ARTIST
Borderland
本作『Borderland』は、AMORPHISが、フィンランドならではの、あの深い哀愁、プログレッシヴ・メタルの、緻密な構築美、そして、フォーク的な、美しい旋律感とを軸に、丹念に磨き上げた、2025年の作品だ。ギターは、重く力強くうねり、キーボードは、まるで霧のような、幻想的な空気を作り出し、楽曲は、深い暗さと、確かな温かさとの間を、静かに進んでいく。ベテランとなってなお、その創作意欲と、音楽的な深みは、少しも衰えていないことを示す一枚である。
トミ・ヨーツェンの、深く重いグロウルと、澄んだ美しいクリーン・ヴォーカルとが、絶えず交差し、その境界地帯というタイトルに、実にふさわしい、鮮やかな二面性を生み出している。ヘヴィな場面であっても、その豊かなメロディの輪郭は、決して失われることがなく、静かで美しいパートが、その後に訪れる、力強い爆発を、より大きく感じさせていく。エサ・ホロパイネンの、叙情的なギターが光る。
重く反復するリフ、民謡的な、独特の節回し、そして、コーラスの、深い開放感とが、どのように結び付いていくのかを、じっくりと追いたい一枚だ。暗く、美しい叙情と、金属的な、確かな力とを、同時に味わうことのできる、実にAMORPHISらしい、奥行きのある作品と言える。フィンランドの深い叙情を、現在進行形で描き続ける、聴き応えのある一枚だ。
TRACK LIST
- 1.The Circle
- 2.Bones
- 3.Dancing Shadow
- 4.Fog To Fog
- 5.The Strange
- 6.Tempest
- 7.Light And Shadow
- 8.The Lantern
- 9.Borderland
- 10.Despair