Entertainment
  • オリコン最高位 (Peak Position): 9位
  • 概要: バンド史上最大のヒット作。アニメタイアップによる知名度向上と、デジタル・サウンドとメタルの融合 (トランス・メタル) が結実した作品。
曲順 タイトル (Title) 時間 (Time) 備考
1 閃光ストリングス (Senkou Strings) 4:20 アニメ『聖闘士星矢Ω』主題歌。
2 Ride on Time 4:11 映画『甘い鞭』イメージソング。
3 GeAr. 3:50
4 カルマ (Karma) 4:44
5 Plant 4:52
6 Night Flight 4:14
7 エレウテリア (Eleutheria) 4:40
8 SSS 4:11
9 孤影悄然 (Koei Shozen) 5:32
10 シオン (Shion) 6:21
11 Limit Break 9:31 アルバムを締めくくる長尺曲。
4th Album: Woman (ウーマン)
  • 発売日 (Released): 2015年2月18日
  • レーベル (Label): Victor Entertainment
  • オリコン最高位 (Peak Position): 37位
  • 概要: 「大人の女性」をテーマに、よりJ-POP/J-ROCKに接近した作品。複数のタイアップ曲を収録し、多様な音楽性を提示した。
曲順 タイトル (Title) 時間 (Time) 備考
1 暁の華 (Akatsuki no Hana) 3:57 アニメ『暁のヨナ』主題歌。
2 Woman 3:56
3 シニシズム (Cynicism) 4:10
4 chapter1 4:41
5 君がいない世界 (Kimi ga Inai Sekai) 4:28
6 KISS KISS KISS 4:45 ドラマ『イタズラなKiss2』主題歌。
7 GIRL to WOMAN -prologue- 0:17 インストゥルメンタル。
8 luckystar 4:31
9 勝利の花束を-gonna gonna be hot!- 3:40 アニメ『テンカイナイト』 ED曲。
10 letter 4:27
11 リックリリック (Rick Lyric) 4:18
5th Album: Urban Night (アーバン・ナイト)
  • 発売日 (Released): 2016年12月14日
  • レーベル (Label): VAA (Village Again Association)
  • オリコン最高位 (Peak Position): 33位
  • 概要: 4人体制でのラストアルバム。メタル色は後退し、ファンク、ジャズ、シティ・ポップの要素を取り入れた、文字通り 「アーバン(都会的)」なサウンド。
曲順 タイトル (Title) 時間 (Time) 備考
1 introduction 1:44
2 Urban Night 4:17 タイトル曲。
3 ハピネス (Happiness) 3:30
4 Bless of the Fire 4:27 アルディアスのトキ (Toki) がギター参加。
5 Life Goes On 4:22
6 Un!verse 4:34
7 不眠症シンデレラ (Fuminshou Cinderella) 4:06
8 If 3:39
9 Call Me 5:56

4.2 シングル・EP (Singles & EPs)

タイトル (Title) 発売日 (Released) 形態 詳細・備考
Run to the Future 2012.04.11 Single インディーズデビュー作。カップリングに「Meteor Calling」「Voice」。
深愛エゴイズム 2013.01.09 Digital メジャーデビューに先駆けた配信限定シングル。
Return to Myself ~しない、しない、ナツ。 2013.07.31 Single 浜田麻里のカバー。c/w 「キラキラ☆シャングリラ」 「Day Dream」。
閃光ストリングス 2014.01.08 Single アニメ『聖闘士星矢Ω』主題歌。バンド最大のヒットシングルの一つ。
勝利の花束を-gonna gonna be hot!- 2014.09.03 Single アニメ『テンカイナイト』EDテーマ。
KISS KISS KISS 2015.01.07 Single ドラマ『イタズラなKiss2』主題歌。ポップでダンサブルな楽曲。
暁の華 2015.02.18 Single アルバム 『Woman』 と同時発売。アニメ『暁のヨナ』OPテーマ。

5. ライブ活動と主要な会場 (Live History & Venues)

