『FOURTH DIMENSION』初回限定盤は、Lonesome_Blueが2026年8月26日にキングレコードから放つ2ndフル・アルバムを、最も情報量の多い形でまとめたエディションである。タイトルの“第四次元”には、バンドにとって4作目のフィジカル作品であることと、ギタリストSallyを迎えて4人体制になったことが重ねられている。野村麻衣子(Vocal)、広瀬ゆうき(Bass, Vocal)、MIZUKI(Drums)という三者の関係性の上に、新しい弦の声が加わったことで、音の奥行きと役割分担が明確に更新された。
本編CD1の10曲は、サウンド・プロデューサーにMaoを迎え、メロディと鋭さを同時に立てる方向で統一されている。先行曲“EVERGLOW”は、開けたサビと硬質なリフを衝突させずに共存させ、新体制の名刺として機能する。Sallyが作曲した“Ideal Blue”、MIZUKIが作曲した“Blue Canvas”、野村麻衣子が作詞した“Burn This Night”というメンバー自身のクレジットは、外部に預けきらない当事者性を作品へ持ち込んだ。直線的でありながら展開の妙を残す“New Breed”、抑制から解放へ向かうパワー・バラード“The Rose of Peace”、そして“ALIVE!”へ至る後半は、演奏力を誇示するのではなく、曲の感情が着地する場所を丁寧に用意している。
初回限定盤だけに付属するボーナスCDは、アニメ・ソング2曲のカバーである。TOM★CATの“TOUGH BOY”(『北斗の拳2』OP)は、80年代の乾いた緊張感をバンドの重心へ移し替え、fripSideの“only my railgun”(『とある科学の超電磁砲』OP)は、疾走感の強い電子的な原曲を生演奏の推進力へ翻訳する。声優としてアニメの現場に立つメンバーがいるバンドにとって、この2曲は単なる余興ではなく、自分たちの出自を正面から扱う選曲だ。本編で提示した「今の4人」と、ボーナス・ディスクが示す「ここへ至る回路」。その両方を一つのパッケージで聴けることが、この初回限定盤の価値である。