『Vacant Throne』は、Zilqyが「日本発Global All Female Metal Band」というコンセプトを、短いEPの中へ明確に刻み込んだデビュー作だ。Annaのバイリンガルなヴォーカルは、伸びやかなメロディと切迫した叫びを行き来し、Tokiのギター、Mihoのベース、Kanoのドラムが重く鋭い土台を築く。サウンドはニューメタルやメタルコアの質感を持ちながら、歌の輪郭には日本的なメロディの強さが色濃く残る。
幕開けの“Carry On”は、バンドの始動を告げるアンセムとして力強いフックで開ける。“Disguise”“Bleeding Love”では暗い感情とモダンなグルーヴを深め、“Cannonball”はEP随一の突進力でステージ映えするエネルギーを放つ。締めの“Realize”は、より明るい解放感で幕を引き、バンドの志向が攻撃性だけでなく広がりも備えていることを示す。5曲がそれぞれ異なる角度からZilqyの可能性を映し出す。
世界基準の音像を志向しつつ、メンバーそれぞれの経歴を新しい名前のもとで再接続した本作は、まさにタイトルが示す“空席の玉座”へ向かう確かな第一歩である。すでに一過性のプロジェクトに留まらない強い個性を備えており、これからの飛躍を期待させる、鮮烈なデビューEPだ。