CYNTIAのライブ活動は、都内のライブハウスを拠点としつつ、キャリアを重ねるごとに大規模な会場やフェスティバルへと拡大していった。

年 (Year) 公演名/ツアー名 (Tour Name) 主要会場 (Venues) 詳細 (Details)
2013 NAONのYAON 2013 日比谷野外音楽堂 (Hibiya Open-Air Concert Hall) SHOW-YA主催の伝説的イベントに出演。
2013 Live 2013 "レリゴ! レリゴ! レリゴ!" TSUTAYA O-WEST メジャーデビュー後の主要ライブ。映像作品化されている。
2014 CYNTIA LIVE TOUR 2014 -Limit Break- 新宿BLAZE (Shinjuku BLAZE), 阿倍野ROCKTOWN, 名古屋ell.FITS ALL 初の本格的な東名阪ツアー。ファイナルは新宿BLAZE。
2014 Lovely Music Tour 2014 下北沢GARDEN (Shimokitazawa GARDEN), 札幌Sound Lab mole, 大阪MUSE LIGHT BRINGERとのカップリングツアー。
2014 NAONのYAON 2014 日比谷野外音楽堂 2年連続出演。ガールズバンドシーンの中核としての地位を確立。
2015 CYNTIA LIVE TOUR 2015 PRETTY WOMAN TSUTAYA O-EAST, 心斎橋Music Club JANUS, 名古屋Electric Lady Land キャリア最大規模のワンマンツアー。
2015 NIGHT AND DAY 渋谷WWW (Shibuya WWW) 11月開催。
2016 Urban Night Release Events 各地 VAA移籍後のプロモーション活動。
2016 柳菊“珍”道中膝栗毛vol.壱 代官山LOOP (Daikanyama LOOP) YANAKIKUらとの対バンイベント。
2024 CYNTIA X Aldious 「Queen of the Night」 川崎CLUB CITTA' (Kawasaki Club Citta') 11月29日開催。Aldious (with Re:NO & Aruto) とのツーマン形式による復活ライブ。

6. Conclusion

6.1 音楽的進化の軌跡

CYNTIAの音楽的変遷は、大きく3つのフェーズに分類できる。

  1. 正統派嬢メタル期 (2011-2012): 『Endless World』に代表される、疾走感とテクニックを前面に出したパワー・メタル・スタイル。Aldious等の流れを汲みつつ、よりキーボードを強調したサウンド。
  2. トランス・メタル~メディアミックス期 (2013-2015): 『Limit Break』から『Woman』に至る時期。アニメやドラマとのタイアップを意識し、シンセサイザーのシーケンス音やダンサブルなビートを導入。メタル・ファン以外の層 (アニメファン、アイドルファン) へのアプローチを強化した。
  3. アーバン・ロック期 (2016-2017): 『Urban Night』期。メタルの枠を完全に超え、ファンクやAORなどメンバーのルーツにある多様なジャンルを融合。音楽的な成熟を見せたが、結果的にこれが活動休止前の最終形態となった。

6.2 シーンにおける遺産

CYNTIAは、ガールズ・メタル・バンドが「色物」として見られがちだった時代に、確かな演奏技術とメジャーレーベルの戦略を組み合わせることで、商業的な成功 (オリコンTOP10入り) を収めた先駆者である。特に、SAKIという強力なボーカリスト (フロントマン)の存在により、メタルというジャンルの敷居を下げ、よりポップで親しみやすいエンターテインメントへと昇華させた功績は大きい。2024年の復活劇は、CYNTIAが築き上げた「ガールズ・メタル」の文化が、単なる一過性のブームではなく、ファンとアーティストの間に強固な絆を持つ成熟したシーンへと発展したことを如実に示している。

Trivia

バンド名の由来は、レーベルの公式プロフィールに一行だけ添えられている。Cyntiaは、Cynthia と Tiara を掛け合わせて生まれたバンドネームである。

出典: ビクターエンタテインメント Cyntia プロフィール

メジャー・デビューより前に、彼女たちは東京ドームのステージに立っている。2013年1月、KARAの東京ドーム公演のバックバンドに抜擢されたのである。YUIがギター、AZUがベース、KANOKOがドラム、AYANOがキーボードという編成で、5万人を前に「シンティア」と紹介された。

出典: ビクターエンタテインメント Cyntia プロフィール

バンドが生まれたきっかけは、別のアーティストのミュージック・ビデオの撮影現場だった。LIV MOONのMV撮影にYUIと前任ドラマーが呼ばれたのだが、そこに集められた他の面々はタレントで、実際に楽器を弾けるのはその2人だけだった。それなら女の子だけを集めてバンドを組んだらどうか、という企画が持ち上がり、YUIとKANOKOを中心にCYNTIAが結成されている。

出典: 激ロック インタビュー(CYNTIA)

ヴォーカルのSAKIは、CYNTIAのオーディションに一度落ちている。当時の彼女はロックを意識して聴いてこなかった人で、オリコンの1位から20位までをとりあえず聴くようなタイプだったという。そこから人生で初めてボイストレーニングに通い、SHOW-YAに出会って女性のハード・ロックはかっこいいと思うようになった。そして再びオーディションを受け、メンバーになっている。

出典: 激ロック インタビュー(CYNTIA)

SAKIがCYNTIAのオーディションで歌ったのは、偶然にもSHOW-YAの「限界LOVERS」だった。ただし採用後、無理にSHOW-YAへ寄せると自分らしさがなくなると言われたため、それからは何も考えずに歌っているのだという。このジャンルだからこう歌わなければならない、という決まりはないと思っている、というのが彼女の考えである。

出典: 激ロック インタビュー(CYNTIA)

2015年4月、リーダーを務めていたドラマーのKANOKOが脱退した。彼女は結成の中心にいた2人のうちの1人でもある。バンドは同年10月にレーベルをVillage Again Associationへ移籍し、4人編成での初のアルバム『Urban Night』を2016年12月にリリースした。

出典: 音楽ナタリー(CYNTIA アーティスト紹介欄)

ドラマーの脱退後、バンドは約4か月間ライブができなかった。SAKIによれば、活動を始めてからの5年間でそれほどライブをやらなかったのは初めてで、その時期が一番つらかったという。サポート・ドラマーを決めるのにも時間がかかった。女性のドラマーがいいと思っていたものの、CYNTIAの曲は難しいのでなかなか見つからなかったのだそうだ。サポートが決まってからは少しずつライブができるようになった。

出典: 音楽ナタリー CYNTIA「Urban Night」インタビュー

2015年の8月・9月・11月に行われた3本のワンマンで、バンドはそれまでにリリースした曲を全部演奏した。しかもそのうち1日はアコースティック・スタイルと通常のバンド・スタイルの2回公演で、アコースティック用にアレンジし直した曲も多かった。さらにメンバーから新曲もやりたいという声が出て、SAKIによれば準備の時間がまるで足りず、それなら寝ないという状態にまで追い込まれたという。ライブを終えたことでこれまでのバンドの歩みを振り返ることができ、次に何をやるべきかが見えてきたとAZUは述べている。

出典: 音楽ナタリー CYNTIA「Urban Night」インタビュー

トリビアをすべて見る(全20件)

Albums

Urban Night CD
/

都会的なメロディと鋭いギターを結び、CYNTIAの新章を鮮やかに示すアルバム。

Woman CD
/

華やかな歌と技巧的なギターを結び、CYNTIAのメロディック・メタルをポップに開いた作品。

Limit Break CD
/

鮮やかなキーボードとツイン・ギターで、CYNTIAの疾走系メロディック・メタルを磨いた作品。

Lady Made CD
/

煌びやかな鍵盤とツイン・ギター、伸びやかな歌を結び付けたCYNTIAのメジャー初作。

Endless World CD
/

華麗なツイン・ギターと伸びやかな歌で、CYNTIAのメロディック・メタルの出発点を示すデビュー作。